ウィーン発 『コンフィデンシャル』

 ウィーンに居住する筆者が国連記者室から、ウィーンの街角から、国際政治にはじまって宗教、民族、日常の出来事までを思いつくままに書き送ります。

2008年08月

韓国情報機関の能力

 韓国ではいま、国家情報院の機構改革が進められていると聞く。現在の国家情報院は米中央情報局(CIA)に倣って設立された韓国中央情報部(KCIA)、1980年代に再編された国家安全企画部(安企部)を母体として生まれてきた機関で、国家安全と情報収集を任務としている。
 国家情報院の機構改革がどのように進行するか注視しているところだが、ここでは1990年代の国家安全企画部のエージェントに対する現場の声を紹介する。当方が直接聞いてきた声であり、国家情報院の改革を考える上で参考となると思うからだ。
 エジプト在中の北朝鮮の張承吉大使がCIA要員にリクルートされた亡命事件以来、安企部の能力に疑問を呈する声が高まっていった。ある北朝鮮工作員は「われわれが最も恐れているのはCIAエージェントだ」と強調する一方、「KCIAエージェントの能力の低さ」を指摘した。韓国当局も当時、「残念ながら北朝鮮情報は米国から提供される情報に依存しているのが現状だ」と認めている。
 ベテランのKCIAエージェントは「韓国動乱を知らない世代がエージェントとして海外で勤務するようになって以来、情報員のサラリーマン化が著しい」と証言する。情報収集活動の性格からエージェントの勤務時間は他の外交官のように一定ではない。それを利用して、昼食に3時間費やし、昼間の時間に奥さんのプレゼントを買う若いエージェントも少なくない。平均3年間の任期中にできるだけ海外生活を楽しみたいと彼らは考えている。肝心の対北情報収集活動は任地先の内務省関係者にもっぱら依存。プレゼントを贈る一方、定期的に食事に招待するなどを通じて、情報提供を受けるケースがほとんどだ。
 先のベテランKCIAエージェントは「最近の若いエージェントは週末を家庭中心で過ごすマイホーム型が多い。だから『週末には電話しないでほしい』と情報提供者に断るエージェントもいるほどだ。われわれの冷戦はまだ終わっていないことを忘れている」と懸念を表明していた。
 あれから韓国を取り巻く政治環境も大きく変わった。そして時代の変遷に伴って機構の改革も不可欠となるが、どのような時代になったとしても機構を支える人材、すなわち、ソフト面の刷新がなければ、ハードの機構改革だけでは成果をもたらすことは難しい。国家情報院の改革でも同じだろう。

中止された修道女美人コンテスト

 オーストリアの日刊紙クリアの28日付の国際面を読んでいたら、面白い記事に出会った。記事の大見出しは「中止された修道女美人コンテスト」というものだ。日本には報じられていないと思うから、以下、クリア紙の記事を訳して紹介する。
 記事の主人公はイタリアのカトリック教会の神父。名前はアントニオ・ルンギ神父だ。同神父はある日、斬新なアイデアを思いつき、それを自身のブログで紹介した。アイデアは国内の修道院にいる修道女の美人コンテストを開催するというものだ。神父曰く「修道女といえば、年を取った、硬直した、陰気なイメージがあるが、それを打破するために、2008年度美人修道女コンテストを開催する」というわけだ。
 どの世界でもそうだが、あまりにも斬新過ぎると上司や社会から反発を受けるものだ。それがカトリック教会となれば、その反発は一層強いだろう。案の定、教区司教からは「修道女美人コンテストを開催してはならない」といった通達を受けた。「お前は地獄に行く」といった警告まで届いたという。
 神父は「上司は自分のアイデアを正しく理解してくれなかったようだ。自分は修道女にキャットウォーク(Catwalk)を強いる考えなどまったくない。自分としては社会で正しく認識されていない修道女の評価を再考させる契機となればいいと考え、美人コンテストを思いついただけだ」という。同神父によれば、美人コンテストは3つのカテゴリーに分けて実施され、[鄒、⊆匆餽弩ァ↓慈善の各分野で「内的な美」を競う企画だったという。
 一方、美人コンテストの開催を聞いた修道女たちからは参加の希望を伝える声が多くあったというから、コンテストの中止は本当に残念だったわけだ。ルンギ神父には、上からの反対に懲りず、ますます様々なアイデアに挑戦してほしいものだ。

ナイフのリバイバル?

