2016年11月01日

松方コレクション展、松方幸次郎のビジョン

 神戸開港150年記念イベントとして、神戸市立博物館で、〜松方幸次郎 夢の軌跡〜
と題して「松方コレクション展」が開催されています。(2016年9月17日〜11月27日)。

 神戸市立博物館は、三ノ宮駅から南のセンター街の中程から南に下り、大丸百貨店より、1筋東側の朝日ビルの横を下りて行くと、旧居留地跡にあります。

 入館してすぐに、絵画説明イヤホーンを借り、最初の展示室の入口の左側に、最初に観たのが、川崎造船所を明治13年に創設した「川崎正蔵」翁の肖像画(G.モリナーリ作)、続いて、松方幸次郎の母親「松方満佐子」肖像画(1918年)と、父親「松方正義」肖像画(1919年)(石橋和訓作)でした(鹿児島市立美術館所蔵)。

 松方幸次郎は、特に、肖像画に心が引かれたようです。多くを購入しています。当時、西洋では、宮廷画家が描いた堂々とした人物の肖像画、凜とした女性の肖像画を日本の人達に見せたいという思いだったのでしょう。

 今回の松方コレクション展とは、神戸で生まれ育った神戸っ子には、松方とは聞き慣れた人名です。

 彼は、明治29年(1896年)に川崎造船所の初代社長に就任します。
松方幸次郎は、青年時代に6年間アメリカに留学し、西洋文化に接し学び、帰国します。
 
 彼の才能を見て取った川崎造船所の創業者川崎正蔵氏は、30代の松方幸次郎に経営を任せるのです。
松方は、経営者として、乾ドックの完成(明治35年、1902年)、ガントリークレーン(レールの上を移動できる門型をした大型クレーン)を大正元年(1912年)に完成させ、川崎造船所を世界有数の造船所に造りあげたのです。

 超弩級戦艦と言われた戦艦「伊勢」が大正5年に川崎造船所で進水式をしていることからも造船技術の高さがくみ取れます。
 
 松方幸次郎の川崎造船所は、大正3年に勃発した第一次世界大戦で船舶の需要が爆発的に伸び、花形産業となりました。当時、彼の手腕は、高価な船舶を在庫生産します。約100隻近い船舶を注文無しで在庫という見込み生産したのです。実に思い切った大胆さです。

 在庫生産ですから、売り急ぎをするのが普通のメーカーです。売れ残ったら会社がつぶれるでしょう。
松方の大胆不敵さは、彼の肖像画に現れていますが、どっしりと楽観的で神経質ではありません。買い手が多いときに、売り急がず、利益を確保したために莫大な利益をもたらしたと思います。実に、知恵の人でした。

 松方幸次郎は、大戦による造船特需でロンドンに出張し、当時、ロンドンで画家のフランク・ブラングィンと知り合います。1916年に1時間余で書き上げたと言われる肖像画を贈られます。今回の松方コレクション展の最初のコーナーで豊かな椅子にどっかり座り、パイプを口にくわえている油絵が展示されています(個人蔵)。

 神戸を拠点にして活躍した松方幸次郎は、フランク・ブラングィン画家との親交により、画壇情報を受け、本格的な西洋美術のコレクションを開始します。

 神戸市立博物館だよりには、彼が「日本人に本物の西洋絵画を見せたい。」「西洋の全てを理解するために、全てを購入したい。」と語ったことが記載されています。

 松方コレクションには、当時のヨーロッパの最高峰の画家たち、ファン・ゴッホ、ゴーギャン、ロートレックなどフランス近代絵画の傑作が集められています。

 松方幸次郎には、造船で、ロンドンで船舶を売るだけでなく、「もう一つの目標」があったのです。

 それは、西洋の優れた絵画を購入して、日本に西洋美術館を建設し、当時の日本人に西洋美術、文化をもたらし、啓発を受け、大いに楽しみたいというビジョンです。

 自分個人の美術品に所蔵するのでなく、広く日本国民が楽しめるようにという想いです。
この夢は残念ながら、昭和2年の世界経済恐慌で潰えさられてしまいますが、「共楽美術館」という名称で設計図が、フランク・ブラングィンにより設計されていました。現在、東京の国立西洋美術館に「共楽美術館構想俯瞰図」が所蔵されています。

