先日、福岡に行った際に、現地は暑そうだったので夏用の薄手のパンツを履いていった。しばらく履いていなかったのでどうも違和感がある。フィットしないのだ。簡単に言うと、パンツがすこんでいる。すこんでいるのだ。違和感を感じながらも暑くて蒸れるよりすこんでいるほうがマシだから、我慢した。我慢しているうちにパンツのすこみ感は薄れていった。

〜〜〜

さて上の文章を読んで意味が分かる人は皆無であろう。文中の「すこむ」という動詞、うちの娘が言い始めた言葉で、「パンツなど履いているものが食い込む」という意味の言葉だそうだ。

娘がその言葉を使い始めたのは、良く喋るようになってからだから3歳くらいであろうか。もちろん親がオリジナルの言葉を教え込んだわけではない。いたずら好きの私もさすがにそんなことはしない。いったいどこからそんな言葉を仕入れたのか…、当時不思議に思った私は娘に「すこむって言葉、誰に教わったの?」と聞いてみた。

「アベ!」娘は即答した。安倍首相(当時)のことではない。うちのバンドメンバーの阿部のことである。娘が生まれたころにバンドに加入した彼には娘もよく懐いており、阿部の言うことを鵜呑みにする可能性はある。それにしても一体何のためにうちの娘にデタラメな言葉をインプットするのか…。他にも訳の分からない単語を教えてはいないだろうな…。

「僕じゃないですよ!知らないですそんなの」
後日彼に問いただしたところ、即座に否定した。うーん、まあそうか。人の子供にウソを教えるような悪い人間ではないもんな阿部。じゃあ一体その言葉はどこから…。あと、濡れ衣を着せる娘よ…。

そんなことをふと思い出し、昨日娘に「すこむって言葉覚えてる?パンツとかが食い込むこと」と聞いてみた。娘は「うーん」と否定も肯定もしなかった。ここ数年は娘も使用しなくなり、新語「すこむ」は誰にも知られることなくひっそりと消えようとしているのであった。ちょっと寂しい。

D904A8C8-BC2F-406B-ABCE-D9F61FD9A574 昨日福岡にて奥さんのいとこの結婚式があった。奥さんの実家にも随分と顔を出していなかったので私も出席することにした。

奥さんの実家からほど近い神社での神前式であった。新婦がフランス人で、奥さんのいとこである新郎も父親は日本人だが母親がカナダ人である。式場には雅楽で使われる楽器「笙(しょう)」の音色が鳴り響き、着物を着た新婦の友人とみられるフランス人女性が何人も参列している。なかなかお目にかかれない光景だ。

式が始まり厳かな雰囲気に背筋も伸びる。普段やかましい娘や甥っ子たちも流石に静かに座っている。私は神前式に参列するのは初めてであったが、仕事柄地鎮祭を何度も経験しているのでそれほど物珍しさもない。端の席だったので時折、窓の外を眺めながら、淡々とした気持ちで式の進行を見守っていた。

式の中盤、不意に「ぽえー」と笙の音色が2秒ほど流れて消えた。式の前に流していた雅楽である。そのまま流れてくれるなら問題なかったのだが、すぐに止まった。何かのミスなのだろうが、イヤな予感がした。これはのちのち大きな爆弾になり得るのではないか…

そもそも荘厳な雅楽を「ぽえー」と表現してしまうところに、私の雅楽に対する印象が垣間見えると思う。あの笙の音色のファーストインプレッションと言えばドリフのコントである。志村けん扮する神様が登場するシーンで必ず流れるあの音色、それがれっきとした日本古来の音楽であると知るのは随分後のことであり、神様コントのオリジナルBGMであると長年勘違いをしていた。

絶対に笑ってはいけない荘厳な雰囲気の中で面白効果音が不意打ちしてきたのである。私は心の中に芽生えた笑い爆弾がみるみる大きくなっていくのを自覚した。

このままではマズい…いっそのこと式場の参列者が全員で大笑いしてくれればどんなに楽か…しかし目の前のフランス人達は肩をピクリともさせることなく、また後ろに座っている子供たちも笑い声ひとつ上げていないようだ。ここは死ぬ気で我慢しなければ…
私は下唇を噛み、両親指の爪を人差し指の指先に思い切り食い込ませ何とか痛みで笑いそうになるのを誤魔化そうと試みた。

