2010年03月15日
「抱擁のかけら」

ペドロ・アルモドバル監督の映画をスクリーンで観るのはいつぶりかな?
前回、日本で公開された「ボルベール〈帰郷〉」はスクリーンでは見逃したから、「トーク・トゥ・ハー」以来、4~5年ぶりくらい?やっぱり、素晴らしいわ。ペドロ・アルモドバル監督の人物の描き方は。
観るたびに、心の琴線をぐっと鷲掴みされたような気持ちになる。どのシーンがどうだというのではなく、映画のスピリットがとにかく心に響くのだ。

そんなわけで、感想も書きにくいのだけど・・・・
かけがいのない愛情の対象を亡くし、深い喪失感から抜け出せなかった主人公がマネージャー・ジュディットの息子に過去を話し出すことで、自身を冷静に見つめ直し、再生する力を取り戻していくという話。
映画の中の全ての場面はアルモドバル監督独特の世界観で描かれていて、もうそれだけで大満足。狂おしい程に愛し合う、禁断のふたりの描き方は、甘くて激しくて切なく、心を大きく揺さぶられる。
監督独自の色彩の使い方、光と影のコントラスト、そして美し過ぎるペネロペ・・・。

数々の伏線に、愛の哀しい結末を予感しつつも、新たな再生を望まずにいられなくなる映画のストーリー構成が素晴らしい。
人は「抱擁のかけら」さえあれば、また美しい人生を送る事ができるのだと信じたい。
2010年01月25日
「ジュリー&ジュリア」
なんだかねえ・・このブログに記事を投稿するの、超久しぶり。
何度か経験あるのだけど、映画の感想ブログって一度途絶えると、凄く面倒くさくなっちゃうのよね。
誰が読んでいるというわけでもないのだから、思ったことを気ままに書こうと思いつつ、何やら形式にとらわれてしまったりする。(ストーリーの説明はどうしようとか、オチはどう持っていこうとか、画像はどんなのを入れようとか...etc.)
実は、この数ヶ月間の間、書きかけの映画の感想も数本あるのだけど…でも途中で面倒臭くなってその後UPしていない

で、今回の映画「ジュリー&ジュリア」。
観たかった映画だったし、観た後「好きな映画
」とも思ったんだけど、この映画観たの、実は2週間以上前。それでもここで書かなかったら、一生このブログは途絶えてしまうだろう・・・と、いま、頑張って書いています。ホント、誰が読むわけでもないのにねえ。
そんなわけで、この映画
メリル・ストリープが演じる"ジュリア・チャイルド"が、チャーミングで魅力たっぷりだったんだけど・・・「ジュリアの524レシピを365日ですべて作り上げること」を決意し、それをブログの記事にしていこう!と決意した、もうひとりの主人公『ジュリー』に思いっきり感情移入してしまった。

ブログを執筆することを薦めた、理解ある夫エリックと衝突してしまうくだりなどに際しては「うっ・・・気をつけなくては」と思ったり。。。大好きな身内・・・特に夫の事はついブログネタにしたくなっちゃうのよね。

映画に出てくる実に美味しそうなフランス料理。
濃厚なバターの風味が漂ってきそうで、観ていてお腹が空いて困ったのだけど、映画鑑賞後、実在した"ジュリア・チャイルド"の画像をYOUTUBEで観てみたら、調理方法など案外いい加減でかなりガサツ(苦笑)アメリカ〜ンな雰囲気で、ちょっと驚いた。出来上がった料理は見た目、全然美味しそうじゃないし
(繊細な日本人にはちょっと理解しがたいというか)
これだったら、大昔にTVで見た「グラハム・カーの世界の料理ショー」の方がよっぽど繊細で美味しそうだったかもー?亡き父が好きな番組で、よく真似した料理を作ってくれたっけねーー。
そんな事もふと思い出した映画でした。
何度か経験あるのだけど、映画の感想ブログって一度途絶えると、凄く面倒くさくなっちゃうのよね。
誰が読んでいるというわけでもないのだから、思ったことを気ままに書こうと思いつつ、何やら形式にとらわれてしまったりする。(ストーリーの説明はどうしようとか、オチはどう持っていこうとか、画像はどんなのを入れようとか...etc.)
実は、この数ヶ月間の間、書きかけの映画の感想も数本あるのだけど…でも途中で面倒臭くなってその後UPしていない


