2014年12月26日

◎医者と患者の葛藤(その2)

病院2

Netである総合病院を見つけた。

7月検査入院をし、手術を含む各種の検査をした結果、悪性リンパ腫の〇〇であった。

担当医師のAと主任医師のBの2人体勢で診てくれると言う。

A医師はハキハキとした好感の持てる医師であり、まな板の鯉ならず牡丹鍋のイノシシの心境で任せることにした。

 

7月から抗がん剤の投与が始まり、それと同時に副作用が発症した。

化学療法のABVD療法の副作用は脱毛、声枯れ、便秘、下痢、口内炎、胃のもたれ、大腸の不活発、痔、不整脈の疑い、指先のシビレ、不眠症、食欲不振、若干のふらつき、軽い頭痛、白血球の減少、胸の痛みが一般的であり、そのほとんどを経験した。

 

8月中旬自宅からの通院に切り替わる。

A医師は患者が希望を持てるようにと良いことしか云わない。

副作用については脱毛、吐き気ぐらいしか云わず、

癌治療を受けながら仕事を続けても大丈夫だという。

本当かなと思いつつ将来に明るい希望を持ったものです。

 

ところが9月中旬段々と息苦しさを感じ、診断の結果、薬剤性の間質性肺炎に肺血栓塞栓症と判明、間質性肺炎は抗がん剤のブレオマイシンの副作用、肺血栓塞栓症は点滴用ポートの埋め込みにより血栓が生じたものであった。この時点では胸の腫瘍は順調に消えていた。

間質性肺炎の恐ろしさは事前に説明もなく、血栓はまれに飛ぶこともある程度であった。

彼としてはプラス・マイナスの情報を提供してもらいある程度の覚悟をするのが、彼の生き方であったが、マイナスの副作用について意識的に隠されると医師に対する不信感が湧くものである。

治療初めから手足のシビレ特に親指や足の裏のシビレは疼痛を感じるぐらいまでになっていた。医師は副作用で末梢神経障害を起こしていると判断し、その特効薬としてリリカ錠を勧めたが、つい最近の新聞に次のような記事が載っていたのだ。

「厚生労働省は、神経障害性の痛みの治療薬「リリカ」(一般名・プレガバリン)を服用した後、劇症肝炎や肝機能障害の重い副作用を発症する症例が確認された」と。

私は稀にとか、めったにない副作用で病状が悪化して苦しんでいた。
医師がこれは良い薬であり、劇症肝炎や肝機能障害の重い副作用の発症は稀にしか起きないからと勧めたが、体質的に肝機能が弱い自分としては、稀にしか出ない副作用は必ず出ると判断をし、これは医師が何と言おうと飲まないと宣言した。
医師の処方にも拘らず云うことの聞かない私は、相変わらず末梢神経障害が改善されず手足がシビレまくっているのである。


 A医師が良かれと思って見せなかった患部が明確に写っている画像は、主任医師、外科の医師、放射線科の医師との面談の際に見ることができた。

A医師は血液検査の数値、PET−CT等の信奉者で数値を重視するタイプであり、B主任医師は患者の症状を判断基準の重点に置いているようであった。

 

12月中旬で抗がん剤治療は終わり、1月から放射線治療が通院で始まる。

自覚症状としては癌も、間質性肺炎も、肺血栓塞栓症も病巣が残っているという認識であるが、診断書には癌の“完全寛解”を確認と記載されていた。


 ただ言えることはA・Bの両医師は熱心に取り組んでくれており、その姿勢には共感を覚えており、信頼感を失っているということではない。

追求芯の強いジジイは“命根性が汚く”PCを駆使して自分なりに納得しての闘病をしたいのである。
医者にとっては扱いづらい患者なことは確かである。

患者として反省しながらも何処かで燻ぶっている自分がいた。



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この記事へのコメント
突然のメールを失礼します。かなり昔、原宿の保坂氏の会社で作家の海辺鷹彦さんと面識がありました。私の思い違いならば許しください。ブログ主はご本人ではないでしょうか。ご連絡いただけると幸いです。
Posted by 都築金次郎 at 2016年04月21日 17:20