ウィーン発 『コンフィデンシャル』

 ウィーンに居住する筆者が国連記者室から、ウィーンの街角から、国際政治にはじまって宗教、民族、日常の出来事までを思いつくままに書き送ります。

2018年01月

「ファンタシー帝国」に住む人々

 独週刊誌シュピーゲル(1月28日、電子版)に「エーッ」とビックリする記事が掲載されていた。「旧ドイツ帝国公民」運動( Reichsburgerbewegung)の昨年の犯罪件数だ。「旧ドイツ帝国公民」という言葉自体、あまり耳にしない言葉だ。記事は公民(メンバー)の昨年の犯罪件数を紹介していた。


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▲終身刑の判決を受ける「旧ドイツ帝国公民」の1人、ヴォルフガング・P(2017年10月23日、ドイツ公共放送連盟ARDから)

 ドイツ連邦刑事局(BKA)によると、昨年、「旧ドイツ帝国公民」運動メンバーによる政治的動機に基づく身体傷害、扇動、放火、脅迫などの犯罪件数は771件だった。その内、619件は実行し、152件は未遂だった。116件は国家公務員への犯罪だ。314件は同国南部バイエルン州で発生している。


 シュピーゲル誌によると、ドイツでは約1万6500人の自称「旧ドイツ帝国公民」がいる。その内、約900人は極右過激派だ。約1100人は合法的に武器を所持している。前年2016年には公民総数は1万人と推定されていたから、過去1年間で急増したことになる。


 ちなみに、週刊誌フォークスによると、「旧ドイツ帝国公民」運動の数では、バイエルン州が約3500人で1番多く、次いでバーデン・ヴュルテンベルク州約2500人、ノルトライン=ヴェストファーレン州約2200人という。


 「旧ドイツ帝国公民」は、ドイツ連邦共和国や現行の「基本法」(「憲法」に相当)を認めない。だから、政治家や国家公務員の権限を認知しない。「旧ドイツ帝国公民」運動といっても、統一された定義はなく、さまざまな政治信条が入り混じっている。ドイツ日刊紙フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥングのコラムニストは「旧ドイツ帝国公民」運動を「ファンタジー帝国」と呼んでいる。彼らにとって共通点は、ドイツは過去にしか存在しないということだ。


 独連邦憲法擁護庁は、「旧ドイツ帝国公民」運動を新しい過激主義運動と受け取り、警戒を強め、2016年から監視対象としている。
 ドイツでは2016年10月、バイエルン州で1人の「旧ドイツ帝国公民」(ヴォルフガング・P)が警察官を射殺した事件が発生している。Pは昨年10月の裁判で終身刑の判決を受けた。


 もちろん、特定の思想に凝り固まり、「時間」が止まり、前に進まなくなった人々は「旧ドイツ帝国公民」だけではない。イスラム圏の統合を夢み、中世時代のイスラム法に基づいた「カリフ国家」の復興を叫び、中東各地で蛮行を繰り返し、異教徒の首を斬り、歴史的文化財、遺産を破壊してきたイスラム過激派組織「イスラム国」(IS)も同じだ。人質や異教徒の首を斬り落とすISメンバーの姿をビデオで初めて見た時、当方は「中世時代から飛び出してきた人々」といった印象を強く受けた。


 資本家の搾取から労働者を解放し、平等・公平な労働者の天国を建設するという理想を掲げてきた共産主義思想を信望する人々も同じかもしれない。共産主義世界の実態が暴露された後もその理想を心に秘め、革命を夢見続ける人々だ。


 「旧ドイツ帝国公民」運動メンバー、IS、共産主義者は特定の思想の虜となり、実存しない「ファンタシー帝国」を夢に見、そこに住み続けるわけだ。興味深い点は、彼らは次第にアナーキーとなり、過激主義に陥っていくことだ。

それでも極右政党は躍進した

 オーストリアのニーダーエスターライヒ州で28日、州議会(定数56)選挙の投開票が行われた。同国で昨年末、クルツ首相が率いる中道右派「国民党」と極右政党「自由党」の連立政権が発足したが、その後の最初の選挙ということから、同州議会選の動向が注目されてきた。

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▲ニーダーエスターライヒ州「自由党」党首ウド・ランドバウアー氏(2018年1月28日、オーストリア国営放送から)

 結果はヨハンナ・ミクル=ライトナー州首相が率いる国民党が得票率約49・64%、過半数の29議席を獲得し、圧勝した。それを追って、社会民主党が約23・92%の得票率(2・3%微増)で第2位につけ、選挙戦では得票率と議席の倍化を目標としてきた自由党は得票率では14・76%(6・6%増)に留まったが、議席数では前回(2013年)比の倍の8議席を得た(投票率約66・47%)。

