無芸大食・読書亡羊~三度のメシと読書好き~

毎食何を食べるか、食べ物について考えている時間以外は本に首ったけな活字中毒食いしん坊。旅行も大好きなのですが目的地も道中も美味しいものとセットで宿泊先ではもちろん読書。元来出不精ゆえ「家から出ればそれは旅」。一駅先に出掛けることさえ旅となるインドア派ですが、そんな「好きなもの」について綴っていきます。

国立「ダバ☆クニタチ」~この、幸せな空間と時間~

もうすっかり冬になってしまったが、これは全ての気力を奪われるような蒸し風呂の暑さが続く季節のお話。

この日は国立の「ダバ・クニタチ」さんに。カレー店というと、ゴージャスでエキゾチックな異国風か、照明を絞った店内で席間狭め、のどちらかのイメージが強いが、白くペイントされた店内にはダージリン急行の映画ポスターや、安西水丸さんの絵が飾られていて、このセンスが新しくて好きだ。といっても、トンガってるわけではなく、コージ―且つ明るくて居心地が良く、長居してしまいそうな雰囲気だ。
20180715 ダバクニタチ (12)

驚くべきはそのメニューの多さ。目にした限りではキッチンとフロアをそれぞれお一人ずつで切り盛りしているのに、カレーの種類のみならずライスの選択肢が6種類もあるなんて見たことない!おまけにサイドメニューも充実している。頂く側としては迷う楽しさが増えて願ったり叶ったりだが、こんなに引き出し一杯開けちゃって大丈夫なんですか?!と要らぬ心配も頭をよぎるほどだ。

この日は夜遅めの時間に伺ったけど、お店の外に席待ちの人もいて、同行者が予約してくれていなかったら入店できなかった。残念なことに、ベジタブルピクルスライタ炒め野菜入りキーマカリーなど、野菜を使うメニューが全て売り切れ。国立って都内とはいえ、馴染のない人には結構アウェイ感のある土地だと思うんだけど、結構人気のお店なんだなぁ。

◆クニタチ(all国立産の食材で作った酵素ドリンク)
写真を撮り忘れたけど、これがスッキリした飲み心地でとても美味しかった。この日は梅、人参、トマト、コリンキー、ビーツ、ケール、大根の葉、ミント、オレガノ入り。酵素のパワーで、これから出てくるお料理を迎え撃つ準備は万端!

◆サモサ
20180715 ダバクニタチ (11)
実家の母がサモサをよく作ってくれる人だったので、メニューにあると頼んでしまうのだけど、なかなか「これ好き!」と思うものに出会えない。が、「ダバ・クニタチ」さんのサモサは、瞬殺で気に入った!添えられているディップがまた気の利いた味わいで、この最初の一品だけでこのお店の間違いなさを確信した。

◆マトンペッパー(マトンの黒コショー炒め)
20180715 ダバクニタチ (7)
黒胡椒が爽やかな辛味。これ好きだ―♪

◆日曜限定のチキンビリヤニ
20180715 ダバクニタチ (5)
同行者はこれがお目当てで日曜の夜に予約を入れたのだ。真ん中に茹で卵が入っていて愛らしいビジュアル。こんなにカレーやライスの種類が多いのに、ビリヤニまで手掛けるその熱量に脱帽…。

◆ラッサム
ビリヤニと共に同行者がオーダー。もうご飯とお味噌汁状態だね。

◆ローガンジョシュ(北インドのスパイシーなマトンカリー)
20180715 ダバクニタチ (2)
Wマトンメニュー(笑)。コク深いのに、どっしりした重さがなくて爽やか。そのバランスが絶妙で、うっとり。

◆レモンライス
20180715 ダバクニタチ (13)
レモンの爽やかさと軽やかさが、スパイス感が強く、旨味ギュッ、の濃度高めのカリーに、恐ろしく好相性だったレモンライス
ラッサムライスや、カッテージチーズとキノコのライスなど、他のライスメニューも蠱惑的で、絶対全部制覇する!!