 この「共楽」という文字に、松方幸次郎の人物、人格が見てとれます。
一般国民が共に楽しめる、その鑑賞姿を彼も楽しむ、喜びとするという想いがつたわってきます。

 9月〜11月にわたって、松方幸次郎が集収したコレクション、一時は経済恐慌で、逸散してしまうことになったが、松方の想いに協賛する内外の博物館と人々によって、分散した美術品が3ヶ月間という短い期間かもしれないが、彼のコレクションが集まり、多くの鑑賞者に喜ばれ、共に楽しまれている光景を天国から見ておられるに違いないと思う。

 松方幸次郎の美術品を愛好した思想は、若き青年時代に6年間、アメリカへ留学し、ヒューマニズムと民主主義に触れた結果だと思います。

 松方幸次郎は、西洋美術品を購入しただけでなく、彼に買わないかとパリの宝石商アンリ・ヴェヴェールが打診してきた日本から流出した歌麿、北斎など約8,200枚の浮世絵版画を即金で購入したのです。

 彼は直ぐに浮世絵を大正9年(1927年)に分散して日本に送っています。これらは神戸の川崎造船所に集められ、整理・保管されたそうです。松方幸次郎は日本の宝を取り戻し、将来、「共楽美術館」に展示したい構想だったと思います。彼の機会をのがさず、躊躇せず即金で購入したことにより、現在は東京国立美術館に所蔵されています。松方幸次郎は、浮世絵8,200点を国の財として、皇室に寄贈された結果が散逸を防いだのです。

 もし、松方幸次郎の「共楽美術館」が完成し、西洋近代美術が日本人の心に触れていれば、あの第二次世界大戦という軍国主義の嵐に翻弄されずに、私たちの尊い家族や親兄弟の人名を失うことも無かったかも知れません。

 彼が私財を投げ打ってロンドン、パリで購入した西洋絵画の点数は2,000点に登ります。

 日本に移送されたのは、1,300点でしたが、昭和2年の経済恐慌で、川崎造船所の経営が傾き、松方コレクションを売却せねばならないことになり、また、銀行担保物件として国内外に逸散してしまいます。

 松方のコレクション800点は、ロンドンとパリに保管されていました。

 ロンドンの倉庫にあったものは、火災で消失、貴重な絵画が失われてしまいました。ピカソの作品もあったと聞きました。

 パリに保管されていた約370点は、第二次世界大戦後にフランス政府と日本政府で返還交渉が行われました。
 フランス政府は、19点の絵画はフランスの宝として、接収しました(ファン・ゴッホ、ゴーギャン、ロートレック、ピカソなど)。
 残りは、条件付けで全品を日本に寄贈するということなり戻ってきました。
日本政府は、寄贈を受けるために美術館を建て大切に保管することが条件つけられました。 

 これが、現在の東京の国立西洋美術館です。

 フランス国が接収した19点のうち、今回の展示で、パンフレットやカタログの表紙を飾っている
  ロートレックの「庭に座る女」(オルセー美術館蔵)、
  ピカソの「読書する婦人」(ポンピドウーセンター蔵)、
  スーティンの「つるされた鳥」(ポンピドウーセンター蔵、スーティンはユダヤ人青年で、彼の異才な表現は

米国の美術館が集収しているとのことで、松方の選眼が鋭いと思う)等々は、今回の松方コレクション展で光を放つ作品です。

 松方コレクション展は、今までの絵画展とはちがって、一人の経営者が、私財を投げ打って、個人の想いを越えて日本人の教養を考え、凜とした人格と豊かな楽しみ共有するという集収ビジョンでした。

 松方コレクション展で、自由に持ち帰り資料の作品リストは貴重です。現在の所蔵者が内外に広がっています。又、カタログ(\2,500)は是非購入して、松方幸次郎氏の美に対する豊かさを貰えます。

 美術品は、個人を離れて世紀を超えて、世界の人間の宝・魂のように松方コレクションから思わされます。

 このような人物が大正時代に存在したことに日本人として感動しました。

必見の美術展です。企画された関係者や内外の美術館、松方家に感謝をいたします。
もう一度、27日までに鑑賞に行きたい。阪神間にいることを感謝します。        (長谷川好宏)

引用:1)神戸市立博物館の博物館だより、 
2)google ホームページから松方幸次郎、川崎造船所のキーワードでの検索
    3)展示場での配付作品リスト


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2016年06月29日

良い会社づくりに挑戦する

 株式会社ダイプラの森田吉彦社長は、大学生や社会人の聴講生に向かって、射出成型づくりの体験から「良い会社づくり」に取り組んでいることを熱情のある言葉で話されました。

