2009年06月08日

其の三十二:ウィリー石松の「新選組 その後」試聴レポート




さてさて、またまたバーンと登場したこのCD。実はこれ前回、(有)共栄通商が初協賛させて頂いたCDアルバムである、「日野市立 新選組のふるさと歴史館 第三回特別展『新選組 戊辰戦争の中で』」のオリジナルテーマ曲集に続く第2弾、「第四回特別展『新選組 その後』」のオリジナルテーマ曲集であります。
作曲はもちろん前回に引き続きウィリーの良き飲み仲間である藤田勉氏。ロックバンドPERSONZのドラマーとしての活躍はもちろんの事、今や全国数多くの公共展示施設などでのBGM製作を手がけたり、はたまた早稲田大学講師として教壇に上がったりと様々な活動を行っております。
しかしまあ、本当にこのCDの完成には前回同様、並々ならぬ熱意と情熱を注ぎ込んでいたのか、昨年飲みに吉祥寺に行った時には廃人の如くあまりの憔悴しきった表情に不安を覚えたのを思い出します。思わず精力剤として名高い韓国直輸入の朝鮮人参粉末を翌日藤田家にクロネコヤマトで送ったのを覚えております。
そこまで身も心も憔悴しきったというのもやはりプロの作曲家として、今回のテーマでもある戊辰戦争後の多摩の人々の思いに自分自身を出来る限り近づけたかったのではないであろうか・・。自らを極限状態に追い込み、そこから何が起ころうとも粘り強く作曲活動という超難題に立ち向かうという事は、置き換えれば多摩の人々が厳しい弾圧下にありながらも粘り強く多摩の誇りを主張していったという事と時代を超えて共通している点が多いのではないでしょうか?
そんな時を越えて思いが一つになったこの作品は作曲者が多摩の人々の心をそのまま表現しているかの如く非常に完成度の高い作品となっております。
そこで協賛企業としてはただ協賛するという事だけではなく、責任を持って今回もレコ評をさせて頂きたいと思います。
試聴や作曲者詳細につきましては以下ページにアクセスして頂き参考にして頂ければと思います。

Marks Music Lab
新選組のふるさと歴史館
PERSONZ
PERSONZ OFFICIAL BLOG

前回のアルバム「新選組 戊辰戦争のなかで」試聴レポートはこちら


「新選組 その後」メインテーマ
いきなりハリウッド版ゴジラを彷彿とさせる曲の出だしは今回の重いテーマに裏打ちされるように激しくも非常に重々しい立ち上がりである。いったいこれからどれだけのビルと鉄塔がゴジラとキングギドラに破壊され、ガス貯蔵タンクが爆発していくのであろうかと最初の30秒は思ったが、一転何事もなかったかの如く静かな曲が流れ始める。
まるでスメタナ作曲の「モルダウの流れ」や瀧廉太郎の「荒城の月」ようにまったりとしながらも印象的なメロディー、そしてフルオーケストラでの演奏を思わせる重厚な仕上がり、やはり前回のアルバム同様にハリウッド映画のエンディングと大河ドラマ(和テイスト・・演歌的エッセンスとでも言いましょうか・・)が融合した新たなBGMジャンルとしての側面を持っている。曲中では日米個々の主張を大胆にも激突させ、まるで昨今のアメリカ合衆国の戦争主義に大和魂と侍イズムを持って警笛を鳴らしているかの如く、作者の心の葛藤が見て取れる。
最新兵器入り乱れるこの世の中に、今こそ大和魂と侍イズムを持って切り込む勇気と精神力を持ちたいものである。ちなみにメインテーマとしての出来は秀逸なものであるのでぜひ試聴をして頂き知り合いのハリウッド映画の音楽担当者、もしくは大河ドラマ音楽担当者に紹介して頂きたいと思う。

新政府の弾圧と多摩の抵抗
出ました!十八番!悲しい旋律シリーズ。前回に引き続き今回もこの悲しい旋律シリーズは冴えわたっているようです。題名からは予想の出来ない静かな立ち上がりに少々びっくりさせられましたが、やはり新政府の弾圧により苦境を強いられた多摩の人々の複雑な心模様を上手く悲しい旋律に乗せて表現しているなと思います。そして悲しいながらもどこか謎めいた雰囲気を醸し出すこの曲調は警部補 古畑任三郎が事件解決に行き詰った時に一人推理に没頭するシーンにもピッタリな感じがします。十津川警部がブルートレイン内で犯人の目星を付ける回想シーンでも使用可能と思われる。
曲半ば(1分48秒過ぎ)からはどこかで聞き覚えのあるピアノの伴奏が流れ始める。あ!これ前のアルバム「新選組 戊辰戦争の中で」の3曲目「日野宿農兵隊」ではないか!さらに聴き進めていくと今度は4曲目の「甲陽鎮撫隊へ」が流れてくるではないか!
作曲活動に行き詰まり、ついつい前のアルバムの曲達を引っ張り出してきて場つなぎ的な荒仕事をしてしまったのではないかと思ったが、続きを聞いてみるとそんな事を一瞬でも考えた自分を恥じる事になった。なぜここでこの曲達を持ってきたのか??思えばこの曲の題名でもある多摩の人々の抵抗の元にあるものはやはり壮絶な戦いを強いられてきた多摩の英雄達である日野宿農兵隊、甲陽鎮撫隊への思いであったのは言うまでもない。そう、まさにこの曲自体が壮大な鎮魂歌(レクイエム)となって新選組達の魂を慰めていたのである。いくつかの曲を融合させて完成させたこの曲の本当の意味が聞き終わった後に脳の前頭葉に刻み込まれ、心を揺さぶる。さすがは必殺仕事人藤田勉先生である。