 “セルビアの雄牛”と呼ばれたボクサーの元世界チャンピオン、エディプ・セコヴィチュ氏(50)が25日早朝、ウィーン市内で自身が経営する飲食店前で犯人にナイフで刺されて殺された。事件の詳細な背景は依然、不明だが、26歳のロシア人が容疑者として拘束されている。犯人はチャンピオンの胸と首を数回に渡り刺している。セコヴィチュ氏が出血多量で路上で倒れているところを息子が発見して、警察に連絡したという。
 オーストリアの日刊紙オーストライヒによると、1958年、セルビアで生まれた同氏は1980年代にオーストリアに移住し、83年、オーストリア・チャンピオン、88年には世界チャンピオンになった。プロのボクサーとして輝かしい戦歴を誇る一方、引退後は慈善試合にも積極的に参加していた。同氏の冥福を祈る。
 ところで、ウィーン市で今年、14人が既に殺害されたが、犯行にナイフが使用されるケースが増加してきたという。例えば、ウィーン市では今月、ナイフを使用した事件が既に8件も生じている。今月18日にはルーマニア出身の男性が2人の犯人にナイフで殺されたばかりだ。
 死者7人、重軽傷者10人を出した東京・秋葉原の通り魔無差別殺傷事件(6月)では、犯人はナイフを犯行に使っている。「ハリー・ポッターと謎のプリンス」にマーカス・ベルビィ役に出演予定だったロバート・ノックス(18)は5月、ロンドン南東部のパブでナイフで刺されて死亡している。ナイフが犯行に利用される凶悪犯罪はウィーン市だけではなく、世界到る所で発生しているのだ。
 オーストライヒは「欧州ではナイフが武器としてリバイバルしてきた」という犯罪問題エキスパートのコメントを報じているほどだ。オーストリアではナイフは武器法(Waffengesetz)に含まれず、拳銃とは違い容易に購入できる。ちなみに、ナイフを持参して学校に通う学生も少なくない。
 “セルビアの雄牛”の殺人事件を聞いた時、戦後の日本の英雄の1人、プロレスラー・力道山が酒場内で暴力団員と喧嘩し、同じようにナイフに刺され、それが原因で死去するという事件があったことを思い出した。ナイフは世界チャンピオンのボクサーも最強のプロレスラーも殺害できる危険な武器となりえるものだ。

「南オセチア独立承認」の矛盾

 ロシアのメドベージェフ大統領がグルジアの南オセチア自治州とアブハジア自治共和国の独立宣言を承認したことで、欧米とロシア間の関係は一層、険悪化してきた。同大統領は「グルジアのサーカシビリ大統領が南オセチアに武力介入した結果、同地に住むロシア系住民の安全が難しくなった」と述べ、独立を承認した理由を説明した。
 ところで、ロシア側の論理で行けば、同国はセルビア共和国に帰属していたコソボの独立宣言を承認しなければならなくなる。コソボのアルバニア系住民は久しくセルビア軍に弾圧されてきたからだ。しかし、ロシアはコソボの独立宣言を拒否している。もちろん、セルビア共和国にとっても、ロシアの南オセチアの独立承認は決して歓迎されるものではない。そのとばっちりを受けて、コソボの独立承認が加速する懸念があるからだ。
 ロシアの強硬姿勢に対して、欧米諸国では戸惑いが支配している。対ロシア強硬制裁を要求するバルト3国(リトアニア、ラトビア、エストニア)、ポーランドでは「新冷戦」という表現すら聞かれるほどだ。
 米国がロシア軍のグルジア軍事介入を批判すると、チュルキン・ロシア国連大使は「北大西洋条約機構(NATO)軍は1999年3月、コソボを支援する目的から国連安保理の承認なくセルビアの首都ベオグラードを空爆したではないか」と述べ、即反論。その一方、南オセチアの独立承認の理由が、どうしてチェチェン共和国には適応されないのか、といった質問には明確な返答がない。
 第2次世界大戦後、国境線の不変更を原則としてきたが、それを破棄したのは今回のロシアが初めてではない。欧米諸国も今年、セルビア帰属のコソボの独立宣言を承認したばかりだ。すなわち、ロシアも欧米諸国も国際条約に違反する一方、他の側の違反を批判している、というのが客観的な状況かもしれない。
 政治には矛盾があり、それを隠蔽するための議論は容易く構築できるものだ。今回のグルジア紛争とそれに伴う欧米・ロシア間の対立はそのことを明確に示している。

