2010年05月12日

其の三十七:ウィリー石松の「新選組・新徴組と日野」試聴リポート




さてさてさて、またまたまたバーンと登場したこのCD、(有)共栄通商が初協賛させて頂いたCDアルバムである日野市立 新選組のふるさと歴史館 第三回特別展『新選組 戊辰戦争の中で』のオリジナルテーマ曲集、そして第2弾、第四回特別展『新選組その後』に続く第3弾『新選組 新徴組と日野』常設展示イメージ音楽集でございます。
作曲はこのウィリー石松のサルマンな日々ですっかりお馴染みになった地元の良き飲み仲間であるロックバンドPERSONZのドラマー藤田勉氏。最近では各地の公共展示施設でのイメージ音楽、BGMの製作を数多く手掛けるだけではなく、早稲田大学講師という肩書きまでも持ちマルチな才能を発揮する地元の期待の星。
しかしまあ、毎回ではありますが今回の作品も作者の物作りのこだわりというか、公共展示施設BGM製作の第一人者としてのプライドというか、プロフェッショナルとしての意地というか、まさにそれは日本の最先端技術を世界に送り出す大田区の町工場の親父の如く魂がこもった一級品の作品に仕上がっており、そのメッセージ性の非常に高い楽曲達自身が大田区の町工場の親父以上のプライドと威厳を放っている。
今回も賛否両論のある中、協賛企業としての責任として作曲者に最高の敬意を払いつつレコ評をさせて頂きたいと思います。
試聴や作曲者詳細につきましては以下ページにアクセスして頂き参考にして頂ければと思います。

Marks Music Lab
新選組のふるさと歴史館
PERSONZ
PERSONZ OFFICIAL BLOG

前回のアルバム「新選組 その後」試聴レポートはこちら
前々回のアルバム「新選組 戊辰戦争のなかで」試聴レポートはこちら


日野 〜新選組と新徴組のふるさと〜

新選組は幕末を語る上では欠かせない超有名集団。大河ドラマなどでも高視聴率を弾き出し現在でも多くのファンを持つ。しかし新徴組を知る人は果たしてどれくらいいるのであろうか? 軽く説明すると、新徴組は新選組と時を同じくして結成された浪士組であり、江戸治安部隊として活躍した組織である。新選組と同じく日野出身者も数多くおり、沖田総司の義兄が組頭を務めていた事から新選組との交流もあったようだ。
しかし人気で言うならばジャニーズ事務所の“嵐”と“忍者”くらいの差があったのではないであろうか。
まあそんな事よりも楽曲について解説してみたいと思う。この楽曲の最初の部分は何か戸を叩くような音から始まっている。それはまるで日野出身の新選組、新徴組隊士達、中でも気が小さく母親思いの隊士達が故郷を離れ都会に出てみたものの上司のパワーハラスメントや同僚のいじめに合い多くの挫折を味わいボロボロになりながら故郷に帰って実家の戸を叩く所から始まっているかのようなイメージを抱かせる。その後の曲調はなんというか非常にほわっと心が温かくなるような感じで流れ、聴いているだけで気分が落ち着いていく感覚がある。それはまさにお国の為の仕事を途中で抜け出して実家に帰ったら家族や地元の住民から罵倒されるかも知れないと思った隊士達が実際に帰ってみたら皆が温かく自分達を迎えてくれたという安心感的なものが曲の中からにじみ出ていいる。
ああ、“ふるさと”ってやっぱりいいな・・。
兎追ひし かの山〜〜小鮒 (こぶな) 釣りし かの川〜・・・に勝るとも劣らない故郷ソングが遂に誕生してしまった!

近藤勇 〜命を捨てて義を咲かす〜

意表をつくハープの音色から始まるオープニング、管弦楽器隊のダイナミックな演奏は聴くものを引き込み、ティンパニの重低音は更なる重厚感を演出し、絶妙なタイミングで入るシンバルの音色がこの曲のテーマをさらに重みのあるものに変えていく。そんな西洋のオーケストラバリバリの音楽が流れる中1分10秒辺りを過ぎた頃であろうか楽器隊の様子が変わっていく。突如として現れた変則和楽器隊、恐らく火の用心の見回りの時に活躍する拍子木、仏壇でチーンと鳴らす御鈴、和小太鼓、尺八達が自分たちをアピールするかの如く切り込んでくる。中でも天にも昇りそうな尺八の高音域はその後も中盤から後半にかけて幾度となく曲中に切り込んできては曲全体を引き締まったものにしていく。それはまさにローリングストーンズのキースリチャーズのギターソロの切り込み方に通じる所もある。というかこの尺八の音色自体が恐らく池田屋で先頭に立って戦い切り込んでいった近藤勇そのものなのであろう。「御用改めである!手向かいすれば容赦なく切り捨てる!」。尺八君からはそんな言葉さえも聞こえてくるようだ・・。