 大阪商業大学の社会に向けての企画、平成28年度の公開講座の第7回目、6月2日の正規授業科目(90分授業)で「本当に良い会社づくりの挑戦」というテーマで話されたのです。

 40歳代社長の熱情とビジョンにあふれた授業が印象に残りました。大阪商業大学の学生さんにも感動がおこりました。

 森田社長の「良い会社」(グッドカンパニー)とは、どういう会社でしょうか。森田社長が列挙されたことは、次の4項目です。
  (1)安心して取引できる会社
  (2)感謝を得られる会社
  (3)安心して就労できる会社
  (4)将来に向けてビジョンが得られる会社
という4つを上げられた。
 
 この内の2つは、パートナー(納入業者や顧客)が安心して取引が出来る会社であり、働く社員が憂いなく仕事に打ち込める会社ということです。厳しいビジネスの中にあってこそ、安心して取引でき、安心して就労できる会社が大事なのです。

 森田社長は、この安心ができなくて、前職を退社しました。
そのときに、このダイプラの代表取締役会長CEOの大東章男会長(当時社長)が、「うちに来ないか」と誘ってくれたのです。

 現森田社長(青年の頃)は、プラスチック成型の仕事が与えられたことに感謝して、一所懸命に憂いなく働いたのです。仕事に慣れると共に、大東会長が担当していた営業の業務を任され、期待に応えていきました。それから8年が経過したときに、タイプラの現大東会長が「森田君、社長になってくれないか。」そして、「一緒に、経営をやろう」といってくれたのです。

 この大東会長が、森田社長への信頼の厚さがわかります。当時の森田社長は、「良い会社」とは、自分の体験から社員の気持ちを汲んでくれている会社にしていこうと決意したに違いありません。


 大阪市東成区神路の住宅街にある株式会社ダイプラを訪問しました。2階の事務所に入ると壁面一杯に改善提案のビフォー・アフターの写真と提案事項が書かれた提案表彰のカードが貼ってありました。

 森田社長は、その提案は世代が前のもので、今は、この様式に変わっていますと見せていただきました。「壁にそのまま残しているのは、社員の提案努力の足跡が励みになるので」と言われていました。2項目の「感謝を得られる会社」とは、社員が改善提案をどんどん出し、経営者から「感謝され、表彰を得る」、他の社員からも良い改善で「仕事がやりやすくなった」と「感謝が得られる」会社なのです。


 1階の工場に入った印象は、ドイツ製の射出成形機、縦型と横型がずらりと並んでいる姿は圧巻でした。日本製は3台のみ。ドイツ製の採用は、高温タイプが通常仕様であること、対応性・剛性があるとのことらしいが、それ以外もあるのでしょう。

 値段は高いがオペレーターの社員に高価な機械を自由に使え、段取り換えが覚えられることは誇りであり励みになり自己成長につながります。一流のモノ触れることは社員の自信にもつながります。(株)ダイプラのカラーは。ドイツ国旗と同じ3色というのも、ドイツ製の設備から来ているのかなと思いました。

 社員たちに、凄い設備を使わせるのは、社員に将来の夢をいだかせる第一歩です。

 一流のモノを扱うことは、(株)ダイプラにもう一つあります。それは、スーパー・エンジニアリング・プラスチック原材料を使っていることです。材料費は高いですが、

 半導体製造装置・液晶画面搬送装置・医療機器・情報通信機器などの精密部品に使われるのです。高価な材料を扱い、そのプラスチック部品の検査はシビアになり、社員に品質意識を高め、時間コスト意識を高めることにつながっています。
 
 こうした積み重ねは、社員に夢が生まれ、「もっと技能を高めたい、腕を磨きたい」という目標につながり、自分の夢、会社の夢になるのです。

 「将来に向けてのビジョンを持てる会社」という森田社長の考える「良い会社とは」に社員の気持ち、心構えに、昇華されていくのです。

 森田社長は、大阪商業大学の公開講座で、経営理念の社員への浸透とともに、会社は存続しなければならない、存続意義があると話されました。

 会社が存続して初めて、社員が住宅ローンや師弟への教育投資が「安心して」できる。「大企業は安心か」、「ファンドに買収されて会社の中身が変わってしまっている。」「日本で100年続いている長寿企業は小さい会社だ。」と力説されました。

