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May 26, 2015

ミックスの練習:歌ってみた音源をミックスしてみた「忘却心中」

 蛋白さん(@_tanpaku)の歌ってみた音源をお借りしてミックスの練習。出来上がったのはこんな感じ。



 うーむ、完璧なミックスへの道は果てしなく遠い……。今回音源を自由に使わせてくれた蛋白さんには感謝です。ありがとうございました。

 完成したものを蛋白さんに聴いてもらったところ、ミックスのやり方を具体的に教えてほしいというリクエストをいただいたので、テキトーに解説してみることに。かなり怪しい部分もあるけれど、もしかしたら趣味でミックスやってる人達には少しは参考になるかも。

 で、ここから先はサンレコの記事を見習って「ですます」調で書いてみたりして(笑)。なお、DAW周りの用語については自分が使っているLogic Pro 9が基準です。

ミックスの下準備


 ニコニコ動画のボカロ人気曲はたいていの場合、歌ってみたなどの二次創作向けにオケが公開されているので、その公開されたオケをそのまま使わせてもらうことになります。今回の楽曲の場合は、公開データがMP3なので、これをDAW上で作業するためにWAV形式に変換する必要がありました。

 Logicの場合、サンプリングレートとビットレートが同一であれば、異なるフォーマットの音源データでも自動的に変換してくれるのですが、今回いただいたデータの場合は、オケが44.1kHz/16bitのMP3、ボーカルデータが48kHz/24bitのWAVだったため、そのままでは対応できません。そこでオケを単独でDAWに読み込み、48kHz/24bitに変換する形でバウンスしました。その際、DAWのステレオバスに「Gain」プラグインをインサートして、ザックリと-6dBほどレベルを落としています。これは、ボーカルとミックスする時点で必然的にDAW上にてオケデータのレベルを落として利用することになるので、最初から作業に必要となるレベルにまで最適化しておくのが目的です。また、この時点で出来ればオケのテンポ(BPM)をひろって設定しておきます。Logicはバウンスする際にテンポ情報も一緒に書き出してくれるので。歌ってみたのミックスではテンポ情報に対してそれほど神経質になる必要はありませんが、ボーカルにディレイをかけるときに曲全体のテンポが判っていれば、簡単に4分や8分のタイミングでかけられるのでその準備という感じです。

 バウンスしてフォーマットを変更したオケデータと、ボーカルデータを改めてDAWに読み込んで、タイミングのずれなどがないことを確認。これでミックスの下準備が完了です。

ボーカルのミックス


 まずは、ボーカルデータのみをソロで聴いて収録状態を確認します。外部ノイズや極端なリップノイズがある場合にはデータ毎に編集ツール等を使って適宜調整しますが、今回は特に問題は無かったのでやっていません。

 続いて、素のボーカルの音質で気になる帯域をLogic純正の「Channel EQ(以下、EQとだけ表記ある場合はこのChannel EQ)」で微調整します。これはマイクの特性や収録した部屋の鳴りなどから不要な帯域がブーストされてしまっているのをフラットに戻す方向での調整となります。あくまでもこれからコンプやEQで音を作り込んでいく前の下地作りなので、不要な低音部分(50Hzぐらいから下)のカットと、気になる帯域別で0.5dB程度の補正といった感じです。気になる帯域というのが判りにくいかもしれませんが、妙に鼻にかかったような鳴り方をしてる帯域があったら、そこをわずかに下げることでスッキリさせるといった要領です。このEQを行うことで、全体の音質を変化させることなく、ヌケの良いボーカル素材とすることができます。このEQ設定はコピペで、全てのボーカルトラックの一番最初にインサートします。このEQ設定が出来れば、あとはオケに対して適切な音量バランスをとれば基本的なミックスは終了ですが、さすがにこれでは色気も何もあったものじゃないので、ここから各種エフェクトをかけて、楽曲にあった世界観を作るあげていくことになります。

 この下地作りをするようになったのは、YouTubeに公開されているMixbusTvというチャンネルの「HOW TO MIX TRAP HIP HOP VOCALS ON A 2 TRACK INSTRUMENTAL」シリーズを見てその方法を知ったからです。興味のある人は是非見てみてください。残念ながら英語での解説になりますが非常に勉強になります。ここまで詳しくボーカルのミックスを無料で学べる機会はなかなか無いと思います。

 さて、今回の楽曲は、Aメロ、Bメロ、Cメロに展開する形式ですが、Aメロはやや特殊なエフェクトをかけるため、基本となる音作りはBメロから始めました。

 まず基本EQの次に使うエフェクトはコンプ。ボーカルの色づけを考えて、まずはオプト系のWAVES「CLA-2A」で軽く均しつつボーカルのつやを引き出してから、その後にWAVES「CLA-76」をインサートして反応の遅いCLA-2Aでは間に合わないようなアタックの早いフレーズに対応する形としました。CLA-76はよくありがちな潰して歪ませるようなものではなく、あくまでもCLA-2Aの補完的な使い方。この方法は、エンジニアの中村公輔さんから教えてもらった技を応用しました。コンプの使い方については、サンレコ2015年7月号でも中村さんの解説による特集記事「コンプは“動作タイプ”で使い分ける!」があってとても参考になります。

