wellstone7

私のデマンド日記

長年、デマンド監視と自動コントロールに取り組んでいる電気技術者のブログです。

3 1月

特許取得! 環境対応形デマンド制御システムとは?

   この度、特許出願していました環境対応形デマンド制御システムが、平成30年12月20日付で特許を取得しました。(特許第6443947号)
 環境対応デマンド制御システムとは、エアコンなどの空調負荷は概ね不快指数により変動することに着目して、外気の不快指数を監視することでエアコンの無駄な運転を防ぎ、ピークカットだけでなく使用電力量を大幅削減するシステムです。
 すでに、この環境対応形デマンド制御システムは、病院や老人ホームなどで1年以上テスト運用して良好な実績が出ています。 以下、この特許技術について説明します。

《特許内容》
■デマンド目標 不快指数応動機能

 外気の不快指数を監視することで、デマンド・コントローラーのデマンド目標値をそのときの気候に合わせて自動的に変化させる機能。

 ※下図のように、気候が穏やかなときは、デマンド目標を気候に応じた目標値に自動的に下方シフトすることで 、無駄なエアコン運転を防いで使用電力量を確実に削減します。


不快指数応動デマンド目標
※デマンド目標 不快指数応動機能の説明図


■不快指数応動 節電コントロール機能

 外気の不快指数を監視することで、夏季/冬季のエアコン制御モードを自動的に切り換えたり、気候に合わせてエアコンの節電コントロール量を増減したり、気候が厳しいときは節電コントロールを一時的に休止させる機能。

 ※「スマート・eセーバーISS-4」は、エアコン1台毎に節電コントロール量を設定でき、その節電コントロール量は「夏季-強」「夏季-弱」「夏季-環境保護」「冬季-強」「冬季-弱」「冬季-環境保護」の6つ制御モードに気候に合わせて自動的に切り替えます。例えば、夏季は上層階のエアコンを緩めに、下層階のエアコンをきつめに制御し、冬季はその逆に制御をすることで、最も条件の悪い居室に合わせてコントロールしなければならない一般的なデマンド・コントローラーと異なり、低めのデマンド目標で運用できます。
 ※過酷な気候のときは「環境保護モード」に切り替わり、病院や老人ホームなどで体力がない人の居室のエアコンを停止させません。

ISS設定例s
 
※環境対応形スマート・eセーバーISS-4の各制御モード設定画面


■室内環境対応 デマンド制御機能

 室内の不快指数を監視することで、室内環境に問題のない居室のエアコンを優先的にコントロールしたり、食品工場など温度管理が大切な施設では設定値以上の作業室のエアコン制御を一時休止する機能。



環境センサ(無線式)s

※新開発の環境対応形デマンド制御システムに使用する環境センサ(無線式)


《今後の展開》
この環境対応形デマンド制御システムは、エアコンが数台しかないマクドナルド様でもお客様やスタッフに不快感を与えることなく、昨夏の猛暑でもデマンドはもちろん使用電力量の削減効果が出ています。 
 また、ローコストな環境センサ-(温度・湿度トランスミッタ)も自主開発できたので、順次すべてのISSシリーズに環境対応デマンド制御機能を付加していきます。加えて、配線工事が不要な強力無線エアコン制御ユニットと組み合わせることで、今まで費用対効果の点で導入が難しかったマクドナルドのような50kW規模の店舗でも、デマンドより使用電力量削減効果が大きいこともあり自動デマンド・コントロールの導入が進みそうです。