 選挙結果を見る限り、クルツ連立政権は有権者の支持を受けていることが分かるが、政権発足後まだ6週間の現段階では評価を下すのは早過ぎるだろう。ちなみに、クルツ国民党党首(首相)は、「素晴らしい結果だ。連邦政治にとっても大きな支援となる」と歓迎している。

 選挙結果で注目される点は、やはり自由党の躍進だ。選挙結果が判明した直後の記者会見で、同党のウド・ランドバウアー州党首は、「わが党は選挙終盤、メディアのネガティブな反自由党キャンペーンにさらされたが、議席の倍を成し遂げた」と勝利宣言をする一方、「反自由党キャンペーンでわが党がどれだけ損失したか明確な数字はまだないが……」と述べ、ナチス・ドイツを賛美した歌集が見つかったという報道で自由党がダメージを受けたことを暗に認めている(「極右党と『ナチス賛美の歌集』問題」2018年1月27日参考)。

 ミクル=ライトナー州首相は、「州政府は全ての政党と連携したい」と表明する一方、「オーストリアの名を辱める者とは一緒にできない」と強調し、ナチス賛美の歌集問題を抱えるランドバウアー自由党党首との連携は考えられないと指摘している。

 興味深い点は、イェルク・ハイダーが自由党党首時代、党首や幹部たちの反ユダヤ主義的発言が報道されると、その後の選挙で必ず得票率を大きく失ったが、今回、ランドバウアー州党首のナチス歌集問題がメディアに大きく報道されたにもかかわらず、得票率で6%以上増加し、議席の倍化を達成したことだ。すなわち、反ユダヤ主義的言動問題は有権者の投票に大きな影響を与えなかったという事実だ。

 もちろん、ナチス賛美の歌集問題がなかったならば、自由党は社民党を抜き、第2党に大躍進していた可能性があったから、ランドバウアー党首のナチス賛美の歌集問題は自由党にダメージを与えた、という見方も可能だ。

 有権者の最大関心事は今回は難民対策だった。その点、国民党と自由党は厳格な難民対策を主張してきたから、有権者の支持を得た。「自由党党首を巡るナチス歌集問題への批判票より、自由党の難民対策を評価する有権者が多かった」と受け取るほうが投票結果と一致している。

 オーストリアでは今年、約2%の経済成長が見積もられている。失業者の数も減少傾向が見られる。その中で、多くの有権者は難民対策を最優先課題とする政党に投票したというわけだ。ちなみに、ニーダーエスターライヒ州のトライスキルヒェンには、同国最大の難民収容所がある。

 今年はヒトラー・ナチス政権のオーストリア併合(Anschluss)80年を迎える。その年の最初の州議会選で反ユダヤ主義的歌集問題で批判される州党首を抱える自由党が躍進したという選挙結果は、やはり冷静に検証する必要があるだろう(「ヒトラーの『オーストリア併合』80年」2018年1月3日参考)。

スイスで「受信料」廃止問う国民投票

 スイスはオーストリアと同様、アルプスの小国だが、直接民主制のお国柄、その政治テーマも時代を先行しているケースが少なくない。オーストリアで「国民に直接その是非を問えばいいのだが……」と考えていたテーマを隣国スイスでは素早く国民投票で是非を決着させてしまうことが多い。公共放送の受信料廃止を問う国民投票の実施もその実例だ。

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▲オーストリア国営放送からの受信料請求書の例(2018年1月28日、撮影)

 2カ月に1度届く受信料の請求書(テレビとラジオを含む)は年々高くなった。その請求書を見るたびに、「なぜオーストリア国営放送(ORF)に対してだけ受信料を支払わなければならないのか」という思いが常に出てくる。民間放送のチャンネルも増加し、視聴者の選択の幅は急速に拡大してきた。
 オーストリアでは昨年10月、国民議会選挙が実施されたが、正直言って、民間放送の選挙報道の方が分かりやすく、正確だった。ORFは与党社会民主党系幹部が情報政策を牛耳っていることもあって、どうしても社民党候補者寄りの報道に傾いてしまう。その点、民間放送は選挙報道もエンターテーメントといった面もあるが、党派に余り拘らない(「国営放送が大統領選で情報操作」2016年5月21日参考)。

 スイスの公共放送受信料の廃止を問う国民投票に戻る。以下は、スイスインフォ(swissinfo)に基づく。
 スイス公共放送協会(SRG)は4カ国語の公用語でテレビ・ラジオの放送を行っている。同国では国民は一世帯につきビラグ(Billag)と呼ばれる受信料年間452フランの支払いを義務づけられている。そのビラグの廃止(ノー・ビラグ)を求めるイニシアチブの是非を問う国民投票が3月4日に実施される。もちろん、連邦政府はノービラグには強く反対している。

 受信料廃止を要求する国民は「公共放送は独占的であり、民間放送の発展を妨害している」と理由を説明している。ビラグが廃止されれば、SRGの経営が苦しくなるのは目に見えている。受信料収入は全体の約75%を占め、広告収入は25%に過ぎない。スタッフ総数は6000人を超える。連邦政府は「2019年初めには受信料を365フランに減額する」と主張し、国民に理解を求めている、といった具合だ。