 コンプのあとにディエッサーをインサートして耳に痛い部分を補正したら、その後に若干の倍音を付け加えるためにサチュレーション系のKlanghelm「IVGI」、さらに味付け用EQとしてSonimus「SonEQ」を使って中高音部分をほんの気持ち程度強調しました。IVGIとSonEQはあくまでも派手なオケの中でボーカルが沈み込まないように少しゲタを履かせるといったニュアンスで、ハッキリとかけたのが判る感じではありません。

 ここまで音が出来たら、今度はオケの中でボーカルが馴染むようにAUXセンドを使って残響系のエフェクトを付け足します。今回は8分の短めのステレオディレイの後にホール系のリバーブを加えました。その後にLogic付属のコンプをインサートし「FET」で極端に短めのアタックとリリース、6:1ぐらいのレシオにして、サイドチェーンをボーカルにして、歌ってないときだけ残響音が鳴るような処置をしています。これによって歌詞がはっきり聞こえつつ、ボーカル全体にはなんとなく余韻を感じるような存在感を持たせました。これも先に紹介したYouTubeのMixbusTv動画で詳しい使い方を見られます。

 さらに、別のAUXセンドで送ったボーカルにvacuumsound「ADT」で擬似ダブリングさせた音に、Softube「Saturation Knob」で歪ませたものを、薄〜くミックスに混ぜて、ボーカルの線が気持ち太くなるようなニュアンスを狙っています。これは隠し味的なもので、お汁粉に塩をほんのちょっと入れると甘みが増すというのと同じ。ちょっと正確ではありませんが、このトラックだけソロで聴けば判るけれどミックスの中で聴くと判らないようなレベルと言うと通じるでしょうか。

 以上でBメロ部分の音作りは完成。この設定はそのままCメロでも使います。BメロとCメロの違いは、別のAUXセンドを付け足して、さらにホール系のリバーブで残響を増やしているところ。こちらのリバーブは、一旦WAVES「CLA-3A」を使って残響音を強調した後に、やはりLogicのコンプでサイドチェーンを使ってボーカルによって鳴り方を制御しています。

 Aメロは、基本EQの後にWAVES「CLA-76」の必殺ボタン全押し(笑)設定でボーカルを潰しています。その後にEQで100Hz以下と1.3kHz以上をバッサリとカットしつつ、中音部で不要と感じる帯域を抑える形に補正。この後にLogicの「Tremolo」を1/64のレートで強めにかけ、TSE AUDIO「TSE 808」で思い切り歪ませています。Sonimus「SonEQ」で全体の音をまとめた後、最後にもう一度WAVES「CLA-76」のボタン全押しでかけて、極端にフラットな音像に仕上げてます。しかし、これだけだとあまりにもデッドな音像になってしまうので、ここから隠し味を付けます。

 Bメロと同じようにAUXセンドでステレオディレイとリバーブを使いますが、今回は歌詞のノリが強調されるように4分と8分の大きな譜割のディレイにします。しかし、このままでミックスに戻すとキレのある感じになりません。そこで、ノイズゲートをかませ、ボーカルをキーにしたサイドチェーンで制御します。これによって、歌っている間だけディレイが聞こえ、歌詞が途切れるとディレイもバッサリ聞こえなくなるようにしました。オケの中で聴くとディレイ音はほとんど判らなくなりますが、微妙なノリが生まれてボーカルにグイグイくるような感触が加わります。

 ボーカル素材はこのほか、ハーモニーなどありますが、基本の音作りは上記のパターンを組み合わせることで調整しています。

 ボーカル素材全ての音が出来たら、次はオケに合わせてバランスを取ります。バランスをどうするかは人それぞれのセンスだと思いますが、Aメロ<Bメロ<Cメロと徐々にボーカルの存在感が大きくなるような形で全体の流れに合わせてフェーダーオートメーションを書きました。また、細かい部分の調整としては、オケのアレンジによって楽器の数が変化するなどしてレベルが極端に変わる箇所は、それに合わせてボーカルのレベルも微調整すると、全体の流れが自然に聞こえます。最終的には耳で聴いて音のバランスを揃えていくのがコツだと思います。

 ここまで出来たら、一旦オケをミュートして、ボーカルだけのミックスをバウンスします。この際、マスターバスにトータルコンプやリミッターはかけません。あくまでもボーカルのステムミックスを作る要領です。

全体のミックス&マスタリング


 新たにオケとボーカルステムミックスを読み込んで、その2つのバランスを取りながら同時にマスタリング的な処理を施します。

 まずはオケの音圧感を改めて確認します。これはオケをソロで最終的なレベルバランスにして再生しながらLogicの「MultiMeter」で一番音の大きな箇所のRMSを読み取ります。次にボーカルのステムミックスにWAVES「L2」をインサートして、ソロで再生しながらスレッショルドとシーリングを調整しつつ、最もレベルが大きくなる箇所のRMSが先ほどオケで確認した数値とほぼ同じようになるように調整します。なぜ、このようなことをするかというと、ニコニコ動画で公開されているオケ音源がほとんどの場合マキシマイズされてしまっているので、そのままボーカルをあてると音圧的に負けてしまうので、マキシマイズされているオケと同じような音圧にまでボーカル音源も個別にマキシマイズしてしまうことで、同じような音のあり方に揃えるためです。もし、公開されているオケ音源がマキシマイズされていなければ、こういったボーカルの特殊な処理は不要だと思います。