鬼のような形相でひとり闘っている私を小突く者がいる。右隣に座る奥さんである。彼女も私と同じく「ぽえー」にヤラれたようだ。長年連れ添った夫婦だ。絶対に奥さんもハマっていると確信していた。だから私は隣は一切見なかった。間違いなく相乗効果で笑いが増幅されることが分かっていたからだ。そのため私は一人で闘うことを選んだが、彼女は共有したかったらしい。本当に余計なことをする。ついちらりと彼女を見ると左手にハンカチが握られていた。

ハンカチ握って耐えてる…それを見てついにこらえ切れなくなった私は「くっくっく」と小さく声を漏らしてしまった。もう決壊寸前である。こうなるともう何というか箸が転がるどころか、箸を見るだけでも笑けてくる。もし、もう一回「ぽえー」が来たら…そんなことを考えるともう可笑しくて可笑しくて…私は舌を噛み、両太もも裏を思い切りつねり上げ、さらに痛みの強度を上げた。

時間にすると15分ほどだろうか、しかし永遠に感じるほどの時間であった。努力も虚しく私は何度か肩を震わせ、押し殺しきれない声を漏らしてしまった。奥さんはハンカチを握っているし、旦那は肩を時折震わせ嗚咽している…後ろから見たら二人だけ葬式中かと思わせる様子だったかもしれない。

式が終わったあと、みんなに聞いてまわったがやはり「ぽえー」でハマっていたのは我々夫婦だけだった。娘に聞いても「は?それの何が面白いの?」と一蹴された。いやいや、面白いでしょうよ!

今、帰りの飛行機でこの記事を書いているが思い出すだけで笑っちゃう。やだやだ笑いの沸点が低すぎて。

※ 笙の音色の表現は「ぽえー」か「ぷわー」で迷いましたが、正直何度聞いてもどちらでもない気がします。音色を文字化するのが難しくて…もっとしっくりくる表現があれば教えて下さい。

結婚して20年経つが、結婚当初から我が家はお小遣い制である。月末に給料が振り込まれるので、月初にお小遣いをもらうことになっている。毎月1日に「はい、今月のお小遣い」と渡してくれれば良いのだが、基本的に奥さんは自分からは渡してくれない。だいたい毎月5〜10日くらいに「あのー、そろそろお小遣いを…」と私から切り出すのがいつものパターンである。お小遣いをもらう正当な権利があるのに、なぜか言い出しにくい。

「は?どうせしょうもないことに使うんやろ?悪いけど今月から半分にするけん」などと言われたことは無いが、いつか言われるんじゃないかとビクビクしながら程よいタイミングで切り出すのである。タイミングをミスると「朝の忙しい時に言わんで!」とか「はー、昨日銀行言ったばかりなのにまた下ろさんといかん…」などと理不尽な返り討ちに遭う。
ちなみに今月は前月の剰余金が少しあったのでこちらから催促をしないでいたら、5/16にようやく支給された。遅配も遅配、倒産寸前の中小企業のようである。

そんなこと言うならお前、金の管理を自分でやったらどうだ?と言われそうだが、それは絶対無理である。貯金がとにかく苦手。とにかくあるだけ使ってしまう気質である。最近は飲み行って使ってしまうことが多く、終電間に合うのに面倒だからタクシーで帰ったり、もう飲めないのに馴染みの店に寄ってしまったり…。酔っぱらうと金銭感覚がさらにぶっ壊れるものだ。

奥さんも割とザルな方だが、私よりははるかにマシであり、彼女が財布を握らないと我が家はおそらく経営破綻していただろう。財布は別、というご夫婦も多いというが我が家では都市伝説級に現実味の無いことである。

その分、娘はかなり倹約家に育っている気がする。欲しいものがあっても「やっぱりお金もったいないからやめよう」と踏みとどまることが多いし、最近はトイレの電気を消し忘れてたりすると鬼のようなツッコミが入る。非常に良い傾向である。その感覚をこの先も保ってほしい。間違っても競馬やパチンコに手を出さないよう注意して育てなきゃ。

final (6)
※記事中のイメージ画像はAIで作成したものです。実在の人物ではありませんのでご了承ください。

今日のことである。

最近腰痛がひどく、午前中に通院してきた。幸い快方に向かっており歩く分には支障がないのでお昼前に地下鉄に乗車し、会社へ向かった。

お昼時の地下鉄車内は閑散としており、乗客全員座っている。私も出入口すぐの端の席に腰を下ろした。

一駅ほど進んで停車したところで、なぜか隣の車両からこちらに男が走ってきた。男は黒いフードを被り、スキー用のゴーグルをしている。そして他の多くの乗客と同じくマスクもしているため、素顔はほとんど見えず不気味この上ない(イメージ画像参照)。車両の真ん中で彼は、誰かに追われているのかのように周囲を気にしている。そして肩から下げていたカバンに手を入れ何やらごそごそしている。うーむ、誰がどう見てもザ・不審者である。

