2008年05月12日

其の二十四:ウィリー石松の「新選組 戊辰戦争のなかで」試聴レポート

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さてさていきなりバーンと登場したこのCD。何だかわかるでしょうか? 実はこれ、(有) 共栄通商が初協賛させて頂いたCDなのであります。

とりあえず話が長くなりそうなので、まずは全曲試聴、並びに作曲者のコメントなども見れるこちらのホームページをご覧下さい (試聴などはページの下部にあるCD紹介のページへどうぞ)。

http://www.city.hino.tokyo.jp/shinsenr/

このCDは日野市立 新選組のふるさと歴史館 第三回特別展「新選組 戌辰戦争のなかで」のオリジナルテーマ曲集です。全編インストゥルメンタルによる重厚かつ荘厳な仕上がり、そして意表をつくアレンジなどなど、新選組大好き人間、ただ単に音楽好きな老若男女、そして耳の肥えたコアな音楽ファンまで存分に楽しめる聞きごたえのある内容となっております。百見は一聴にしかず。ぜひぜひ試聴をして頂きこの児玉の楽曲たちにご興味を持って頂ければ幸いでございます。ちなみに新選組のふるさと歴史館内のエントランスでも流れているそうです。

作曲者藤田勉 (Tsutomu Fujita) 氏はウィリー石松のサルマンな日々其の十九にて紹介させてもらいましたが、20年以上も日本の音楽シーンで活躍しているロックバンドPERSONZのドラムを叩いているお方です。今年3月にはフジテレビ系バラエティー番組SMAP SMAPのCCB吾郎のコーナーにも出演されておりました。

PERSONZに関しては下記ホームページ参照
http://www.personz.net/
http://personz.syncl.jp/

ひょんな事から出会い今ではすっかり近所の飲み仲間、草野球好き仲間として居酒屋や野球グラウンドで会うこともしばしばあるのですが、ここ数ヶ月間はどうやらこの新選組CD製作に没頭するあまり外出する事もままならずかなりバタバタとした日々を過ごしていたそうです。苦難の連続であろうその作曲活動との戦いはまるで新選組の一員として戦う隊士のようであったのだろうと容易に推察できます。あまりの激務に憔悴しきり、食べ物も喉を通らないほどの重圧と戦いながらこのCDを完成させた音楽侍藤田勉氏にまずは敬意を表すと共にこのCDの完成に祝杯をあげたいと思います。
まあそんな感じで作られたこのCDですが、何故共栄通商が協賛企業なのかと申しますと、今回のCDを藤田さん (ちなみに昔サバゲーフリーク) と共に作っていた音源のミックスエンジニアさんとCDジャケットのデザイナーさんがどうやら無類のガンマニアだったらしく (業界にとって有難い話です・・。)、そこからその方達へ今回のCDのギャラの一部としてガスガンを協賛したのが事の次第でございます。冗談でCDジャケットの中にあるSpecial Thanks欄にはもちろん (有) 共栄通商の文字が載るんですよねえ?と言ったら本当に載せてもらっちゃいました。しかも日野市長と同じ所に。自分の名前まで載っけてもらってしまって恐縮です。

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いやーしかしこのCD、協賛企業として誇らしいほど良く出来ています。何せ、ほぼ全曲に渡り戦争映画の挿入歌、エンディングテーマ的な仕上がりとなっており、全国1000万のサバゲーフリーク、ガンマニア達の持つヒーローイズム、ロマンチシズムをくすぐる内容となっているからである。そこで、今回は1曲ずつウィリー石松の独断と偏見による試聴レポートをお送りしたいと思いますので、これと日野市立 新選組のふるさと歴史館のホームページ上にある試聴コーナーを参考にしてCDを買われてみるのも面白いかも知れません。長いので時間があるときにでもゆっくりご覧下さい。

新選組 戌辰戦争のなかで

プロローグ:慶応四年
さてさてこちらがこのCDのオープニング曲です。インナーイヤーヘッドフォンを装着し、首を横に振ったときに出る音 (分かりずれー・・)、いや聴診器から聞こえる心臓音、いや13日の金曜日のジェイソンが登場する時のテーマと言うべきであろうか。そんなサウンドから始まるこの曲はまるで戊辰戦争という中に運命を左右されながら身を投じていく新選組達の心情を音楽にするとこれしかないと言った様な重い雰囲気の中幕を開けていきます。1分11秒という短い曲ではありますが、映画「ダンサーインザダーク」のサントラ1曲目の如く非常にメッセージ性が高い物となっておりリスナーを戊辰戦争の中へ誘っていきます。