 ボーカルの聴感がオケのあり方と揃えた時点で、改めてボーカル側にディエッサーをインサートして耳に痛い部分を補正します。さらに、ディエッサーで甘くなりすぎた高音成分を補正するためPlugin Alliance「MAAG EQ4」で高音を若干ブーストしています。

 一方、オケの方は、Plugin Alliance「Brainworx bx_refinement」をインサートして、ほんの気持ちだけ高音を抑えるようにしました。

 改めてオケとボーカルのバランスをフェーダーで微調整した後、マスターバスにToneBoosters「TB_ReelBus」、Tokyo Dawn Labs「TDR Kotelnikov」、Plugin Alliance「Brainworx bx_digital」、vladg/sound「Limiter No6」をインサートして最終的な音質補正とリミッティングを行っています。味付けとしてはTB_ReelBusがかなり大きいかもしれません。

今回の反省点


 ニコニコ動画にアップして聴いてもらうという前提で仕上げていったので、最終的な音圧のあり方をRMS値で-10dB前途にくるようピーク設定したのですが、そのせいで繰り返し聞くとやはり耳が痛く、自分のミックスの技量の無さを思い知らされます。今後はもっと低めの音圧でもメリハリがあって気持ち良く聴けるレベルを目指したいです。  
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April 19, 2015

映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」を観た。(もしかしたらネタバレ)

 今回も本作がアカデミー賞を受賞したという程度の事前情報以外の予備知識はゼロで(そのアカデミー賞にしても一体何で賞を獲ったのか知らなかった)で映画館へ向かう。ただし、YouTubeか何かで予告編は見ていたおかげで、老いた主人公が再びヒーローとして返り咲き社会の悪と戦うという話に違いないというとんでもない勘違いをしていたことだけは正直に告白しておこう。

Birdman

 本作の原題は「Birdman: Or (The Unexpected Virtue of Ignorance)」という。邦題もしっかりと長ったらしいままでほぼ直訳している。最近の洋画としては珍しい。こんな見せ方したらイマドキの面倒臭いことが嫌いな客はそれだけでドン引きだろう。つまりは日本の配給会社もこの作品をキャッチーでバカ売れする商品として売ることはもう最初から諦めているに違いない。アカデミーで4冠受賞した作品の本邦初公開だというのに、自分が観に行った劇場(新規開店したばかりのTOHOシネマ新宿)では大きなスクリーンでかけることさえしていなかった。そういうことなのだ。

 一般受けはまずしないし、若いカップルのデートなぞには絶対おすすめできない。二昔ぐらい前ならシネマライズで単館上映されて、一部文化人が絶賛したおかげで勘違いした人々が押し寄せて予定よりも上映期間が延長されるといったような類の作品じゃないだろうか。しかし、今はそういう文化土壌もほとんど無くなってしまったから、おそらくは気がついたら上映がとっくの昔に終わっていて、ビデオレンタルもあまり回転することなく一部のマニア以外からは忘れ去られていくパターン。

 で、個人的にどうだったかというと、とても気に入った。この映画は生涯を通してオールタイムベストのかなり上位にランクされる作品だ。こんな映画らしい映画、言い方を変えるとロマンチックな映画は久しぶりに観たように思う。ちょっと違うのだけれど「虹を掴む男」のようでもあり、「未来世紀ブラジル」のようでもあった。自分はなぜか未来世紀ブラジルちっくな映画がすごく好きで、このバードマンという映画はエンディングも含めてとてもその路線に近しいものを感じた。ネタバレになるけれど、あの最後のシーンは果たされることがなかった夢の描写なのか、それとも現実なのか。そういうところがとてもブラジルに似ていた。そして残念ながら、そのなんとも曖昧模糊としたバッドエンディング、もしくはハッピーエンディングも、この作品を一般受けからは遠いものにしていそうな気配はある。

 この映画は時間の経過を表現する演出として「同ポジOL(同じ構図の絵をそのままオーバーラップして画面遷移する)」手法をずっと最初から最後まで貫き通していて、これもまたとても不思議な効果を醸しだしている。観ていると時間が変わったのかどうか一瞬判らない場合があったりして、それが一般的なカットつなぎで見せる映画とは異なった絶妙なタイムワープ感を与えてくれる。自分はとても面白いと思ったし、そうした時間の移り変わっていく様子を楽しんだけれど、あのノリに馴染めない人にとってはかなり居心地が悪いものかもしれない。

 音の面からの注目は、なんといっても全編を通じてほとんどの音楽がアントニオ・サンチェスとブライアン・ブレイドによるドラム演奏だけで構成されている点。このシンプルで大胆な音楽の起用が映画全体の緊張感を引き立てている。さらにドラム以外の楽器が入る瞬間はものすごいインパクトを与えることになる。この映画を観る時には、できればドラムの音が最高に良い音響システムのある劇場を選びたいところ。残念なことに、自分が観に行った出来たばかりのTOHOシネマズ新宿のスクリーン3は、ドラムの音に関しては今ひとつ良くないように感じた。あれは何なのだろう。音はきれいに鳴っているのだけど芯が無いような、そんな物足りない印象を覚えた。もっとも、当日は気圧が低くて自分の耳も本調子ではなかったので、もしかしたらそれが原因なのか……。

