2005年01月08日

工学者と理学者の違い

ある問題(現実的な問題ではなくて、机上の問題です)に出合ったとき、
「ああ、これはあの方法を使えば解決できそうだ」と思うと
とたんにやる気がなくなることがあります。
解き方を知ることと、実際に解くことと、興味が別なんだと思います。

だからかどうかわかりませんが、思いついた方法で解いていく過程で、
ちょっとめんどくさい小さい問題がちょこちょこ出てきたりすると、
それに時間を取られているうちに、ものすごく無駄なことに思えてきます。


有名なジョークに、次のようなものがあります。
どこのサイトで見たのか忘れました。

---
工学者が、火事を発見しました。運良くとなりに水の入った
バケツがあったのでそれを使って無事火を消しました。
数学者も、火事を発見しました。同じく運良くとなりに
水の入ったバケツがあったので、それで無事消せました。

工学者が、火事を発見しました。でも今回は水が近くにありませんでした。
工学者は、遠くの川まで水を汲みに行き、何とか消すことができました。
数学者が、火事を発見しました。でも今回は水が近くにありませんでした。
数学者は、遠くの川まで水を汲みに行き、家事のとなりに水の入った
バケツを置き、こう言いました。
「ふう、これで以前の問題に帰着された」
---

蛇足かもしれませんが一応解説すると、

工学者→実際に解く人
数学者→解き方を考える人 …(ちょっとちがうかな?)

工学者は、火を消すために、1回目も2回目も、火を消すことで
問題を解決しています。火を消して初めて満足するわけです。
数学者は、1回目はやはり火を消すために、となりにあったバケツで
消しますが、これで数学者は、「バケツのとなりに水があれば火が消せる」
ということを学びます。2回目、今度は水が近くにない問題ですが、
川から水を運んできて、となりに置くことで、わざわざ消さなくても、
1回目に学んだことをふまえると、これで問題は解決できたと
満足するわけです。火が消えるかどうかは、実際に消さなくても
1回目の結果を見れば明らかなので、敢えて消すことに興味はない、
ということです。

もちろんこれは極端な例でしょうが、両者の違いは、
問題に対する興味の違いでしょう。

さて、ぼくが現在取り組んでいる「学生生活の集大成の作業」ですが、
複雑な方程式を解くという作業があります。
この辺の話は数学になじみのない方はびっくりするかもしれませんが、
「解けない方程式」というのは世の中にたくさんあります
(解けない、というのは答えがないのとは違います。答えを
表現する術がない、とでも言うとそれっぽいでしょうか)

解けない理由は様々ですが、解けないものも、答えに近いものは
求めることができることがあります。たいていそのような答えを
求めるときは、計算機(パソコンなど)を使って計算します。

以前は、「一見解けなさそうな」方程式が、実は何とかすれば
解けるんじゃないかと思って、あれこれ考えていたものです。
でも、パソコンを使って近似解が求まると思うと、
それも最近のパソコンはものすごく高性能なので、
ぼくが出くわす程度の方程式は、かなりの精度で解が
求まってしまうと思うと、その問題は終わったような気になるのです。
実際プログラムを組んで解くとなると、桁の問題や
容量の問題などあったりするのですが、その辺は問題ではなく雑用に
思えてしまいます。

Jokerさんは、純粋数学と応用数学で、
答えを求める時間と近似について、
純粋数学と応用数学の違いを述べてらっしゃいます。
時間があれば解けるのだから、この問題は「解ける」と主張する純粋数学者と、
その時間を確保することがほとんど不可能だから「解けない」とする応用数学者。
かなりの精度で答えに近いものが求まったので「解けた」とする応用数学者と、
それは厳密には答えじゃない、まだ「解けていない」とする純粋数学者。

時間の制約に関しては、純粋数学者が「解けない」と言ったものは、
どんな優秀な応用数学者がやってきたところで解けません。
いくら時間があっても解けないものを「現実的な」
時間内で解けないことは明らかです。

ただし、近似に関しては逆です。純粋数学者が「解けない」と言っても、
ものすごい計算機が、ものすごいアルゴリズムを知っている応用数学者が現れると
1万年に1秒の精度何千キロを飛んで数メートルのズレの精度
実現することができるわけです。
限りなく真の値に近づくことに情熱を傾けている方もいます。

この部分が、工学者、応用数学者が活躍できる部分なはずなんです。
解き方、解けるかどうかがわかることを知りたいのではなくて、
問題を解決することが大切なんです。

…なのに出てこないこのやる気。ここががんばりどころなんだ!
長々と書きつづけましたが、これは工学者と理学者の興味の問題と言うよりは
単にぼくが怠け者かどうかですかね…。


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この記事へのコメント

1. Posted by Joker   2005年01月19日 00:49
だいぶ前にトラックバックして頂いてたようですが、全然気づきませんでした・・・。すいません。

最近近似ばっかりですw
昔がなつかしい。・゚・(*ノД`*)・゚・。
2. Posted by まう   2005年01月20日 00:38
わざわざさかのぼってありがとうございました。

やっぱり厳密なところで育った方は
近似が気持ち悪いのでしょうか。
ぼくは、それっぽい答えが出れば
それでいいかなという感覚ですが、
さすがに近似の結果を近似式に代入したりして
計算を繰り返すときは気が引けます。

Jokerさんも取り上げていらっしゃいますが
「モデルは所詮モデル」と言われると
悔しかったりします。実用面を考えると
モデル化するしかないじゃないか、と言いたいのですが
どこかで厳密に答えを求めたいと言う気持ちがあるので
悔しくなるんでしょうね。

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