IMG_0341


二ノ宮知子 著 祥伝社
 酔っ払いとしては、平均的な世の人より経験を積んでいるし、カノ誌にも書いてあるように、カンチョー大会したり、道端で七面鳥の丸焼きを広げて酒盛りしたり、格闘ごっこして、友達をぶん投げたり、ぶん殴られたり、夜中に大騒ぎして隣家の叔父さんに怒られたりしている私ですが、同マンガの作者である、自称「飲みながら仕事するまんが家兼よっぱらい研究所・所長」の二ノ宮氏には到底かなうところではない。 

 このマンガは、作者のノンフィクションな飲酒生活を綴ったエッセイ・マンガだ。 
 友達と3人でバーで野球拳を始めて、それが周りの客や店員まで巻き込み、店内に素っ裸な酔っ払いが闊歩しちゃう状況になって、翌日、それを思い出して頭を抱える。あるいは酔っ払って公園のカップル合計12組を爆竹や花火で蹴散らし、調子に乗って夜中の都庁でも花火を打ち上げてパトカーに追いかけられたりなんてことを、20代も半ば過ぎている女性が繰り返しているという恥ずかしい日常を披露している。 
 研究成果はおおむね、酔っぱらいは頭が悪いということだ。
 そして最後は、「でも・・・まあいっか、だってよっぱらいだもん きのうのわたしはよっぱらいであってわたしじゃないのよ」で済ませてしまう。こんな話で単稿本1冊を埋めている、そういうマンガだ。 
 作者は、秩父の酒豪一族の生まれで、小学生のうちから隣の親戚に呼ばれてお酌をして、ついでにコップ酒を5~6杯あおって、翌日二日酔いになったり、高校時代に酒屋の息子にビールを持って来させ、部活の後輩と宴会をして、翌日全員を遅刻させたりという激しい鍛え方をしてきた、酔っぱらい界の血統書付きサラブレッドなのだ。 
 よく、こんな生活を少女時代から繰り返して、体がなんともないなと思って読んでいたら、後半で血を吐いていたぞ。ハハハ、やっぱり。 
 旭川に住む友人の大西氏の座右の書ということだったので、紹介してみたけど、買ってまで読むマンガじゃないと思う。立ち読みか、我が家をお訪ねの際にでもパラパラとめくっておくれ(自分は結局買ってる)。  

※この記事は1998.2.14に書いたものを訳あって今ごろになって再掲載したものです。
 まさか、この記事を書いたときには、よもや「のだめカンタービレ」等のベストセラーを排出する大人気漫画家になるとは思っても見ませんでした。大変お見それいたしました。人間いつ化けるか分からないものですね、あきらめず前向きに生きましょう。