で、今回の映画「ジュリー&ジュリア」。
観たかった映画だったし、観た後「好きな映画

そんなわけで、この映画
メリル・ストリープが演じる"ジュリア・チャイルド"が、チャーミングで魅力たっぷりだったんだけど・・・「ジュリアの524レシピを365日ですべて作り上げること」を決意し、それをブログの記事にしていこう!と決意した、もうひとりの主人公『ジュリー』に思いっきり感情移入してしまった。

ブログを執筆することを薦めた、理解ある夫エリックと衝突してしまうくだりなどに際しては「うっ・・・気をつけなくては」と思ったり。。。大好きな身内・・・特に夫の事はついブログネタにしたくなっちゃうのよね。

映画に出てくる実に美味しそうなフランス料理。
濃厚なバターの風味が漂ってきそうで、観ていてお腹が空いて困ったのだけど、映画鑑賞後、実在した"ジュリア・チャイルド"の画像をYOUTUBEで観てみたら、調理方法など案外いい加減でかなりガサツ(苦笑)アメリカ〜ンな雰囲気で、ちょっと驚いた。出来上がった料理は見た目、全然美味しそうじゃないし

これだったら、大昔にTVで見た「グラハム・カーの世界の料理ショー」の方がよっぽど繊細で美味しそうだったかもー?亡き父が好きな番組で、よく真似した料理を作ってくれたっけねーー。
そんな事もふと思い出した映画でした。
2009年08月05日
夏になると思い出す映画
夏になると思い出す映画
イロイロと本当にたくさんあるけれど・・・

毎年夏になると活躍する、あけび素材のバッグ。
もう7,8年位前に購入したのだけど、シンプルで気に入っていて、カジュアルなウェアーなら何でも合うので夏場は毎年愛用している。
ん?このバッグと映画に何の関係が・・・?
答えは・・・・

デザインがシンプル過ぎて物足りなかったので、家にあったハンカチを巻いてみたら、とてもよく合ったのだけど、そのハンカチがコレ。
フランソワ・オゾン監督の映画「焼け石に水」の前売りチケットを購入した時に、貰った特製ハンカチーフ。渋谷ユーロスペースだったよな〜。
フランス語のタイトルも印刷されてるよ。

映画「焼け石に水」。
そんな理由で夏になると、「焼け石に水」ハンカチ効果(?)で無性に観たくなってしまい、レンタルしては観ていたのだけど、ここ数年はもうずっと観ていない。(そもそも今、現在DVDレンタルされているかどうかも怪しい)

とてもクセのある映画で、とても万人におススメできるような映画ではないのだけれど、オゾン監督独特の、乾いたユーモアのセンスが好きだった。
んじゃ、コメディかというと、全然そうでもなくて、シリアスで行き場のない絶望感と愛の残酷さを感じる作品。それをフザけたタッチで描いているあたりが、なんだか凄い。
そして真夏の暑い夜にピッタリな作品か?・・・というと、全くそうじゃないしね。
(ベルナール・ジルドーの演技がとても暑苦しい)

今年は久しぶりにオゾン監督の「ぼくを葬(おく)る」を観直して、あ、オゾン監督の他の映画また観たいな・・・と思ったので、「焼け石に水」のDVDを探す旅に出てみようかな?・・・と、その前にまずは目先の仕事(実はいま、仕事が忙しかったりする)を片付けてから。夏に仕事が忙しくなると、つい現実逃避したくなっちゃうんだけど。ふぅ〜。
イロイロと本当にたくさんあるけれど・・・