 ところで、バードマンとは全く関係がないのだけれど、本編が始まる前の予告編がどれも疲れる映像ばかりで辛かった。CGを使わざるをえないのは判るけれど、もう構図が下手くそで暑苦しいマンガにしか見えない。ああいう作風でないと客は入ってくれない時代なんだろうと思うけれど、色々な意味で劣化具合が激しいような。商業音楽における「音圧戦争」と同じようなことが、映画でもCG導入で起きているんだなと感じた。

B00NAXEAAKBirdman - Original Soundtrack
Antonio Sanchez
Milan Records 2014-10-13

  
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March 01, 2015

映画「アメリカン・スナイパー」を観た(たぶんネタバレ注意)

 本国ではこれまでに公開された戦争映画史上最高の興行収入額を実現しながらアカデミー賞を獲れなかったというなかなか曰わく付きの作品。国内では実際のところどうなのか知らないけれど、身近なところでは割と不評な感が強い。で、やはり不人気なのかどうかは知らないけれど、映画の日だというのに割と良い席を予約できたので観に行ってみた。

as_img

 毎度のことながら、今回も作品に関する事前情報はほとんど知らずで臨む。ただし、映画がほぼ完成を迎えたタイミングで不幸にも主人公であるクリス・カイル本人が殺されてしまい、急遽ストーリーを一部変更したらしいことだけは知っていたし、それがどう反映されるのかは気になっていた。

 まず、先に結論を書いてしまうと、やはり意図しないエンディングを迎えてしまったクリス・カイルの死がこの映画作品に与えた影響は破格に大きくて、とても不幸な結果(つまり失敗作)になっていると思う。できれば、カイルの人生が違う形になっていれば、この映画の可能性はもっと大きかったのではないか。しかし実際には残念なことに「アメリカン・スナイパー」という映画は単なるアメリカンヒーローの冗長な追悼映画に堕してしまった。おそらくイーストウッドが望んだ形では全然ないだろう。けれど、あまりにも絶妙なタイミングによる事件のため、ああした終わり方しか出来なかったのだと想像する。

 で、ここから先は単なる妄想なのだけれど、この映画はマイケル・チミノの「ディア・ハンター」のリアル版としての戦争告発作品になるはずだったのではないだろうか。冒頭でカイルが父親と初めての狩猟に出かけるシーンがあり、映画の最後で今度はカイルが自分の息子と狩猟に出かけるシーンがある。本来であれば、あの後半の狩猟のシーンでもっと示唆的な何かがあったのではないだろうか。また、カイルが4度目の派兵で帰国した際のバーにいるシーンも本来はもっと色々なエピソードがあったのではないだろうか。あのシーンはあまりにも唐突で、なぜバーで一人ビールを飲んでいるのかが全く意味不明だった。

 これは不遜な物言いになってしまうのかもしれないけれど、カイル自身がこの「アメリカン・スナイパー」という映画の失敗には一番失望しているのではないだろうか。彼が本来求めたことは、戦争のヒーローをこうした悲劇でもって偶像化し賞賛することにはなかっただろうから。そういう意味でもとても後味の悪いエンディングだった。

 映画の音響に関しては、街中での銃撃で残響音が響くのが印象に残ったけれど、映画館の音響システムの問題なのか自分の耳の不調なのか、それとも映画の演出がそうなのか、今どきの派手な効果音満載の映画に慣れている身としては全体的にかなり地味な鳴り方だと感じた。しかし、それが実は逆にリアルであるのかもしれない。実際の銃撃や爆破の音というのは乾いた素っ気ないものだというから。なお、サントラでは1曲「Taya's Theme」をイーストウッド自身が作曲して提供している。

P.S. そういえば、イーストウッドの前作「ジャージー・ボーイズ」で大きなカギとなる楽曲が「Can't Take My Eyes Off You」なんだけれど、あの曲も「ディア・ハンター」の中で割と大きな意味を持っていたりする。で、ジャージー・ボーイズを観た直後にふとディア・ハンターを観たくなったりしたのだけれど、もしかしてイーストウッド本人もそんなことを考えたりしたのだろうか。それは考えすぎかな……。

B00QWF6AQUディア・ハンター(ユニバーサル思い出の復刻版 ブルーレイ)
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン 2015/04/08

アメリカン・スナイパーを観ているのであれば、こちらの作品も一度は観てみることをおすすめ。やはり戦争によって心が蝕まれるとはどういうことかを描いた作品。
  
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February 07, 2015

最近のマグボトルは軽くて驚いた

長年象印製のマグボトルを愛用している。今まで使っていたのは内蓋がずいぶんくたびれて茶渋などの汚れもとれなくなってしまったのもあり、思い切って新しいのに買い換えた。

