しかし、一度では無理がある。

 

何度も、何回も、そして、途切れることなく、私は惨状を訴えた。

人の不幸は蜜の味。

それが人間の心理だ。

常に優位に立って居た私。

年上。

ちゃんとした勤め。

十分な資産を持ち、再婚とは言え、美形の若い妻を持つ。

 

現在も、そして考え得る未来も含めて、私には勝てない。

叶わない。

だからこそ、篠原は種々沙汰な悩みや相談をしてきた。

 

それが性的機能、男性機能の一点に絞れば、逆転した。

それが鈍重な篠原にも、徐々に伝わってきたのだ。

大切な恩人。

これからも世話になるだろう目上の人。

その人が悩んで、困って、どうしたら良いか苦しんでいると…

 

「なあ、一度で良いから、妻を慰めてくれないか?」

或る日、私はそう投げ掛けた。

「な、慰める?」

篠原はびっくりした表情を浮かべる。

白い顔が紅くなり、慰めの意味を理解したことが直ぐに分かった。

又もや、私の男根は反応した。

少女のように上気する篠原に、何時も男根は反応する。

隠しきれない事実。

鈍重で無ければ、篠原はとうに気が付いているはず。

EDどころではない。

篠原に欲情して、私は激しく勃起していた。

 

「そう、慰めて欲しい」

私は妻を想定して、言葉を選んだが、妻を慰めているだろう白い肢体の篠原を想像して、更に怒張した。

「だ。大丈夫ですか?」

飛んでもない要求。

信じ難い提案。

屈辱的な申し出に、私が気が狂いそうなのかと、篠原は心配する。