 スイスでは数年前までオーストリアと同様、テレビやラジオを所有している国民を対象に受信料を請求するシステムだったが、連邦議会が2014年、受信料制度改正案を採択し、全ての世帯から一律受信料を徴収する制度に改正した。そして15年、同改正案の是非を問う国民投票が実施され、僅差ながら可決された経緯がある。

 テレビやラジオを所有していなくても、パソコンやスマートフォンの通信端末から番組を受信できる時代だ。どの世帯でも複数の通信端末機器を所有している。これまでは「自宅にはテレビもラジオもない」といえば、受信料を支払わなくても良かったが、受信料制度の改正で全ての国民が受信料を支払う義務があるということになったわけだ。ところで、受信料は「税金」か、それとも「手数料」かで国民の間で受け取り方は異なっている。

 オーストリア代表紙プレッセ(1月26日付)でコラムニスト、クリスチャン・オルトナー記者は隣国スイスの受信料廃止を問う国民投票に対し、「グット・アイデアだ。それにしてもどうしてわが国では同じ国民投票が出来ないのか」と嘆いている。

 なお、日本で昨年12月6日、最高裁が受信契約を定めたNHKの放送法を「合憲」と初の判断を下したばかりだ。直接民主制のスイスで3月、国民は如何なる判決を下すか注視されるところだ。

反ユダヤ主義という「幽霊」が出る

 話は前日のコラムの続編となる。オーストリア極右政党「自由党」主催のアカデミカー舞踏会が26日夜、ウィーンのホーフブルク宮殿で開催された。舞踏会は毎年開催されるものだが、今年は少し違う。野党生活に甘んじてきた自由党がクルツ国民党の連立政権に参加したのだ。与党入りした最初の年ということで、主催者側の自由党幹部も意気込みが違っていた。少なくとも、ハインツ・クリスティアン・シュトラーヒェ党首ら党幹部たちには政権入りを果たしたという充足感があったはずだ。ところが、前日コラムで報告したが、あの幽霊(亡霊)が再び動き出したのだ。ナチス・ドイツという幽霊だ。

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▲反ユダヤ主義を厳しく批判するシュトラーヒエ自由党党首(2018年1月26日、FPO公式サイトから)

 ナチス・ドイツの幽霊が出現すると必ずと言っていいほど、欧州各地から極左職業活動家が集まってくる。彼らはデモに参加した後、市内の商店街に繰り出してフェンスを壊すなど蛮行を繰り返すのが彼らのメニューだったが、今年は幸い、目立った衝突や蛮行は報告されていない。ウィーン市警察当局の情報では、デモ参加者数は約8000人、デモ対策のために動員した警察官数は約3000人という。

 ところで、幽霊(亡霊)にもさまざまな出自がある。その中で有名な幽霊といえば「共産主義という幽霊」だろう。カール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスはその共著「共産党宣言」の中で、「 ヨーロッパに幽霊が出る。共産主義という幽霊だ」という有名な台詞を発した。それに次いで欧州で囁かれている幽霊は「ナチス・ドイツの幽霊」だ。幽霊の出自は異なるが、一つ共通点がある。それは「幽霊は死なず」ということだ。

 シュトラーヒェ党首は自由党をその幽霊から解放し、「政権担当能力のある政党」を実証するために懸命に腐心してきた(これはあくまで表面的にはそう見える)。

 同党首は、「反ユダヤ主義者には自由党内にもアカデミカ―無踏会にもその場所はない。ホロコーストの犠牲者に対し、われわれは今もそして将来も義務と責任がある」と強調している。これほど明確な宣言はないだろう。その一方、前日のコラムで紹介したが、自由党内やシンパの中には旧ドイツ国家社会主義労働者党(ナチス)に共感する者が少なくない。ユダヤ人を殺害するように呼びかける歌集が作られていたのだ。

 自由党内に通じたジャーナリストは、「シュトラーヒエ党首が政権入りして、国民党に妥協したり、自由党の政策を放棄するようなことがあれば、自由党の分裂をもたらした“クニッテルフェルドの乱”を再現するかもしれない」(オーストリア代表紙プレッセ1月27日)と予想している。

 今年はヒトラー・ナチス政権のオーストリア併合(Anschluss)80年を迎える。アドルフ・ヒトラーが率いるナチス政権は1938年3月13日、母国オーストリアに戻り、首都ウィ―ンの英雄広場で凱旋演説をした。同広場には約20万人の市民が集まり、ヒトラーの凱旋を大歓迎した。その後の展開は歴史がはっきりと物語っている。

 オーストリアはドイツに併合され、ウィーン市は第3帝国の第2首都となり、ナチス・ドイツの戦争犯罪に深く関与し、欧州を次々と支配していった。同時に、欧州に住むユダヤ人600万人を強制収容所に送り、そこで殺害していった。その蛮行は旧ソ連赤軍によって占領されるまで続いた。

