コロナ禍で変つたことはいろいろあるが、その中の一つに外食の機会が減つたことがある。
 自宅付近でする家族との外食の頻度は変らない。減つたのは東京での外食である。

 在宅勤務の始まるまでは、出張でもなければ月曜から金曜まで毎日出勤してゐた。昼食は弁当を買つて済ませる日と、飲食店で食べる日とがあり、その割合は月により異なつた。外食のための費用は、毎月一万円から二万円程度は当てていた。幅があるのは、弁当を買つて済ませる時と、飲食店で食べる時との比率が異なるからだ。交際費も毎月数千円から二万円程度は使つてゐた。支出の多い月は少ない小遣ひでは賄へず、赤字になつてゐたものだ。

 それが、今年の四月以降は生活が激変した。

 会社に行くのは、毎週一日か二日。その出勤日も、仲の良い同僚が出勤してゐるとは限らないため、会社の近くで弁当を購入して済ませることが多くなつた。会社関係の会食は皆無となつた。

 社員旅行も今年は中止だ。旅行に行けば土産物を買つたり、現地の特産を食べたりして、それなりに金は使つてゐた。それが今年は、個人の旅行にも行く気にならない。

 ニュースで飲食店や旅行会社の窮状を聞くが、むべなるかな。日本中がこのような消費動向になつてゐるとすれば、今後これらの産業がどのやうになるのか想像もできない。