B00HYOGTTGZOJIRUSHI ステンレスマグ【0.48L】ブラック 軽量タイプ SM-SA48-BA
象印 2014/02/21

さらなる軽量化とコンパクト化を実現
使いやすく持ち運びしやすいので、オフィス使いにもお出かけにも、様々なシーンにオススメのマグ

今まで使っていたものとほぼ同じ0.48リットルサイズにしたけれど、持った感じがずいぶんと軽い。

調べてみると、古いモデル(SM-AF50)の重さが約250グラムなのに対して、新しいモデル(SM-SA48)は約205グラム。厳密には容量が従来よりも約0.02リットル減っているのでその分軽くなっているとしても、45グラムの軽量化はかなりのもの。技術の進歩はすごいなと感心した。  
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January 27, 2015

オカルト:電源ケーブルを換えるとオーディオの音も変わる

 オーディオ関連の話題というのは、一般的な日常感覚では納得しかねる話がゴロゴロ転がっているのだけど、電源ケーブルにまつわる話もその一つ。

 オーディオに興味が無い普通の人からすれば、電源ケーブルを変えるだけでオーディオの音質に影響が出るという話は、もうバカバカしくて聞いてられない類のものだろう。100歩譲って、電源周りの出来不出来が音質になんらかの影響を与えるだろうとしても、たかが電源ケーブルごときの違いで音質にそこまで差が出るとは思えない。実は自分も電源ケーブルに関してはそういう感覚でいた。

 で、たまたま、とあるオーディオ関連の記事を読んでいたら、電源プラグで3芯のものを2芯コンセントに接続するための変換アダプタを使うと音が悪くなるという話があった。これはうちにあるギターアンプとオーディオアンプの電源ケーブルがまさにそういう状態。どちらも本来は3芯接続でアースを落とすケーブルが付属しているのだけど、うちには3芯で受けられる電源コンセントが無いので、仕方なく変換アダプタを付けて使用している。やはり音が悪くなってるのだろうか。

 丁度、アースは結線してないけれど、3芯接続用の穴が開いた電源タップは持っているので、まずはこれにギターアンプの電源ケーブルを接続して、変換アダプタの有無で音に違いがあるか比較してみることにした。

 さて結果はというと、アダプタを外した方がヌケの良い音でアンプが鳴る。アダプタを付けると、ちょっとこもった芯のぼやけた音になる。こうした音の変化が出ることを全く予期してなかっただけにこれはかなり驚いた。アダプタは何らかの抵抗になって電圧や電流に影響を与え、それが結果的にアンプの音質にも変化をもたらすのだろうか?

 それはともかく、電源プラグの3芯から2芯への変換アダプタが音質にネガティブな影響を与えていることは間違いなさそうだ。当然、オーディオアンプの電源ケーブルでも同じことが起きていると推測される。

 ここで、真面目なオーディオマニア(?)であれば、変換アダプタ無しで接続できるように電源コンセント側を3芯受けできるように改造するのが正当なやり方だろう。しかし、電源コンセントに手を加えるのはアースのことなども含めてかなり厄介なので、ここは単純にアダプタ無しで使える2芯の電源ケーブルを作ることにした。

 どうせ作るなら、それなりには趣味の品らしいパーツを選ぼうということで、秋葉原まで出かけた。ただ、ハイエンドなものは最初から狙ってないので、それなりの普及品が手に入りそうな千石電商で見繕うことに。ケーブルは店の人が最近人気ありますよと教えてくれた塩田電線の「C-1011 PC-23」をピックアップ。プラグはパナソニック電工の「WF5018」で、これを選んだ理由はアース端子を取り外し可能だから。コネクターは普及品で太いケーブルに対応するものがないため、これだけ泣く泣く割高なFURUTECHのオーディオ用「FI-15 Plus (G)」をチョイス。

cable

 完成したケーブル、まずはギターアンプで試してみた。付属のケーブルに較べて、全体に太く滑らかな音になった。うーん、やっぱり電源ケーブルで音が変わるという事実は本当のようだ。そういう事実にうれしくなるよりも、オーディオ面倒くさいということでしばし暗澹たる気持ちになる。

 気を取り直して、オーディオアンプで試聴。機材チェックでいつも使うお決まりの音源をいくつか、ケーブルを元から付属しているやつと今回自作したやつで取っ替え引っ替えしながら聴き比べることに。やはり自作したケーブルの方が全体の鳴りが良い。「タクシー・ドライバー」サントラの1曲目「メイン・タイトル」でイントロのエレピのトレモロが左右に振れるのが明確に鳴るようになった。これは今までちょっと曖昧で不満だったところなのでかなりうれしい。で、中盤からテーマを演奏するトランペットの音がキンキンしたか細い音から、もっと楽器的なしっかりと芯のある鳴り方するようになって思わず「おぉ」とつぶやいてしまう。

 続いて、大瀧詠一「A LONG VACATION」の1曲目「君は天然色」のイントロのアンビエンスがこれまでにはなかった自然な余韻を聞かせてくれる。で、衝撃的だったのは、これまでうちのオーディオシステムではちゃんと鳴ってくれなかった弦楽器(生ギター?)のピチカートが、正にピチカートの音として鳴ってくれたこと。この音がしっかりしたシステムでは鳴るのことは知っていたが、うちではずっとデジタルクリップしたような音にしか鳴ってくれなかった。それが初めて普通に楽器の音として鳴ったのだ。いやー、電源ケーブルすごい。オカルト万歳としか言いようがない。ケーブル換えて音の差なんて微々たるものでブラインドテストしたら絶対判らないというような話よくあるけれど、少なくともうちの環境でこの音源なら、ブラインドテストで完璧に聞き分けられる自信あるぐらいに音が変わった。