 ネオナチと呼ばれ、ナチス・ドイツに共感する自由党員やそのシンパはナチス政権に直接関わった者はほとんどいない。すなわち、ナチス・ドイツの戦争犯罪をまったく知らない世代だ。
 実例を挙げる。アウシュヴィッツ強制収容所があったポーランドでは今なお反ユダヤ主義が強いが、同国内にはもはやユダヤ人はほとんどいない。にもかかわらず、ユダヤ人への憎悪が席巻しているのだ。この現象をどのように説明できるだろうか。

 アカデミカ―無踏会に参加する青年たちは手に灯りをもって会場入りする。その姿をみて、「オーストリアに幽霊が出る。反ユダヤ主義という幽霊だ」という台詞が飛び出してきた。

極右党と「ナチス賛美の歌集」問題

 オーストリアで昨年末、中道右派の「国民党」と極右政党「自由党」の連立政権が発足したが、その際、欧州連合(EU)の本部ブリュッセルばかりか、各国も極右政党の参加したクルツ連立政権に対して批判的だった。クルツ首相は政権発足後、ブリュッセルを訪問し、オーストリアの連立政権が親EU路線を支持していることを通達し、欧州各国の懸念払しょくに腐心したものだ。

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▲昨年12月18日、ウィ―ンの連邦大統領府での宣誓式で語り合うバン・デア・ベレン大統領(左)、クルツ新首相(中央)、シュトラーヒェ副首相(右)=オーストリア国営放送の中継放送から

 年が明け、オーストリアでは今年最初の選挙、ニーダーエスターライヒ州議会選が28日に実施される。クルツ連立政権発足に対する国民の評価を知る上で絶好のチャンスでもある。

 ところで、同州の自由党筆頭候補者、ウド・ランドバウアー党首は旧国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)を信望する青年同盟隊(Burschenschaft)のゲルマニア支部副会長だ。その支部の事務所に、ユダヤ民族の虐殺を呼びかけ、ナチス・ドイツの神性化、ホロコーストを否定するナチ賛美の歌集が見つかったのだ。同スクープはウィ―ンの雑誌「ファルター」(Falter)が23日、暴露した。
 このニュースが流れると、「それみたことか!」といった批判が嵐のごとく吹荒れてきた。ランドバウアー党首の辞任要求が既に出ているほどだ。

 オーストリアのイスラル文化協会のオスカー・ドイチェ会長は「歌詞は明らかに反ユダヤ主義だ。ランドバウアー氏は辞任すべきだ」と表明、社会民主党、ネオスなど野党も激しく批判。「緑の党」出身のバン・デア・ベレン大統領は、「考えられないことだ。オーストリアはナチ政権の戦争犯罪の犠牲者であると共に加害国だ」と強調し、自由党にランドバウアー氏の解任を要求している。

 自由党と連立政権を発足させたクルツ首相(国民党党首)は、「歌集の責任者は刑法に基づき厳しく処罰されなければならない」と強調。ただし、同歌集は1997年に作成されたもので、既に時効となっている。ちなみに、ヴィーナーノイエシュタット市警察当局は24日、同盟事務所を家宅捜査し、19冊の歌集を押収している。

 自由党のヘルバルト・キックル内相が25日、「ランドバウアー氏を起訴する考えはない」と答えると、野党側から、「内相は誰を起訴するかどうか判断を下す権限はない。検察当局だ」と指摘、内相の干渉を批判したばかりだ。

 自由党の説明によれば、「同歌集が作成された時、ラウドバウアー氏は11歳の少年だった」と説明し、同氏には歌集編集の責任はないという。ランドバウアー氏自身、23日、「驚いている。歌詞はショッキングだ」と指摘したうえで、「同歌詞を歌ったこともない、まったく知らなかった」と弁明に躍起となっている。

 興味深い点は、ランドバウアー氏の周辺で反ユダヤ教的歌詞が入った歌集問題が今、発覚したことだ。すなわち、州選挙戦終盤だ。だから、ファルターにリークした情報提供者は明らかに州自由党にダメージを与える狙いがあったと憶測できるわけだ。それだけではない。25日未明、ウィ―ンの自由党党首のシュトラーヒェ副首相の事務所に賊が入ったという速報が流れてきた。そして事務所に盗聴器が見つかったというのだ。
 いよいよ「007」の筋書きが展開してきた。シュトラーヒェ副首相の事務所に盗聴器を付けたのは誰か、あるいは自由党関係者が盗聴器騒ぎを起こし、国民の関心をランドバウアー氏の歌集問題から目をそらす狙いがあったのではないか、といった憶測も成り立つ。

 極右政党「自由党」が政権参加した場合、この手のゴタゴタはつきものだ、と冷静に事の進展を見守り、憶測を慎むべきかもしれない。なお、27日は「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」 (International Holocaust Remembrance Day)だ。