五輪メダリストとその「報酬」

 連続2冠に輝いた水泳の北島康介選手ら日本五輪参加選手が帰国し、解団式が開かれたが、メダリストには奨励金が贈られたという。それによると、金メダルは300万円、銀200万円、銅が100万円だ。他人の懐を覗くような話だが、北島選手は金2個と銅1個だから、計700万円の奨励金を手に入れたことになるわけだ。
 参考までに他国の場合をみると、北京五輪で金メダル51個、銀メダル21個、銅メダル28個を獲得し、メダル総数100個で米国を抜きトップに踊り出た中国の場合、金メダリストには約560万円が与えられるという。金13個、銀10個、銅8個と大活躍した韓国の場合、兵役義務を終えていないメダリスト24人は兵役免除の特例を受けるという。両国とも金メダルの社会的評価は日本よりは数段、高いわけだ。
 一方、アルプスの小国オーストリアでも25日、ウィーン市庁舎前で五輪メダリストの歓迎会が開かれた。同国国営放送がその状況をライブで放送した。3人のメダリスト(銀1個、銅2個)は舞台に上がり、インタビューを受けた後、同国オリンピック委員会会長から報奨金として金貨セット(20個の金貨)が贈られた。金額にすると、100万円は下らない贈物だ。
 ところで、北京大会に歴代最大の選手団(選手63人、役員71人)を派遣した北朝鮮は今回、金2個、銀1個、銅3個、計6個のメダルを獲得した。成績としては、1992年のバルセロナ大会以来の好成績という。メデタイ話だ。ちなみに、女子重量挙げ63キロ級で金メダルを獲得したパク・ヒョンスク選手は同国最高指導者・金正日労働党総書記からどのようなご褒美をもらったのか、気になるところだ。女子重量挙げ58キロで銅メダリスト、オ・ジョンエ選手は「祖国の期待に応えられず……」と嘆いた、というお国柄だ。金メダリストとなれば、報酬も超度級だろう。
 ちなみに、サッカーのW杯で敗北した、ある独裁国出身のサッカー選手たちは帰国後、「国家の恥辱だ、訓練が足りない」と叱咤されたうえ、全員、強制労働収容所に送られたという話を聞いたことがある。国によっては、スポーツ選手も文字通り、命懸けの戦いを強いられている。

オバマ氏のリベラルな宗教観

 米民主党の大統領候補オバマ上院議員は23日、11月の本選挙で組む副大統領候補にジョゼフ・バイデン氏を選出した。バイデン氏は上院外交委員長であり、外交の専門家として知られている。
 多くのメディアはバイデン氏の選出について、「オバマ氏は外交畑の経験不足を払拭する狙いがある」と報じたが、宗教的な観点からみるならば、バイデン氏(65)は労働者階級出身のカトリック教徒である一方、オバマ氏はプロテスタント派教会出身だ(オバマ氏は、師として仰いできたライト牧師の白人冒涜発言に困惑し、同師との距離を置くなど、宗教色をここにきて意図的に薄めてきている)。その意味で、オバマ氏とバイデン氏の組み合わせは新旧両キリスト教徒の組み合わせということになる。ちなみに、米政界では伝統的に新教派出身が強く、カトリック出身で大統領となったのはジョン・F・ケネディだけだ。
 さて、バチカン放送によると、米国の著名な神学者ジョージ・ヴァィゲル氏は「11月の大統領選ではカトリック票が大きな役割を果たす事が予想される。神学的、哲学的、道徳的に真摯にものを考えるカトリック教徒にとって、オバマ氏は支持できる候補者ではない。なぜならば、同氏は中絶、男女平等問題、受精卵を崩して作るヒト胚性幹細胞(ES細胞)問題などで余りにもリベラルな見解の持ち主だからだ」という。
 バイデン氏の副大統領候補選出を通じて、オバマ氏が自身のリベラルなイメージを緩和し、カトリック系有権者の票を少しでも獲得できると考えたとすれば、非現実的だろう。むしろ、米有権者は民主党正副大統領候補の異なる宗教信条に戸惑いを感じるのではないだろうか。
 ブッシュ米大統領は2005年1月、2期目の大統領就任式直前、ワシントン・タイムズとのインタビューに応じ、「神との関係なしでは、大統領の役職に耐えることはできない」と答えている。歴代最も宗教的な大統領の発言らしいが、程度の差こそあれ、米大統領は信仰を重視してきた歴史がある。そして、是非は別として、信仰は絶対的な価値観に基づくものだ。「ああでも、こうでも考えられる」といった人気取りからは程遠い世界だ。バイデン氏を副大統領候補に選出することで、オバマ氏は自身のリベラルな宗教観を図らずも暴露したことになるのではないか。