男のただならぬ風貌と不審な挙動に、車内にはそれなりの緊張感が走った。向かいに座っている女性も男を不審げに注視し身構えている。

「こいつ、サリン撒くんじゃないだろうな…」

縁起でもないことを思い浮かべてしまった。もしサリンなら至近距離にいる乗客はほぼ死ぬ。待てよ、俺マスクしていないから余計に危ないんじゃね?停車しているうちに逃げた方が良いかも…と思ったが程なくしてドアは閉まってしまった。次に下りる予定の札幌駅までは大人しくしていてくれよ…と祈りながら男を注意深く監視する。

相変わらず男は周囲の目を気にしながらカバンに手を入れ、何かをつかんでいるようだ。よく見ると液体が入った透明のボトルを持っている。やっぱりサリンじゃん!あー、死んだわ俺。マスクしておけば良かったー。

そんなことを考えている矢先、男はスプレー式のボトルを取り出し、しゅしゅしゅーと自らの体に液体を吹き付けた。全身に執拗に衣服が濡れてしまうのではないかというくらい、吹きかけている。車内にアルコールの臭いが充満する。これはこれで問題行動なのだが、サリンで自爆テロをされるよりは問題行動ではない。

おそらくフードを被りスキー用のゴーグルをしていることを考えると彼は極端なウィルス恐怖症なのか、潔癖症なのか、まあそういった類の人だろう。隣の車両から走ってきたのは、近くにマスクをしていない乗客がいて、恐怖のあまり逃げてきたのではないか。うーん、そうだとしたら生きにくそう。そして新たなピンチに気づいてしまった。

「やばい、俺もマスクしてない…」

彼が半分パニックになりながらこの車両に逃げてきて、ようやく安堵したところで新たに至近距離に非マスク男が新たに待ち構えていたら…。もはやゾンビ映画の序盤でよくある展開のようではないか。もし私の存在に気づいたらパニックになった彼が捨て身で私の顔面にアルコールを噴射してこないとも限らないではないか。

final (10)
彼は元いた車両が気になっているらしく、今の車両の周囲の乗客をチェックはしていないようだ。私がマスクをしていないということに気づいていないはずだ。慌てて私はスマホを見るふりして口元を彼に見られないように隠しながら、車両が札幌駅に着くのを待った。スマホを見るにしてはあまりにも不自然に口元に近く、もはや見るというより画面に口づけをしているようにしか思えなかったが(イメージ画像参照)消毒用アルコールを顔面に浴びるよりはマシである。

無事に車両は札幌駅に到着し、無傷で下りることが出来た。下りる間際、彼の方を見たら目があったので少し微笑んで会釈をした。ドアが閉まり動き始めた車両では、彼がまた自らにアルコールを噴射させまくっていた。

image1小中学生くらいの子供がいる親が頭を悩ませる問題、それは「ゲームやYouTubeなどの時間上限をどうするか」問題である。うちの娘、勉強はわりと進んでやるほうなので上限などいらないかと思った時期もあったが、問題は視力低下である。早々にメガネっ子になってしまった娘、少しでも視力低下に歯止めをかけるためには時間の上限はやはり必要である。

その昔、高橋名人は「ゲームは1日1時間!」と全国の少年少女たちに啓蒙していたが、我が家も現在は平日はゲーム・YouTubeは1時間、休日は2時間というルールにしている。もちろん原則ってだけでLOGに行くときなどは親の事情もあるのでその限りではない。友達と遊ぶ時も多少大目にみている。また、クイズノックなど教育系の要素があるものは時間制限から除外もしている。