マクロン大統領の大胆な「歴史認識」

 フランスのエマニュエル・マクロン大統領は就任以来、世界の指導者をパリの大統領府(エリゼ宮殿)に招待する一方、自ら世界を飛び歩いている。一時期、大統領の国民の支持率は低下したが、ここにきて再び上昇してきた。40歳の若き大統領は、フランソワ・オランド、二コラ・サルコジといった前任者が夢見ても実現できなかったフランスの外交を世界に示している。

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▲世界経済フォーラム(ダボス会議)で演説するマクロン大統領(2018年1月24日、フランス大統領府公式サイトから)

 大統領就任直後、5月29日、ウラジーミル・プーチン大統領をパリ郊外のベルサイユ宮殿に招き、同年7月14日の慣例の革命記念日軍事パレードにトランプ米大統領夫妻を招いた。そして今年に入ると早速、中国・北京を訪問し、習近平国家主席と会談し、シリア危機や北朝鮮の核問題などを話し合っている。米中ロ3大国首脳と会談する40歳の青年大統領の姿を見たフランス国民の中には往年時代のフランスの外交を思い出した者もいただろう。

 独週刊誌シュピーゲル最新号(1月20日号)はマクロン大統領の外交の足跡を振り返っているが、そこに興味深いエピソードが掲載されていた。マクロン大統領の外交を理解する上で参考になるばかりか、慰安婦問題で韓国と険悪な関係の日本にも参考になる新鮮な視点が見られるのだ。

 マクロン大統領は同国の植民地だったアフリカ諸国を訪問し、ブルキナファソでは演説後、一人の女学生から質問を受けた。

 「マクロン大統領、私は大学生だが、わが国では勉強していても頻繁に停電になってしまいます。どうしたらいいのですか」

 マクロン大統領はじっくりと女学生の方を見ながら傾聴した後、
 「あなたは間違っている。あなたは自国が依然フランスの植民地だという認識で私に電力不足の解決を求めている。その質問はあなたの国の政府関係者にするべきだ。私はフランス大統領であって、ブルキナファソの問題を担当していない」

 マクロン大統領のこの返答が世界に配信されると、多くの人々はマクロン大統領は傲慢だ、非情だ、といった反応が見られた。フランス国内でも同様だった。

 当方はマクロン大統領の返答に正直いって新鮮な感動を覚えた。女学生には「わが国はフランスの植民地だった。だからフランス大統領に苦情の一つでもいって、その解決を聞きたい」という思いがあったのだろう。マクロン氏は即、「私はあなたの国の諸問題を担当していない。私はフランス大統領だ」と答えたのだ。この答えに間違いは一つもない。自国の諸々の問題はその国の統治を担当した政府関係者が取り組み、解決しなければならない。マクロン氏はごく当たり前のことを指摘したまでだ。

 マクロン氏はフランスの植民地化時代の負の遺産を忘れている、という批判も聞かれる。それに対し、大統領は、「私は過去問題より、現在と未来の問題解決に取り組みたい」と表明してきた。よく言われる「未来志向の政治」だ。貴重な時間とエネルギーを過去問題の対応で消費するのは止め、現在、そして将来直面する多くの問題の解決策に頭を悩ますべきだという論理だ。これもまったく正論だ。

 同時に、マクロン氏は女学生に、「あなたの国はもはやフランスの植民地でありませんよ。フランスと同様、立派な独立国家です。自信を持ってください」といった思いが込められていたのではないか。とすれば、かつて植民地だった国の女学生への最高の励ましの言葉だ。

 マクロン氏は常に相手と可能な限り、対等の立場で話そうとする。トランプ米大統領に対しても超大国の米大統領といった恐れとか不必要な尊敬を払わない。同じように、アフリカの女学生に対しても、フランス国民と同様の立場で話す。シュピーゲル誌の記事のタイトルも「Der Furchtlose」(恐れ知らず)だ(「マクロン大統領の書きかけの小説」2017年10月21日、「ファースト・ドッグの不始末」2017年10月26日参考)。

 マクロン氏の上記のエピソードは、韓国と歴史の認識問題で対立する日本にも参考になる点が多くある。文在寅大統領が旧日本軍の慰安婦問題を追及し出した時、安倍晋三首相は、「大統領、韓国はもはや日本の植民地ではありません。わが国と同様立派な独立国家ではないですか。韓国内の諸問題について、私は責任を担っていません。私は日本の総理大臣です」と説明すれば十分だ。これこそ慰安婦問題に対する日本側の究極の返答といえるわけだ。
 歴史とそれ以外の問題を別々に扱う“ツートラック”政策を標榜する文大統領には、「貴重な時間と人材を現在と未来の問題の解決に投資すべきではないか」とやんわりと助言すれば終わりだ。

