December 28, 2020

MXR Tremolo M305の簡単な感想

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発売以来ずっと気になっていた「MXR Tremolo M305」を手に入れた。

エフェクターに対する相場感(あくまでも個人的なもので自分でもかなりケチだという自覚はある…)からするとほんの少し価格が高いような気がして躊躇していたのだけれど、某楽器店で貯まったポイントがそろそろ有効期限切れだったのでそれを使ってエイヤという感じで購入(笑)。

音質、エフェクトのかかり具合、操作感、商品の質感等、どれもとても満足。不満があるとすれば、トレモロの種類を変更するためのスイッチの仕様がちょっとかったるい。あとは電池を内蔵して使えないのは残念。しかし今どきのペダルはそういうのが普通になりつつあるのでこれは妥協するしかない。

この1台で6種類のトレモロを使い分けられるの加えて、演奏の強弱に感応させてトレモロの速度と深さを自動的に変えられる「Envelope Mode」が用意されているのがうれしい。他にも外部スイッチでタップテンポできたり、エクスプレッションペダルから各種設定をいじれたり、ステレオ入出力に対応していたりと、この小さな筐体で相当に多機能を実現しているのはすごい(自分は全然そこまで使ってないけれど…)。

トレモロが欲しいけれど持ってなくてこれから買おうかなと考えている人は候補の1つとしてこのペダルを試奏してみることをおすすめします。

最近は色々なエフェクターメーカーから個性のあるモデルがたくさん出ていて、もし潤沢な資金があるのであれば、Origin Effectsの「RevivalTREM Bias Tremolo」がイチオシだけど、さすがに軽く5万円を超える価格はハードルが高い。

トレモロは本来であればフェンダーの古いアンプに載っかっているやつが一番美味しいと思うけれど、簡単には手が出せないし現実的には使いやすいエフェクターに頼らざるを得ないのが現実ということで。




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MXR M305 TREMOLO トレモロ ギターエフェクター

MXRが得意としてきた往年のトレモロサウンドから、ヴィンテージのチューブアンプに採用されていたバイアス変調方式をシミュレートした波形や矩形波など、多彩な6つの波形モードがプッシュ式のスイッチノブで選択可能。(製品紹介文より)

  

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October 25, 2020

エレキギターのトーンは要らないか?

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 エレキギターのトーンは要らないか? たぶん若さにまかせてガツンと弾くギタリストには要らないと思う。自分も昔は全然必要なかったのでトーン回路ごとバッサリ取り外してしまったギターを持っている。まぁ、当時はボリュームもゼロかフルテンかで微妙に調整するなんてことはしなかったから当然だった。

 でも、歳をとってくると勢いにまかせてガツンと弾くということができなくなるので、その分色々と微調整をして誤魔化すようになる。これはなかなか悲しい。で、トーンを取っ払ったギターの場合はボリュームをいじると微妙にトーンのニュアンスが変わるのでしばらくはそれでしのいできたのだけど、いよいよ老いには勝てなくてトーンが欲しいと思うようになった。そこで家に転がっているあり合わせのパーツで遠い昔に捨て去ったトーン回路を再構築することに。

 シングルコイルピックアップに適した値(0.047μFあたり)のコンデンサが無かったので、これだけは通販で一番安く手に入るのを購入。送料含めて200円。たぶん秋葉原まで出かければ数十円で売っているような代物だけど、出かける手間と交通費を考えればそちらの方がよほど出費が痛い。

 世の中のギター沼にはまっているような人ならギターのトーン回路に使うコンデンサ(ギター界隈では「キャパシタ」と呼ぶ人も多い)には大いにこだわるのが当然なんだけど、個人的な経験では容量とポットの抵抗値の組み合わせ以外、コンデンサの種類で音質が激しく変わることは一切無かったし、このギターは音が良いなと思って裏蓋を開けて見てみると皆が嫌う安物の小さなマイカコンデンサがぽつんと載っていたりして、ビンテージもののコンデンサなんて必要ないんだなということを思い知らされること限りなし。割と普及してるでかいオレンジドロップでさえも場所をとるから邪魔なだけだと思うようになった。