毎年夏になると活躍する、あけび素材のバッグ。
もう7,8年位前に購入したのだけど、シンプルで気に入っていて、カジュアルなウェアーなら何でも合うので夏場は毎年愛用している。
ん?このバッグと映画に何の関係が・・・?
答えは・・・・

デザインがシンプル過ぎて物足りなかったので、家にあったハンカチを巻いてみたら、とてもよく合ったのだけど、そのハンカチがコレ。
フランソワ・オゾン監督の映画「焼け石に水」の前売りチケットを購入した時に、貰った特製ハンカチーフ。渋谷ユーロスペースだったよな〜。
フランス語のタイトルも印刷されてるよ。

映画「焼け石に水」。
そんな理由で夏になると、「焼け石に水」ハンカチ効果(?)で無性に観たくなってしまい、レンタルしては観ていたのだけど、ここ数年はもうずっと観ていない。(そもそも今、現在DVDレンタルされているかどうかも怪しい)

とてもクセのある映画で、とても万人におススメできるような映画ではないのだけれど、オゾン監督独特の、乾いたユーモアのセンスが好きだった。
んじゃ、コメディかというと、全然そうでもなくて、シリアスで行き場のない絶望感と愛の残酷さを感じる作品。それをフザけたタッチで描いているあたりが、なんだか凄い。
そして真夏の暑い夜にピッタリな作品か?・・・というと、全くそうじゃないしね。
(ベルナール・ジルドーの演技がとても暑苦しい)

今年は久しぶりにオゾン監督の「ぼくを葬(おく)る」を観直して、あ、オゾン監督の他の映画また観たいな・・・と思ったので、「焼け石に水」のDVDを探す旅に出てみようかな?・・・と、その前にまずは目先の仕事(実はいま、仕事が忙しかったりする)を片付けてから。夏に仕事が忙しくなると、つい現実逃避したくなっちゃうんだけど。ふぅ〜。
2009年07月31日
「リード・マイ・リップス」

呼吸するのも忘れてしまうくらい、ドキドキと胸が高鳴る緊張感。
どこか切なく官能的なロマンス。・…サスペンスとロマンスが絶妙に織り成された芳醇なノワール!
観終わったあと、思わずボーっとしてしまい、この映像の世界の中にこのままこの身を委ねていたい。そんな気持ちになる映画。
いつからか「孤独」に慣れてしまった寂しい女と、「ワル」に成り切れなかったナイーヴな元ワルの男。 とっくにお互いを必要とし合っているのに巧く触れ合う事ができない不器用な男と女。ふたりの触れそうで触れない距離感がなんともエロティック。スリリングな展開のサスペンス以上にドキドキさせられる。

ふたりの些細な仕草、その仕草によって発生する音。それらが女の身体を通して自分の身体に伝わってくる不思議な感覚。
女の独り言、補聴器のスイッチを切り替える仕草と音。前科モノの男がオフィスで慣れない手つきでコピーを取り、クラブでは疲れた身体でグラスを運ぶ仕草と音。 そんな主役ふたりの行動のひとつひとつがなぜか哀しくなるほど愛しく感じられてくる。
それは映像作家の演出の効果なのか、それとも主役を演じたエマニュエル・ドゥヴォスとヴァンサン・カッセルの演技力によるものなのか?

映画を見終わった後、例えば洗面所で自分が手を洗う水の音や手をこすり合わせる時の音などがまるで映画の効果音のように聞こえてくる。現実的な日常の中でのごく当たり前の現実的な行動が、まるで非日常な事であるような気持ちになってくる。
そんな映画の余韻・・・・。
この「リード・マイ・リップス」の後に作られた、わたしの(心の)恋人・ロマン・デュリス君が主演した「真夜中のピアニスト」も素晴らしい映画だったし、ジャック・オーディアール監督の最新作がますます楽しみになってきた!
2009年07月23日
「ウォレスとグルミット ベーカリー街の悪夢」
大好きなクレイアニメ映画「ウォレスとグルミット」を久しぶりに映画館のスクリーンで鑑賞した
今回は新作の「ベーカリー街の悪夢」+過去の三作品(「チーズ・ホリデー」「ペンギンに気をつけろ!」「ウォレスとグルミット、危機一髪」)が同時上映されるという贅沢なプログラム。