 第2次世界大戦から70年以上が経過した。戦争を体験した国民は年々少なくなってきた。日本でもマクロン大統領のように歴史の負の遺産を背負わない大胆な指導者が出てくるのは時間の問題だろう。

平昌訪問で安倍首相の身辺警備の強化を

 安倍晋三首相が来月9日開催の平昌冬季オリンピック大会(2月9日〜25日)の開会式に参加を決定したというニュースが入ってきた。首相にとっても多分、熟慮した後の結論だろう。

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▲平昌五輪スタジアム(平昌冬季五輪公式サイトから)

 安倍首相はバルト3国など6カ国の公式訪問を無事終えて帰国した直後だ。当方は首相の健康状況を危惧している。欧州6カ国訪問最後のルーマニアでクラウス・ヨハニス大統領との記者会見での首相の表情をみて、「首相はかなり疲れている」と感じた。写真は撮影角度などで人の表情は変わるが、安倍首相の写真は本人の写真とは思えないほど、表情に影が見られたからだ。
 そして、24日の官邸での写真を見た時も同じ印象を受けた。当方は医者ではないし、遠距離診断などできる立場ではないが、政治家、特に一国の代表である首相ともなれば、その責任とストレスは第3者では想像できないものがあるだろう。


 さて、平昌五輪開会式に参加されるが、首相周辺の警備強化の必要を感じる。ソウルからの情報では、五輪競技場のチケットはまだ30%から50%程度しか埋まっていないという。韓国政府関係者は総動員で競技の観戦を呼び掛けている。開会式は、最高級の警備体制が敷かれるだろうし、VIP席は2重、3重の警備が敷かれると思うが、韓国入りから帰国までの首相一行の全ルートの再チェックが必要だろう。警備の手薄の個所がないか検証が必要だ。


 マーク・リッパート駐韓米大使が2015年3月5日、襲撃されたことがあった。どの国にも警察当局の監視対象リストに入っていないローンウルフ(一匹狼)がいる。特に、韓国では反日傾向が見られるだけに、韓国側の警備体制の強化を願う次第だ。


 北朝鮮は韓国側の対話に応じたが、その狙いは明らかだ、非核化などは北側の議題ではない。国際社会の制裁を受けている北朝鮮は韓国側からの様々な支援が喉から手が出る程欲しい。もう一つは日韓米の結束に打撃を与えることだ。
 仮定だが、安倍首相ら日本代表団に何らかの不祥事が生じた場合を考えてほしい。日韓両国の関係は一層険悪化するだろう。マイク・ペンス副大統領を派遣する米国も静観できない。対北政策で日米韓の結束は崩れてしまう事態が考えられる。歴史はそのような不祥事がいつでも起こりうることを実証している。


 問題はそのような危機的状況下で韓国の文在寅大統領が賢明な対応ができるかだ。国家の統治能力、危機管理はその国の最高指導者の責任だ。


 平昌冬季五輪大会は本来、純粋なスポーツの祭典だが、そこに北側が参加を表明して以来、韓国内では平昌五輪ではなく、「平壌鮮五輪」となってしまったという声が聞かれる。韓国側が北の機嫌を損なわないことに専念するあまり、韓国国民の意向を忘れている。アイスホッケー女子の南北合同チームは政治的な決定だ。スポーツ競技の観点から言えば、五輪大会開催直前の南北合同チームは考えられない。韓国選手は南北対話を優先する文政権の“供え物”となったわけだ。


 南北対話という美味しいエサを文大統領の目の前にちらつかせ、主導権を奪った金正恩氏の巧妙な作戦が成功したわけだ。非核化には応じない。しかし、韓国側の支援を受けると同時に、日米韓の結束を崩す、この3点を金正恩氏は計画通りに進めているのだ。


 日韓両国は五輪開催を相互理解を深める機会として利用してほしい。安倍首相の五輪外交を期待したい。

改宗するイスラム教徒が出てきた!

 中東・アラブ諸国でイスラム教徒がキリスト教に改宗する現象が見られるという。同時に、欧州に入ったイスラム系難民がキリスト教に改宗する数が増えてきた。後者の場合、難民申請でキリスト教徒の方が難民認知で有利という事情から改宗するケースがあり、偽装改宗ではないか、といった声も聞かれる。

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▲「反テロ宣言」に署名したイスラム教指導者たち(「オーストリア・イスラム教信仰共同体」のHPから)

 オーストリア日刊紙クリアとのインタビュー(1月21日)で著名な中東専門家の政治学者トーマス・シュミディンガー氏は、「イスラム諸国で無神論者になったり、キリスト教に改宗する傾向が見られ出した。イスラム教徒のキリスト教改宗は命がけだ。同時に、イスラム系難民申請者の中には難民認知でプラスとなるうえ、強制送還の危険性が少ないという理由から改宗するケースも増えている」と述べている。
 同氏によると、中東の地域では、当局の監視の目から逃れるため地下教会が生まれているという。中国共産党独裁政権下の地下教会を想起させる情報だ。