このルールを破った場合どうなるか、である。我が家では話し合いの結果、ドリルを一冊完了させるまではゲーム禁止というルールになった。まずまず重いペナルティである。親が押し付けたわけではなく、娘も合意のもと決定した。そしてペナルティ用のドリルも書店に行って娘に選ばせた。娘が選んだのは「小学生の語彙力アップ1200」とかいう130ページほどのドリルである。まあまあのボリュームである。普通にやっても一週間はかかるのではないか。「ちょっと厚すぎないか?もう少し薄いやつでも良いぞ」と助言したのだが「これでいい」と言ってきかない。まあペナルティを重くして、ルールを絶対に守らざるを得ない状況に追い込んでいるのだろう。良い心がけである。

そして先日。娘はルールを破った。時間とともに設けられていた「20時30分まで」というルールを破ったのだ。20時30分になる前に「もう時間だからやめろよ」という我々の忠告を動画に夢中になるあまり、無視してしまったのだ。

「残念ですが、明日からこれです」と差し出されたドリルを前に娘は事の重大さにようやく気付き、わんわん泣き出してしまった。絵に描いたような後悔先に立たず、である。後の祭り、である。ちょっとかわいそうだなと思わないこともなかったが、仕方ない。

泣きながら娘は「ドリル半分じゃダメ?」「次から気を付ける!」などと訴えかけるが、あのカイジだって兵藤和尊と戦って敗れたときは合意したルールに則って指を切り落とされたではないか。厳しくてもルールを守ることで、今度は逆に親も子供と結んだ約束を絶対に守らなければいけなくなる、そういうことも担保することにもなるんだぞ、ということを分かりやすく翻訳して泣きじゃくる娘に伝えた。娘は観念し、その日は床に就いた。

翌日から早朝のドリル消化のため、毎朝6時前に目覚ましがセットされ、隣で寝ている私も不必要に早く起こされる日々が続くこととなった。うーん眠い。娘よ、早く終わらせてくれい!そして次のドリルはもう少し薄いやつにしような。

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行ってきましたエスコンフィールド北海道!

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16時30分くらいに到着、入場ゲートはまあまあの混雑ぶり

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入場後も人でごったがやしていますが、奥に球場が見えます

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お、GAORAのブース!今日はガンちゃんですね

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今日の先発、加藤投手(右)
わざわざ前に見に行かなくても、通路から観るだけでこの臨場感

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噂の超巨大ビジョン!これが2基設置されてます

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本日の席、4階席の一番安い席ですが、全然見やすいです

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いつかここでも観戦してみたいですねー、クラフトビールを飲みながら

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試合は快勝!野村選手が3ラン打って、加藤投手がテンポの良い投球で20時30分に終わらせてくれました

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帰りの混雑を避けるため、しばらくスタンドに居座りました

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外野の一階席に降りてみましたが、グラウンドが近い!

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最後にレジェンド達に挨拶をして…

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帰りました

以下、感想です
・札幌ドームに比べるととにかく見やすい、臨場感では比べ物にならない
・行きは北広島駅から徒歩で行ったが、天気が良ければ別に苦にならない程度の距離
・16時30分頃の入場ゲートは混雑していたが、17時あたりにはスムーズに入場出来ていた
・試合開始前の飲食店はどこも長蛇の列、逆に試合開始後はそれほど待たずに購入できた
・野球ガチ勢よりもライト層が一番楽しめる球場なのかもしれない、試合無い日にゆっくり見学するのも良いかも
・アクセスはやはり札幌ドームに比べると不便、札幌駅についた時点で娘が寝てしまいタクシーで帰るハメに
・まあでも素晴らしい球場なので一度は行ってみて下さい!

「マスク着用はみなさんの判断でよろしくやってちょうだい」令が出された3/13以降、ノーマスク生活を過ごさせてもらっている(本当はもうちょっと前から外していたけど)。私はイデオロギー的に反マスクというわけではなく、ただただ鬱陶しいからマスクが嫌いという人間なので、周囲の人が着けていようと自分さえ外せれば満足で快適この上ないのだが、外したことで一点だけ不自由になったことがある。

人目を気にせずニヤニヤ出来なくなったことである。3年間にも及ぶマスク生活によって、街中で歩いている時、仕事している時など、表情を隠すことをしなくなっていた。人前でニヤニヤしていようがあくびをしていようが歌を口パクで歌っていようが鼻毛が出ていようが全てマスクの下での出来事、誰にも気づかれなかったのである。