 これは本当です。「日本の事業所の97%は中小企業です。」存続する会社は、社会に必要だから存続しているのです。

 (株)ダイプラの森田社長は、「働きたいと思える会社づくり」をしたい。これは、大東会長がドイツの中小企業の考え方を学んで帰られて、「ドイツでは、わざわざ、遠くの大企業に行かなくても、地元、近所に、ええ、会社があるのが普通の考えです」。自動車のベンツと小さい会社が、同じ休暇をとっている。

 森田社長は、オーナーである大東会長と共に、株式会社ダイプラを地域とともに成長を続ける企業にしたいと、大阪商業大学の講座で話されたのが印象的でした。

 (株)ダイプラの森田社長は、さらに、「近くに良い会社があれば、遠くに行かなくても、よいという人達のために、地域に愛される会社になりたい」というのが夢です。

 このために、コミュニティの創出、町の政策づくりへの協力をしたい。地域の産業の活性化に貢献したい。今は、近隣の小学校の生徒さんに見学してもらっている。

 (株)ダイプラでは、どういう会社にしたいか? ⇒ ”理念”
3年後、5年後、10年後、会社として、どうありたいか? 即答できるようにしている。

 社員が、人生をどうすごしたいか?を考えてもらい、今、何をすべきか考えられるようになる。

 <経営者と社員のパートナーシップ>

 一緒に学んで成長していける(経営者と共に学び、成長し続けられる)ようにする。

 このためには、経営者は、社員と向き合い、ともに考えることをしている。
森田社長自身は、もっと若い時に、困難から逃げ出さないと覚悟を決めた瞬間、「自分はこの会社をやめないぞ」と腹をくくった。そして、今があります。

 小さい会社でも、輝く会社にしていきたいのが、目標です。

 (株)ダイプラのホームページには、大東会長の自社紹介の動画があり、経営の方向が良くわかります。当社は、ビッグカンパニーをめざすのではなく、「グッドカンパニー」を目指すと、キャッチ・フレーズが明確です。

 そして、大東会長は、これからの営業マン(会社)は、QCDは当たり前、お客様に、どんなサービス会社にも負けない「サービス」の提供ができなければならないと、明言されています。

 大阪商業大学の東大阪、尼崎などの地域の優れた企業を紹介している公開講座は、地域のグッドカンパニー「経営のユニークさ」の事実を共有することで、より発想が高まり地域の発展に貢献することではないかと思わされます。

 株式会社ダイプラの経営は、この地域との連携に相応しい事例でした。
若き、森田吉彦社長のビジョンを目指し、社員ともに、良い会社に挑戦されている姿は、さわやかです。社員の方々が、元気に挨拶された明るさ、希望に向かって仕事に取り組んでおられる姿勢に感動しました。

 アポもせずに、飛び込みで訪問したにかかわらず、経営のビジョンをお話くださった、大東章男会長に心から感謝いたします。
 
 株式会社ダイプラのホームページの動画を観てください。



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2015年08月14日

大阪ドーンセンター、エニアグラム・セミナーを開いた

猛暑の大阪、8月の3日間、エニアグラム・ワークショップ・セミナーを開いた。
遠くは愛知県から近畿の滋賀、京都、大阪、兵庫から参加者があった。

受講者の一人、ビジネスマン方は、次のような感想を話されていました。

「私は、全社員の前で話す機会が度々ありますが、自分の話が社員皆さんに受け入れられているかどうか、表情には出していませんが、内心では、いつも心配だったのです。」

「なぜ、自分はそのような気持ちになるのか?ということも疑問に思いませんでした。エニアグラム・ワークショップの中で自分のタイプによるのだと気づかされました。」

「私の内面には、”情動”という無意識に言動に影響を与える思いが働いて実行する前に、確認したいという衝動があったのです。このような内面の情動にまったく気づいていない私は、確認を得るために行動をためらうこと、思い切った決断を躊躇していたのです。」

「今回のエニアグラム・ワークを通しての気づきは、仕事において慎重になりすぎずに自信をもって素早い行動に移せるという安心感が与えられました。それは自分の内面を観察でき、自己のエニアグラム・タイプが明確になって自分の行動特性のクセが明らかになったことです。」と感想を言われていました。