 オーディオシステムの試聴用レファレンスとして人気が高いスティーリー・ダンの音源も、うちのシステムだと音がキンキンして好きじゃなかったのだけど、今回改めて聴き直したら素晴らしくて、あぁ、スティーリー・ダンがちゃんと鳴らないのはダメなオーディオだったのだなぁと思い知らされた。

 久々に自分の家のオーディオで音楽聴くのが素直に楽しくて驚くばかり。電源ケーブルすごい。

B00SLBOVS2塩田電線 C-1011 PC-23 4N無酸素銅電源ケーブル m/切り売り
塩田電線

B000F0OK1Aパナソニック WF5018 医用接地15Aキャップ
パナソニック電工

B00G77JYLGフルテック インレットプラグ24金メッキ1個Furutech FI15PLUS-G
フルテック
  
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January 24, 2015

映画「100円の恋」を観た(毎度のことながらもしかしたらネタバレ)

 映画に詳しい知人から面白いので観ると良いよと勧められて初めてその存在を知った作品。

100yenlove

 ポスター写真を見てかなり腰が引けた。けれど、とりあえず公式サイトで公開されている予告編を見てみたら、なんだか興味がわいたので観てみることにしたという流れ。

 で、結果的にはこの予告編を見ずに本編観れば良かったなと後悔もした。なにせ予告編を見てしまうと、かなりストーリーの展開が読めてしまって、折角のこれからどうなるんだろうというドキドキ感がちょっとばかり薄まってしまったから。まぁ、予告編を見なければ本編観ようとは思わなかったので、なかなか悩ましい話だったりもするけれど……。

 この映画のすごいところは、登場人物がことごとくダメ人間ばかりというところ。そのダメさ加減も、よくありがちなウィットに富んだ人情劇みたいな感じではなくて、本当に社会の底辺のどん詰まりな感じをリアルに描き出す方向。それだけに登場人物達への感情移入もあまり簡単ではない。おそらく映画の始まりから終わりまで全編を通して、登場人物の誰かにずっと感情移入できる人というのはあまりいないのじゃないだろうか。それでも、後半に向かってどんどん突き進んでいく主人公の一子の姿にはいつの間にか感動せざるを得ない訳だけど。

 個人的には風邪で寝込んで起きたときに差し出された巨大なステーキ肉を食いちぎれなくてばかばかしくて笑った後、なぜかオイオイと泣きだす一子の姿に一番泣けた。あの感情の流れの描写は相当にグッときた。

 ボクシングを始めて主人公の身体の動きのキレがバシバシと決まっていくのは本当に格好良くて、映画が終わった後に、後ろの席に座っていた若い男の子が自分でも気付かずなんだろうけれどかなり大きな声で「すげー格好良かったよね!」と叫ぶように友達に向かって語っていたのが、まさに判る判るという感じだった。

 この映画、普通の人なら女性版「ロッキー」に例えて語ったりするのだろうか。ただ残念なことに、自分はロッキーのシリーズを一つも観たことがないので、はたしてその通りなのかどうかはよく判らない。それよりも、映画を見終わった後に最初に感じたのは、なんだかスコセッシの「タクシー・ドライバー」のような映画だったなぁということ。そんな風にこの映画を観た人間はおそらく世界で自分一人だけかもしれないけれど(笑)。ファンタジーなんだけど、妙にリアルで、その幻想と現実の境界を行ったり来たりしながらも、エンディングはどん底のままなのに夜の澄んだ空気感が心地よいみたいな映画だった。

 その後改めて作品についてちょっとネットで調べたりしたら、この「100円の恋」という映画の脚本は、2012年に新設された脚本賞「松田優作賞」の第1回グランプリ受賞作らしい。ということは、まぁやっぱりハードボイルドなんだよね。タクシー・ドライバーを感じた自分の感性はそれなりに間違っていなかったのかな。

 とりあえず、こういう映画が面白いよと教えてくれる友人を持っている自分の人生は、それなりに悪くないのだろうと思ったり。  
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December 23, 2014

映画「ゴーン・ガール」を観た(もしかしたらこれでもネタバレ?)