オーストリアの北京五輪の成果

 北京夏季五輪大会が閉幕した。称賛と批判が混ざった大会だったが、大きな不祥事が生じることなく終わったことは幸いだった。
 ところで、一つの大会が終われば、その成果が問われるものだ。
 そこで、アルプスの小国オーストリアの「北京大会の成果」を振り返ってみる。まず、メダル数だ。今回は男子柔道60キロ級でパイシャー選手が銀メダルを獲得したのが最高で、あとは女子水泳平泳ぎと女子カヌーで銅メダルを手に入れた。メダルが期待された他の女子柔道、男子水泳、卓球は残念ながら4位が最高でメダルには届かなかった。
 オーストリアにとっては銀1個、銅2個は、前回のアテネ大会の金2個、銀4個、銅1個と比較すればかなり見劣りするが、1996年のアトランタ大会と同様の結果であり、極端に悪かった大会ではない。それでも国民の失望は大きかった。
 ちなみに、オーストリアは1896年の夏季五輪大会から今回の北京大会までに金20個、銀33個、銅36個、合計89個のメダルを獲得している。最高の結果を出した大会は、1936年のベルリン大会で金4個、銀6個、銅3個の総数13個のメダルを獲得した。
 ところで、同国ではいま、「オーストリア選手が北京大会で成果を出せなかった原因」について、さまざまな議論が聞かれる。最も聞かれる意見は、「スポーツ選手への経済的支援が十分ではない」というものだ(政府のスポーツ支援金は約1億ユーロ)。
 例えば、オーストリアの重量挙げ選手がドイツに国籍を変え、ドイツ人として今回、金メダルを獲得したことが話題となった。重量挙げ男子105キロ超級の金メダリスト、マティアス・シュタイナー選手は「オーストリアの重量挙げ協会に留まっていたならば、自分はメダルを取る事はできなかっただろう」と述べ、ドイツ重量挙げ協会の支援に感謝を表明する一方、オーストリア重量挙げ協会の無策を間接的に批判している、といった具合だ。また、今回女史平泳ぎ100メートルで銅メダルを取ったユキチ選手は普段、練習用プールがないので、市民用公営プールで練習するといった有様だ。
 ウインター・スポーツのメッカ・オーストリアに夏季五輪大会の活躍を期待すること自体、少々酷なことかもしれないが、スキー競技に投資するだけの情熱があれば、夏季スポーツでももう少しやれるのではないか、と思うのは当方だけではないだろう。

外交官が沈黙を強いられる時

 日本を含む欧米諸国の外交官は決して寡黙ではない。知り合いのジャーナリストにも会議の内容を漏らす、といったことは日常茶飯事だ。国際原子力機関(IAEA)の理事会はジャーナリストには非公開だが、翌日、その会議内容が詳細に朝刊紙を飾るのは、外交官がジャーナリストたちに会議の決定事項を語るからだ。日本外交官もその点、例外ではない。理事会で決定したことがあれば、会議場前に待機している日本のジャーナリストを呼んで詳細に報告する。ジャーナリストが会議場前に見当たらない時、知り合いのジャーナリストに携帯で連絡する外交官もいるほどだ。
 ところが、同じ外交官が突然、何も語らなくなることがある。原子力供給国グループ(NSG)の総会が開催される時だ。在ウィーン国際機関日本政府代表部で21日から22日まで米印原子力協力協定問題でNSG特別総会が開催されたが、ジャーナリストたちは直前まで「会議がどこで、いつから開始されるか」を知らされていなかった。知人の外交官に聞いても、「申し訳ないが、いえない」というだけだ。もちろん、プレス向けのブリーフィングもない。
 ある国の大使館専属運転者は「会議の初日、大使からどこに行くようにと言われなかったので、会議は国連内とてっきり思いこんでいたので、国連まで運転したが、直前になって日本大使館だといわれてビックリした」と嘆く。
 問題は、コンフィデンシャルな情報を自らジャーナリストに教える気前のいい外交官が、どうしてNSG総会になると寡黙となるのか、という点だ。知り合いのジャーナリストは笑いながら、「簡単だ。会議内容がビジネスに関る時、外交官は沈黙を強いられるのだ」という。
 NSGは1974年のインドの核実験を契機に設立された機関だ。原子力関連資機材・技術の輸出国が守るべきガイドラインを作成して輸出管理を実施する。米印原子力協力協定が発効すれば、核拡散防止条約(NPT)未加盟国のインドに核関連物質、機材の輸入の道を与えることになる。
 欧米諸国の企業にとってインドは魅力のある巨大な市場だ。中国に対して、欧米諸国がその人権問題には目を閉じてビジネスに走ったように、米印原子力協力協定がNPT体制を崩壊させる内容を含んでいると知っていながら、どの国も余り強く反対しない。グルジア紛争で米国と対立しているロシアは米印原子力協力協定に反対して憂さを晴らしたいところだが、同国がインドに2基の原子炉建設を抱えている手前、反対できない、といった具合だ。
 政治はビック・ビジネスの前には弱い。普段饒舌な外交官が沈黙する時、ビジネスが関与していると考えればいいのかもしれない。

