November 27, 2011

映画「少年メリケンサック」を観た

 iTunes Storeの映画レンタルにあったので、まぁ暇つぶし似よいかなと思い、映画「少年メリケンサック」を観た。

B0027WLYN6少年メリケンサック スタンダード・エディション[DVD]
VAP,INC(VAP)(D) 2009/08/07

レコード会社OL・かんな(宮あおい)が、動画サイトで見つけた〈少年メリケンサック〉のライブ映像。そこには凶悪な絶叫パフォーマンスのイケメンが!! 契約を取るために会いに向かうと、そこにはなぜか酔い潰れた50歳すぎのオッサンが!!「これ誰っ!?」・・・かんなが見つけた映像はなんと25年前のものだったのだ。かんなの驚愕をよそに、〈少年メリケンサック〉の人気はネット上で大爆発!サイトはパンク寸前!全国のライブツアーが次々と決まっていく・・・。このまま出たら暴動必至。果たして、かんなと〈少年メリケンサック〉の命運は!??? 全国ライブツアーは成功するのか???(映画紹介文より)

 で、全然期待してなかったのだけど、これがすごく面白かった。

 というか、自分が今まで観た日本の映画で、この作品が一番ちゃんとレコード会社の実態を描いていて感動した。レコード会社の仕事はまさにあんな感じ。超リアル(笑)。

 洋画で有名なロック映画の「スパイナル・タップ」なんかとかぶる部分も多いけれど、これはかなりの良作。映画の中で挿入されているアニメが当然のように「ザ・グレイト・ロックンロール・スウィンドル」を意識してるのも笑えた。

 あと、語弊があるかもだけど、宮崎あおいがとてもブスな感じで良かった。  

このエントリーをはてなブックマークに追加

November 23, 2011

速水健朗「ラーメンと愛国」を読んだ

 確か2年ぐらい前に速水氏から次の本はラーメンという話をうかがって、それからずっと楽しみにしていた本。

4062800411ラーメンと愛国
速水 健朗
講談社現代新書 2011/10/18

なぜ「ラーメン職人」は作務衣を着るのか?
いまや「国民食」となったラーメン。その始まりは戦後の食糧不足と米国の小麦戦略にあった。“工業製品”として普及したチキンラーメン、日本人のノスタルジーをくすぐるチャルメラ、「ご当地ラーメン」に隠されたウソなど、ラーメンの「進化」を戦後日本の変動と重ね合わせたスリリングな物語。(書籍紹介文より)

 ラーメンにまつわる作られた文化史を紐解くという、とても面白い本だった。実は「伝統」なんていうのは、10年や20年という割と短い時間の中で、いつの間にか出来上がって、その存在を誰も疑わなくなるものなんだということを改めて認識した。

 そういえば似たような話としては、「演歌=日本の心」という思想も、実は戦後の比較的短い時間の中で作られていった文化だったりする訳で、それを論じたこの本もとても面白い。

4334035906創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史
輪島 裕介
光文社新書 2010/10/15

「演歌は日本の心」と聞いて、疑問に思う人は少ないだろう。落語や歌舞伎同様、近代化以前から受け継がれてきたものと認識されているかもしれない。ところが、それがたかだか四〇年程度の歴史しかない、ごく新しいものだとしたら? 本書では、明治の自由民権運動の中で現われ、昭和初期に衰退した「演歌」—当時は「歌による演説」を意味していた—が、一九六〇年代後半に別な文脈で復興し、やがて「真正な日本の文化」とみなされるようになった過程と意味を、膨大な資料と具体例によって論じる。いったい誰が、どういう目的で、「演歌」を創ったのか。(書籍紹介文より)

 さて、自分の中でラーメンといえば、「ラーメンと愛国」の中でも前半で割と大きくページを割かれている「チキンラーメン」で一つ懐かしい思い出がある。

 まだ小学校の低学年だった頃、仲良しの友達の家に遊びに行ったときのこと。ラーメンを食べるかというので、うんと答えた。すると、空っぽの丼が出てきて、そこへごろんと、まだ煮ていないインスタントラーメンが入っている。「え!?」と驚いていると、友達とその妹は、生でバリバリとそのラーメンを食べ始めてしまった。「なんて野蛮なことをしているんだ」と思いつつ呆然としたままでいると、「お湯をかけるか?」とたずねられ、「え、鍋で煮ないのか?」とさらに驚愕。慌てて「お腹の調子が悪くなったのでやめておく」と返事をして、そのまま家に走って帰ってしまった。

 その後、家に帰って母親に事の顛末を伝えると、大笑いされて、それはお前の大好きなチキンラーメンだと教えられた。実は、我が家でもチキンラーメンはよく食べていた。けれど、まさか鍋で煮ずにお湯をかけただけで出来上がるものだとは全く知らなかったのだ。母親は目の前で鍋にチキンラーメンをごろんと入れ、そこにお湯をかけて、アルマイトの鍋ぶたをして3分待つという実演をしてくれた。まさに目から鱗が落ちるとはこれだった。そして、なんとなくそれまでボーッと見ていた、料理をするという行為(これが料理と言えるのかどうかは謎だけれど)を始めて意識した瞬間でもあった。さらについでに言えば、これをきっかけにして、気が向けば生でバリバリとチキンラーメンを食べるようにもなった。

 まぁ、自分はそれほどラーメンが滅茶苦茶好きという訳ではないし、これまで自ら食おうと思って食いに行く店は三鷹の「江ぐち」ぐらいだった(一度閉店した後、今は「みたか」として再開)ので、作務衣系の店とかは全然知らない。たぶん日本人としては何か大切なものが欠けているのだろう(笑)。

 ちなみに、インスタントラーメンで一番好きなのはエースコックの「ワンタンメン」なんだけど、近場のスーパーはどこも扱っていないので悲しい日々だったりする。  
このエントリーをはてなブックマークに追加