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私のデマンド日記

長年、デマンド監視と自動コントロールに取り組んでいる電気技術者のブログです。

1 5月

小規模老人福祉施設向ISS-4ミニが、もうすぐ登場!

昨年来の電気料金の高騰で、ホームページに「電気料金が高くなって困っています。ISSを取り付けたら安くなりますか?」との問合せが、何件も届くようになった。
近くでISS設置工事があったとき、現場調査に寄ってもらっているが、小さな老人福祉施設でルームエアコンが多く、制御できるエアコンが2~5台規模の施設がほとんどだった。
こんな場合、元をとるのに3~4年かかるので丁重にお断りしてきたが、電話の向こうで落胆される声を聞いて、何とかしてあげたい気持ちをずっと持っていた。
それで年初から、データ保持容量が小さくデマンド・コントローラに向かないと放置していた三菱電機のシーケンサFX5UJを取り出して、仕事の合間にあれこれプログラムを試していた。
データをUSBメモリに保存するなどの工夫して、ようやく低価格ながら主力製品のISS-4と比べても遜色のないコントローラに仕上げることができた。
直接制御できない小さなエアコンは集中コントローラに気候に合わせた節電信号を入れ節電を図ることで、小さな老人福祉施設でもエアコン使用期間が長いので、短い期間で元が取れるシステムになった。
第1号は、名古屋の省エネ提案会社にエアコン4台の小規模老人施設に取り付けてもらうのが決まっている。

ISS-4mini
27 4月

電気料金を安くする方法を教えます

昨春、数年前に銀行から勧められて関西電力から某新電力会社に電力購入契約を変えられたお客様から、「今契約している電力会社から、電気料金を約2倍に値上げする通知が来たので、関西電力に戻す申し込みをしたが受け付けてもらえない、どうすればいいですか?」との相談があった。
私自身も情報を集めた結果、関西電力は新電力に移った高圧受電施設のお客さんとは再契約しない方針で、低圧受電施設だけはその限りでないことが 判った。
相談があったお客様は撚糸工場で、日曜日以外昼夜電気を使われているで、デマンドは42kWだが、使用電力量は毎月20,000kWh ぐらいあった。
それで、低圧受電に変更することをお勧めし、その工事費用を付き合いのある電気工事会社に見積もりを頼んだら約40万円だったので、お客様は即座に決められた。
ただ、高圧受電からブレーカー容量契約の低圧受電に変えると、引込用ブレーカーの容量以上に電気を使用すると、ブレーカーがトリップして工場が停電する恐れがあるので、私が開発した負荷電流を常時監視して、ブレーカーがトリップする前に警報を出す装置を長年のお付き合いに感謝して無償提供させて頂くことにした。
先日、久しぶりにこのお客さんを訪ねたところ、開口一番「毎月20万円も電気代が安くなりました。有り難う!」と、感謝の言葉を頂いた。
 「低圧受電施設より高圧受電施設は、電気料金が安い。」というのは昔の話です。
下記のことから、デマンド電力が50kW前後以下の施設は低圧受電が有利ですので、お勧めします。

《低圧受電に変更をお勧めする理由》
 1.低圧電気料金単価は、高圧料金と異なり政府の管掌があるため自由に上げられない。
    ※発電所を持たない新電力会社の衰退で、旧電力会社の寡占化が進すみ、自由化の恩恵がなくなっている。
 2.高圧受電設備(キュービクル)が老朽化して更新が必要になったとき、数百万円の更新工事費用が発生し、引込柱上の高圧開閉器を取り替えるだけでも50万円程度かかる。
 3.キュービクル内にある変圧器の損失(1~3%で古いトランスは大きい)も使用電力量にカウントされる。
  ※電気を使っていなくても発生する無負荷損失と負荷損合計で、年間10~30万円程度の損失になる。
 4.停電点検時の送配電会社の開閉器操作が有料になった。 1回1.5万円
 5.キュービクルの保安管理費用や停電点検費用が不要になる。

低圧受電化できる施設は、50kW以下に限られてます。
 ※負荷にエアコンが多い工場で、デマンド・コントロールでデマンド電力61kWから39kWに抑えて低圧受電に変更し、さらに、デマンド・コントローラをエアコンの負荷電流コントローラに改造してブレーカー契約の低圧受電にした実績がある。
ただ、電力会社の低圧化工事に伴う負担金をなくすために、当初は、100Aブレーカー契約にした。

このエアコンの運転立ち上げ時の大きな電流を抑えて、小さめのブレーカー契約にできるISS-Cを使って省エネビジネスをされている会社は、すでに1000件以上の実績があり、10年以上毎月数台をコンスタントに販売されている。
年初からISS-Cの供給不足で、受注残が積み上がっているそうだ。

《注記》
デマンド(30分平均)電力が50kW以下の施設でも、数10kWの大きなモーターを短時間使用する工場とか、瞬時に大きな電力が必要なレントゲンがある医療機関は、電圧降下の影響が出る可能性があるので慎重に検討して下さい。
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10 7月

ISSが売れ始めています。

今年になって、主力製品である「スマート・eセーバー ISS-4」が、大手企業に採用され始めています。今までは、経済的メリットを重要視される中小企業と異なり、信頼度を重視される大企業では中小企業の製品を導入されることは少ないです。
これは、「ゼロ・カーボン社会を目指す!」と政府が宣言し、SDGsに取り組む企業が増えてきた影響だと思われます。

→ CO2削減対策で、最も簡単なのは消費電力量を減らすこと。
→ 照明設備は、すでにLED照明に置き換わっているので、残る対策は空調設備の節電しかない。
→ 有名企業でエアコンをきめ細かく節電コントロールする製品を作っているところがない。
→ ISS-4は聞いたことがない会社の製品だが、特許技術を持ち発明大賞も受賞しているので問題ないか。
おそらく、こんな理由で採用して頂いてると思われますが、無名会社の製品を採用するリスクをとって頂いた企業様には、デマンドと消費電力量削減効果の大きさで恩返しをしています。

その中の1つ、長野県の有名企業に導入して頂いた事例を紹介します。
特高受電の広大な敷地の中にいくつもの大きな施設が点在し、その中の8階建ての研究棟にテスト導入された。屋上にある大きなキュービクルの高圧受電盤に50,000パルス/kWh発信付電力量を取り付けて、その電力量パルスでISS-4をコントロールしています。

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電力会社の取引用電力メーターが遠方なので、ソシアテックさんに開発してもらったGPS時限パルスサーバーを取り付けて時限パルスを出し、30分デマンド電力を正確に計測できるようにしました。

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キュービクル前に多数のエアコン室外機が設置されているので、いつもの無線制御ユニットでなく有線制御ユニットを25個使いました。
※ISS無線(有線)制御ユニットは、ON-OFF時分割デマンド制御では8台まで、日立以外のインバータエアコンは4台まで4段階容量制御ができます。

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この研究棟の適正なデマンド電力がまだ判らないので、今夏は目標電力を高めに設定してデマンド制御をせずに節電コントロールのみで運用されます。まず、研究棟から数100m離れている施設課のパソコンでエアコン1台毎の気候に合わせた節電コントロール量をこの冬まで調整され、来年から本格的にデマンド制御を開始される予定です。

この夏に良い結果が出れば、残りの数棟の施設にもISS-4を導入されていくそうです。


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