◆エッグプラントライス
20180715 ダバクニタチ (6)
先日「エリックサウス東京ガーデンテラス店」さんで頂いてトリコになった揚げ茄子のライス、こちらでも再会出来て嬉しい♪ココナッツも入っているので、食感も楽しく香り高さもアップ。絶妙な炊き込み加減で、これ一皿でも全然イケる。

◆カルダモンアイス
20180715 ダバクニタチ (8)

「ダバ・クニタチ」さんの魅力は、そのメニューの多彩さだけではない。料理は全て間違いなく本格派の味わいなんだけど、なぜだか洋食屋さんでご飯とおかずを頂いているような親しみやすさを感じる点だ。エスニックだ、インドの××風だなどと大上段に構えずとも、このスパイス感溢れる料理の数々は、もはや日本の日常食なんだなと強く感じられるのだ。

決して、味を軽んじているわけではない。むしろ物凄く手がかかっているんじゃないかと思う深い味だ。なのに、「こんだけやってるぞ、どうだ!」というストイックさが前に出た威圧感もなければ、「自分流を貫くんで、わかってくれる人だけヨロシク」みたいな、孤高を気取る近寄りがたさも全然ない。そこが、素敵だと思う。

例えるならば、町の皆が大好きな、地元の洋食屋さんで供される洋食店。実は店主は長く経を積んだベテランフシェフで、その細やかな技と膨大な手間によってたくさんのメニューが生み出されているんだけど、でもそんな様子を微塵も感じさせない感じ。「ダバ・クニタチ」さんにも、そんな近しさと間口の広さを感じる。お店の雰囲気が加味されているとしても、これって狙ってできることじゃないからこそ、カッコいい。
 
最近はカレーに限らずラーメンや色んなジャンルで「極められてる」傾向で、そのこと自体はちっとも悪いことじゃないんだけど、もしや「(この世界観が)分かる人」「(この値段でも)出せる人」向けの見えない入口があるんじゃ…?と、心理的な敷居の高さを感じさせるお店はもったいないなぁと思う(大きなお世話だが)。

美味しいものを頂くと、幸せな気持ちになれる。だから、食事の時間は楽しくありたいものだ。
作ってくれた人とその料理にはリスペクトを持って真摯な気持ちで向き合いたいとは思うけれど、緊張を強いられたり、居心地の悪さを感じながら食事をするのは、なんだか違う、と私は思っている。

「ダバ・クニタチ」さんの、食堂然とした居心地の良い空間の中で、丹精込めたとびきりのスパイス料理を味わえるのは、間違いなく幸せだ。

ごちそうさまでした。

ダバ☆クニタチインドカレー / 国立駅
夜総合点★★★★ 4.5

新橋「ビーフン東」~昼の新橋、やっぱりサイコー!~

私が社会人になって初めての勤務地は、ご存知サラリーマンの聖地・新橋だ。昔から働く人々のランチ天国でもあったが、今尚メディアでもたびたび取り上げられるほど、安くて美味しく、チェーン店ではない個性的なランチスポットが林立している。

今も新橋勤務だったらその恩恵に与って、毎日のランチタイムが楽しみでしょうがないんだろうが、
若かりし当時はその良さが分かっておらず、銀座方面のこじゃれたお店でばかりランチしていた。なんて馬鹿な私・・・。雑誌で組まれていたランチ特集を読んでいたら、いてもたってもいられず、この日はいそいそと新橋の「ビーフン東」さんへ。
 
汐留が出来て駅の北側の眺めは変わっても、新橋駅の周辺はちっとも変わらず雑多な雰囲気を保っている。駅とその周辺は、バリアフリーでアクセスしやすく、綺麗であってほしいが、駅舎のデザインが似ていたり、駅周辺のチェーン店がお馴染みのものばかりだからなのか、街の顔の代表である駅周りの様子が、没個性的になりつつある昨今。一方で、新橋を含む山手線沿線のいくつかの駅は、まだどことなく昭和っぽさを残していて、その変わらなさに安心する。

その良き昭和感を感じさせる要因のひとつは、南口のニュー新橋ビルや、
「ビーフン東」さんの店舗が入っている新橋駅前ビルなどの、古からのビルだろう。意味もなく怪しさを醸す全体的に暗めの照明、レトロ建築特有の冷たい石の手触りなど、ちょっとしたタイムスリップ感さえ感じる館内で、活気づく飲食店の賑わいが対極的で、すごくいい感じなのだ。

私と同行者も、駅前ビル1号館のせまくて古いエスカレーターを2階に上がり、
「ビーフン東」さんへ。同じフロアには、これまた人気店の「七蔵」さんも。このお店、昔は地下にあったんじゃなかったっけ・・・。

五目ビーフン(汁) 
DSC_0041
五目ビーフン
は汁ビーフンでオーダーした。白菜、豚肉、海老、筍、人参、ピーマン、きくらげ、ウズラ…と、五目どころか八
目の具がざくざく入り、食べごたえ十分。美味しいスープをたっぷり吸った主役のビーフンは、
大きめの具材にもスープの味にも負けない存在感だ。他店でたまに遭遇する、汁気を吸ってのび切った素麺みたいな頼りないビーフンとは別物で、むしろ十分に水揚げされた茎のような、のびのびとしたしなやかさを感じる。ビーフンってこういうものだよねぇと、ビーフンの美味しさがよくわかる一皿だと思う。