 無事にトーン回路が復活したギターは、微妙にトーンのつまみをいじることでモッサリした音質と耳に痛いような高音が突き抜ける音質の中間をぬるぬると漂う感じで甘いのだけどキラキラしてるようなトーンが出るようになった。こういうのは勢いで弾いてカッコイイ若者には全く不要な音だろうけれど、もはや勢いなんてものと全然縁が無い老人ギタリストにはとても美味しい。ちょっと面倒だったけれど思い切ってトーン回路を復活させて良かった。


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SCUD マイラコンデンサー、0.047μF CR-473

本製品はリペアショップなど専門家による取り付けを前提として販売しております。ご自身で交換された際の破損、故障などのトラブル、事故などに関しましては自己責任とし、保証致しかねますので予めご了承ください。(製品紹介文より)

  
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October 23, 2020

エレキギターのピックアップの位置調整は重要という話

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 エレキギターのピックアップの位置というのは、わずかな例外機種を除けば、大抵は調節用のネジを回すことで弦との距離を近づけたり離したりできるようになっている。

 音を録るマイクと同じで、エレキギターのピックアップは音源である弦に近づければ近づけるほど音が大きくなる。なので、できるだけ弦に近い位置までピックアップを寄せて使う人は多い。音はデカければデカいほど偉いというパターンだ。

 でも、ピックアップを弦に近づけすぎると、音が割れたり、ピックアップの磁石の力が弦の動きに干渉して音の伸びが無くなったりする(エレキギターの弦は主に鉄でピックアップの磁石と作用することで音が鳴る仕組みなのだ)。何事もやり過ぎは良くないということで、そういう不都合が生じないギリギリまで近づける調整をするのがよくあるパターン。

 しかし、そういう状態は絶えずマイクに向かって怒鳴って歌うのと同じ状態でもあるので、ギターの音色としては下品というか過剰な感じの音色になってしまう。まぁそういうのが好きな人はそれで良いという話でもあるけれど、自分はもう歳だしあまりそういうガーガーいう音がするのは疲れて好きじゃない。

 で、ピックアップの位置とは別で、ピックアップ自体にも個性があって、やたらに出力が高くてうるさい音しか出ないタイプや、その逆に出力が低くてメリハリつけて弾いてあげないとパンチのある音にならないタイプがあったりする。たまたま自分が持つエレキギターの1本は、出力高めでちょっとガーガーと鳴るピックアップが載っていて、若い頃はそれが良かったりもしたのだけど、いつの間にかちょっと苦手で弾かないまま数年放ったらかしにしていた。さすがに何年も弾いてなかったので弦が錆びてしまっていたのでそれはあまりよろしくないから新しい弦に張り替えたのだけど、相変わらず音はちょっと押しつけがましくて好きなタイプでない。

 ふと魔が差して、ピックアップの位置を弦から思い切り離してみたらどうだろうといじってみたところ、なんと良い感じで鈴鳴りな音色がするようになった。あぁ、このギターのこのピックアップでもこういう音がするのかと妙に感動した。

 要するにエレキギターのピックアップの位置調整はとても大切だということ。しかし、ここまでガラッと変わるとは思わなかった。  
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April 29, 2020

iPhoneのiOSをバージョンアップしたら連絡先がクラッシュして使えなくなった件(とりあえず解決済み)

 初代iPhone SEをこれまでiOS 12.x(最終的には12.2)で愛用してきたのだが、なんとなく魔が差して現時点で最新の13.2にバージョンアップした。

 バージョンアップした主たる理由は、iOSに重大な脆弱性が発見されたという情報が出回り、近々それに対応したセキュリティアップデートがありそうなので、その前準備としてiOSを最新版にしておこうと思ったからだ。

iPhoneのメールアプリにゼロデイ脆弱性?「iOS 6以降すべてのiOSに存在」と報告

 結局、これは空騒ぎだったようで、結果的には急いでバージョンアップする必要はなかったのけど、この情報が出たのは自分にとっては後の祭りということに……。

iOSのゼロデイ脆弱性、「差し迫った危険はない」とApple

 で、iOSを12.2から13.2にしたiPhone SEは当初危惧された動作の鈍重化なども発生せず、どちらかというと以前より滑らかな動作をしているようにも感じて好印象だった。