そもそも一人でニヤニヤしたり歌ったりしながら歩くなと言われればそれまでなのだが、マスク生活になるまでは私にもそんな癖などなかった。いつの間にか少しづつそのような癖がついてしまったのである。ちなみにニヤニヤするというのは、もちろん思い出し笑いなどもあるが、ただ単に口角を上げる筋肉運動をすることも指す。マスクをするのが元々大嫌いだったので、本能的に口からマスクを遠ざけるために頬の筋肉を使ってマスクを浮かせて口との接触部分を減らす、という動きをしてしまうのだ。なので下手したら思い出し笑いのニヤニヤよりも不自然で気味の悪い表情になっているのかもしれない。

通勤時、札幌駅近辺を縦断するのだが、ほぼ全ての人がマスクをしている。そもそもマスクをしていない私が言うべきことではないが、たまに街中でマスクをしていない人を見かけるとどうしても「むむっ、こいつ只者ではないな」「世の中に不満があるのだろうなあ」「ほう、素顔をさらすとは自信がおありで」などと未だに余計な先入観で人を見てしまう自分がいる。自分のことを棚に上げるとはこのことである。

マスクを外しているだけで第一印象で大きくハンデを背負っているのに、その上ニヤニヤしていたり、歌を歌いながら歩いていたら目立つどころか戦慄ものである。「あ、やっぱり反マスクの人って頭おかしいのね」とか「目を合わせないようにしよう…」と思われそうではないか。マスクをしない人が色眼鏡で見られることを助長してしまい、ひそかにマスクを外したいと思っている人も「あんなのと同類と思われたくないわ」と躊躇ってしまうではないか。うーんそれは良くない。気をつけねば。

というわけで不必要に眉間にしわを寄せ難しそうな顔しながら歩いている私を見かけても、思い悩んでいるわけではなくニヤニヤしないように細心の注意を払っているだけなので気にしないでください。

WBC優勝の興奮が覚めやらない。漫画のような展開、映画のような結末である。この後、生きている間にスポーツでこれ以上熱狂できる大会・試合を見届けることが出来るだろうか…。冗談抜きでサッカーW杯優勝くらいしか今回のWBCの興奮を超えられるものを思いつかない。いやー、生きててよかった。

それにしても大谷翔平である。果たして彼は同じ人間なのだろうか。いや、彼は人間かもしれないが実は俺が人間に似た下等生物なんじゃないか…、思わずそう思ってしまうほど彼は眩い輝きを放っていた。ザ・主人公である。彼が主人公なら俺は村人Cが飼っている犬に寄生しているノミといったところか。

と自分を卑下するのはこれくらいにするが、実は間近で大谷翔平に遭遇したことがある。ちょうど10年前、彼がファイターズのルーキ―だった頃、たまたま函館の出張先のホテルが遠征に来ていたファイターズの宿舎となっていたのだ。ロビーで打ち合わせをしていたところ、「キャー」という黄色い声援が外から聞こえ、まもなくスーツ姿の大谷翔平がホテルに入ってきた。当時はまだ線が細く、スラーっとしておりとにかくスタイルが良い。リアルキャプツバとはよく言ったものである。

もちろん大谷翔平だけではなく多くの主力選手をロビーで間近に見られた。陽岱鋼は大谷に負けず劣らずスタイル良かったし、中田翔はゴツかった。栗山監督は良い人そうだったし、飯山は渋かった。偶然とはいえファンにはたまらない空間であった。


翌朝、チェックアウトしようとエレベーターで下りていたところ、途中階で現中日ドラゴンズ所属、投手・大谷翔平の女房役大野捕手が奥さんとお子さんを引き連れて乗り込んできた。はえー、美人な奥さんだな〜なんて見とれていたところエレベーターは2階で停止。パネルの前にいた私はとりあえず開扉ボタンを押す。奥さんとベビーカーに乗せられたお子さんが下りるようだ。2階が朝食会場なのでここでお見送りなのだろう。いったん下りた奥さんはエレベーター側に向き直り、大野捕手は腰を下ろしベビーカーの我が子に「パパ、頑張ってくるからね」とか言ってる。奥さんも奥さんで「ほら○○ちゃん、パパ頑張ってくるって言ってるよ、バイバイしてあげて」とか言ってる。間違ってもこのタイミングで扉を閉めてはいけない。私は貫通してしまうのではないかというくらい力いっぱい開扉ボタンを押下し続け、私自身は家族の会話に水を差さないよう出来るだけ気配を消した。気まずいというわけではないが、何とも落ち着かない時間が続いた。