◆蟹玉ビーフン(焼き)
DSC_0038
一方、卵のふわふわが汁気を吸ってしまうのがもったいない気がしたので、蟹玉ビーフンは焼きで。誰もがよく知る、町中華の蟹玉のあの旨さが、
炒めてしっとりとなったビーフンに絡みつく感じがたまらない。決して濃い味ではないのだが風味豊かで旨味も強く、私は焼きの方がより好みだ。

DSC_0037

◆パーツァン(中華風ちまき)
DSC_0039
ビーフン
と並ぶもう一つの名物・パーツァンは、うずらや角煮などの中の具が大きいため、当然本体も拳大以上のビッグサイズ。こんなに大切りの角煮が入ったち豪華なちまきは、めったにお目にかかれない。
こちらはビーフンと違い、八角の香り漂う甘じょっぱい味がしっかりめについていて、1個でお腹いっぱいになる。

DSC_0040
周りの皆さんはそれを承知で、パーツァンと一緒に
オーダーするビーフンは小サイズだ。なるほど。パーツァンと、普通サイズのビーフンをぺろりと頂いた我々は、夕方になっても一向に空腹を覚えない、その腹持ちの良さに後々驚かされることになるのだった。

ランチタイムのピーク前からどんどんお客さんがやってくるが、サラリーマン(敢えてオフィスワーカーとは書かない)のランチ秘技である超早食いが多い上に、このお店にこれだけ・・・と思うほどの厨房の方+きびきびとフロアをさばくスタッフの方の連携で、客席の回転もガンガン流れてゆく。

この、一見忙しなさそうで秩序あるお店側のリズム感と、昼休みのいっときの解放感が醸す、お客さん側の肩の力が抜けたリラックス感。これが働く人々のランチタイムの空気感だよなぁ、となんだか楽しくなってしまった。夜の新橋もいいけど、やっぱり昼間の新橋が一番好きだな。

ごちそうさまでした。

ビーフン東台湾料理 / 新橋駅汐留駅内幸町駅
昼総合点★★★★ 4.0

福井県福井市「ヨーロッパ軒総本店」~ココ目的での再訪必須~

豚肉料理の中では、とんかつと生姜焼きが断然好みだ。とんかつ好きなら当然カツ丼も好きで、自分のなかでは、『とんかつを食べに行く店』と『かつ丼を食べに行く店』には明確な区別がある。卵でとじた甘辛味の王道かつ丼はむろん、ソースカツ丼(駒ヶ根verも福井ver共に)も大好きな私ゆえ、「福井のソースカツ丼を頂く」ことは、今回の福井旅の重要なミッションでもあった。

目指したのは、「ヨーロッパ軒総本店」さんだ。福井バージョンのソースカツ丼は西荻窪「ゆきとら」さんでも頂いたことがあるが、ソースカツ丼の発祥店とされる「ヨーロッパ軒総本店」さんに行かずして、福井を去るわけにはゆかないのだ。

DSC_0288_HORIZON
午前中に勝山の平泉寺白山神社を巡っていたので、移動スケジュールの関係でお店の前に着いたはちょうど昼過ぎ。空腹を宥めながら苦手な行列に並ばなくてはならなかったのは痛手だった。そりゃ人気店だもんね。しかし、店内に2階席もありキャパが広いのか意外と回転は早く、苦行は30分で終わり、救われた。(お店の外観写真は食べた後に撮ったもの。到着時は20組ぐらい並んでいた)

待っている間、前後に並んでいる人たちの会話を聞くともなしに聞くと、関西圏からのお客さんが多いようだ。東京に住んでいると、物理的にも心理的にも遠く感じる福井だが、関西圏にお住いの方なら車でパーッと出かけて食べに行ける距離なんだろうな。羨ましい…。

◆カツ丼(ソースカツ丼) 
DSC_0284
予め同行者と決めておいた通り、カツ丼ビーフカツ丼をオーダーしてシェア。セットのサラダはマヨネーズがかかっているタイプだそうで、マヨネーズなし、あるいは少なめで
オーダーできるようメニューに記されているのが、小さいことだがとても気が利いている。マヨネーズ味のサラダはあまり好みでないので、少なめでお願いした。

どちらのカツも肉が薄めで、きめ細かいパン粉をまとっているので、揚げ時間も短いのだろう、すぐに運ばれてきた。丼物は、蓋を取る瞬間のこのワクワク感も好きだ。ふわっと立ち上る揚げ物とソースの香りで、空腹MAXの私は悶絶せんばかり。

