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私のデマンド日記

長年、デマンド監視と自動コントロールに取り組んでいる電気技術者のブログです。

10 7月

ISSが売れ始めています。

今年になって、主力製品である「スマート・eセーバー ISS-4」が、大手企業に採用され始めています。今までは、経済的メリットを重要視される中小企業と異なり、信頼度を重視される大企業では中小企業の製品を導入されることは少ないです。
これは、「ゼロ・カーボン社会を目指す!」と政府が宣言し、SDGsに取り組む企業が増えてきた影響だと思われます。

→ CO2削減対策で、最も簡単なのは消費電力量を減らすこと。
→ 照明設備は、すでにLED照明に置き換わっているので、残る対策は空調設備の節電しかない。
→ 有名企業でエアコンをきめ細かく節電コントロールする製品を作っているところがない。
→ ISS-4は聞いたことがない会社の製品だが、特許技術を持ち発明大賞も受賞しているので問題ないか。
おそらく、こんな理由で採用して頂いてると思われますが、無名会社の製品を採用するリスクをとって頂いた企業様には、デマンドと消費電力量削減効果の大きさで恩返しをしています。

その中の1つ、長野県の有名企業に導入して頂いた事例を紹介します。
特高受電の広大な敷地の中にいくつもの大きな施設が点在し、その中の8階建ての研究棟にテスト導入された。屋上にある大きなキュービクルの高圧受電盤に50,000パルス/kWh発信付電力量を取り付けて、その電力量パルスでISS-4をコントロールしています。

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電力会社の取引用電力メーターが遠方なので、ソシアテックさんに開発してもらったGPS時限パルスサーバーを取り付けて時限パルスを出し、30分デマンド電力を正確に計測できるようにしました。

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キュービクル前に多数のエアコン室外機が設置されているので、いつもの無線制御ユニットでなく有線制御ユニットを25個使いました。
※ISS無線(有線)制御ユニットは、ON-OFF時分割デマンド制御では8台まで、日立以外のインバータエアコンは4台まで4段階容量制御ができます。

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この研究棟の適正なデマンド電力がまだ判らないので、今夏は目標電力を高めに設定してデマンド制御をせずに節電コントロールのみで運用されます。まず、研究棟から数100m離れている施設課のパソコンでエアコン1台毎の気候に合わせた節電コントロール量をこの冬まで調整され、来年から本格的にデマンド制御を開始される予定です。

この夏に良い結果が出れば、残りの数棟の施設にもISS-4を導入されていくそうです。


10 7月

IDMが売れていません。

近年、電力自由化による電気基本料金の低下で、デマンド対策が重視されなくなりました。
10年前の大震災で電力不足に陥ったときには月に数十台売れていたのが、今は1桁です。
そんな訳で、今年になって受けた相談は、「デマンド装置を販売している大手保安法人との契約を解除したいので、代わりのデマンド監視装置が欲しい。」とか、「今まで使っていたデマンド監視装置が壊れたが、そのメーカーがもう製造していないので代わりの監視装置を購入したい。」など、消極的な動機がほとんどです。

昨日、若い者が壊れたH社製無線式デマンド監視装置の代替品を取り付けに東大阪市まで行くというので、久しぶりについて行ってきました。
車で1時間45分ほどかかって、そのネジ製造会社さんに着き、東大阪には駐車場がない工場が多いので心配していたが、無事に車を停められました。

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最近のデマンド監視装置の取り付けは、以下のような手順で進めます。
1.キュービクル低圧配電盤にボード型IDM主装置を磁石で取り付ける。
2.盤内電源ブレーカーを遠隔絶縁監視装置と共用するため、100Vコンセントを増設する。
3.3階事務所に取り付けるデマンド監視盤近くのコンセントに、ラインチェッカー発信器を取付ける。
4.キュービクル低圧配電盤で、ラインチェッカー探査器を使ってコンセントの電源回路を調べる。
5.コンセントと同一回路のブレーカー負荷側端子にクルップでPLC用コンセントを接続する。
6.キュービクルのPLC用コンセントと事務所のコンセントにPLC親子セットを取り付ける。
7.主装置とデマンド監視盤のLANポートとそれぞれのPLCとをLANケーブルで接続する。
8.主装置とデマンド監視盤の電源を入れる。
9.電力会社さんに取引用計器の端子にパルス・センサーを接続してもらい、壊れたデマンド監視装置を撤去する。

彼は、この作業に手慣れているので約2時間で終わり、午後から会社の担当者さんに取り扱い説明して作業を完了してくれた。
電気工事会社さんに駐車場のキュービクルから3階事務所までケーブルを配線してもらうと、多分10万円ぐらいかかるが、I/Oデータ製のマルチホップ式PLCは優秀なので、2~3個使えばほとんどのところで配線工事が不要です。