7 10月

強力無線制御ユニットを使ったデマンド制御

ふじの里全体ワイド

機器配置図

 地元の施設で昨年開発した強力無線制御ユニットのテストをしています。その中の一つ、幅50m奥行き200mの敷地いっぱいに施設が建っている老人ホームの例を紹介します。この施設には18年前の建設当初からIDMを設置してもらっていますが、エアコン更新工事が終わった機会に最新のISSを導入してもらうことになりました。ただ、あまりコストをかけたくないとのことなので、無線制御ユニットによる省配線システムを初めて導入してもらうことにしました。まず、導入前の無線通信テストでは、建物の反対側でキュービクル近くの親機取付予定位置と200mほど離れた地点でも通信強度が2/5だったので(制御ユニットには通信強度を表示する5個のLEDが付いていて、1個点灯でもOK)中継器を設けず各エアコン室外機近くに無線制御ユニットを配置することにした。無線制御ユニット相互間も通信するマルチホップ式なのでエアコン室外機が構内全体に点在するこのような施設に適している。従来の制御ケーブルを構内全体に張り巡らす有線制御なら配線工事代だけで100万円以上かかりそうだが、システム全体の費用は100万円以下で収まりました。
 キュービクルから事務所までLANケーブル配線工事が必要なデマンド監視盤の取付もIOデータ社のマルチホップPLC(コンセント通信)を4個使ったら難なく通信できて簡単だった。このPLCは業務用に開発されているので、家庭用のようにタイムアウトで通信が途絶えたり停電やノイズで親子設定が崩れることがなく安定的に通信が出来ています。
また、無線通信の方は、無線障害が発生したらデマンド監視装置に表示したり、通信障害履歴が残るようにしているが6、月の設置以来1度も起きていません。
 肝心のデマンド制御は、今年の猛暑でも南向きの一部居室のエアコンの停止制御を40%運転に切り換えただけで乗り切れた。高いダイキン製外部制御アダプタが必要なシステムだったが、1年半程度で元がとれそうです。


ふじの里写真集



IMG_0243

温度・湿度トランスミッタ
※外気の温度・湿度を常時計測して求めた不快指数に応じてエアコンの節電量をコントロールしています。
環境が厳しいときは,節電制御を一時休止したり、緩んだときは強めの節電制御に変わり確実に使用電力量を減らせます。。
※不快指数により夏季/冬季の判定をし、夏季は上層階のエアコンを弱めに下層階のエアコンを強めに制御し、冬季は逆パターンの制御に自動切換することで、1年を通じて施設全体のエアコンをバランス良くコントロールして低めのデマンド目標で運用出来ています。



制御ユニット内部

無線制御ユニット
※中央黄色のLEDが通信レベル表示
※右上黄色のLEDが出力表示
※無線障害が発生したときは、デマンド監視盤に表示すると共に無線障害履歴を残します。




23 9月

野外コンサートのイベント電力監視システム

  京都・平安神宮の応天門に近づくと英語や中国語を話すガイドさん達の後をたくさんの外人観光客が続いていた。門をくぐると、広い境内いっぱいに配置されたたくさんのパイプ椅子が目に入ってきた。
相談を受けた電気工事会社の方の話では平安神宮では年に数回野外コンサートが開催されているそうだ。そのコンサートで使われる音響設備は電圧の変動を嫌うため太いケーブルを何本も引っ張ってるが、電気の使用量は少ない。
他の業者と公平に費用を負担してもらうために使用電力量だけでなく瞬時の最大電力をイベント幹線毎に記録してデータを出したいとの相談だった。
ただ、今まで低圧幹線毎のデマンド監視システムの開発経験はあったが、この要望は初めてだった。最初、既に取り付けてある検定付電力メーターのパルスを利用するプログラムを考えたが、パルスが1P/kWhと荒く、そのパルス密度から瞬時電力を求めるのは無理だった。
それで、幹線毎にオムロンのKM-N1-FLKを取り付けてもらい、その瞬時値をRS485通信で取得する方法に変更した。
結果は、イベント幹線毎に30分毎の使用電力量と瞬時最大電力をデータ化した日報と1日毎の集計をデータ化した月報が出せるようになり、社長から「頼んで良かった!」とお褒めの言葉を頂いた。
平安神宮写真集

プロフィール

wellstone7

カテゴリ別アーカイブ
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