私は周到に用意していた。

 

まずは、ビデオ装置。

事実を克明に記録する為だ。

三脚で固定し、出来るだけ男を中心に撮影できる位置にセットする。

よし。

次に小道具を取り出す。

別に私はゲイではない。

否、

むしろ、部類の女好き。

顔など問わない。

挿入出来れば良い。

そんな古いタイプの男だ。

 

だから、用意したのは女装セット。

まずはウイング。

元々短髪の彼にはセットし易いメリットがあった。

長めのウイングを未だ、昏倒したままの彼の頭に被せる。

うん、色っぽい。

ぐっと、彼が女に近付いてくる。

 

次は口紅。

妻のそれを借用してきた。

薄い唇にたっぷりと塗り付ける。

そして、メイク。

無毛症の男は髭一本生えていない。

しかも、東北育てと聞くもち肌で、メイクの乗りは最高だ。

 

もちろん、メイクの仕方も事前に勉強した。

鼻と両目が作る三角形を中心に行う。

その原則を守れば、立ちどころに映える顔に変身する。

その極意を学んだ。

元々、淡泊な顔。

それを強調すると、あっと言う間に良い女の出来上がりだ。

 

更に、小道具を持ち出す。

お待ちかねの下着類だ。

ブラジャーにショーツ。

女装に欠かせない二点。

色は純白。

今日は処女喪失の記念日。

白い下着は似合うはず。