沖田総司 〜天賦の才を極めた江戸桜〜

何やらミステリアスな雰囲気で始まるこの曲。まるでハリーポッターシリーズのオープニングテーマ曲の様でもあり、トワイライトゾーンのオープニングテーマ曲の様でもあり、未知との遭遇のテーマ曲の様でもあり、イメージ的にはロズウェルに墜落したUFOから目の大きな白い宇宙人がFBIに捕らえられているシーンに丁度ピッタリである。
沖田総司と言えば無類の天才剣士、美青年など数々の小説や映画で描かれた影響もありそのような強烈な印象が広く知れ渡っているが、実際に沖田総司という人物には謎に包まれた部分が多く、現在でもその人物像には様々な説がある。恐らく作曲者はそのような謎に包まれた沖田総司という人物を曲として表現したかったのであろう。
曲が中盤に差し掛かると何とも上質なクラシック音楽でも聴いているかのように状況が一変する。この部分からはヘルベルト・フォン・カラヤンの指揮の下、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団が病床に伏した沖田総司に今生の別れを告げる曲を枕元で演奏しているかの如く素晴らしいハーモニーを聞かせてくれる必聴パートである。ぜひお聞き下さい。


井上源三郎 〜武士道を貫く武州多摩の剣士〜

出ました〜真骨頂の軍艦シリーズ。今回もどうやら「新選組 戌辰戦争のなかで」のオリジナルテーマ曲集 “第4章:北関東の戦争 近藤勇 最後の戦い”位の軍艦色の強い作品となっております。オープニングは暗い闇の中何かとんでもない事が始まりそうな不穏な雰囲気から始まるが、途中一気にその全てを打ち払おうと駆け上るかのように盛り上がっていく藤田勉氏のアレンジの妙はすでにスターウォーズやインディージョーンズのテーマなどで有名な映画音楽の巨匠ジョンウィリアムスを超えたとの呼び声も高い。
肝心のサビの部分であるが、冒頭でも紹介したように太平洋戦争真っ只中のミッドウェー島沖、山本五十六大将率いる大日本帝国海軍連合艦隊とフレッチャー少将率いるアメリカ海軍が激しい攻防を繰り広げている最中に挿入歌として流すにはもってこいの作品として仕上がっており軍事関係マニアには垂涎ものであること間違いなしである。
海軍の厳しさや規律は武士道に通じる所があり、武士道を貫いた武州多摩の剣士である井上源三郎先生の曲作りとしてはこの作品は最高の出来栄えを見せたのではないであろうか。

土方歳三 〜誠一筋 最後の侍〜

のっけから十八番の悲しい旋律シリーズで始まり、最後までこの悲しさが持続するかと思いきや開始1分を過ぎた辺りからジャックスパロー船長が大海原で大冒険を繰り広げるパイレーツカリビアンを髣髴とさせる壮大なメロディーが流れ始める。やはりこの新選組シリーズの曲は船との相性がかなり良さそうである。加山雄三主演の若大将シリーズ第5弾「海の若大将」での航海シーンや「海猿」で遭難者救出作業に向かう海上保安官の巡視船上でのシーンや、スチーブン・セガール主演の「沈黙の戦艦」の挿入歌使用でもなかなかしっくりといくのではないであろうか?さすがに船との相性がいいとはいえ、浜ちゃんとスーさんの「釣りばか日誌シリーズ」での使用ではこの曲は重すぎて難しいであろう。
曲中盤になると何やらオペラ歌手風の人の歌が流れ始め、あたかも目の前に世界3大テノールのドミンゴ、カレーラス、パバロッティが現れたような錯覚に陥る。それはまさに近藤勇、土方歳三、沖田総司といった新選組の中心人物達であり最後の侍達がこのアルバムの最後の曲を飾るべく総出演してきたような豪華さだ。夜のヒットスタジオに美空ひばりと山口百恵と中森明菜の昭和の歌姫が競演するようなものだ。

総評
今回もかなり力の入った大作達が、アルバムの中で自らを競うかのように個々の存在感を光らせている。
アルバムの回を重ねる度に高まる曲の完成度。それはまさに作曲者の限界を知らない創作意欲、多彩なアレンジ、研ぎ澄まされた鍵盤テクニック等、その全てを花火の3尺球に入れて爆発した程のパワーがそのハイレベルな楽曲たちを作り上げる。
作曲者の藤田勉先生は今回も1月から2ヶ月もの間この作品たちのために籠城作戦を決意しかなりの消耗戦を繰り広げたそうである。山篭りをする仙人・・・、いや戊辰戦争で新選組と同じ悲しみを共有し、会津若松城 (鶴ヶ城) に籠城した会津若松藩士の如く激しい戦いを繰り広げた事であろう。
作曲者の大好きな三鷹駅前にあるラーメン屋「江ぐち」閉店の情報をメールで送った時に何の返答もなかった時には遂に疲労で倒れたか、もしくは新政府軍に討ち取られたかと思われたが、どうやら無事だったらしく、作品も最高の状態に仕上がり本当に良かったと思う。
今後もマニア心をくすぐる素晴らしい作品を期待しつつ、今回はこれでレコ評を終了させて頂こうと思います。

ちなみにこのCDとほぼ同時発売で下記のCDも絶賛発売中ですので、そちらの方もぜひ宜しくお願い致します。こちらのレコ評は下書きはほぼ出来ておりますが、時間とスペースの都合上また機会がある時に行いたいと思います。





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ウィリー石松
男らしさ、それは渋さと意外性。
飾らない魅力はサルマンな日々と共に…。
今日もお酒が美味しいな。
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