第1章:京都から転進する
バイオリンの荘厳な雰囲気から始まるこの曲はちょっとしたオーケストラ風による楽曲になっており、幾重にも重なる管弦楽器の音色はどこか西洋クラシックな匂いすら感じさせる。しかしメロディーはいたって和風な趣きであり、西洋に負けない日本人の精神、武士道精神をいきなり奮い立たせてくれる。よくよく聞いてみればどこか軍歌的なエッセンスも取り入れられており、ナショナリズムさえ高揚させてくれる。そんなこの曲は京都から転進するだけではなく“ラバウル”からも転進してもらいたいものである。さーらーばラバウルよー・・・♪。

第2章:日野宿農兵隊
オーケストラ的な楽曲から一転してこちらは出だしからピアノの演奏が前面に押し出された曲となっております。南米アンデス山脈の寒く乾いた山を連想させるもの悲しい旋律はまるで名曲“コンドルは飛んでいく”に勝るとも劣らない。ぜひサイモン&ガーファンクルに歌詞を付けて歌ってもらいたい曲である。

第3章:甲陽鎮撫隊へ
またまた来ました悲しい旋律シリーズ。出だしのピアノの旋律を聴いた瞬間から込み上げるもの悲しさ、そして中盤からのどこか緊張感のある盛り上がり、まさにそれは戦闘の激しさが増していくと同時に隊士達に募る悲壮感、絶望感を大々的に強調するというよりもそれらを非常に繊細に表現するように作られており、作曲者の意図が垣間見れる楽曲である。中盤部分では人気ゲーム“ドラゴンクエスト”の王城のテーマとしても大活躍してくれそうである。後半部分では戊辰戦争と同じ”内戦”を一つのテーマとしていたミュージカル映画“EVITA”の一場面をも彷彿とさせるような壮大な展開が待ち受ける。天才作曲家すぎやまこういち、アンドリューロイドウェバーもビックリといった所であろうか。

第4章:北関東の戦争 近藤勇 最後の戦い
題名からして物々しさがあり悲壮感たっぷりな曲かなと思いきや、聴いてみると結構重厚感があり、第二次世界大戦中、敗戦濃厚な中で出航を余儀なくされた戦艦大和をイメージさせられる。戦艦のデッキの上では涙を流しながら敬礼している乗組員の姿さえ想像する事ができる。戦艦大和 最後の戦い・・近藤勇 最後の戦い・・何か共通点がありそうである。ぜひとも映画“男たちの大和”の挿入歌として使ってもらいたかった曲である。宇宙戦艦ヤマトでも使えるな・・・。いや・・ガンダムという手もある。

第5章:会津戦争
いきなりルパンの石川五右衛門が出てきそうなオープニングからこの曲は始まります。会津戦争という題名であり激しい曲調をイメージされるかも知れないが、壮絶な戦争の荒々しさとは無縁の曲調となっている。至って静かな旋律で淡々と流れていく様はむしろ敗走する隊士達の心の奥底の不安さそして複雑な心情を曲に乗せたようである。極めつけは曲の最後。鐘の音が心地よく響きわたりクリスマス的様相。ぜひ“戦場のメリークリスマス2”の主題歌にして頂きたいと思う。大島渚先生宜しくお願い致します。

第6章:函館戦争
いよいよ五稜郭まで来てしまいました。こちらも戦争という題名がついているのですが、こちらもまったく激しい曲調ではありません。全般にわたりトランペットや金管楽器系のの音色がメインの曲なのですが、明らかに敗戦白旗モード全開バリバリな曲です。函館戦争という曲ではあるのですが、第二次世界大戦で焦土と化した日本で降服宣言をラジオで聞いていた日本国民のバックで流れていそうな曲である。日本はその敗戦から立ち直りその後劇的な経済成長を遂げ世界有数の経済大国となっていくのであるが、函館戦争の終わりは同時に新しい時代の幕開けの時でもあったわけで、この曲では何か絶望感、悲壮感だけではなく、一筋の希望が遠くに見えてくるといったような前向きな感じがします。太陽にほえろシリーズの番組最後の方に流れる“愛のテーマ”的とでも言いましょうか・・・。ブランデーグラスを片手に持ったボスもブラインドを少し開けながらこの曲を聴いている事でしょう。