※IOデータ社のPLC紹介サイト https://www.iodata.jp/biz/case/2017/20/index.htm

誰かが、安いものを売ってる会社は成長しないと言っていたが、ローコスト施工を追求していけば、日本にたくさんある中小企業のために必要な会社になれると思います。

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時間が余ったので、帰り路に京都市の金属加工工場さんに寄って、4月に受電デマンドのほか個別機械30台の電力管理をしているIDM-4プラスに太陽光発電監視機能を追加した結果を確認しました。

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事務所の大型ディスプレイに受電デマンドと個別機械運転状況と太陽光発電状況を循環表示させている。大手会社なら100万円以上するシステムを何分の1かで実現する技術があるので、製品の高性能化の努力を続けていけば生き残れると思います。



3 1月

特許取得! 環境対応形デマンド制御システムとは?

   この度、特許出願していました環境対応形デマンド制御システムが、平成30年12月20日付で特許を取得しました。(特許第6443947号)
 環境対応デマンド制御システムとは、エアコンなどの空調負荷は概ね不快指数により変動することに着目して、外気の不快指数を監視することでエアコンの無駄な運転を防ぎ、ピークカットだけでなく使用電力量を大幅削減するシステムです。
 すでに、この環境対応形デマンド制御システムは、病院や老人ホームなどで1年以上テスト運用して良好な実績が出ています。 以下、この特許技術について説明します。

《特許内容》
■デマンド目標 不快指数応動機能

 外気の不快指数を監視することで、デマンド・コントローラーのデマンド目標値をそのときの気候に合わせて自動的に変化させる機能。

 ※下図のように、気候が穏やかなときは、デマンド目標を気候に応じた目標値に自動的に下方シフトすることで 、無駄なエアコン運転を防いで使用電力量を確実に削減します。


不快指数応動デマンド目標
※デマンド目標 不快指数応動機能の説明図


■不快指数応動 デマンド制御機能

 外気の温度・湿度を常時計測して不快指数を求め、気候に合わせてエアコン1台毎の制御モードを自動的に切り換えて、3分間デマンド制御(特許技術)の回数を変えたり、エアコン運転強度します。また、気候が厳しいときは節電コントロールを一時的に休止させる機能。

 ※「スマート・eセーバーISS-4」は、エアコン1台毎に節電コントロール量を設定でき、その節電コントロール量は「夏季-強」「夏季-弱」「夏季-環境保護」「冬季-強」「冬季-弱」「冬季-環境保護」の6つ制御モードに気候に合わせて自動的に切り替えます。例えば、夏季は上層階のエアコンを緩めに、下層階のエアコンをきつめに制御し、冬季はその逆に制御をすることで、最も条件の悪い居室に合わせてコントロールしなければならない一般的なデマンド・コントローラーと異なり、低めのデマンド目標で運用できます。
 ※過酷な気候のときは「環境保護モード」に切り替わり、病院や老人ホームなどで体力がない人の居室のエアコンを停止させません。

ISS設定例s
 
※環境対応形スマート・eセーバーISS-4の各制御モード設定画面


■室内環境対応 デマンド制御機能

 室内の不快指数を監視することで、室内環境に問題のない居室のエアコンを優先的にコントロールしたり、食品工場など温度管理が大切な施設では設定値以上の作業室のエアコン制御を一時休止する機能。



環境センサ(無線式)s

※新開発の環境対応形デマンド制御システムに使用する環境センサ(無線式)


《今後の展開》
この環境対応形デマンド制御システムは、エアコンが数台しかないマクドナルド様でもお客様やスタッフに不快感を与えることなく、昨夏の猛暑でもデマンドはもちろん使用電力量の削減効果が出ています。 具体的には、夏季は熱源のある調理室のエアコンを停止させず主に店舗のエアコンをコントロールし、冬季は調理室のエアコンを最優先でコントロールしています。
 また、ローコストな環境センサ-(温度・湿度トランスミッタ)も自主開発できたので、順次すべてのISSシリーズに環境対応デマンド制御機能を付加していきます。加えて、配線工事が不要な強力無線エアコン制御ユニットと組み合わせることで、今まで費用対効果の点で導入が難しかったマクドナルドのような50kW規模の店舗でも、デマンドより使用電力量削減効果が大きいこともあり費用対効果が良く自動デマンド・コントロールの導入が進みそうです。
今後は、不快指数に対応したエアコンの節電コントロールを進化させて、エアコンを多数設置されている大きな事業所でのCO2削減対策に採用して頂けるよう注力していきます。

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