 とにかく話題だったのと、どこかで事前にネタバレ情報みたいなものを知ってしまうと面白くないだろうというのもあって、その前にという感じで焦って観に行った。

gonegirl

 事前に予告編だけは見ていたので、なんとなくそういうストーリーなんだろうとは予想していたけれど、そうした予想を軽く上回るような激しい展開もあったりして、相当に衝撃的ではあった。もっとも本当に一番最後のオチは途中で読めたけれど。

 万人には全くお薦めしません。生理的・心理的どちらにもかなりタフな感じなので覚悟して観るべし。恋愛中のカップルがデートで観に行くとかは絶対止めた方が良いと思う。まー、別れたいカップルならありか(笑)。

 最近の映画では当たり前になったけれど、やはり音による演出が素晴らしい。これから観ようと思っているのならできるだけ音響設備の良い映画館で観るべき。とにかく、心臓の鼓動のような音が非常に効果的に使われていて、あれは大きな音で再生されないと体感できない。普通の家庭用ビデオ環境だとその部分はかなりスポイルされてしまいそう。

B0070ZZIJGチェイシング・エイミー [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ 2012/04/04

同じエイミーという名前の女性が出てくる映画ならこちらの方が好きかも。ただし、この映画も甘い映画ではないけれど……。
  
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December 06, 2014

映画「インターステラー」を観た(もしかしたらネタバレ)

 上映時間169分とほぼ3時間近くの長尺に、はたして自分は耐えられるのかと心配もしたけれど、劇場ではそんなことを全く意識することもなく、一気に最後のスタッフロールまで気持ち良く観ることができたので、それなりに良く出来た映画なんじゃないかというのが一番の感想。

poster

 で、個人的に一番ツボだったのは、主人公であるところのクーパーが宇宙へ旅立つまでのシーン。まぁ、それ以降も決してつまらない訳じゃないけれど、なんとなくあの砂嵐がやたらに起きる地球の終わりかけの風景が良かったなと。ドローンが飛んでるのを追いかけるところとか最高だった。

 で、この映画は結局のところ、1960年代辺りにやたら作られた例えば「宇宙家族ロビンソン」のような、まさに荒唐無稽なスペースオペラ的代物であって、そこに厳密な科学的根拠を求めてもあまり意味ないし、そんなことに意識を持って粗探しするよりは、単純に目の前に広がるギミック満点な特撮的世界を楽しむのがベストなんだろう。

 ただ、やっぱりね、食料不足が祟って世界中の軍隊さえもが無くなってしまうというほどの極限状況な設定なのに、自由に自動車をガンガン走らせることができるだけの燃料があったり、一般家庭でも普通に電気を使えるような様子というのは、ストーリー設定がちょっと苦しいぞと思わずにはいられなかったのも正直なところ。逆にアポロが政府の作ったガセだということになっているエピソードは受けたけれど。

 自分には昔からそういう面があったのは否定できないけれど、最近は本当に映画を観る前の予備知識とかに全然興味が無くて、誰がキャスティングされているかも知らずに観ていたものだから、途中でアン・ハサウェイが出てきた時には、彼女が好きな身としてはうれしいサプライズで、なんだかすごく得した気分だった(笑)。

 何はともあれ、ツイッターでも書いたように、同じ宇宙ものでも「ゼロ・グラビティ」に較べると、ずっと好感が持てる作品だった。

 ちなみに、音響面では超重低音が多用されており、それが演出面でもかなり重要な役割を果たしているので、もし可能であればできる限り音響設備の良い劇場で鑑賞するのがベスト。あの身体にまとわりつくように響き渡る低音が感じられないと、映画全体の印象もかなり軽くなってつまらなくなる可能性ありそう。映画はやはり音がとても大事だなと。

 そういえば、普段はもう少し英語の台詞を聞き取れる自信あるのだけれど、この映画に関しては字幕を見ないとサッパリ判らずだった。交わされる言葉に専門用語が多いという理由もあるのだろうけれど、かなりダメだったな……。

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(製品紹介文から)日本語吹替音声は、現存する放映当時のものを尊重し、そのまま収録しております。そのため、一部に不適切な表現がございますが、あらかじめご了承ください。
  
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November 28, 2014

どうでもいい話:ベルデン8412の結線の仕方が間違っていた

 ずいぶん前にギター用シールドケーブルの音質比較をやって、ベルデン8412の音が悪くて全く自分の好みじゃなかったということを書いた。

 なので、自作した8412のケーブルはその後使っていなかったのだけれど、世の中的に8412はやはりそれなりの評価があって、これはどういうことなんだろうと疑問に思ったり。もしかしたら、自分の結線の仕方に問題があったのではなかろうかという疑問がふつふつと沸いてきたので、改めてネット検索してみた。

 で、判ったことは、ちょっとオカルトぽい「セミバランス」接続は置いておくとして、普通にギター用でアンバランスな接続をするためのシールドケーブルの作り方としては、1芯をホットに、残りの1芯をシールドと束ねてスリーブに落とすのが標準的な結線ということらしい。これまで自分は2芯を束ねてホットにして、シールドだけスリーブに落としていたのだけれど、その方法だとずいぶん音質に影響が出るということが発覚。

 あわてて、標準的な結線の仕方にやり直して試奏してみたら、なんとヌケが悪くて不満に思っていた部分が随分解消されてビックリした。

 これはもしかしたらセミバランス接続もそれなりに影響あるのかもねと思いつつ、そちらは扱いが面倒になる(ケーブルの接続方向に志向性が生まれてしまう)ので、手を出さず。

 いずれにしても、8412と9395は音のあり方が相当違うので、人によって好みはハッキリと分かれそう。個人的には8412はシングルコイル系でクランチーな音を求める時やベースで味が出るんじゃないかと思う。クリーンな音なら演奏する音楽に合わせて8412と9395を使い分けてピッタリする方を選ぶ感じ。9395の方が立体的な質感の音になると思う。そういう響きが具合良い時と、邪魔になる時があるから、本当ケースバイケースかな。残念ながら、オーバードライブ以上の歪み系な条件については、自分はまずそういうのを弾かないから全然判らない……。  
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September 28, 2014

