ウィーンの大韓貿易投資振興公社(KOTRA、コトラ)に勤務している友人から2014年新年挨拶のメールが届いた。そこには馬の絵が描かれていた。それを見て来年の干支は馬だったことを思い出した。ただし、友人が送ってきたメールの馬は青い馬(Blau Horse)だった。青い馬には、「フレッシュなエネルギーをもって人生の目的を成就する」という象徴的な意味がある、と但し書きがあった。馬は生命力の旺盛な動物を象徴している、風水では財運、事業運を持っているとして、その方面の人々に好まれている。当方はこれまで青い馬を見たことがない。

pferd
▲コトラから届いた新年挨拶メールの「青い馬」

 ところで、新約聖書の「ヨハネの黙示録」第6章を読むと、小羊が7つの封印を解いていくと、「白い馬」「赤い馬」「黒い馬」「青白い馬」と4色の馬が次々と登場する。そして「青白い馬に乗っている者の名は『死』といい、それに黄泉が従っていた」と記述されている。ちなみに、米国のデンバー国際空港では巨大な青い馬の像があるという。持ち主を殺したことからその青馬を“デーモン・ホース”と呼んでいるという。

 ヨハネが神の啓示を受けて記した預言書の「黙示論」では、「千年王国」の到来とイエスの再臨が予言されている。4騎士がそれぞれ白、赤、黒、そして青白の馬を乗って登場する。「白い馬」は一般的に高貴、栄光、勝利を意味し、「赤い馬」は戦争をもたらすと記述されている。ちなみに、赤は共産主義の台頭を意味し、「赤の貴族」といえば、共産党のノーメンクラトゥーラを指している。そして「黒い馬」は世界的危機の到来を意味し、飢餓をもたらし、「青白の馬」は先述したように「死」をもたらすというのだ。

 黙示論の「青白い馬」は、コトラの友人が書いたように、「フレッシュなエネルギーをもって人生……」といった韓国の伝統的な「青馬」とはまったく異なる内容だ。

 わたしたちは、「人類の終わり」を意味するといわれてきたマヤ暦のイヤー・ゼロ(昨年12月21日)を無事通過してきた。マヤ暦騒動は終わったが、マヤ暦問題を通じて「人間の歴史にもひょっとしたら終わりがあるかもしれない」と考えた人々もいただろう。
 宇宙物理学者のインフレーション理論によると宇宙は急膨張し、今も拡大し続けている。昨年2月、小惑星「2012DA14」が地球を通過したが、その大きさは45〜50メートル、推定13万トンだ。地球に衝突していたら、大被害が予想された。地球の終わりは想定外のところから到来する可能性が排除できないわけだ。

 今年も10日余りを残すだけとなった。来るべき新年に対して希望と共に、漠然とした不安を感じる人々も少なくないだろう。年末になると占いや予言書がよく読まれるのは、人々が不安を抱いているからだ。「不安」もビジネスとなる時代だ。

 読書の皆さんはマルク・シャガールの代表作「青い馬」をご存じだろう。黙示論の「青白い馬」とは異なり、青い馬は幻想的だ。新年が黙示論の「青白い馬」ではなく、コトラの躍動的な「青い馬」の年であってほしい。来年が皆さん、家庭、国家、そして世界にとってよりよい年になることを願う。