名盤CD紹介

独断と偏見で「名盤」を紹介します

2018年04月

Mari Peña / Mi Tierra

 伝統的なフラメンコには不思議な魅力がある。

 マリ・ペーニャ(Mari Peña)のフラメンコはとても伝統的だ。歌(カンテ)とギター(トーケ)と手拍子(パルマ)だけで深遠な藝術表現が可能であることを再確認できる作品である。
 ジプシー・バイオリンが聴ける作品もあり、アルバム全体を通して単調であつたり、退屈であつたりすることはない。ピアノの伴奏で歌ふ曲もあり、様々な打楽器が使用されてゐる曲も収録されてゐるので伝統一本鎗のアルバムといふわけでもないのだが、それでも全体を通して非常に典型的なフラメンコの文法に則つて歌つてゐるといふ印象であり、個人的には好感が持てる歌手である。

 これを聴くと、フラメンコの魔力を感じることができるはずだ。


 


 



 



「ルイ・アーサー・チャールズ」? 「ルイス」では?

 報道によると、ウィリアム王子夫妻の第三子の名前が「ルイ・アーサー・チャールズ」に決つたと発表された、とのことである。

 まづ私の脳裏に浮かんだ疑問は、何故「ルイス」ではなく「ルイ」なのか、といふことであつた。欧州諸語はそれぞれの言語ごとに発音の法則があつて、同じ綴りでも頑固に自国式の発音を守る。さう私は思つてゐたからである。英語で読むなら「ルイス・アーサー・チャールズ」フランス語で読むなら「ルイ・アルトュール・シャルル」のはずなのだ。
 チャールズ皇太子、ウィリアム王子、ジョージ王子、シャーロット王女、どれも律儀にイギリス式の発音になつてゐる。あ、シャーロットはフランス語としても多分シャーロットだらうけれども。

 綴りは「Louis Arthur Charles」だから英語ではルイス、フランス語でルイだと思っていた。
 BBCの記事にも、「発音についても混乱が予想される。この場合、Louisは『ルイス』ではなく『ルイ』と発音する」とあることから、Louisを「ルイ」と読ませるのは注釈が必要なことであると推察できる。

 イギリス王室はかの征服王ウィリアム(ノルマンディー公ギヨーム、イギリス国王にしてフランス国王の臣下ノルマンディー公)の末裔なので、特別にフランス語読みするのではないか、といふ疑問も湧いた。確かに、征服王ウィリアムは日常的にフランス語を話してゐたはずだが、それも千年も前のことである。

 色々調べてたどり着いたのが、ウィキペディア(英語版)の記事だ。

 曰く、
Louis (UK: /ˈluːi/ or US: /ˈluːɪs/; French pronunciation: ​[lwi]) is the French form of the Old Frankish given name Chlodowig (Modern German: Ludwig) and one of two English forms,[1] the other being Lewis (/ˈluːɪs/). 

 これで、一応疑問が解消した。この記述を信用するならば、英国では「ルイ」、米国では「ルイス」と発音するらしい。

 本当かな?


 



Althea Rene Performs "Number One" (LIVE)

 先日紹介した、Althea Rene(アルティーア・レナ) の生演奏の映像を紹介しよう。一見してライブ・アルバム「Live in Detroit」の録音風景のやうに見える。あるいは、その前後に別のステージで演奏したものなのかも知れない。が、録音状態が非常によりことから考へると、前者である可能性が高いと思ふが如何だらうか。

 

 YouTube の投稿アカウントが「Soul-Jazz Flutist Althea Rene」となつてゐることを信用するならば、彼女は自身のことをソウル・ジャズ・フルーティストと呼んでゐるやうである。なるほど、彼女の音楽はソウル・ジャズといふと理解できる。

 このライブ・アルバムは先日紹介した「In the Flow」と同様の傑作である。黒人音楽(ブラック・ミュージック)が好きな人にはお薦めのソウル・ジャズだ。


 


 



 

フラメンコの魅力

 フラメンコ

 心に沁みる深い歌声

 独特のリズム

 不思議な和音を奏でるギター

 

 フラメンコは世界中で聴かれ、演奏されてゐる。大衆に聴かせるために、もともと持つてゐた土着の魔力は薄まつてしまつた。スパイスのやうに楽曲の中にかをりだけが感じられる程度までに。

 我が敬愛するパコ・デ・ルシアのアルバムでさへ例外ではない。パコの音楽はヌエボ・フラメンコ(nuevo flamenco:新しいフラメンコ)であり、パコはフラメンコ音楽の革新者なのである。

 最も伝統的なフラメンコは歌(カンテ)だけで成立する。これに、ギターによる伴奏(トーケ)がつくのが一般的だ。ギターの伴奏があつた方が、より素晴らしい。それ以外の楽器は手拍子(パルマ)だけで十分だ。これが濃度百パーセント。強烈な魔力を秘めた純粋なフラメンコである。

