風力発電の被害を考える会・わかやま

 低周波音被害とは、周波数40ヘルツ以下の音(空気振動)による被害です。 普通このような低い周波数の音は、ほとんど、あるいはまったく聞こえないか、感じ取れません。それが我々一般人の普通の感覚(聴覚)です。  ところが低周波音被害者はそれを感じ取るだけでなく、頭痛・不眠・肩凝り・めまい・イライラその他、多様な強い不定愁訴被害を訴えて苦しみます。そのため低周波音環境でそのまま生活することが困難となります。  しかし、この国では、産・官・学から法曹界まで、挙ってこの事実を認めず、低周波音の「被害者」を「苦情者」と呼んで、その人権すら無視しています。

 

以下の記事は、「有田・海南のフリ-ペ-パ- ”Arikaina:アリカイナ”」11/1012/10号掲載を転載しました。

 

風力発電で体に異変が・・和歌山で被害を訴える人たちが東京で抗議活動

 

 有田をはじめ、中紀地方で近年数多く設置されている風力発電施設。同時に施設周辺の住民からは、騒音や低周波が原因と疑われる被害が報告されてきました。環境省は9月、風力発電の騒音等に関する報告書を公表。しかしその内容に問題があるとして、県内で風力発電の被害を訴える人たちが東京で抗議活動を行いました。

 

  風力発電で健康被害が「ない」「ある」で平行線

 

 抗議活動を行ったのは和歌山のほか、北海道・静岡・愛媛など全国から33名。県内の施設周辺住民らでつくる「風力発電の被害を考える会・わかやま(以降『考える会』)」が全国で被害を訴える人たちに呼びかけ、9月14日、参議院議員会館で環境省の副課長らに要望書を提出しました。

 

 国(環境省)が今回発表したのは平成25年から続けられていた分科会・検討会の結果まとめられたもの。資料の中では、風車により「睡眠影響のリスクが増加する可能性がある」としているものの、「超低周波音と低周波音の健康リスクについては、明らかな関連を示す知見は確認できなかった」と結論づけています。

 

 しかし「考える会」では、「風車が動くと体が苦しくなり、風車が停止する・あるいは風車から遠ざかると楽になる、そういう症状を訴えている人たちがたくさんいる。因果関係が示されているのに『関連がない』で済まされている(会の代表世話人を勤める松浦攸吉さん)」松浦さんは、被害を訴える人たちの調査を国が行うべきだと主張しています。「調査がないまま、報告書がまとめられてしまっている。今、現実に被害を訴えている人たちの救済を真剣に考えて欲しい」環境省は本紙の取材に対し、この報告書を元に、近い内に風力発電に関するガイドラインの作成を目指すとしています。

 

きちんと言わない限り亡くならない

被害訴える人たちのネットワ-クを

 

 中紀地方でも、旧下津町で「手がしびれる」有田川町で「騒音で眠れない」由良町では体調不良など、風力発電施設周辺の住民から様々な症状の訴えが出ており、中に保耐えかねて風車の近くから引っ越す人も出ています。「考える会」によると、他にも様々な地域から相談が寄せられているそうです。「実際にはもっとあるのでは。特に低周波の問題は、何も感じない人は何も感じません。個人差が激しいので、相談するのも勇気の要ることだとは思います」それでも声を上げてほしい、と松浦さんは言います。「頭痛やめまい・気を失う・気分が悪いなどの不定愁訴。おかしいと思ったらぜひ相談を。きちんと言わない限り、被害者は無くならない。しんどい時はしんどいと言ってほしい」今回の抗議では全国から被害を訴える人が集まりましたが、会では今後、被害を訴える人たちのネットワ-ク化に力を入れて行きたいとしています。

 

 1974(s.49)年、和歌山市のメリヤス工場で起こった問題以来、実に30年以上に渡って低周波と健康の問題に取り組んで来た和歌山市の医師・汐見文隆さん。汐見さんは「考える会」の世話人も勤めていましたが、今年3月、92歳で亡くなりました。死後に発行された遺稿集の中で、汐見さんはこう述べられています。「和歌山県の山村の一地域の、ただ一人だけかも知れない風力発電被害者の厳しい苦悩が、その根底に決して無視できない広がりの可能性を持っていることを忘れてはならない」

 

※「考える会」では、風力発電施設による被害の相談を受け付けています。ご相談は松浦さん(☎0734515960)まで。

 

※参考:環境省「風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会報告書(案)『風力発電施設から発生する騒音等への対応について』」

http://www.env.go.jp/press/files/jp/103596.pdf

 

*「医師・汐見文隆の行跡」和歌山市から公害をなくす市民のつどい刊

 

Arikaina (発行人)内河将史 

649-0111 海南市下津町方187-10   090-5976-3963  (Tel&Fax073-492-4118

 

 

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以下の記事は、「消費者リポ-ト」No.1591  2016.11.20 号掲載を転載しました。

 

風力発電による被害

      松浦(ゆう)(きち)(「風力発電の被害を考える会・わかやま」世話人代表)

 

 2012年11月に「風力発電による被害者の声を聞く会」を開催しました。和歌山県の由良町2人、下津町大窪2人の方から実情を語っていただきました。自宅の近くに風車が建ってから、めまい・頭痛・耳鳴り・不眠などの症状が出て、天井、床、家全体の揺れを感じるなど、4人とも同じような被害状況を訴えられました。そして、「風車から離れたら、症状が治まる」と話されました。

 

 1人の方は症状がひどくなり、救急車で何度も病院に運ばれました。改築したばかりの家で生活ができなくなり、風車から離れた場所での生活を余儀なくされています。もう1人の方は家族から離れて風車が近くにない実家で生活されています。

 