 オーストリアのローマ・カトリック教会の情報によれば、昨年1年間で成人が洗礼を受けた数は750人だった。過去最高だ。首都ウィーン市だけでもその数は15カ国、計260人になったという。幼児洗礼とは異なり、成人になってからの洗礼は特別だ。

 ウィーン大司教区の広報担当者によれば、昨年の改宗者750人のうち、約75%はイスラム教徒からの改宗という。例えば、イランでイスラム教徒がキリスト教徒に改宗すれば、極刑に処されるケースが少なくないという。
 イスラム系難民申請者の改宗に対して、偽装改宗という疑いが払しょくされないが、同広報担当者は、「それは偏見だ。なぜならば、イスラム系難民の改宗の場合、少なくとも1年の準備期間がある。信仰姿勢から礼拝参加状況、生活姿勢など厳密なハードルがある。教会は偽りのキリスト者を願わない」と強調する。ちなみに、プロテスタント系教会信者に改宗したイスラム教徒の数は昨年230人だった。


 ローマ・カトリック教会を含むキリスト教とイスラム教はその教義や信仰実践は異なるが、似ている点も少なくない。両宗教は「信仰の祖」アブラハムから派生した唯一神宗教であり、ユダヤ教のルーツを共有している。そして聖書に登場するモーセ、イエス、そして聖母マリアは、イスラム教コーランでも重要な役割を果たしている。マリアは同名だが、イエスはイスラム教ではイ―サーと呼ばれている。もちろん、違いはある。聖書では、アブラハムは息子イサクを献祭するが、コーランではイサクではなく、イシマエルとなっている。

 それでは、なぜキリスト教に改宗するイスラム教徒が出てきたのだろうか。最大の理由はイスラム過激派テロ組織「イスラム国」(IS)の蛮行にある、と指摘する宗教学者もいる。イスラム国のカリフを宣言し、他宗派信者を殺害する姿を目撃した敬虔なイスラム教徒は自身の宗教に懐疑的となり、イスラム教から距離を置くか、他宗派に走る。聖書を読んで、覚醒したというイスラム教徒の証言も報道されている。

 中東・北アフリカ諸国から2015年、100万人を超えるイスラム系難民がドイツに殺到したが、イスラム系難民の収容は反ユダヤ主義をドイツに輸入する結果となった(「イスラム系移民のユダヤ人憎悪」2017年12月22日参考)。同時に、数はまだ少ないが、難民の一部はキリスト教に改宗するケースが出てきたわけだ。
 ユダヤ教、キリスト教、そしてイスラム教の3大宗派が欧州で「文明の衝突」を繰り返す一方、緩やかだが「文明の統合」も見られ出した、というべきかもしれない。

独SPD「大連立交渉」にゴー・サイン

 ドイツの第2党、社会民主党(SPD)は21日、ボンで臨時党大会を開催し、メルケル首相の「キリスト教民主同盟」(CDU)とその姉妹政党「キリスト教社会同盟」(CSU)の間で協議した大連立発足を巡る予備交渉の合意内容(28頁)について、その是非を問うた。結果、党代表642人中、賛成362人、反対279人、棄権1人で、賛成が過半数(約56・4%)を上回ったことから、CDU/CSUとの大連立交渉にゴー・サインを出した。CDU/CSUはSPD臨時党大会の結果を歓迎し、連立交渉を即開始し、2月中にも大連立政権を発足させたい意向といわれる。


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▲大連立交渉にゴー・サイン(社民党臨時党大会で、2018年1月21日、ボン SPD公式サイトから

 シュルツSPD党首は、「結束し、勇気を持って交渉に臨もう。強固なSPDはドイツと欧州を強くする」と檄を飛ばしたが、賛成が約56・4%に留まり、党内に大連立反対の声が依然、強いことが改めて明らかになった。特に、SPD青年代表ケビン・キューナルト氏は、「将来巨人に成長するために、今は小人に甘んじるべきだ」」と強調し、メルケル首相の大連立政権に参加すれば、ジュニア政党としてSPDはその存在感を失っていくと警告を発した。


 シュルツ党首は大連立反対の党員を説得するために、今月12日、合意した内容に難民政策、雇用問題、厚生分野で追加要求を出す考えを表明したが、CSUのゼーホーファー党首は、「合意内容に追加要求を加える考えはない。SPDは合意内容を死守すべきだ」と指摘、SPDに警告を発している。同じく、CDU内でもSPDの追加要求については批判的な声が聞かれる。
 ちなみに、ドイツ野党「左翼党」や極右政党「ドイツの為の選択肢」(AfD)からはSPDの連立交渉ゴーに対し、「歴史的な間違い」、「威厳のない、信頼できない決定」といった辛辣な批判の声が出ている。