 他の受講者の方で、有資格を持って仕事に活かしているOLの女性は、エニアグラム・ワークショップを通し、相手とのやりとりの中で、
「エニアグラム本を読んだけでは得ることのできない内面から出てくる生の心の声や相手が頭の中で考えていることを教えられ、ワークショップに参加してよかった」
「そればかりでなく、えー、私自身こんなふうに内面で考えていたと気づかされました。」
と話されていました。 

人は、自分が考えたり、心で思ったり、腹から怒りがこみあげてくるように、相手も、周囲の人も同じように思ったり考えたりしていたのが、「そうではない」という発見です。エニアグラム・タイプでは、8とおりの異なるタイプがあるのです。、

今回のエニアグラム・ワークショップ・セミナーは、猛暑の最中でしたが、受講者の方々に自己の内面の動機について知ったという大きな感動が与えられました。

今回のエニアグラム・ワークショップ・セミナーは、「プライマリーコース」というNPO法人日本エニアグラム学会の公式セミナーです。
講師として迎えた方はスーパーバイザー富澤優江氏です。昨年、5月に公式プライマリーコースを新しい視点から改善を加えて新プライマリーコースとして刷新した改訂者の一人でもある方でしたので、受講者が気づいていない「動機」と「自己価値」を浮き彫りにし、心の内面を引き出された手腕は人のパーソナリティを知り尽くされており、エニアグラム・ワークショップ・セミナーの内容を豊かになりました。

それは、人の心の内面、「無意識の世界」から人は突き動かされる各エニアグラム・タイプの”情動”をとらえ、また、「見える化」が実現しているワークショップでした。

今回の受講者方には、何回も受講された再受講者もおられたのですが、「今回のワークは自分の内面を深く探るための良い機会になりました。」と言われていました。

普段の何気ない自分の言動の中に、「なぜ、そのように言うのか?」
「なぜ、そのような行動をするのですか?」と自問自答されたと思います。

プライマリーコースのエニアグラム・ワークショップ・セミナーの目的の一つは、「自分のタイプを知り、タイプの違いを理解する」ということです。表現は平易ですが、初めての受講者の全員が明確に「エニアグラム・タイプ」を正しい自己タイプをものにすることができるか? といえば、「難しい」と言わねばなりません。

なぜなら、私たちは、「頭(頭脳)」で理解をしてしまうからです。タイプ識別の質問書で答えて「わかった」と思っても異なる場合が多々あるのです。人間の複雑さにより、上辺だけの浅薄な理解をしてしまいますと、そのタイプになりきってしまい、思い込みが始まります。「私はこのタイプだと演じてしまいます。」

新しくなったプライマリーコースのプログラムの「見える化」は、何度か、ワークショップで描く絵です。特に、3日目に描かれた絵では、受講者の皆さんから感動がわきあがりました。

それは、エニアグラムの3つの中枢センターのエネルギーの違いから、受講者の描かれた絵は、3つのグループでのエネルギーの違いが明瞭に色や形で表現されていました。これには皆さんが、「不思議を感じた」と思います。

エニアグラムの3つの中枢センターとは、
「ガッツ・センター:タイプ891(本能エネルギー)」
「ハート・センター:234(感情エネルギー)」
「ヘッド・センター567(思考エニルギー)」

NPO法人日本エニアグラム学会では、プライマリーコースの目的を単にタイプがわかったというだけでなく、3日間のエニアグラム・ワークショップ・セミナーを通して、自己の内面を探り、質問票で判明した自己タイプが本当に自分のタイプであると確信を得ることに重点を置いております。

タイプの誤認のままに、上位のエニアグラム・ワークショップ・セミナーを受講されていく間違いを正したいというのが、今回のプライマリーコースの狙いです。

事実、今回も途中で、自分の内面とは違いがあると、タイプを変えて、3日目に確信をもって、「これが私の正しいタイプです」と顔色も明るくなり、行動も颯爽となった方がおられました。その方は、前に自分のタイプは、これだと見つけて、今回、受講された人でした。誤認が初期の段階で解決されたことは、この方にとって価値のあるエニアグラム・ワークショップ・セミナー(自己発見の旅)だったと思います。

さて、エニアグラム・ワークショップ・セミナーを大阪で開催したのは、丁度、17年前の夏頃でした。その当時は受講者を集めるには、直接に誘いの電話を入れたり、友人に声をかけたりしてやっと集客できる苦労がありました。