 ある致命的な不具合が生じるまでは……。

 メールを作成しようとして、住所録アプリである「Contacts(連絡先)」を開けようとすると、iPhoneの画面が一瞬真っ白になってクラッシュする。かなり焦って色々やって、最後はiPhoneの初期化とバックアップの再インストールまでしたが、まったく症状が改善しなかった。もはや住所録なしで使うしかないかというところまで追い込まれたけれど、それだともはやスマートフォンとしての意味が無いような……。

 完全に諦めモードになってぼんやりすること1日ほど。で、最後にダメ元で、iPhone全体の言語設定をこれまで自分的には使いやすいということで「英語(English)」にしていたのを「日本語」に変更してみたところ、なんと「連絡先(Contacts)」は何事もなかったように開いてくれた。

 結論としては、これまで英語環境でも無理矢理に日本語設定で使えていた連絡先アプリが、おそらく13.xからはそういう使い方において互換性が無くなってしまったのではないかと推測される。これがAppleの意図した仕様なのか、それとも意図しないバグなのかは判らない。今後のバージョンアップでまた以前のような使い方ができるようになるのかどうかも謎。

 個人的にはずっと言語設定を英語にして使ってきたので、日本語だととても使いづらくて苦痛だけれど、スマートフォンとして連絡先をつかえることがまずは重要なので、諦めてしばらくは日本語環境で使うことになりそう。慣れというのは恐ろしいもので、ダイアログとかが日本語で出てくると何書いてあるのか一瞬判らなくてギョッとするし直感的に反射できなくて困る……。まー、そのうちこれも慣れるかな。  
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March 09, 2020

ギター用グラフィックイコライザーペダルが面白い

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 楽器用としてはイマイチ地味なエフェクターという印象があるグラフィックイコライザー。自分も遠い昔にマクソン製の「GE-500」というやつを持っていたけれど、ほとんど使わないまま誰かに譲ってしまった思い出がある。

 グライコは他の歪み系やモジュレーション系、空間系のエフェクターに比べると、どうしても飛び道具的な派手さに欠けるので、積極的に使う人というのは少ない気がする。他に地味なエフェクターといえばコンプレッサー/リミッター系もそちらの部類になりそうだけど、グライコに比べるともう少し使い方をイメージしやすいのもあるのか、セッションなどに遊びに行っても使ってる人は時々見かけるのに、グライコを使っている人というのは一度も見た覚えがない。

 で、普段からDAW上ではグライコをよく使うのに、ギター用エフェクターとしてグライコを使おうという発想は長らく無いままでいた。ところが最近YouTubeで以下のような動画を見てちょっと考え方が変わった。



 ナッシュビルのセッションギタリスト、Tom BukovacがBoss製グライコペダル「GE-7」の具体的な使い方を披露している。そして注目すべきは、冒頭でGE-7はノーマルのままだとノイズが多いので改造してノイズを少なくして使っていると説明している点。

 なるほど、そういうものかと思い、ネット検索してみると、日本語でも英語でもBoss GE-7のノイズ対策に関する改造情報はいろいろとヒットする。基本的には標準搭載のオペアンプの質があまり良くなくノイズが出やすいので、それらをもう少しノイズの少ないタイプに換装するのが基本らしい。あとはエフェクターの音質改善を狙う改造ではよくあるコンデンサー類の交換が挙げられていた。なかなか面白そうだ。

 ということで、さすがに新品を買って改造に失敗するとかなり痛いので、安く出ている中古のGE-7を探して、さらに交換に必要なパーツ類を入手した。

 改造作業は基板上のオペアンプとコンデンサーを載せ替えるだけ。半田ごて作業はあまり得意ではないので、ゆっくりと余裕をもってやったつもりだったけれど、それでもやはり半田が流れて接点がショートしてしまったのか、最初に組み上げたときはめちゃくちゃな雑音しか出なくなり、かなり絶望して落ち込んだ。