 ドイツでは昨年9月24日の連邦議会選(下院)後、メルケル首相のCDU/CSUは自由民主党(FDP)と「同盟90/緑の党」とジャマイカ連立政権の発足を目指したが、FDPが「党の政策に反することはできない」として離脱。それを受け、ジャマイカ連立交渉は暗礁に乗り上げた。


 総選挙のやり直しを懸念するシュタインマイヤー大統領は政党代表を大統領府(ベルビュー宮殿)に招き、政権発足を促した。その結果、総選挙直後「下野する」と宣言してきたシュルツSPD党首はメルケル与党との連立交渉に応じることを決意。それを受け、社民党幹部会は昨年、CDU/CSUとの大連立の予備交渉を承認し、今月7日から交渉を重ね、合意を達成した経緯がある。


 SPDは昨年9月の総選挙で得票率20・5%(前回比で5・2%減)と党歴代最悪の結果だったことから、党内では野党に下野して党の刷新に取り組むべきだという声が支配的だった。
 CDU/CSUとの大連立交渉で合意が達成された場合、SPDは全党員(約44万人)にその是非を問う方針だ。そのため、大連立政権が土壇場で拒否される可能性はまだ排除できない。

安倍首相が得た「ルーマニアの教訓」

 安倍晋三首相が今月16日、ルーマニアの首都ブカレスト入りする直前、同国のミハイ・トゥドゼ首相が辞任を表明したというニュースが飛び込んできた。安倍首相ら日本関係者はルーマニアの政変の真っ只中にブカレスト入りしたわけだ。ホスト国ルーマニアの政治空白という異常な状況に遭遇した安倍首相は不運だっただろうか、それとも民主革命からほぼ30年が経過するが、依然政情不安定な東欧諸国の生の姿を目撃できたことは政治家として貴重な体験となっただろうか。

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▲安倍首相とルーマニアのヨハニス大統領、2018年1月16日、ブカレストの大統領官邸(日本首相官邸公式サイトから)

 以下、安倍首相が対峙したルーマニアの政情を簡単にまとめる。

 ルーマニアで2016年12月11日に実施された総選挙に圧勝した与党中道左派「社会民主党」(PSD)は昨年1月15日、中道右派「自由民主主義同盟」(ALDE)と連立政権を発足させた。PSDのドラグネア党首はソリン・グリンデアヌ氏を首相にしたが、同首相は17年6月21日、自党のPSDとALDEが提出した不信任案が承認され、辞任に追い込まれてしまった。そこでトゥドゼ氏(PSD)がその後継者となったが、ドラグネア党首とのPSD内の権力闘争に巻き込まれ、安倍首相がブカレスト入りする前日、突然辞任を表明したわけだ。トゥドゼ首相(PSD)の辞任後、ドラグネア党首は側近のミハイ・ヴィオレル・フィフォル国防相を暫定首相に任命した。

 トゥドゼ前首相はドラグネアPSD党首と司法改革法案で対立してきた。直接の契機は、ブカレストの警察官の未成年者への性的虐待事件に対する対応でカルメン・ダニエラ・ダン内相と対立。内閣改造でも党内の強い反対に直面したトゥドゼ前首相は「党内の信任がなくなった」という理由から辞任に踏み切ったわけだ。

 ドラグネア党首は過去、選挙の不正操作などで前科があって、首相には就任できないが、政府をコントロール下に置いてきた。刑罰の緩和を目指す司法制度改正法には強い関心を有してきた。
 PSDは公式には社会民主主義を標榜しているが、実際はニコラエ・チャウシェスク独裁政権時代に仕えてきた政治家や閣僚の末裔であり、“腐敗政治家、ビジネスマンの寄せ集め集団だ”という辛辣な批判も聞く。

 ブカレストからの情報によると、同国で20日夜、雪が降る中、約7万人の国民が反政府デモを行った。現地からの情報では治安部隊との衝突は報じられていない。デモ参加者は地方から首都ブカレストに結集してきた。ロイター通信によると、首都の他、20カ所の都市でも小規模の反政府デモが行われたという。

 デモ参加者は、PSDとALDE連立政権が昨年12月に承認した検察側の権限制限を狙った司法制度改革に反対し、「法治国家をなし崩しにしている」と批判している。クラウス・ヨハニス大統領(国民自由党=PNL党首)が同改革法案にまだ署名していないため発効していない。現政府は昨年2月、同法案を議会に提出したが、国民の強い反対に遭遇し、一旦撤回した経緯がある。

 ルーマニアでは総選挙後、1年間で2度、首相が辞任に追い込まれたことになる。「わが国は政治的カオス状況に陥っている」とブカレストのメディアは嘆いているほどだ。

  公式訪問前にホスト国の首相が突然いなくなる、といっためったにない出来事に遭遇した安倍首相はどのような教訓をそこから引き出しただろうか。今年9月に自民党総裁選がある。3選を目指す安倍首相としては、党内の結束がいかに大切かを肌で感じられたルーマニア訪問となったのではないか。
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