今年は、コロナ禍のせゐで生活が随分と変つてしまつた。その最たるものが在宅勤務で、私が勤めてゐる会社にも在宅勤務制度はあつたものの、私はその制度を実際に使つたことはなかつた。いろいろと理由を付けてはゐたが、今になつて考へると、その頃の私は「会社に行くことが仕事だ」と思つてゐたのだと思ふ。

 ところが、支那由来の伝染病が世界を席巻すると、否応なしに在宅勤務をしなければならなくなつた。東京都心への通勤が不要になつたことは感染防止の観点からも大変素晴らしいことではあつたものの、代りに自宅で仕事をするための会社のノートパソコンを持ち運ぶ必要が生じた。
 運動不足で、根性のない私には、ノートパソコン、電源ケーブル、マウスのセットがとてつもなく重く、鞄を片手で持つことが非常な負担となつてしまつた。







 保守的は私は仕事にリュックサックで行くのは「もつてのほか」だと思つてゐたけれども、パソコン持参の苦行には堪へきれず、リュックを活用することにした。
 どうせ短期間のことだからと思つて、部屋の片隅に置いたままになつてゐたリュックの埃(ほこり)を払つて、憎ッくきノートパソコンを放り込んだのである。が、この騒動にをさまる気配が感じられず長期化しそうな気配がしてきたので、少々くたびれてきたリュックサックを買ひ換へた。いろいろ迷つたが、価格が廉価であつたことと、ポケットが多いことから、これまで使つてゐたものと同一の製品に決定。

 ケースロジックの「DLBP-116」である。古いものは5年前に購入したもので、布地がくたくたになつてはゐたが、それでもどこも壊れることなく、荷物を持ち運ぶといふ基本的な役割はきちんと果してくれた。新しいものは、布地もしつかりしてゐて、好もしい。ポケットが多数ついてゐて、通勤に最適な製品だ。

 コロナ禍で変つたこと。

 通勤にリュックサックを使ひ、会社のノートパソコンを持ち運ぶやうになつたこと。