カテゴリ:ブルゴーニュ > ヴォーヌ・ロマネ村

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2010年代半ばにスターになった造り手だが、それまでは冴えない。2012も、さほどではなく、不完全燃焼気味。もともとやる気のなかったドメーヌの改革、土壌の改良の途上といったところなのだろう。液体には艶があれども、その先の深み、奥行きがない。個人的には75点。

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泣く子も黙るリシュブールなんていわれるが、誰も黙らない。少なからずは令名を汚すようなワインであり、ブツブツ文句をいいたくもなる。思えば、リシュブールでよかったなんて、グロ・フレール・エ・スールだけだったのではないかと思っている。アンヌ・グロも、ジャン・グリヴォもモンジャール・ミュニュレも死屍累々だった。そして、ドメーヌ・ド・ロマネ・コンティである。近親が亡くなったというわけで、捧げ物にしたつもりだが,まったく供養になっていない。液体はおざなりである。ヴォーヌ・ロマネの出来の悪い村名と似たようなもの。そういえば、ヴォーヌ・ロマネ村の1級畑でもこんなんだったかと振り返るなら、リシュブールのみならず、ヴォーヌ・ロマネ死屍累々か。およそ、ドメーヌ・ド・ロマネ・コンティの仕事ではないと思う。リシュブールは、むずかしい。でも、そんな酒をこれまでよく買ってきたもんだと思うと、見識のなさを嘆く。個人的には74点。

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このところ、評価が高まり、同時に値も上がっている造り手。でも、それは2010年代のどこかからの話。2009年の段階ではまだ改革が端緒についたばかりといったところだろう。そう思ってしまうのも、このワインの不出来から。少なくともグラン・クリュのワインとはいいがたい。スケール感をちょっとは感じることかできても、広がりや奥深さは中途半端にとどまっている。まあ、一族が長く捨ておいたようなグラン・クリュだから、そのポテンシャルはすぐには出てこないだろうと思ってしまう。ブルゴーニュというのは、名まえだけ、とくにヴォーヌ・ロマネ村のロマネ・コンティ畑近くに位置するというだけで売れてしまうところから生まれてしまった惨劇といおうか、皮肉な悲劇といおうか。個人的には74点。

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そろそろ飲み頃にはいってきたといえそうな状態になっている。たぶんもともとは厳めしい液体だったと思う。でも、ここにきてタンニンがほぐれはじめ、厳めしさが和らぎはじめたといったところ。厳粛な風格を残しながらも、風格のある、それも静かなる風格のワインとなっている。これにもっと華やぎがあれば、さらにいいんだが。たぶんもっと待ったほうがよいワインだろう。個人的には79点。

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この造り手のモノポールであるこのワインは、ブルゴーニュの良心のように語られてきた。比較的穏当な価格で、いつも大きな満足を得られたような記憶がある。ただ、この2013ワインとなると、評価に困る。どこかガチャガチャとしたところがあり、雑味が気になる。確実な酒躯を感じるのだが、何かピントが合っていない。あるいは、まだまだ熟成の途上であり、口にするべきではなかったか。もやもやが残る。個人的には74点。

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