 翌日、気を取り直して半田作業を丁寧にやり直したところ、幸運にもなんとか音が出るようになった。しかし、ノイズはほんの少し減ったかなと感じるぐらい。本当に改造の効果として想定されている性能が出ているのかどうかは怪しい(笑)。ただ、まぁ、ノーマルの時はずいぶんサーというヒスノイズが聞こえていた気がするけれど、改造後はそれほど気にならなくなったから、とりあえずは成功したということか…。

 今のところ、ハムバッカーピックアップ使用時に、100、200、400、800Hzの中低音域を探りながら微妙にレベルを下げ(1メモリ未満程度)、1.6kと3.2kを逆に気持ちだけ探りつつで上げてやることで、ハムバッカー特有のモコモコする部分をわずかに削ってヌケを良くするのが効果的に感じる。いわゆるビンテージPAF系のような出力が低くて高音のヌケが良い雰囲気を、わざわざピックアップ交換することなく簡単に手に入れられるというと判りやすいだろうか。ただし、この手法では、ワウやファズのようなギターから直のハイインピーダンス信号状態で接続しなければならないエフェクターには使えないのが難点。この他にも微妙な音質調整が可能なので今後色々と実験してみようと思う。


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BOSS Equalizer GE-7
BOSS

100Hzから6.4kHz間をブースト・カットできる7バンド・イコライザー。積極的な音づくりに、ノイズ・カットやハウリング対策にも効果です。しかもレベル・コントロールは音質を最優先の独立アンプ方式。歪みのあとに接続すればトータルの音質補正に、歪みの前に接続すれば周波数帯別に歪み具合の調整が可能。(製品紹介文より)

  
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March 08, 2020

山田敏弘「CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作」を読んだ

 書評を見て興味を覚えたので読んでみた。


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CIAスパイ養成官 :キヨ・ヤマダの対日工作
山田敏
弘新潮社(2019/8/21)

米国・アーリントン国立墓地で、静かに眠る日本人女性―その名前はキヨ・ヤマダ。彼女はCIAで日本語を教え、多くのスパイを育て上げた。教え子たちは数々の対日工作に関わり、キヨ自らも秘匿任務に従事していた。歴史に埋もれたキヨの人生と、知られざる日米諜報秘史。(製品紹介文より)


 家族も含め他人にはCIA職員という自分の身分を明かすことができない人生を歩みつつ、その職務の中では著しい成果を残した一人の日本人女性の足跡をたどるという、なかなかに好奇心を刺激する本。

 本を読み進めるうちに、こういう人生もあるのだなという感慨を覚えつつ、情けないことに知らず知らずで自分自身の人生とキヨ・ヤマダさんのそれを比較してしまい、自分には彼女のように人知れずではありながら立派な業績があるという訳でもなく、あとはこのまま何事もなさずただ老いぼれて野垂れ死んでいくだけなんだなと、本書の内容とは一切関係ない失望感みたいなものに苛まされてしみじみとしてしまった(笑)。

 それだけに、彼女がCIAを退職してから、ごくごく身近な人達に対してCIAでの仕事ぶりを明かしたというその気持ちはなんとなく判るような気がする。

 この本を読むと、キヨ・ヤマダという人のことだけでなく、CIAという組織がどういう仕事をしているのかを理解する参考にもなるので、そういう方面に興味がある人は読んでみると面白いかもしれない。

 個人的には、外国語を自ら学ぶことの意義について説明するために他の本(J・C・カールソン著「ワーク・ライク・ア・スパイ」)から引用されていた以下の一節がとても腑に落ちるものがあった。今後は自動翻訳・通訳が発達・普及して、これまで以上に自ら外国語を身に付けようと考えるような人は減ることだろうけれど、それによって失われていくものもすごく多いのだろうなと想像する。