鑑賞した映画館は渋谷の「シネマ・アンジェリカ」。
以前は「シネマ・ソサエティ」という映画館があった所。
渋谷の映画館(ミニシアター)事情も、イロイロと変わっているようです・・・。
そして
今回、上映された過去三作品の他に、別の「ウォレスとグルミット」作品を観たけど・・・何だったっけな?と、ずっと考えていて、帰宅後ネットで調べてみたら「野菜畑で大ピンチ!」という作品を観たんだった。(すっかり忘れていた)
コレも確か劇場で観たのだけど、どこでどういう環境で観たのか、どーーーっしても思い出せない。。。2005年作だから、既に映画館からかなり遠ざかっていた頃だったよなぁ。拙ブログを再開させるまでの「空白の3年間」の間に観たのだと思うのだけど、映画を観た感想はやっぱりコマメにブログにUPしないとダメだなあ、と思ったり
それから「野菜畑で大ピンチ」後の作品「ウォレスとグルミットのおすすめ生活」はコレは、ネット配信されて、パソコンの画面で観たんだっけ!!と思い出した。我が家のネット環境がまだ「ひかり」になる直前だったので、ダウンロードにヒジョウに時間がかかったっけ。
********************************
と、なんだか自分の映画鑑賞の記憶を辿る旅に出かけてしまったけど
今回の新作「ベーカリー街の悪夢」も実に可愛くて楽しい作品。
けど、やっぱり初期の頃の「ウォレスとグルミット」と比較すると、奇想天外なアイデアや面白さが、やや薄れているもかなぁ〜?とも思う。映像自体はとても滑らかで美しいんだけど・・・。
お人よしで楽天家、基本的には自分の事(&恋愛対象の女性)しか考えていないウォレスと、しっかり者でクール・・・だけど、実は自分の飼い主のウォレスに対して無償の愛情を持ち続けているグルミット。(そして意外と心配性)
ふたり(正確にはひとりと一匹)の相性がバツグンに良くて、彼らの掛け合いもとても素晴らしいのだけど、所詮は「飼い主と犬」という現実に哀愁も感じられたり。

「やれやれ、困ったもんだ!」という表情をしながらも、常に飼い主のウォレスを支えているグルミットは、何だか健気で泣けてくる。
そこらへんのキャラの設定は、今回の新作でも健在でそれは嬉しくなるのだけど
ストーリーやそれにまつわるエピソードの数々は、わりかしフツーで以前観たようなワクワク感はイマイチだったかなあ。
あ、今回はグルミットの恋愛が描かれるという、新しい展開もあったけど。

やっぱり「ペンギンに気をつけろ」が、シリーズの中で自分的に一番面白かったかも・・・と、4作品を通して観て感じたな。

今回は新作の「ベーカリー街の悪夢」+過去の三作品(「チーズ・ホリデー」「ペンギンに気をつけろ!」「ウォレスとグルミット、危機一髪」)が同時上映されるという贅沢なプログラム。

鑑賞した映画館は渋谷の「シネマ・アンジェリカ」。
以前は「シネマ・ソサエティ」という映画館があった所。
渋谷の映画館(ミニシアター)事情も、イロイロと変わっているようです・・・。
そして
今回、上映された過去三作品の他に、別の「ウォレスとグルミット」作品を観たけど・・・何だったっけな?と、ずっと考えていて、帰宅後ネットで調べてみたら「野菜畑で大ピンチ!」という作品を観たんだった。(すっかり忘れていた)
コレも確か劇場で観たのだけど、どこでどういう環境で観たのか、どーーーっしても思い出せない。。。2005年作だから、既に映画館からかなり遠ざかっていた頃だったよなぁ。拙ブログを再開させるまでの「空白の3年間」の間に観たのだと思うのだけど、映画を観た感想はやっぱりコマメにブログにUPしないとダメだなあ、と思ったり