文明開化の狂騒曲
突然汽車の汽笛が鳴ったと思うと、ゆっくりと汽車が動き始める効果音からこの曲は始まる。まるで、銀河鉄道999でも始まるのではないかというこのオープニング、あのゴダイゴのメンバー達もライバル心をむき出しにしたとかしなかったとか・・。
まあそんな事はどうでもいいのであるが、そのオープニング以降続く汽車が動き出すような音を基本とした何かユーモア感、そしてまったり感のある曲調はまるで「まんが日本昔話」の挿入歌的な仕上がりとなっている。そして一定のリズムを刻むこの曲は、学校の体力測定の時に誰もが経験したことのある踏み台昇降のリズムにまさにぴったりである。長年マンネリしていた踏み台昇降という地味な体力測定にこの音楽を加えるだけでどれだけの小中高校生が楽しくユーモラスに踏み台昇降を出来る事であろうか。全日本踏み台昇降協会のイメージソングとしても十分な活躍をしてくれることは言うまでもない。そしてこの曲は反復横飛びにも応用可能である事も言っておかなければならないであろう。まさに体力測定界の文明開化だ!!

新時代の光いまだ遠く
題名からして暗い感じな曲を想像させるのであるが、この曲はそんな期待を全く裏切らないくらい暗く悲しい。全編感情のこもったタッチのピアノのメロディーがメインに流れ続けるのであるが、いやー悲しい・・悲しすぎる旋律・・。はっきり言って新時代の光は遥かイスカンダルの彼方へでも行かないと発見できない位遠くにあるようだ。
ゲイリー・ムーアの泣きのギターは有名であるが、このCDの作曲者、藤田勉の泣きの(悲しみの?)BGMはすでに確固たる地位を築いていると言っても過言ではない。

自由民権運動の英雄達の讃歌
讃歌とは大辞林 第二版(三省堂)によるとほめたたえる気持ちを表した曲とある。そしてこの曲は英雄達への讃歌と言うだけあり、非常に豪華な管弦打楽器隊が惜しげもなく投入され、荘厳な雰囲気のもと英雄達を褒め称える。主旋律は場面ごとに違う楽器の音色へと姿を変えていきリスナーを飽きさせない工夫が随所に散りばめられている。水戸黄門とジョンレノンのイマジンを足して大地讃頌(だいちさんしょう)で割ったようなこの曲は混声四部合唱(ソプラノ、アルト、テノール、バス)としてメロディーを再構築し、今日でお別れだけどいつまでもみんなを忘れないよ的な歌詞を付ければ卒業式シーズンには「仰げば尊し」、「蛍の光」、「卒業写真」、「贈る言葉」、「想い出がいっぱい」、「大地讃頌」を超えるミリオンヒット、ロングセラー曲として卒業の定番曲として定着してくれる事であろう。

多摩川の畔で
多摩川の畔といえば昔よく夜中に友人とドライブに行ってはボーっとしながら土手に座っていたのを思い出す・・。都会の雑踏から一歩そのオアシスに足を踏み込めばそこでは多摩川下流のゆっくりとした流れのように時間すらもゆっくりと流れ始め心を落ち着かせる・・。そんなところが多摩川マニアを虜にするのである。
まあそんな事はどうでもいいのであるが、この曲はこのアルバム最後の曲であり、アルバムの最期を引き締める意味でも非常な重要な曲である。ピアノの独奏によるかなり静かで落ち着いたエンディング曲となっており、多摩川の畔でバーベキューをしながら聞くには適さないであろうが、恐らく多摩川の畔で振られた彼女を思い出しながらむせび泣くにはなかなかいい曲ではないであろうか。まさにFarewell(別れの曲)な感じのこの曲は最期を飾るにぴったりだ。

総評
前回のレコ評に引き続き今回も性懲りもなくレコ評をやらせて頂きましたが、やはり今回のアルバムも作曲者の多彩な音楽性が随所に発揮され“素晴らしい”の一言。インストゥルメンタルの楽曲でありながら曲中には多くのメッセージが込められており聞き手の想像力をかきたてる。作曲者藤田氏の本職はドラマーでありながら、シンセサイザーを駆使した指先のテクニック、そして感情のこもった鍵盤の絶妙なタッチはアルバムを重ねる毎に進化し、完全にプロフェッショナルとしての自信が満ち溢れている。
作品的には前回同様全国3000万のガンマニア、映画マニア、卒業式マニア、アニメマニア、踏み台昇降マニア、悲しみの音楽マニア、多摩川マニア・・・達の琴線に必ずや触れてくれる事でしょう。
次回作品に大いに期待しつつ、長くなりましたが今回はこれくらいにしておきたいと思います。

さてさて、作曲者の反応や如何に・・・・。削除依頼が来ませんように・・。

それではまた。

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ウィリー石松
男らしさ、それは渋さと意外性。
飾らない魅力はサルマンな日々と共に…。
今日もお酒が美味しいな。
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