通訳を介しては決してできないことだが、言葉ができる人は、情報交換だけでなく、信頼関係を築いたり、文化を理解したりしていた


 また、CIA職員だったある人物が諜報機関という存在について一般人はどう付き合うべきかを語る一節もかなり興味深かった。

秘密と民主主義は、うまく解け合わないものです。共存しないし、してはならないのです。(中略)民主主義では、もちろん諜報機関が何をしているのかを問われなければいけない。国民はそれを気にすべきだし、なんでも秘密にやっていいと言うべきではない。アメリカ人は正しく、諜報機関に対して不快感を持っているし、持つべきなのです



PS. 翻訳ということを考えるのに面白い記事があったので拾っておくことに。

母語と異言語の狭間の苦闘。『悪童日記』訳者の堀茂樹と「翻訳」の世界

原作者がもし日本語で書いたらこう書くだろうという訳文を目指すということです。もっと厳密に言えば、原語のネイティヴがその本を読んでいる時に頭の中に意味やイメージが流れていきますね、その体験と近似的な体験を日本語の読者にもしてもらうように仕組むということです。
  
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February 24, 2020

宮野真生子・磯野真穂「急に具合が悪くなる」を読んだ

 ツイッター上で好意的なレビューが流れてきたのを目にして興味を覚え読んでみた。


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急に具合が悪くなる
宮野真生子・磯野真穂
晶文社(2019/9/25)

もし、あなたが重病に罹り、残り僅かの命と言われたら、どのように死と向き合い、人生を歩みますか?もし、あなたが死に向き合う人と出会ったら、あなたはその人と何を語り、どんな関係を築きますか?がんの転移を経験しながら生き抜く哲学者と、臨床現場の調査を積み重ねた人類学者が、死と生、別れと出会い、そして出会いを新たな始まりに変えることを巡り、20年の学問キャリアと互いの人生を賭けて交わした20通の往復書簡。(製品紹介文より)


 著者2人に関する知識も無いまま、装丁がほんわかした雰囲気だったのもあってかなり気軽に読み始めたのだけれど、読み進めるにつれてこれはとんでもない本だということに気がつき、そのまま一気に最後まで読み終えた。こんな本が作られて普通に読めるというのはすごいことだと思う。

 読んだあとはしばらく、人が生きるということ、「偶然」と「運命」みたいなものをつらつらと考えなおしてみたりもしたけれど、簡単に何か答えが見つかるようなものでもない。

 万人に薦められる類の本ではないのだけれど、本を読むことが好きな人なら一度は読んでみると良いような気がする。とくに人生の中で「死」というものに否応無しに付き合わなければならないことに直面してなにか助言が欲しいと感じるようなとき、この本はもしかしたらちょっとしたヒントになるのかもしれない。  
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February 02, 2020

ストラトキャスターのサドルを交換したらやはり音が変わったという話

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 エレキギターというのは弦楽器なので弦周りをいじると音が変わる。ただし、そういうパーツの交換の効果がどうなるかは事前に予測するのが難しく、どんな感じに変わるのかは実際にやってみないと判らない。

 弦を支えるパーツのサドル交換で音質が変化するという現象については、デジマート地下実験室というWebサイトの「ストラトキャスターのサドルを交換するとギターの音はどう変わるのか?」という記事が参考になるけれど、これも最終的には個人ごとの好みで良し悪しの判断は違うから、やっぱり実際には出たとこ勝負でやるしかないので難しい。誰もが一聴して判るほどに著しく変わるのか、ギターの持ち主が細心の注意をして聴き比べてようやく判るほどの変化でしかないのか、そのあたりも場合によって結構違うように思う。

 で、今回、音質の変化よりも弾き心地の改善が主目的でサドルを交換した。あまり音質が良くなることは期待してなかった、というよりも悪くなりそうだなというなぜか悲観的な覚悟でやってみたら、期待通りの弾き心地の改善を実現すると同時に、なんと音質も自分が好ましいと感じる方向に変わったのでとてもラッキーだった。

 何をやったのかというと、これまで使っていたものよりコンマ数ミリ幅が狭いサドルに交換した(従来品は10.8ミリ、新しいのは10.5ミリ)。これによって弦の位置をコンマ数ミリ分だけずらせることができる。この結果ネックの端から弦がずれ落ちる現象を解消できた。たったコンマ数ミリの差なのだけど、こういうのに人間はとても敏感で体感上大きな差が生まれる。