それから「野菜畑で大ピンチ」後の作品「ウォレスとグルミットのおすすめ生活」はコレは、ネット配信されて、パソコンの画面で観たんだっけ!!と思い出した。我が家のネット環境がまだ「ひかり」になる直前だったので、ダウンロードにヒジョウに時間がかかったっけ。
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と、なんだか自分の映画鑑賞の記憶を辿る旅に出かけてしまったけど
今回の新作「ベーカリー街の悪夢」も実に可愛くて楽しい作品。
けど、やっぱり初期の頃の「ウォレスとグルミット」と比較すると、奇想天外なアイデアや面白さが、やや薄れているもかなぁ〜?とも思う。映像自体はとても滑らかで美しいんだけど・・・。
お人よしで楽天家、基本的には自分の事(&恋愛対象の女性)しか考えていないウォレスと、しっかり者でクール・・・だけど、実は自分の飼い主のウォレスに対して無償の愛情を持ち続けているグルミット。(そして意外と心配性)
ふたり(正確にはひとりと一匹)の相性がバツグンに良くて、彼らの掛け合いもとても素晴らしいのだけど、所詮は「飼い主と犬」という現実に哀愁も感じられたり。

「やれやれ、困ったもんだ!」という表情をしながらも、常に飼い主のウォレスを支えているグルミットは、何だか健気で泣けてくる。
そこらへんのキャラの設定は、今回の新作でも健在でそれは嬉しくなるのだけど
ストーリーやそれにまつわるエピソードの数々は、わりかしフツーで以前観たようなワクワク感はイマイチだったかなあ。
あ、今回はグルミットの恋愛が描かれるという、新しい展開もあったけど。

やっぱり「ペンギンに気をつけろ」が、シリーズの中で自分的に一番面白かったかも・・・と、4作品を通して観て感じたな。
2009年07月20日
「BE KIND REWIND」

TSUTAYAでDVD、レンタルで鑑賞。
邦題は「僕らのミライへ逆回転」だけど、何だかどうしても好きになれない
邦題なので今回は「BE KIND REWIND」って事で感想を書く事に。
*******************
「ショウビズTV」などで、全米で大ヒットされた映画として紹介されたときは
「うう・・・この映画、かなり観たいかも」と思ったのだけれど
実際、観てみると最初の30〜40分間は(自分的に)実にタイクツで、この先を観るのを辞めようかなと思ったほど。
アメリカの超下町、下層階級の現状は大体わかったのだけれど、何だか妙なウンチクが多すぎてストレートに伝わってくるものがないんだよね。あと、う〜〜んと、なんか背景、ちょっと暗いし。

でもでも
後半「ハリウッドリメイクの手作り映画」を創り出すあたりから、この映画の持ち味が出てきて、俄然、楽しくなってきた。ここに来るまでがちと長かったけれど、ここからはとても面白かったので許せる範囲。
コンピューターグラフィックが氾濫する現代の映画事情。
そんな中、CGを一切使わなくても、感動する映画が創れるんだよというメッセージが暖かく伝わってきて何だか嬉しい。
ホームビデオで映し出されるハリウッド・リメイクの数々は、「史上最低の映画監督」と言われた「愛すべき」映画監督エド・ウッドの作品を思い出したし、手作りアイデア満載で、キッチュで可愛らしく、何よりも「人間味」を感じさせてくれる。
ラストあたりは、思わずジーーンときてしまって
「ああ・・・こういうの、良いよね」と、懐古趣味ではなく思わせるあたりが良い。
久しぶりに観るミア・ファローが何だか良い味を出していて、名作「カイロの紫の薔薇」を連想させるあたりも、心憎い演出だなって思ったり。