現在は、ホームページを見て初参加の申込みがあります。
このエニアグラム人間学が、東京に匹敵するぐらいに大阪にも広まり人財開発につながることを目標にしております。


ついでですが、17年前に、最初に講師としてお呼びした方は、昨年天に召された和泉育子氏でした。クリスチャンでもあった方で、気安く大阪まで何回か、来て下さいました。

その後、講師にお迎えしたのが田中きよみ氏(副理事長で先の7月に特別ワークショップ「ウイングの影響」の講師をしていただきました。)その後、セカンダリーコースの講師として、前会長の武田耕一氏をお迎えした歴史へと続きます。

大阪でのエニアグラム・ワークショップ・セミナーもこれから新時代に入ります。
今年は、大阪から2名の新しいファシリテーター(エニアグラムの全過程の学びを終了し、最終トレーニングのワークをされた有資格者)が誕生いたしました。

今回、受講者の方々も自己の成長、自己の賜の発揮のため、自己実現のため、幸せな人生のために、さらに、日常の生活の中で、自分自身の内面を観察し、気づきを得て、自己の囚われから解放し、家庭、職場、社会で豊かな人間関係を築き上げられるように願っております。
 (長谷川好宏)



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2014年12月26日

改善提案表彰式の評価基準とは

 毎年12月末の納会で、改善提案表彰式が行われます。
これがハイテンション・ワッシャのベスト企業の東洋発條工業株式会社です。(以下、株式会社を省略)
「どのような基準で評価するのか」と質問を受けますが、社員に分かり易いことを第一に、次のような評価基準にしております。

(1)創意工夫やアイデアの新規性
(2)品質向上や不良低減
(3)コスト削減
(4)生産性・効率
(5)安全・危険予防

 「具体的な選択基準は何か」となると、東洋発條工業の過去、8年間の経過から「これは他の社員のモデルになる発想だ。」と思われる実施提案の採択です。評価者としての私の考え方ですが、できるかぎり公平な評価視点と素朴でも、当該の社員が考えを重ねたものにしております。

 例えば、スリッターマシン工場では、常に危険が伴いますが、最終のスリッターされた条項が巻き取られる箇所では、機械が停止した後に下段の深溝に降りての作業になります。

 若手現場社員の方ですがクレーン操作で、手にした作業工具を掛ける所をコンクリート壁に付加されたのです。

 若手だからこそ不慣れでもあり、器用に工具を持ったままクレーン操作をするより、自分の安全のために作業工具をちょっと置いた方がよいと判断したのです。

 どこに工具を掛けるかにより、逆に体に当たって邪魔になります。と言って離れたのでは都合が悪い。
丁度よい場所に掛ける所をつくられたのです。考えをいろいろ試して、安全でスムーズ置けて、次の作業のために直ぐに取れる所に位置を考えられたのです。

 簡単なことでも、そこに深い考えがある提案は採用です。

 こうした勘所を講評のポイントとして話します。他の先輩や同僚の社員が「なるほど、自分もそのような考え方を改善の時にやろう」と気づくような説明をします。

 表彰は、金・銀・銅の3つです。今回の改善で銅賞になった実施提案の一つは、出荷作業で、プラスチック製パレットに小サイズのスプリング・ワッシャの段ボール箱を乗せてバンドで縛るというときに、バンドをパレットの下の隙間に通さねばならないのです。

 バンドを真っ直ぐに通すのは難しく2人がかりの作業でした。この作業は補助材を使うことで、1人作業にしたのです。
 なるほど、これは「コロンブスの卵」的にひらめいたアイデアでした。銅賞の評価にしました。

 このようなアイデアからコスト削減や生産性向上の技術的な金・銀まで、前年と比較しても改善提案がさらに前進したと感じられる実施提案が多くありました。

 この8年間、金銀銅が合計で平均15件としますと、120件の価値ある実施改善ができたことになります。
実施提案件数は、一人1件はありますから、1年で47件、8年間で376件の改善が作業現場で役立っていることにつながります。

 これは社員がワーカー、自ら働く人であることの証明です。経営者から見れば、社員が自ら考えて「職場を良くしょう」「作業をより楽に効率よく」と経営参加してくれている証拠なのです。

社員のモチベーションも向上しているのです。(長谷川好宏)