「Squier Vintage Modified Jaguar HH」というギターを入手したので簡単に感想など

 ちょっとした縁があって新品のギターを手に入れたので、簡単に感想を書いておこうと思う。手に入れたのは「Squier Vintage Modified Jaguar HH」で、残念ながら既に生産中止だけど、不人気モデルのため今も結構な数が市場で流通している。

vmjhh_head

 本来ギターのような楽器の場合、1本1本の個体差が大きく、いわゆるアタリ・ハズレも激しいし、奏者との相性も大きく左右するから、一般論としてのレビューみたいな情報は他の人にはあまり参考にならないと思うのだけど、ネットの情報であまりにも酷いものを見つけてしまったので、こういうのはあり得ないと感じたので、それに反論すべく書いておくことにする。

 まず、その酷いと思った情報をまんま引用しておくことに。ちなみに、ここで挙げられている「Vintage Modified Series FSR Jaguar HH」は、ボディカラーだけ変更されたVintage Modified Jaguar HHの色違い限定モデルという扱い。

Squier by Fender Vintage Modified Series FSR Jaguar HH を買おうと思っているのですが、評判はどうなのでしょうか??

ベストアンサーに選ばれた回答

評判は、「悪い、ヒドい、ゴミ」から「まあ使えないワケではない」くらいです
「良いギターだ」というハナシはほとんど聞きません

「評判は?」と訊くくらいなんでおおよそどんなモノなのかはわかってるかと思いますが、ハイ、安モンです、ほぼオモチャギターです
「なんとか練習には使えるかな?キツいかな?」レベルのモンだと思います

ちゃんとしたギターは最低でも8〜10万くらいしますから

 自分で実際に試奏さえしたことがないくせに、どこかで聞きかじった話を元に勝手に決めつけて貶した挙げ句、「ちゃんとしたギターは最低でも8〜10万くらいしますから」という訳の判らない捨て台詞。こういう輩が重宝されてしまうのが今のネットの一面でもあるのだけど、なんとも情けない話だと思う。

 で、実際に手に入れて弾いた者の感想としては、今なら実売2万円前後で手に入るギターとして評価すると相当によく出来た製品だとハッキリ言える。まず、奏者の演奏スタイルに合わせて弦の高さやテンションを自由に調整できて、チューニングも安定している時点で十分に合格点だし、全体の仕上げもしっかりしている。ピックアップはいわゆるブティック物と呼ばれるような類ではないけれど、Seymour Duncanのライセンスで作られた真面目な作りで、音も悪くない。

 気になる点があるとすれば、気温の変動で微妙にネックの反りが落ち着かないところ。これは使い続ければ安定するのか、それともずっとマメに面倒見てやらなければならないのか今のところは判らない。トラスロッドを1/4回転前後いじることでキレイに修正できるので個人的には問題ないけれど、この点は初心者ユーザーには無理があるかもしれない。

 ネット上で評判の悪い、ダン・エレクトロ風味のブリッジについては、自分はほとんど不満は無いけれど、確かにイントネーション(オクターブ)調整はちょっと面倒。でも、これも頻繁にやる作業ではないのでダメという程ではない。また、最初にビビる音が出てしばらく解決できなくて困ったけれど、これも各コマの高さを調整するネジの緩みが原因で、増し締めすることで完全に解決した。

 で、ここから先は、もう完全に個人の好き嫌いの問題になるけれど、ハムバッカーの出力パワーがあり過ぎて自分の演奏スタイルに合わなかったので、ピックアップの配線をいじって、通常のシリアル出力をパラレル出力に変更した。これでずいぶん好みに近い音質になったけれど、いつか予算があればP90タイプに換装するなどしてみたいかも。

 後は、このギターのボリューム・トーンのコントロール類がちょっと特殊で、古いジャズベースやダンエレクトロと同じようなスタック型の2連式コントローラーだったのだけれど、セレクターでセンターポジションにして2つのピックアップを使う時にボリューム調整がやっかいだったので、思い切って通常の1ボリューム・1トーンの形に改造した。

vmjhh_body

 ただ、おしなべてこの価格帯で手に入るギターとしては非常に満足のいく作りだと思う。まぁ、ギターなんて嗜好品なので、金がある人は値段とブランドで良し悪しを決めればそれでいいのかもしれないけれど、実際に自分の手で弾いて自分の耳で聴いて評価すべきだろう。初心者でそういう判断が出来ないというのであれば、信頼できる知人と一緒に現物を確認するのが一番。だけど、「信頼できる知人」を見つけること自体がなかなか難しいかもしれない。あとは楽器屋で自分と相性の良い担当者を探すというのもありかも。楽器の場合、接客してくれる相手との相性はとても大事だと思う。もし相手のことをなんとなく嫌だなと思ったら、別の店員と話してみるか、思い切って別の店に行くというのもアリ。ここで嫌な相手の言いなりになると結果も残念なことが多いような気がする。  
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