*******************
今年のアカデミー賞の授賞式で、ヒュー・ジャックマンが「不況なので、予算軽減パフォーマンス」を披露していて、それが妙に「手作り感一杯」の暖かみを感じて、自分の中でウケたのだけれど、段ボールで創りだされた装置の数々は、小学生の頃に作った工作を思い出して、郷愁感もある。
CGを駆使した、魔法のような映画を否定する気は全くないのだけれど、こういう映画の方が、より作り手の映画への愛情を感じてしまう。・・・やっぱりなんか良いよな。
2009年06月05日
「未来世紀ブラジル」
BS2で放映されていたものを鑑賞。
この映画を観たの、何年ぶりかしら?たぶん・・・20年ぶりくらい?
初めて観た時に「凄く面白い!!」と衝撃を受けたものの、でもそう何度も観直したい映画ってわけではなかったんだよね、わたし的には。
しかしそのビジュアルイマジネーションは初めて観た当初と変わらない位、色あせることなく、新鮮な驚きを感じたし、奇想天外なストーリー展開に衝撃も受けた。

今、映像で映し出されている場面は、主人公の夢なのかうつつなのか・・・それとも現実なのか?それぞれの世界が交錯してストーリーが進められていく。
舞台は近未来の某国なのだけれど、レトロというかクラッシックなセットや小道具の使われ方が、独特の世界観を創りだしていてそれだけでも惹き付けられるし、次から次へと息つく暇もない位に飛び込んでくる強烈な映像イメージの数々。
凄い・・・・
細部にまで渡り、こんな映像世界を創りだすことが出来たな・・・と。
シーンのひとつひとつが本当に独特で、シュールだったり、夢見心地だったり、迫力あるアクションシーンだったり・・・と、めまぐるしく変化していく。

「人が夢想することをも奪う徹底した管理社会」への警告というのかなぁ・・・そんな社会への風刺が最大のテーマのようだけれど、映画のテーマについて小難しく考える必要は全くないと思う。
ただただ、飛び込んでくる映像を受け止めていれば、それだけでも満足するし、映画が持つメッセージも自然に伝わってくる。
超久しぶりにこの映画を観て「テリー・ギリアムは本当に天才だな!」と再認識。この映画に久しぶりに出会えて良かった。
この映画を観たの、何年ぶりかしら?たぶん・・・20年ぶりくらい?
初めて観た時に「凄く面白い!!」と衝撃を受けたものの、でもそう何度も観直したい映画ってわけではなかったんだよね、わたし的には。
しかしそのビジュアルイマジネーションは初めて観た当初と変わらない位、色あせることなく、新鮮な驚きを感じたし、奇想天外なストーリー展開に衝撃も受けた。

今、映像で映し出されている場面は、主人公の夢なのかうつつなのか・・・それとも現実なのか?それぞれの世界が交錯してストーリーが進められていく。
舞台は近未来の某国なのだけれど、レトロというかクラッシックなセットや小道具の使われ方が、独特の世界観を創りだしていてそれだけでも惹き付けられるし、次から次へと息つく暇もない位に飛び込んでくる強烈な映像イメージの数々。
凄い・・・・
細部にまで渡り、こんな映像世界を創りだすことが出来たな・・・と。
シーンのひとつひとつが本当に独特で、シュールだったり、夢見心地だったり、迫力あるアクションシーンだったり・・・と、めまぐるしく変化していく。

「人が夢想することをも奪う徹底した管理社会」への警告というのかなぁ・・・そんな社会への風刺が最大のテーマのようだけれど、映画のテーマについて小難しく考える必要は全くないと思う。
ただただ、飛び込んでくる映像を受け止めていれば、それだけでも満足するし、映画が持つメッセージも自然に伝わってくる。
超久しぶりにこの映画を観て「テリー・ギリアムは本当に天才だな!」と再認識。この映画に久しぶりに出会えて良かった。
2009年05月10日
「スラムドッグ$ミリオネア」
あの「トレインスポッティング」のダニー・ボイル監督がアカデミー賞を受賞?と聞いて、まず興味が湧いた作品。
しかも舞台はインドで、スラム出身の貧しい男の子が主人公らしい。