歳三の子守唄
実はこの曲はこのCDの中でウィリーが一番気になっていた曲である。だって歳三の子守唄って・・こんなに戦争色の強い重い題名が並ぶ中、どう考えても異彩を放っているとしか言いようがないですもん。かなりの期待の中この曲を聴いて感じた第一の感想は、これって・・PERSONZの楽曲として出して欲しい!でした。ピアノメインの非常にシンプルで静かな曲なのであるが、明らかに違うのは今までの和風テイスト、戦争映画テイストを完全シャットアウトし、いきなりの現代風曲調への変貌に正直度肝を抜かれた。しかも非常にいい曲なのである。シングルカットするなら近藤勇 最後の戦いもしくはこの曲でお願いしたい所である。いやーしかし何回聴いてもPERSONZのボーカルJILLさんの声が頭の中でメロディーと共に乗ってしまう。18枚目のアルバムにぜひぜひ入れて頂きたいと願う今日この頃です。曲名はToshizo’s Lullabyなんてどうでしょうか? 絶対売れます! 歳三の魂も日野の地へ戻ることが出来るでしょう。

第7章:家族・親戚、多摩郷党の思い
一応これが第三回特別展「新選組 戌辰戦争のなかで」の最後を飾る曲のようです。藤田さんと仕事をしていたガンマニアのエンジニアさん曰く、「これ多摩ってゆーより男たちの挽歌ぽいっすよ。スローになって鳩飛んでジョン・ウー!みたいな」だそうです。
確かにそう言われてみるとチョウ・ユンファが2丁拳銃でバリバリ敵を撃ちまくるシーンが蘇って来る。曲名は家族、親戚、マフィア残党の思い とした方が挽歌っぽくてしっくりくるかな・・。まあそれよりもこの曲には2ヶ月以上も作曲のため引きこもり生活を続け、精神的にも限界にきていたであろう作曲者の心情が上手く新選組音楽と融合した傑作でもある。閉鎖された生活を続けることによる不安、悩み、葛藤、苦悩を紛らわしてくれたのはやはり家族、親戚、新潟郷党 (作曲者出身地) の思いに他ならなかったのではないであろうか。まさに新選組隊士の思いそのものだ。

ボーナストラック:第二回特別展より 〜新選組 京の戦い〜
ボーナストラックとして収録されたこの曲は第三回特別展「新選組 戌辰戦争のなかで」用に製作されたものではなく、どうやら第二回特別展「新選組 京都の日々」用に作った曲の一部らしいです。今回のCDに収録されたという所に作曲者のこの曲に対する自信のようなものが感じられます。曲は崖の上で風が吹くような音から始まり、寒そうな崖の上でエンディングを迎えた火曜サスペンス劇場をイメージさせる。そこには「箱根湯河原温泉交番シリーズ」でおなじみ船越栄一郎が真犯人を突き止め必死の説得を試み、犯人がガックリと地面にひざまずき泣き崩れる姿が想像できる。エンドロールが流れ始めるところにこの曲 (出来れば30秒辺りからか1分32秒辺りからが理想) が来ればほぼ完璧な火サスのエンディングの出来上がりだ。試聴をして頂けないのが残念だがぜひ購入してその完成度具合を実際に体感して頂きたいと思う。

総評
今まで藤田さんの作った曲はPERSONZ以外では聴いたことがなかったのだが、このCDを聞いて非常に驚かされる事は、この作曲家の先生は物凄い多彩な音楽性を秘めている人だなと感心してしまいます。架空の映画音楽、架空のサウンドトラックを目指したというこのアルバムは新選組という枠にとらわれず、戦争映画のエンディングテーマや挿入歌、ゲーム音楽、アンデス山脈系音楽、ミュージカル、軍歌、火サスのエンディング、PERSONZ、男たちの挽歌などなど・・様々なジャンルを網羅した濃縮果汁250%的な仕上がりである。
間違いなく全国の3000万のガンマニア、戦争映画マニア、ゲームマニア、アンデスマニア、火サスマニア・・・・達の琴線に触れる事でしょう。
今後もマルチ作曲家藤田勉さんに益々様々なジャンルで活躍の場が訪れる事とこの文章を読んでかなりの衝撃を受けるかもしれない藤田さんの身を案じつつ今回のレポートを終わらせて頂こうかと思います。

追記
近々このCDでアジア進出を果たしたいと作曲者とウィリーで画策中。まずは韓国辺りから開拓といきますか・・・。

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ウィリー石松
男らしさ、それは渋さと意外性。
飾らない魅力はサルマンな日々と共に…。
今日もお酒が美味しいな。
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