国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は12日、北朝鮮が同日、3回目の核実験を実施した事に対し、「北朝鮮は国際社会の声を無視して3回目の核実験を実施したことは遺憾であり、国連安保理決議を明確に違反する」と表明する一方、「IAEAは核査察の再開を通じて北核問題の平和的解決に貢献する用意がある」と述べた。そこでIAEA査察局アジア担当のマルコ・マルゾ部長(顔写真)と会見し、北朝鮮の核問題とIAEAの立場について聞いた。
 
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▲雪が積もったIAEA本部(2012年12月、撮影)

 ――北朝鮮が2006年10月、09年5月に次いで3回目の核実験を実施した。北朝鮮の査察を担当する査察局アジア部長としてどのように受け取っているか。

PS080729 「天野事務局長が深い遺憾を表明している。残念ながら、IAEAは対北核問題では独自情報はまったくない。無力に等しい」

 ――北側は「小型で強力な核爆発を実施した」と表明した。北の核技術は小型核を製造できる能力を保有しているか。

 「北朝鮮の核実験の爆発規模は1回目が1キロトン以下であり、第2回目は最大5キロトンだった。今回の核爆発の規模やその性質は包括的核実験禁止機関(CTBTO)の検証を待たなければ何ともいえないが、それ以上の規模だったはずだ。いずれにしても、北の核技術が向上していることは間違いないだろう」

 ――エルバラダイ前事務局長は北朝鮮を含め9カ国を「核保有国」と呼んだことがある。北は通算3回の核実験を行った。北を「核保有国」と呼ぶべきか。

 「技術的には北は核保有国と呼ぶべきだろう。ただし、政治的観点からいえば、北は核保有国と認知されない。これが現実だ」

 ――北は過去2回の核実験ではプルトニウム核実験だったが、今回はウラン核実験ではないかと予想されている。

 「CTBTOの国際監視システム(IMS)の監視観測所データーを分析しない限り、断言できない。すなわち、放射性物質(クリプトン、ゼノンなど)の検出だ。09年5月の核実験では放射性物質が最後まで検出されなかった。北が放射能物質の放出を防止したからだ。北は核保有国の認知を求める一方、核実験の詳細な内容が漏れることを懸念している。今回はどうか、しばらく待たないと何もいえない。もちろん、北側は今回も地下核実験場から放射性物質が流出するのを防ごうとするだろう」

 
【IAEAが北の核関連施設を査察・検証できた期間は、。隠坑坑看5月から2002年12月まで、■娃嫁末から07年7月まで。北側がIAEA査察官を国外追放した09年4月以降、IAEAは北の核関連施設へのアクセスを完全に失った。そのため、「北の核問題を検証できない状況が続いている」(天野事務局長)。IAEAとしては、6カ国協議の早期再開を通じ、IAEA査察員の派遣を実現したい意向だ】