カツ丼、ビーフカツ丼共に、ご飯の上にカツが3枚載る。脂身が少なく、ごくごく細かい揚げ衣のカツなので衣と肉に一体感があり、さくさくっと歯に馴染む。油を吸った衣のどっしりと重たい感じがないので、一枚がするりとお腹が収まってしまう軽やかさだ。

DSC_0285
同じくその形状ゆえ、粘度の低いシャバシャバ系のソースの染み込み具合も良いいのだが、このソースの味も決め手で、香味野菜の風味こそ豊かだが、あっさりさらりとしているので、カツが浸っていようとも、ちっともくどさを感じない。このパウダー状の細かなパン粉と、ソースの風味なくしては、「ヨーロッパ軒総本店」さんのカツ丼を語るのは難しかろう。

◆ビーフカツ丼
DSC_0283
ビーフカツも、短時間で火が通っているので肉が柔らかくて、箸で簡単にちぎれるくらいだ。豚肉よりも肉の甘みが少ない分、ソースの深みと相まって武骨でダンディな味わい。ご飯が進むのは間違いないが、こちらは単品でビールとつまむんでも抜群の相性かも。

創業当時の日本では豚肉を食べる習慣があまりなかったため、こちらのお店も当初は牛カツから始まったのだとか。メニューに牛のキャラクターが描かれているのは、そんな由来からだそう。
DSC_0287

そして!カツ丼の重要な相棒である、福井のいちほまれのご飯が、とびきり美味しい。艶々のいちほまれは前述の「ゆきとら」さんで体験済みだったが、
改めてその旨さを実感した。私はとりたてて米食いでもなく、この舌で米の銘柄の区別がつくかも怪しいくらいなのだが、カツ丼自体の旨さと同じくらい、お米の旨さにも感動して、激しく同意を求めては同行者にうるさがられた。

丼物はご飯の盛りが良いものが多いので、
配分を間違えて残ってしまったご飯を持て余すこともある私なのだが、ソースの染みている部分も、真っ白な米粒部分も、それはそれは美味しく頂いた。
 
とにもかくにも、カツ、ソース、ご飯のどれもが秀逸な上に、バランスもが素晴らしいこのカツ丼、旨さに夢中でかき込んでいるうちに、気が付いたら食べ終えてしまうこと必至だ。この軽やかさは他のお客さんも承知しているようで、カツ丼だけでなく、季節柄美味しい牡蠣フライや、エビフライなどの単品を追加している方も多かった。ソース味カツという名前でカツ単品もあったので、私も食べ終えてしまう前に追加しておけばよかった・・・。

心理的満足度は高かったのに、どこに入ったのかわからないくらいするっとお腹に収まってしまったので、帰り道の福井城址のお堀を歩きながら、また食べたくなってしまって、困った。
DSC_0282
 
ところで、一定額以上のサービスとして、お会計の際にこちらのソースの小瓶をお土産にもらえた。秘伝のソースをこんなに簡単にサービスしてくれるなんてうれしい!しかし、このソースを使って自分でソースカツ丼もどきを作ってみても、当然ながら同じにはならない。あのパン粉、あのお米あってこその味なのだ。

帰ってきてからもいよいよあの味を舌が求めるので、もう一度
ソースカツ丼を食べるために福井駅に降り立ってもいいなぁ・・・なんて思っている。ごちそうさまでした。

ヨーロッパ軒 総本店かつ丼・かつ重 / 福井城址大名町駅仁愛女子高校駅足羽山公園口駅
昼総合点★★★★ 4.0

プロフィール

nomarie

ギャラリー
  • 国立「ダバ☆クニタチ」~この、幸せな空間と時間~
  • 国立「ダバ☆クニタチ」~この、幸せな空間と時間~
  • 国立「ダバ☆クニタチ」~この、幸せな空間と時間~
  • 国立「ダバ☆クニタチ」~この、幸せな空間と時間~
  • 国立「ダバ☆クニタチ」~この、幸せな空間と時間~
  • 国立「ダバ☆クニタチ」~この、幸せな空間と時間~
  • 国立「ダバ☆クニタチ」~この、幸せな空間と時間~
  • 国立「ダバ☆クニタチ」~この、幸せな空間と時間~
  • 新橋「ビーフン東」~昼の新橋、やっぱりサイコー!~
読書ログ
映画ログ

人気ブログランキングへ
読書ログバナー
読書ログ - 読書ファンが集まる読書レビューサイト
Amazonおまかせリンク
楽天ブックス
  • ライブドアブログ