 しかも、今回はなぜか弦の鳴り方もこれまでよりも芯のあるスッキリかつ太い音に変化し、サスティーンまで伸びた。このところあまり人生ついてない感じだったけれど、こういうところで自分は折角の人生のツキを消費してるらしい(笑)。

 中古パーツをかなり安価に見つけることができたので失敗しても良いやと思い切ることができたけれど、新品で探すと安めのものでも4000〜5000円ぐらいから、上を見れば軽く1万円を越える(趣味の世界は恐ろしくて、こんな小さなものでもピンキリでビンテージパーツとかになるととんでもない値段をつけてるものがいくらでもある)ので、そういう条件だったら断念していたと思う。しかも色々調べたら現行流通品で10.5ミリ規格に該当するものはかなり限られていて入手が困難らしい。

 最初はヤスリを買ってきて、付いていたサドルを一つ一つ削るつもりだったけれど、ヤスリが思ったよりも高くてちょっと躊躇したのが良かったみたいで、人生塞翁が馬を地で行くような感じの結果だった(笑)。  
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January 25, 2020

オカルト:ギター用エフェクターの電源ケーブルも換えると音が変わる

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 以前にオーディオ機器用の電源ケーブルを換える実験をして個人的にはかなり不本意ながら音質が変わり、その変わり方も好ましい方向へ変わったということがあった。

 で、楽器用エフェクターの電源ケーブルでもこの手の話が色々とあって、しばらく見送っていたのだけれど、いよいよ我慢できなくなって(苦笑)、オヤイデ製の「コンパクトエフェクター用 ハイクオリティー DCパワーケーブル DC-3398 LL」というものに手を出してしまった。

 で、結果としては不本意ながらやっぱり好ましい方向に音質に影響があった。なんというか個人的には負けた感がすごい(笑)。

 音質について言葉で表現するのはとても困難ながら、オヤイデ製のケーブルを使うといわゆる「抜け」が良くなる。まー、こういうのは信じたくない人は絶対信じたくない類の表現だよね…。なので信じたくない人は与太話でガセの類と切り捨ててくれるとうれしい(笑)。

 個人的には、世間一般で広く言われているアナログ歪み系ペダル(ファズとかオーバードライブとか)は確かに効果があると感じる。しかし一番驚いたのはデジタルディレイ系への効果で、ヌケが良くなるというか、ディレイ音の伸びが良くなるというか、雑味が無くなるのが顕著で、響きがすごく綺麗になったのがショックだった。こうなるともう止まらないというか、試験的に1本買ってみるのでは終わらず、追加で3本ほど注文してしまった。決して安くない投資だけれど、これは価値があると判断した。

 電源ケーブルは怖い………(笑)。


オヤイデ コンパクトエフェクター用ハイクオリティDCパワーケーブル(0.3m) oyaide neo DC-3398 LL/0.3
オヤイデ

精密導体“102 SSC"は、現在BLACKMAMBA-α V2をはじめ、オヤイデ/NEOともに 主要製品で採用されている導体で、ハイからローまですっきりとした表現が特徴です。

この"102 SSC"導体を、耐圧300V、耐熱150℃のアメリカのUL規格AWM style3398に準拠、許容電流10Aの"3398"のAWG18サイズ(0.75sq)を贅沢に 使用してつくられた、エフェクター用のDCパワーケーブルが、「DC-3398 LL」です。

多くのエフェクターは9-18V/100-250mAですので、「DC-3398 LL」のスペックの高さは 一目瞭然。効果として、お手持ちのエフェクターの音抜け、解像度が向上、天井が一段高 くなる音場表現が期待できます。

また「DC-3398 LL」の特徴であるツイスト構造は、耐ノイズ性能と音抜けの良さの両立を 可能にしています。(製品紹介文より)
  
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September 06, 2019

映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」を観た(ネタバレあり)

 クエンティン・タランティーノ監督作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(原題:Once Upon a Time In Hollywood)」を観た。

