ふじの里全体ワイド

機器配置図

 地元の施設で昨年開発した強力無線制御ユニットのテストをしています。その中の一つ、幅50m奥行き200mの敷地いっぱいに施設が建っている老人ホームの例を紹介します。この施設には18年前の建設当初からIDMを設置してもらっていますが、エアコン更新工事が終わった機会に最新のISSを導入してもらうことになりました。ただ、あまりコストをかけたくないとのことなので、無線制御ユニットによる省配線システムを初めて導入してもらうことにしました。まず、導入前の無線通信テストでは、建物の反対側でキュービクル近くの親機取付予定位置と200mほど離れた地点でも通信強度が2/5だったので(制御ユニットには通信強度を表示する5個のLEDが付いていて、1個点灯でもOK)中継器を設けず各エアコン室外機近くに無線制御ユニットを配置することにした。無線制御ユニット相互間も通信するマルチホップ式なのでエアコン室外機が構内全体に点在するこのような施設に適している。従来の制御ケーブルを構内全体に張り巡らす有線制御なら配線工事代だけで100万円以上かかりそうだが、システム全体の費用は100万円以下で収まりました。
 キュービクルから事務所までLANケーブル配線工事が必要なデマンド監視盤の取付もIOデータ社のマルチホップPLC(コンセント通信)を4個使ったら難なく通信できて簡単だった。このPLCは業務用に開発されているので、家庭用のようにタイムアウトで通信が途絶えたり停電やノイズで親子設定が崩れることがなく安定的に通信が出来ています。
また、無線通信の方は、無線障害が発生したらデマンド監視装置に表示したり、通信障害履歴が残るようにしているが6、月の設置以来1度も起きていません。
 肝心のデマンド制御は、今年の猛暑でも南向きの一部居室のエアコンの停止制御を40%運転に切り換えただけで乗り切れた。高いダイキン製外部制御アダプタが必要なシステムだったが、1年半程度で元がとれそうです。


ふじの里写真集



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温度・湿度トランスミッタ
※外気の温度・湿度を常時計測して求めた不快指数に応じてエアコンの節電量をコントロールしています。
環境が厳しいときは,節電制御を一時休止したり、緩んだときは強めの節電制御に変わり確実に使用電力量を減らせます。。
※不快指数により夏季/冬季の判定をし、夏季は上層階のエアコンを弱めに下層階のエアコンを強めに制御し、冬季は逆パターンの制御に自動切換することで、1年を通じて施設全体のエアコンをバランス良くコントロールして低めのデマンド目標で運用出来ています。



制御ユニット内部

無線制御ユニット
※中央黄色のLEDが通信レベル表示
※右上黄色のLEDが出力表示
※無線障害が発生したときは、デマンド監視盤に表示すると共に無線障害履歴を残します。