これにはびっくり。なるほど、こんなことがあるんだ。やっと、わかった。
実は、Bonanzaはいつか、市販化されるものと想定していた。現に5月の選手権の際にも、しっかり、関係者の方が代理参加されていた。もちろん、その時には、単独で市販するんだなあと思っていた。そして、それは近いと感じていた。
 ところが、大会が終わるとBonanzaの作者は、なんど、すぐに、フリーソフトのバージョンアップを行った。これには、まったく、理解不能である。もし、Bonanza作者が、ほんの少しでも、いわゆる、日本の「商習慣」というものを知っていれば、そして市販化していただける会社のことを思えば、販売前に、関連物品を無料で市場に出すことは、異例である。まず起こり得ない。ありえない。しかし、Bonanza作者はそれをやった。なにかにつけて、カナダに住むというこの男は、スケールのでっかい男である。
 実は、私は、以前から「もしかしたら」と考えていたことがひとつあった。それは、Bonanza作者が、ある日突然、Bonanzaのソースコードを、公開するのではないかと考えていた。もし、これをやれば、コンピュータ将棋界始まっていらいの大激震だろう。これは、考えただけでも、すごいことである。いったい、全体、全幅探索で17手詰めの詰将棋までも解いてしまう秘密はなんだ。中盤から終盤に移る際の、あの、いかにも人間的な指しまわしは、どうやって、無機質なプログラム言語で表現しているのだろうか。どれもこれも知りたいことばかりである。
 ところで、「双頭の龍」とあるが、普通、「双頭」と言えば、頭二つに胴体1つの龍ではなかったっけ。宣伝ポスターの龍は、あれじゃあ、2匹の龍じゃないのかなあ。