 パコ・デ・ルシアやトマティート、ビセンテ・アミーゴの音楽が好きな方におすすめしたい、より本格的なフラメンコが聴けるアルバムを見つけた。MP3データの販売になるが、「スペイン音楽 フラメンコ . 1」がそれである。シリーズ化されてゐて、第6集まで存在するので、気に入つたら集めてみるのも良いだらう。これらを足掛かりに、日本ではあまり有名ではない本格フラメンコ歌手のアルバムを集めてみるのも面白いはずだ。


 





Paco de Lucía / Canción Andaluza

 このアルバムがパコの遺作だとは気付かず、たくさんある編集物(いはゆるコンピレーション・アルバムといふやつですね)の一つだと思ひ、今日まで気にしてゐなかつた。

 何たる無知。何たる時の浪費。思ひ込みといふのは本当に怖いものである。

 

 

 けふ Amazon Music Unlimited で聴いてみて初めて気付いた。「Canción Andaluza」はフラメンコギターの神、巨匠パコ・デ・ルシア(Paco de Lucía)の遺作なのであつた。

 このアルバムに限らず、パコのアルバムも Amazon Music Unlimited で何枚も聴くことができる。フラメンコの深い深い世界の入口に立つためには、どれもおすすめのアルバムばかりである。

 この、4,000万曲聴き放題のサービスに入会してから、CDを買はうといふ気持が減つてしまつた。実際、この一箇月間、一枚もCDを購入してゐない。多い時には月に十枚以上CDを購入してゐたこの私がである。

 聴ききれないほどの楽曲に追加費用なしに手が届くのであるから、それも当然なのかもしれない。



 



 


Althea Rene / In the Flow

 Amazon Music Unlimited で音楽を聴いてゐて、素晴らしい音楽に出合つた。Althea Rene(アルティーア・レナと読むらしい) の音楽である。「Smooth Jazz」のプレイリストを聴いてゐて見付けたもので、最初に聴いたのは、「Free」といふ曲。アルバム「In the Flow」に収録されてゐる。

 Althea Rene の発音だが、インターネットではアルティーア・レナで掲載されてゐるのだが、ライブ・アルバムのアナウンスを聞くと、アルティーア・レネと紹介してゐるやうに聞えるのだが、どちらが正しいのだらうか。

 

 まだ、聴き始めたばかりだが、このアルバムがなかなか良い。ジャズといふよりも、ソウル、ファンクの要素のはうが強いやうな気がする。ここまで書いてきて、何のことはない、アシッド・ジャズぢやないかと思つたけれども、しかし、確かにアシッド・ジャズと近い部分もあるのだが、アシッド・ジャズとは何かが違ふやうである。ジャズ・ファンクと言つたはうが良いのだらうか?

 さうさう、このミュージシャンはフルート奏者である。

 

 Amazon Music Unlimited は新しい音楽との出合ひをもたらしてくれる。なかなか面白いサービスである。


 

 



SoundPEATS Q30 購入

 通勤用に無線イヤホン「SoundPEATS Q30」を購入した。音源にしてゐるスマートフォンとは、Bluetooth で接続する。都内を歩いてゐると、ごく稀に音飛びすることもあるが、それも電車に乗つてしまへば皆無となる。
 音質は低音重視と謳つてゐるとほり、出過ぎるくらゐ低音が出る。これで、チャーリー・ヘイデンとゴンサロ・ルバルカバの「The Montréal Tapes」を聴くと、ダブル・ベースの深い低音が生々しく迫つてくる。

 

 価格は四千円でお釣りがくる程度なので、費用対効果は良好である。まだ、数日しか使つてゐないので耐久性は不明だが、使ひ勝手も大変良好で、スマートフォンと有線でつなげる必要がないといふ解放感は何者にも代へがたい。

 まだ慣らし中なので、暫く使つてから評価してみたい。


 



 

イラク日報問題の狂騒

 テレビでニュースを見てゐて、イラク日報問題の報道が始まると暗い気持になる。

 自衛隊といふ名の軍隊が治安維持のために外国へ派遣されて、現地で戦闘に遭遇する。何の不思議もない出来事である。危険でないなら軍隊が出動する必要はない。治安が維持されてゐるなら警察力で十分なのだ。さういふわけにはいかないから、国連が平和維持活動を行はなければならないのではないか。

 現地の情報を正確に中央に知らせなければならないから、日報にはありのままに「戦闘」と記載するが、「世界に誇る平和憲法」を保持する我が国はこの事実を受け入れられない。異常な状態であるが、そのために、後にこれが問題になる。

