4月も中旬になって途端に暖かくなりましたね。気候が大きく変わる節目、普段の食事でも健康に気をつけていきたいですね。
さて、皆さんはフィトケミカル(phytochemical)という言葉をご存知でしょうか?
phytoは植物、chemicalは化学物質を意味し、植物に含まれる化学成分という意味になります。フィトケミカルは、たんぱく質、炭水化物、脂質、食物繊維、ミネラル、ビタミンといった必須栄養素ではありませんが、健康を増進する様々な機能を持つため注目されています。
今回ご紹介するのはアブラナ科の野菜に含まれるスルフォラファン、今が旬の野菜では春キャベツや菜の花に含まれるフィトケミカルです。以前ブロッコリースプラウトで話題になったのが記憶に新しいですね。
スルフォラファンは1992年に米国ジョンズ・ホプキンズ大学のPaul Talalayらにより、強力なガンの予防効果を持つ成分として発見され、研究が進むにつれて解毒作用や抗酸化作用など幅広い健康効果が明らかになってきました。現在、スルフォラファンにはガンの予防以外にも花粉症の予防、美白効果、ピロリ菌の除去など様々な研究報告がされています。
さて、そんなスルフォラファンですが、食品中にはグルコラファニンという形で存在し、同じく食品に含まれるミロシナーゼという酵素と反応し、スルフォラファンに変換されます。
しかし、このミロシナーゼは熱に弱いため加熱処理することで失活してしまうのです。では、加熱処理すると効果はないのかというと、そんなことはありません。実は小腸細菌の働きによってもグルコラファニンからスルフォラファンに変換されることがわかっています。また、ミロシナーゼは同じくアブラナ科のワサビや大根にも含まれているので、複数のアブラナ科野菜を一緒に摂るのも有効です。また、スルフォラファンの効果は体内に取り込まれてから3日程度持続するので少量ずつでも定期的に摂取すれば効果が期待できると報告されています。
普段の食事で健康に寄与できたらお得ですよね


