ローマ・カトリック教会総本山、バチカン法王庁は先日、ボスニア・ヘルツェゴビナのメジェゴリエの聖母マリア再臨とそれに伴う「奇跡」について調査委員会を設置した。ボスニアの首都サラエボ西約50キロのメジュゴリエでは1981年6月、当時15歳と16歳の少女に聖母マリアが再臨し、3歳の不具の幼児が完全に癒されるなど、数多くの奇跡が起きた。1000万人以上の巡礼者がこれまで同地を訪れている。
 バチカンは過去、メジェゴリエの聖母マリア再臨については正式に公認を避けてきた経緯がある。参考までに、バチカンは「ルルドの奇跡」や「ファティマの聖母マリア再臨」については、正式に「聖母マリア再臨の地」として公認し、信者たちの巡礼の地となっている。
 今年はフランス南部の小村ルルドで聖母マリアが14歳の少女、ベルナデッタ・スビルーに顕現して150周年目を迎えたばかりだ。少女ベルナデッタに顕現した聖母マリアは、ポルトガルのファティマの「預言」(1917年)のような啓示をもたらさなかったが、近くの泉から湧き出る水を飲むと病気が治癒されるという奇跡が起き、多くの巡礼者が世界中からルルドを巡礼している。

 サラエボ大司教区のヴィンコ・プルジッチ枢機卿は「バチカンはメジェゴリエの聖母マリア再臨とそれに伴う奇跡の是非を初めて調査することになった」と述べ、同地が正式に「聖母マリア再臨の地」として追認される可能性が出てきたことを示唆している。
 バチカンは奇跡や霊現象には慎重な姿勢を維持してきた。イタリア中部の港町で聖母マリア像から血の涙が流れたり、同国南部のサレルノ市でカプチン会の修道増、故ピオ神父を描いた像から同じように血の涙が流れるという現象が起きているが、バチカン側は一様に消極的な対応で終始している。スロバキアのリトマノハーでも聖母マリアが2人の少女に現れ、数多くの啓示を行っているが、メジュゴリエと同様、公式には認定されていない。バチカン関係者によると、聖母マリア再臨現象は過去、数千件にも及ぶという。