会話が終わり「じゃあね、バイバーイ」と両者が手を振り始めて2秒後、私はそっと「閉扉」を押した。言っておくが彼らから目くばせなど無い。我ながら完璧なタイミングである。閉まる瞬間、なぜか私も奥さんに軽く会釈をしてしまったが「俺の協力もあって、旦那を良い感じで見送りできたんだからね、そこんとこ分かってるよね?」というアピールが最後に出てしまったのかもしれない。こんな自我を出しているようでは立派なエレベーターガールにはなれない。反省である。

家族に良い見送り方をされた大野捕手はきっと今日の試合は大活躍だろう。もしヒーローインタビューで「この喜びを誰に伝えたいですか?」と聞かれたら「エレベーターの開扉ボタンを押してくれたメガネのおじさんです」なんて言ってくれても良いんだぞ。
などと考える間もなくエレベーターは1階に着き再び開扉ボタンを押す私を置いて彼はノーリアクションでさーっと出て行ってしまった。あれ、本当に俺の存在に気づいていないのでは…。

ちなみにこの日の試合は負けたが大野捕手は3打数2安打であった。うん、俺のおかげ。

本日3/19は20回目の結婚記念日である。せっかくだから結婚20周年をネタに何か書こうと思い、過去の夫婦の歩みを思い起こしていたところである。子供が生まれてからは割と落ち着いた生活を送っているが、それ以前は夫婦としてはかなり破滅的な生活を送っていた。夫婦の共通の趣味といえば、バンド、酒、パチンコであった。結婚生活の前半10年間は刹那的享楽的に毎日をお気楽に過ごしてきたといえよう。

そしてケンカもよくした。うちの夫婦のケンカは所謂冷戦的なケンカはしない。やる時はとことん感情をぶつけ合い、基本的にどちらかが屈服するまで終わらない。もちろんお互い暴力などをふるうことは無いが、激しさあまり印象に残っているケンカが多い。結婚20周年を記念して、今回は過去の夫婦ゲンカベストバウト5選をご紹介することにしよう。


1.仙台・大山祇神社籠城戦(2003年秋頃)
原因:不明
夜中に勃発。夜通し口論となるが怒りのあまり奥さんが家を飛び出し、私も探しに行くが行方をつかめず。近所の神社に立てこもっていた。夜が明けたころ、神社の掃除のおじさんに説得され奥さん帰宅。

2.1122事変(2005/11/22)
原因:お店に来ないかという誘いについての夫婦間の意見の相違
11/22夜、後輩のとうさんから「いい夫婦の日なのでご夫婦でANYWAYに来ませんか」というメール。せっかくだから行こうじゃないかと言う私と行きたくないという奥さん。そんな小さなきっかけのケンカから最終的になぜか私が家を飛び出すことに。翌朝帰宅。※参考記事

3.寝室扉破壊事件(2007頃)
原因:不明
いつものように口論になるが、その日は怒りを我慢できなかった私。寝室の扉を殴りつけ穴を開けてしまう。右手負傷の上、敷金没収が確定し、我に返るも時すでに遅し。

4. LOG秋の陣(2008/10/12)
原因:奥さんがうるさかったから
LOGのブルーグラスの日のあと、先輩の結婚式用VTRを撮っていたのだが、奥さんが酔ってうるさく映像撮影の邪魔になったことから、口論に発展。お互い酔っぱらっているため収拾がつかず、奥さんを店に置いて帰るという暴挙に出る。※参考記事

5. LOG夏の陣(2009/7/12)
原因:札フェス開催場所をめぐる意見の相違
LOGのブルーグラスの日のあと、札フェスの会場について議論。帰り道、夫婦間で議論はヒートアップしケンカへ発展。我慢ならない私は自分の楽器を地面に叩きつけるという愚行をしでかす。それを見た奥さんも激高し、私を置いて一人タクシーで帰宅。先に施錠をされ、私は車中で一晩を過ごす。※参考記事


以上、いかがであろうか。夫婦ともども気性が激しいため大ゲンカになることが多かったが、お互い翌日に怒りを持ち越すことは無いため、どんな激しいケンカをしても普段の生活において夫婦間の空気が悪くなることは基本的にない。どちらかが根に持つタイプだったら、夫婦生活は終わっていたかもしれない。