 低周波音被害は、騒音と違って全ての人が感じるのではありません。感じない人は全く感じない、一旦感じたら逃れることができなくなるという特性があります。4人の方のお話を伺うと、風車の被害は典型的な低周波音による被害です。被害者の方たちの話を伺って、集会に参加した40人で「風力発電の被害を考える会・わかやま」を立ち上げました。

 

 被害の実態を知ってもらうためにDVD「風力発電の羽根の下で-和歌山における被害の実態-」(53分)を制作し、ユ-チュ-ブにも掲載しています。風力発電による被害者をこれ以上増やさないために多くの人に観ていただきたいと思います。

 

 会では、風力発電の被害者を救済し、これ以上被害者を増やさないために、和歌山県と数回話し合いを持ちました。当局は被害者がいることを認めています。環境省からだされた「風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会報告書(案)では、20ヘルツ以下の低周波音については聞こえない、感じないとして、騒音被害だけを考えたらよいとしています。低周波音被害について科学的に評価することを放棄したこの結論は、風力関係事業者を喜ばせるだけで、被害者を切り捨てるものです。

 

 消費者リポ-ト  1591号 2016年1120日発行

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 発行責任者 大野和興      編集長 纐纈美千世

 発行所 特定非営利活動法人  日本消費者連盟

 〒169-0051  東京都新宿区西早稲田1-9-19-207

 Tel  03(5155)4765  fax  03(5155)4767

 E メール  office.j@nishoren.org    HP  http:// nishoren.net/

 印刷所 社会福祉法人 東京コロニ-

 表紙・本文イラスト 清重伸之

 デザイン・レイアウト 浮田雄介

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 定価 1部1,000円(年間購読料 12,000円)

 会費 年間8,000円(購読料含む)

 郵便為替 00130-0-22957

 

 

和歌山県内風力発電の状況 2016・11・7現在
風力発電の被害を考える会・わかやま
和歌山県内の風力発電施設設置状況
 建設
1 鷲ヶ峰風力発電設備 有田川町  230KW×1基 有田川町 (H26・9月撤去 ) H12・5
2 ノーリツ鋼機株式会社 和歌山市 600KW×1基 ノーリツ鋼機株式会社i  H15・4
3 広川町風力発電所   広川町 1500KW×1基 広川町 H17・3
4 有田市山地風力発電事業 有田市 1990KW×1基 くろしお風力発電株式会社 H20・4
5 広川明神山風力発電所   広川町・由良町 1000KW×16基 広川明神山風力発電所 H20・10
6 有田川ウインドファーム 有田川町 1300KW×10基 株式会社ユーラスエナジー  H21・10
    海南市   有田川  
7 白馬ウインドファーム 広川町・日高川町 1500KW×20基 白馬ウインドファーム株式会社 H22・3
8 日の岬ウインドパーク 日高町 1990KW×1基   H22・10
9 由良風力発電所 由良町 2000KW×5基 株式会社ガスアンドパワー H23・9
           
計・56基 発電能力:75,310KW
これからの風力発電施設建設計画予定 (2013年現在)
1 海南市沖山風力発電所 海南市 2300KW×6基 安藤建設 中止
2 有田風力発電所 有田市 2300KW×12基 安藤建設 中止
3 日高池田ウインドシステム 日高町 1980KW×5基 関西風力発電(ジャネックス) 中止
4 大平山ウインドシステム 日高町・由良町 2000KW×4基 関西風力発電(ジャネックス) 中止
5 広川・日高川 広川町 2000KW×10基 エコパワー 稼働中
  ウインドファーム 日高川町      
6 印南風力発電所 印南町 2000KW×13基 三井造船 建設中
7 白浜町椿地内での 白浜町 2000KW×3基 関電エネルギー開発 中止
  風力発電事業(名称未定)        
8 中紀ウインドファーム 有田川町・広川町 3000KW×30基 エコパワー  
    日高川町   現在2100KW×26基アセス中  
           
計・83基 発電能力:201,300KW


P1020038


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14日の環境省との交渉についてマスコミ各社に取材依頼をしていたのですが各社取り扱い無しでした。

 

だが「はんげんぱつ新聞」だけが、10月号に掲載してくださいました。

記事を投稿したのは、当日参加した東京グループの松浦広味さんです。



 

「はんげんぱつ新聞」第463号(2016年10月)

 

風車の低周波音被害を無視する環境省に抗議

         松浦広味(「風力発電の被害を考える会・わかやま」)

 

 環境省の「風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会報告書(案)」に対する抗議が9月14日、参議院議員会館で行われた。報告書案は、風車から発生する低周波音の健康被害を完全に無視しており、すでにその被害にあっている、あるいは建設予定地の住民にとって、まったく受け入れられない内容になっている。

 

 以前から風車の低周波音被害の問題に取り組んでいる「風力発電の被害を考える会・わかやま」の呼びかけで、北海道、新潟、静岡、和歌山、愛媛、下関など各地から33名が参加し、環境省の担当者3名に対して、「実際に現場におもむき、被害者の声を聞いてほしい」・「被害者の切り捨て方は、水俣と同じではないか」など、痛切な意見を述べた。

 

 風車の低周波音による健康被害は、頭痛、不眠、吐き気、平衡感覚の異常など、その症状もさまざま。家に住めなくなり、引っ越しを余儀なくされた被害者も多い。また、被害には個人差があり、同じ家に住んでいても体調が悪くなる人とそうでない人がいるため、家族がバラバラになってしまうケ-スもある。再生可能エネルギ-として有力視される風力発電だが、住民の被害

を無視して建設優先で進めるなら、構造は原発と同じだ。

 

 このままでは風車を建設する企業に都合がよくなるばかり。今回の集会の参加者たちはさらにネットワ-クを広げ、これからも環境省に粘り強く抗議をしていく予定だ。

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