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2014年11月30日

近畿大学で実践経営学会関西支部会に参加

 11月29日、小雨の降るなか、近畿大学 経済学部B館10階のマルよチメディア会議室で、「実践経営学会関西部会」が開催され出席しました。

近畿大学のEキャンパス 経済学部 B館は、まるで西洋の教会のような素晴らしい建築に驚きました。今の学生さんは、良い環境で授業を受けられ幸せだなと思いました。

さて、研究報告は4名の先生方です。研究発表、コメンテーターの報告、質疑応答で1時間ですので、研究発表時間は充分あり、パワーポイントを使った報告はわかりやすかった。同時に、受付で「関西実践経営」論文集第48号が配付されましたので、発表の論文も併行して読むことができました。
報告テーマと報告者は下記の通りです。

(1)「食品産業におけるエスニック・クロスオーバーに関する予備的考察」ほ
    地頭所 里紗 大学院生 (神戸大学大学院)

(2)「サービス財と有形財とのコラボレーション戦略」
    雑賀 憲彦 先生 (名城大学)

(3)「小規模製造企業における特許戦略策定の支援と実践」
    上住 好章 先生 (中小企業診断士 高付加価値戦略[SAVS] 支援センター)

(4)「マーケティングの性格−白石善章先生の援護を受けて−」
    松井 温文 先生 (追手門大学)

  今日の参加の主なる目的は、3番目の報告者であるSAVS(高付加価値戦略)支援センターのセンター長 上住 好章 先生の同士が報告しますので、応援に駆けつけたわけです。
同時に、最近は全国大会になかなか参加できずにいるので、せめて関西での実践経営学会の論文報告には参加したかったのです。

 日頃、コンサルティングにいそがしくしていますと、どうしても実践ばかりで、実態の考察を行うというアカデミックな視点が抜けてしまうことが多いからです。特にこの実践経営学会(学術会議所属)は、実践とアカデミックな整合性に惹かれるところがあり、論考は広範囲の実践が自由に取り入れられていますので、ユニークな学会といえるでしょう。

 中小企業診断士として現役のコンサルタントである上住好章先生は、小生の尊敬する先生の一人です。今回の報告は、「小規模製造企業における特許戦略策定の支援と実践」というテーマの報告内容は、上住先生しかできないコンサルタントの実践からの内容です。
 
 この零細企業が独自の技術である「工場内で粉体の原材料や製品搬送するために硬質材料製の配管が使用されるが、配管間の接続部にも硬質材料を使うと、管内クリーニング等のメンテナンス作業が困難となる。このため合成ゴム製で柔軟なジョイントが使われる。」
のです。

 普通、接合部が取り外しできるようなジョイントの場合は、バンドがつかわれるのが普通です。材料が合成ゴム製のジョイントのバンドは、接着剤が使えないので熱を加えて接合するのです。すると、ジョイントの管内部では、へこみができて、それが配管との間に隙間ができ、搬送の粉体が漏れるという問題が起きるのです。この企業のアイデアは、ジョイントの口出し部のバンドをオーバーラップさせて、熱を加えて接合するのです。

 このような技能的な作業は、いろいろの工場で形態は異なるが、当たり前におこなわれているものです。このような技能作業が特許になると、上住好章SAVS支援センター長の中小企業診断士は、零細企業に勧めて、自ら特許申請の手伝いをして特許を取得されたのです。

特許申請は、弁理士事務所を通して行われたのですが、上住先生の知識と見識で共同申請により取得された事例でした。途中、特許庁より却下されたりしましたが、丁寧に反論されて実現されたのです。

 報告者の上住SAVS支援センター長、中小企業診断士のむすびのススメでは、特許庁の
「早期審査制度」を活用することです。中小企業が特許公開すればノウハウが漏れてしまうので、申請しないでおこうという場合があります。

特許戦略として、出願した発明が特許として査定されない場合でも、公開されて誰でも実施できるようになる前に秘匿できることを活用されることも良いということです。このような知恵は、今後、中小企業が付加価値をつけて自社技術をアピールする特許戦略になります。

実践経営学会関西支部会の4件の報告は、ひとつひとつが、小生のウイズダムマネジメントのクライアントの支援に適応できるひらめきが与えられました。

実践経営学会の会長 井形 浩治 先生(大阪経済大学)の積極的なご挨拶に心から感謝を申し上げます。

今回の実践経営学会関西支部会の開催でお世話くださった支部長 田中 敬一 先生(近畿大学経済学部)に感謝を申し上げます。
 




 

 


wisdom_mng at 23:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)交流・コミュニケーション | 高付加価値支援センター(SAVS研究会)
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