この中でも衆人環視のもとで勃発した4番、この時に現場に居合わせた皆さんには誠に申し訳ないことをした。その様子を見て「あ、この夫婦終わったな」と思われた方もいるかもしれない。無事に20周年を迎えられましたよ。

最近では軽く口論はあるものの、ケンカというケンカは全くしていない。そしてこの先も出来ればベストバウトにランクインしてくるようなケンカはせずに夫婦生活を送りたいものだ。引き続き生温かい目で見守ってやってください。

私とLINEなどで繋がっている方はたまに送られてくるからご存知だろうが、AIで画像を生成してくれるアプリで北のあのお方の面白画像を作成している。我が家に飛翔体が着弾する恐れもあるため、ネットで公開することは控えるが、時間つぶし、いや時間泥棒といえるくらいよくできたアプリである。

あのお方の画像を生成するだけではもったいないので私の所属するバンド「wingrass」のアルバムジャケットを作れるか試してみようと思い立った。もちろんアルバムを作る予定などはないのだが。

生成は簡単。プロンプトと呼ばれるワードを入れて、画風を選択すれば勝手に生成される。今回はリアル風のスタイルを選択。さっそくやってみよう。まずはwingrassとだけ入れてみる。

wingrass
final (11)final (13)final (10)final (14)
なぜか髪がもじゃもじゃのおじさんが出てくる。多少バリエーションがあるとはいえ何枚作ってもこんなおじさんしか出てこない。葉加瀬太郎風なので音楽関係者に見えなくもないが。


このままではただの写真である。アルバムジャケットなのでもうちょっとそれっぽくしたい。

【wingrass, album jacket
a ja j2a j 3a j 4
おおっ、それっぽい。被写体はあいかわらずあのおじさんだが、一気にアルバムっぽくなったではないか。3枚目なんか本当にありそう。
なお、AIは字の再現性がイマイチなのでそこはご容赦。あとサイズの関係で縦長なのでジャケットに見えないかもだが、その点も悪しからず。


次は日本人設定してみよう。

【wingrass, album jacket, Japanese
j1j2j3j4
うん、日本人になった。背景も富士山が写り込むなど若干日本風になってしまったがそれはそれで趣があってよい。4枚目はおじさんがもう一人増えたが、もともとおじさんが多いバンドなので増えてくれても構わない。


そう、ブルーグラスバンドということを入れないと。はたしてブルーグラスをどれほど認識してくれるか。

【wingrass, album jacket, Japanese, bluegrass band
bb1bb2bb3bb4
人数は増えてバンドらしくはなった。しかし、基本的に男性のみで生成されることが多い。ブルーグラスはやはり男性の音楽と認識されているのか…。


というわけで実際のwingrassと同じく女性を一人入るように指示。

【wingrass, album jacket, Japanese, bluegrass band, one woman
final (9)final (7)1w21w1
あれ?これだとダメか。一人になっちゃった。何となくうちの奥さん似の女性が出てきがちだった。


男性の人数もしっかり指示してみよう。

【wingrass, album jacket, Japanese, bluegrass band, one woman, four man
4m14m24m34m4
うーん、人数が安定しない。すごく大所帯になりがち。まあいいや、うちのバンドも歴代メンバーいれたら大所帯になるし。


それにしても楽器がほぼギターしか出てこないのが寂しい。ブルーグラスと言えばバンジョーである。

【wingrass, album jacket, Japanese, bluegrass band, one woman, four man, banjo
b1b2b3b4
全然ダメである。何となくバンジョー風の丸っぽい楽器らしきものが出てくることはあるが…。AI君、バンジョーを知らないなんてまだまだだな!まあ楽器はいいや。


あとは、メンバーみんな仏頂面で楽しそうじゃない。笑ってもらうことにしよう。

【wingrass, album jacket, Japanese, bluegrass band, one woman, four man, banjo, smile
s1s2s3s4
わ、良い笑顔!やっぱりブルーグラスはこれくらい楽しそうじゃなきゃね。


ちょっと飽きてきたから同じ条件で違うart styleを使ってみよう。
aaaaaaaaaaaaaaaaa
おお、なんかステキじゃーん。リアル調のスタイルよりこっちの方が良いかも。4枚目がカオスだけど。

というわけでこのアプリ、ついこんな感じでハマってしまう。キリがない。今日はこの辺にしておこうっと。

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