ポスト五輪の中国の人権問題

 北京夏季五輪大会がまもなく閉幕する。スポーツ好きな人にとっては、夏の終わりにような一抹の寂しさを感じるが、海外に亡命中のチベット人は今、別の懸念を抱えている。北京五輪が終われば、中国共産党政権が再びチベット人への弾圧を強化するのではないか、といった憂慮だ。
 当方は21日、「宗教の寛容と人権の為のフォーラム」(FOREF)からメールを受け取った。それによると、海外亡命チベット人が「SOSハンガースト」を計画しているというのだ。メールの内容は「北京大会が終われば、メディアの中国への関心が減少する一方、北京当局のチベット人へ弾圧はこれまで以上に激しくなっていくだろう。この懸念は日毎、現実化している」と警告を発しているのだ。
 中国共産党政権が五輪開催を国家威信の高揚の機会として利用してきたことは周知の事実だが、その祭りが終われば、チベット、ウイグル、モンゴルの3少数民族への同化政策を再強化していく考えという。
 その兆候は既に現れている。具体的には、ヽ惺擦篩留,粘に厳格な再教育が実施され、多くのチベット人が行方不明となり、中国軍のプレゼンスが3倍化、H臣羚颯妊發忙臆辰靴秦領靴燭舛拘束されたり、虐待されている、という。
 そこで海外亡命チベット人グループは国際社会に向かって、‘販した国際人権団の早期チベット派遣、国連と欧州連合(EU)は中国当局と交渉し、チベット人への弾圧の停止を求めるべき、C羚馘局とチベット間の交渉のために、独立調停人を任命し、チベット人に完全な自治権を付与すべきだ、と鵐船戰奪反佑梁舂粍椽酸策を即中止し、チベット民族のアイデンティティ、言語、文化、生活様式の尊重、等をアピールしている。
 国際社会はポスト北京五輪の中国の人権問題にこれまで以上に監視の眼を注ぐべきだろう。

ドイツのイスラム事情

 ドイツの「イスラム古文書中央研究所」が先日公表したところによると、ドイツに住むイスラム教徒数が昨年、350万人を超えた。2006年度比で約6・5%増だ。イスラム教に改宗したドイツ人の数は約2400人に留まり、約4000人と記録を更新した前年度より減少した。ちなみに、欧州で最もイスラム系住民が多い国はフランスで約500万人。ドイツがそれにつづき、第3位は英国で約160万人と推定されている。
 同時期に公表された意識調査結果によると、ドイツのイスラム教徒の83%がキリスト教とイスラム教の対話を「非常に重要」と考え、13%が「重要」と受け取っている。また、70%がユダヤ教とイスラム教の対話に参加する考えがあると答え、19%だけが対話を拒否している。
 このような情報から推測できる点は、ドイツ居住のイスラム教徒の大多数が通称“ユーロ・イスラム”と呼ばれる世俗イスラム教徒であり、イスラム教根本主義の過激な信者ではない。
 ドイツ居住のイスラム系住民の出身国は約40カ国で、その大多数はトルコ系出身者で約260万人と推定される。それについて、ボスニア系出身、アラブ諸国出身、パキスタン系出身と続く。宗派としては大多数がスン二派に属するが、約17万人がイラン系シーア派、約40万人がトルコ・クルド系だ。ちなみに、イスラム系住民が最も多い州はノルトライン・ウェストファーレン州で約110万人。一方、旧東独にはイスラム系住民は非常に少ない。
 独連邦憲法擁護庁(BfV)のハインツ・フロム長官は今年初め、「根本主義と全体主義の狭間のイスラム主義」というタイトルのセミナーで、同国でイスラム主義現象はBfV関係者にとって「トップ・アジェンダだ。ドイツはもはやイスラム系テログループの背後支援拠点ではなく、工作拠点となっている」と警告を発したが、その一方、ドイツのイスラム系社会では今日、移住世代の2世、3世が中核となりつつあり、多くの若きイスラム教徒たちはアイデンティティの危機に直面しているといわれる。
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