2005年08月17日

乳癌検診を実施しても乳癌死の有意な減少はみられない 米国の研究

検診のメリットが揺らいでいます。
16日の日記、健康診断:項目の大半が有効性の証拠薄いでも暴露されています。
国民の半分がかかり、1/3の死因であるガン対策も残念ですが
進んでいるとは間違ってもいえないようです。


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乳癌検診は乳癌死減少に貢献すると報告されてきたが、米Washington大学のJoann G. Elmore氏らが、1983年から1998年の間に米国で乳癌死した女性とそうでない女性とを比較したところ、検診を受けても乳癌死の有意な減少はみられないことが明らかになった。詳細はJournal of the National Cancer Institute誌2005年7月20日号に報告された。

乳癌リスクが高い40代の女性には、検診への参加が推奨されてきた。しかし、スクリーニングの利益が最も大きいのはどのグループの女性か、利益の程度はどれほどか、などについては議論があった。また、コミュニティー・ベースの乳癌検診の有効性と、RCTで示された効果には、程度に差がある可能性がある。が、それを明らかにしようとした大規模な研究はほとんどなかった。

Elmore氏らは、米国5州の6つの健康保険団体に加入している女性を対象に、マッチド・ケース-コントロール研究を実施した。1983年1月1日から1998年12月31日までに乳癌死した女性1351人と、対照として、条件の一致する女性2501人を40〜49歳と50〜65歳の2群に分け、それぞれを乳癌リスク(平均的リスク群とリスク増加群)で2分した。

スクリーニング期日、リスクの程度、その他の変数は、医療記録から抽出。条件付きロジスティック回帰分析を行い、乳癌死亡率と検診の関係を調べ、マンモグラフィーと臨床的な乳房検査(触診)のいずれか、または両方による検診が乳癌死に及ぼす影響を評価した。

index date以前の3年間に検診を受けた女性の割合は、どちらの年齢群でもリスク増加群の方が高かった。診断から死亡までの平均的な時間は4.2年(40〜49歳は4.1年、50〜65歳は4.44年)だった。

試みられたすべての比較において、検診によって乳癌死が減少する傾向は見られたが、統計学的に有意な差は認められなかった。index date以前の3年間に検診を受けた場合、乳癌死のオッズ比は、40〜49歳では0.92(95%信頼区間0.76-1.13)、50〜65歳では0.87(0.68-1.12)になっていた。リスク増加群全体のオッズ比は0.74(0.50-1.03)で、平均的リスク群の0/96(0.80-1.14)との間に差があった。検診の内容によって3群(マンモグラフィーと触診、マンモのみ、触診のみ)に分け、乳癌死への影響を比較したが、平均的リスク群、リスク増加群のいずれにおいても、明らかな傾向は見られなかった。

今回、研究者たちは、コミュニティー・ベースの乳癌検診の乳癌死予防における効果を明確に示せなかった。この研究の限界や潜在するバイアスを考察した著者たちは、その理由として、追跡期間が短かった、自覚症状のある人がそれを告げずに検診に来た、スクリーニングの精度がRCT時より低い、治療が進歩し死亡率低下をもたらした、などの可能性を挙げている。

いずれにせよ、社会で行われている検診の有効性は、RCTで示された効果より低いか、乳癌治療の進歩で隠されてしまう程度である可能性を著者たちは指摘した。

(出典:MedWave)


wellness21jp at 07:46│Comments(0)TrackBack(0) いろいろな病気 

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