どんな「痛い」映画が出来上がったのかな?と思いきや、スラムを舞台にした、おとぎ話的、純愛(青春)映画でちょっと驚いた。
不幸な境遇の幼い少年が、運命に翻弄されながら、貧しい社会を逞しく生き抜いていくと同時に、純愛を貫き通すというテーマは現代のアメリカなど先進国が舞台だったら間違いなく臭くなる。貧しく混沌としたインドが舞台だから純粋に感情移入出来て、感動もしてしまったのだろうな・・・と思った。

時系列が入り混じるストーリー構成と、疾走感たっぷりの音楽的な映像は、ダニー・ボイル監督お得意の技(ある意味懐かしい?)。全く違和感なくストーリーに入り込む事ができた上、この十数年のインドの現状に驚いたりもした。
スラムな街、宗教弾圧&争い、人身売買・・・
日本という平和で守られた国に生まれ住む自分にとってはにわかに信じ難い実情だけれど、こんな事実は世界の中ではインドに限られた事ではないとも思う。
親を失った幼い子供が、貧しい国で逞しく生き抜く事は容易ではない事だと思うけれど、野生動物的な生存本能をも感じてエネルギッシュで、観ていてワクワクもしてくる。「生き抜く」ために知恵を付けていく彼らの行動力は素敵だ。これは同情ではなく、一種の憧れに近い視点だと思う。
そんな中の美しい純愛。
運命に翻弄される中で、純愛を貫き通したいという主人公のゆるぎない想い!!

ネタバレになってしまうので、その後のストーリーに触れるのはやめておくけれど・・・
エンドロール。
群集で踊るシーンには「こう来たか!!」と思い、何だか嬉しくなってしまった。
インドのヒーロー&アイドルはやっぱり映画スター=ミュージカルスターなんだなと。
何か忘れかけていた気持ちを思い出すような、すがすがしい気持ちになれる映画だったと思う。ダニー・ボイル監督の映像センスの良さも今尚健在で嬉しかった。
しかも舞台はインドで、スラム出身の貧しい男の子が主人公らしい。

どんな「痛い」映画が出来上がったのかな?と思いきや、スラムを舞台にした、おとぎ話的、純愛(青春)映画でちょっと驚いた。
不幸な境遇の幼い少年が、運命に翻弄されながら、貧しい社会を逞しく生き抜いていくと同時に、純愛を貫き通すというテーマは現代のアメリカなど先進国が舞台だったら間違いなく臭くなる。貧しく混沌としたインドが舞台だから純粋に感情移入出来て、感動もしてしまったのだろうな・・・と思った。

時系列が入り混じるストーリー構成と、疾走感たっぷりの音楽的な映像は、ダニー・ボイル監督お得意の技(ある意味懐かしい?)。全く違和感なくストーリーに入り込む事ができた上、この十数年のインドの現状に驚いたりもした。
スラムな街、宗教弾圧&争い、人身売買・・・
日本という平和で守られた国に生まれ住む自分にとってはにわかに信じ難い実情だけれど、こんな事実は世界の中ではインドに限られた事ではないとも思う。
親を失った幼い子供が、貧しい国で逞しく生き抜く事は容易ではない事だと思うけれど、野生動物的な生存本能をも感じてエネルギッシュで、観ていてワクワクもしてくる。「生き抜く」ために知恵を付けていく彼らの行動力は素敵だ。これは同情ではなく、一種の憧れに近い視点だと思う。
そんな中の美しい純愛。
運命に翻弄される中で、純愛を貫き通したいという主人公のゆるぎない想い!!

ネタバレになってしまうので、その後のストーリーに触れるのはやめておくけれど・・・
エンドロール。
群集で踊るシーンには「こう来たか!!」と思い、何だか嬉しくなってしまった。
インドのヒーロー&アイドルはやっぱり映画スター=ミュージカルスターなんだなと。
何か忘れかけていた気持ちを思い出すような、すがすがしい気持ちになれる映画だったと思う。ダニー・ボイル監督の映像センスの良さも今尚健在で嬉しかった。