 滑稽極まりない出来事だと思ふのだが、世の中一般の理解はどうもさうではないらしい。

 平和ボケもここに極まれりといふべきだらうか。

 軍法をもたない世にも稀な軍隊をそのままにしておいて、日報問題といふ些末な問題で鬼の首でも取つたやうに騒ぎ立てる野党の面々や大手報道機関の平衡感覚は一体どうなつてゐるのだらうか。
 世界有数の軍事力をもつ強大な軍隊を軍法で統制することもできず、自衛隊員が上官の命に従つて戦闘行為を行ひ、誤つて民間人を殺傷したらその個人が通常の刑法で裁かれねばならない。敵を殺すのは個々人の正当防衛である。これでは、命を懸けて国を守る軍人が憐れである。
 軍人にとつて上官の命令は絶対である。代りに、その命令の結果責任はその上官だけが負ふのが軍法の法理である。兵隊は命令に従つて行動する限り、責任を問はれてはならないのである。さうでなければ、戦闘などできないではないか。
 我が自衛隊は勲功があつても勲章をもらふことはない。諸外国でいふ略綬のやうなバッジのみである。本物の勲章を手にすることはないので、外国軍人との交際では肩身の狭い思ひをしなければならない。我が自衛隊員が諸外国の軍人と比較して能力が劣るとは私は思はないのだが、さうであるならば、この状態は何かが間違つてゐるのである。
 命を懸ける軍人にとつて最も重要なのは名誉であるはずだ。それなのに、我が国はこの軍人を遇すること厄介者のごときである。実に憂慮すべき状態だ。

 文民統制と、以上の異常な状態と、どちらが問題なのか少しは考へみてもらひたいものである。国家安全保障に係る重大な問題には見て見ぬ振りをして、些末な日報問題で騒ぎ立てるのは誠実な態度とは程遠いと思ふのは私だけなのだらうか。


 国会で議論すべき課題は山積してゐる。国会議員の諸君は、下らない政局のための狂騒はいい加減にして、経済、安全保障、社会保障について真面目に議論してもらひたいものである。



 


接点復活剤の効果をはじめて実感した

 通勤時にスマートフォンで音楽を聴いてゐると、左の音が途切れることが多くなつてきた。

 最初に疑つたのが、スマートフォン側の問題である。二年半近くにわたり、毎日欠かさず持ち歩いてゐる。そして、毎日必ずイヤホンをさして音楽を聴いてゐるのだ。この解決策はスマートフォンを買ひ換へるか、イヤホンを無線式(今流行りのBluetoothですね)のものに交換するかである。どちらも、結構金がかかる。

 次の可能性としては、イヤホン側の問題である。愛用のイヤホンは、Shure SE112。これも長期にわたつて、一年半ほど利用してゐる。このイヤホン・プラグに問題がある可能性も否定できない。この場合の解決方法はイヤホンの買ひ換へである。無線式のものにしても良い。

 考へること数日間。思ひ出したのが、昔使つてゐた「Shure SE 215」の接触不良を改善しようとして購入した接点復活財である。

 

 引出から見つけ出して早速塗つてみたところ、症状が劇的に改善。一日使つてみたのだが、時々生じてゐた接触不良は全く再現しなかつた。素晴らしい。

 イヤホンの接触不良に使用する時は、直接ジャックに塗るのではなく、一旦プラグに塗つて、そのプラグをジャックに差し込んでグリグリ回転させながらジャックにも塗布するのが肝要である。(オス側(凸)がプラグで、メス側(凹)がジャックだ。)

 効果がいつまで続くかは不明であるが、ともかく、一旦は症状が改善できたことは事実である。

 これまで、接点復活剤なるものをいくつか購入してきたが、効果を実感できたのはこれが初めてだ。


 



Halie Loren / They Oughta Write a Song...

 美人ジャズ・ボーカリスト。ヘイリー・ローレン(Halie Loren)が、ややかすれたセクシーな声で、上品で伝統的なジャズを聴かせてくれるアルバムだ。

 

 有名な曲が多く、誰でも初めて聴いたときから楽しめるだらう。

 二、三、四曲目の「A Whiter Shade of Pale」、「Blue Skies」、「Autumn Leaves」は誰もが知つてゐる曲だ。高い歌唱力でこれらの曲を歌ひ切るのは、聴いてゐてとても心地よい。

 

 「Summertime」、「The Dock of the Bay」、「As Time Goes By」も同様である。
 「Perhaps, Perhaps, Perhaps」はあのキサス・キサス・キサス(Quizás, quizás, quizás)だ。

 これらの誰もが知つてゐるやうな曲の間に聴きなれない曲もあるが、それらの曲も非常に聴きやすく仕事に疲れて帰つた夜に、酒でも飲みながら聴くには好適である。



 



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