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 タランティーノの作品を映画館で観るのは「レザボア・ドッグス(原題:Reservoir Dogs)」以来なのでなんと26年ぶり(笑)。実はタランティーノ作品は他もテレビ放映時に途中から途中までみたいな感じでほとんどちゃんと観たことないし、「キル・ビル」になるとそういう機会も全く無いままで今に至っている。今回はなぜか予告編をYouTubeで観てこの作品は映画館で観たいなと思ったのだけど、まさに魔が差したというべきか……。

 それにしても映画の邦題でこういうカタカナ表記をされてしまうと日本人の多くはタイトルが何を意味しているかあまり直感的に理解できないけれど、「Once Upon a Time〜」となれば英語ネイティブな連中にとってはタイトルを目にするだけですぐにネタバレというか「あー、要するにおとぎ話なのね」と察しがつくのだろう。Once Upon a Timeは日本語に意訳すれば「むかしむかし〜」となる訳だから。

 そういうお約束ありきで観るのと、全く判らないで観るのでは映画の面白さも随分違うだろうと思うし、そういう意味ではタランティーノの映画はいつも日本人には解釈が難しいものが多いような気がする。実際、この映画が終わった後に若い観客が「なんだかよく判らなかったけれど、これアメリカ人なら面白いのかな?」という感想を漏らしていて、おそらくはシャロン・テート殺人事件のことも全然知らないのだろうなと思ったりもした。残念ながらこの映画は日本では若い頃に欧米サブカルかぶれだった今は老人向けの娯楽作でしかないのだろう。

 個人的にグッと来たのは、ブラッド・ピット演じるクリフ・ブースがくたびれた青いフォルクスワーゲン・カルマンギアのカブリオレに乗っていたところ。要するに彼は金が無いということを表現していた訳で、カルマンギアというのは金持ちでなくてもかろうじて手に入るスポーツカーで、昔は日本でも普通に街中で走っているのをよく見かけた。当然、日本でもカルマンギアに乗ってるのはそんなに金は無いけれどできれば外車のクーペに乗りたいみたいな車好きが乗っていた訳で、国産の本気のスポーツカーよりは格安で中古を手に入れることができたりした。今となっては懐かしい老人の思い出話でしかないけれど(笑)。

 あとはリック・ダルトンを演じるレオナルド・ディカプリオの演技がやはり秀逸だった。悪い奴じゃないけれどわがままでパッとしないオッサンみたいな感じで、こういう複雑な癖のある人物を演じさせるとディカプリオは本当に上手い。なんというかディカプリオ本人が本当にこういう人柄で映画全編に渡って下手くそな芝居を演じ続けているように見えてくる。彼の芝居を初めて見たのは「ギルバート・グレイプ」だったけれど、後になって知るまで彼は本当に智恵遅れの役者が起用されているものだとばかり思ったほどで、ああいう特殊な演技を演技と思わせないのには圧倒される。

 音楽的なネタとしては、ビートルズの「Helter Skelter」が使われず、代わりにヴァニラ・ファッジの名カバー演奏「You Keep Me Hangin' On」が使われたのはとても印象深かった。タランティーノはあえてこの曲にすることでおとぎ話として物語を終わらせることに成功していると思う。あの忌まわしい事件を知っている人々に対してはちょっとした目くらましみたいな趣向だけれど、それは同時にとてもやさしい思いやりでもあった気がする。あそこでHelter Skelterがかかっていたら残酷すぎるだろう。

 エンドロールのくだらないシーケンスで観客を笑わせて劇場を後にさせる演出も含めて、タランティーノの過去への様々な思いが詰まった映画だったと思う。まさにタイトル通りおとぎ話に相応しい作品。




レザボア・ドッグス スペシャル・エディション(初回限定特別価格版) [DVD]
ジェネオン エンタテインメント

クエンティン・タランティーノの才能を世に知らしめたバイオレンスアクション。宝石店襲撃に失敗した強盗たちの確執を描く。ハーヴェイ・カイテルら個性派俳優が共演し、銃撃戦のカメラワークが話題を呼んだ。(製品紹介文より)
  
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