【映像翻訳会社】ななこ社長の日々是前進

映画、ドラマ、ドキュメンタリーの字幕・吹き替えや放送局用のテロップ翻訳を中心に、映像の世界で翻訳業を営む経営者のブログです♪

字幕

体験授業

27名の高校生の前で字幕翻訳について話をするH君。

女子率90%以上の中、笑いも取ってなかなかの滑り出しです。

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ドラマシリーズ

先日、古くから付き合いのある翻訳者数名と話をしたときのこと。

ドラマシリーズを担当する時についての話になりました。

そのときに、出た話を列挙してみます。

「シリーズを依頼されたら、初回から最終回まで、もちろん全部、自分で担当するよ」

「長丁場だけど、途中、子供の行事や夏休みの家族旅行やもろもろあっても、“途中、出来ないので、その回は他の人に回してください…”とは、絶対に言えない」

「だって、途中にピンチヒッターを務めた人が私よりよいものを出したら、次からその人に仕事が回っちゃうじゃない!」

「旅行に仕事を持って行かなくても、週2本ペースなら、旅行前の2週間は頑張って3本やるとか、調整すれば済むことだもん」

「そもそも私の都合はクライアントには関係ないので、何も言わないで仕事、受けるけどね」

「どうしても、出来ない時は、翻訳者仲間に助けてもらうこともあるかな」

「フリーなんだから、常に危機感持ってるよ〜〜!」

そういえば、物書きをしていた私の父も連載を持っていたときは、家族旅行中、私たちが海水浴をしていた時、旅館に残って原稿を書いてたよな〜。

私自身も、息子が急に入院・手術した時も、クライアントに何も言わずに、納期に間に合わせて仕事やってたよな〜。

最終的に、「最近は、サラリーマン感覚のフリーランス(!?)が、多いよね。長くやっていこうという意識がないのかもね」という話になったのでした。

480分ぶんの字幕翻訳

さっき、つらつらと仲良しの字幕翻訳者のブログを見ていたら・・・

「私は3月ひと月で、480分ぶんの映像に字幕をつけたことになりました」

と書いてありました。

単純計算で1週間120分です。しかも特典映像やコメンタリーだったと聞いていたような気が・・・。

さすがです!

1週間で20分ぶんぐらいの翻訳で音を上げている新人さんたち!(中には数年やってても音を上げる人もいますが)

120分を1週間でやってくださいとは言いませんが、1週間あれば60分ぶんぐらいは、ササッと片付けられるように、鍛えておいてくださいよ〜!

そうしないとお願いしたい仕事が渡せなくなってしまいます・・・。

彼女のように力量がある翻訳者たちが、皆さんの先を走っているのです!

ぜひお手本にして、少しでも距離を縮められるように頑張ってくださいね!

翻訳者の悩み

プロになって2〜3年ほどの方から、「息の長い翻訳者になりたいが、閉塞感があり、伸び悩んでいる」という相談を受けました。

その方に書いた返事を掲載します。(一部省略)

******

プロになって2〜3年というのは、ちょうど、仕事をし始めた頃のような新鮮味も失い、以前は見えていなかったことに気づき始め、プロとしての自覚や責任感にも目覚め、いろんな壁にぶつかる時期だと思います。
 
壁にぶつかってそのまま辞めてしまったり、仕事の数自体が減り、夢を失って方向転換する人もいます。
 
実際に、5年以上コンスタントに仕事をしている人の割合は、そう多くはありません。
 
10年以上やっている人は、そういう壁にぶち当たり、いろいろな悩みが重なっても、仕事の数が減って、生活がままならなくなって他のバイトを掛け持ちしたりしながらでも、とにかく続けてきた人たちです。
 
才能うんぬんではなく、諦めなかった人が残っている…と言っても過言ではないと思います。(実際に、才能があると言われながら、辞めていった人もいます)
 
 
新人翻訳者の字幕は「点と点。線になっていない」と言われた…という点についてですが、これは、ほとんどの翻訳者に言えることです。
 
木を見て森を見ていない…ということですね。
 
日本語の字幕だけを読んで、把握できる内容になっているか…ということ。
字幕は、そのハコの中の英文にきっちり合っていればいいというものではないということが、よく理解できないのかもしれません。
 
これは、日本語力を強化するということにもつながるので、一朝一夕には克服できないことなのかもしれませんが、日頃の日本語との接し方を見つめなおすことで、改善はできるのではないかと思います。
 
 
また、翻訳者さんに「改善点を教えてください」と聞かれて、一つ一つの字幕について、代案を示すことはできますが、それを細かく分析しても仕方がないこともあるのです。
 
それは、その原文に対する翻訳の代案でしかなく、当然のことながら、その代案が全てではないので。
 
ですから、フィードバックを受けたときは、一つ一つの文言ではなく、どんな流れで直されているのかをしっかり把握するといいと思います。
 
 
映像翻訳は奥が深いですよ〜。
 
いろんなジャンルの本を読み、映画や芝居を観て、音楽を聴き、スポーツを自らやったり観戦したり…といろんなことに興味を持ち、感性を研ぎ澄ましている人は、やはり表現力も豊かです。
 
そして、それを翻訳のため…と半ば義務的に行うのと、純粋に楽しみとしてとらえているのでは、吸収力が違うのは当然ですよね。
 
私が知っているほとんどの翻訳者は、そういうことを楽しみとしている人たちです。
 
センスの良し悪しも、もちろんありますが、センスがよくても、磨かなければ停滞あるいは下降しますし、多少センスが劣っていても、磨きつづけていれば、光ることも増えてくると思います。
 
 
字幕翻訳の上達への道については、ご期待に沿える回答ではないと思いますが、極論すれば、人生の出来事を全て楽しむこと(プラスに考えること)…が、よい字幕を書く上で糧となるのではないかと感じています。
 
子育てをすることだって、プラスですよ。
 
きっと時間配分は、ひとり暮らしをしている人よりずっと上手なはずですから。
 
それに、外に映画を観にいったり、観劇する時間がなくても、例えば、家で見るテレビのジャンルを変えてみるとか、子ども相手に絵本を情感を込めて読んでみるとか、いろいろと自分を磨く手法はあるはずです。
 
あまりにも、一般的な答えで、いろんな人が言っていることと同じなのですが、
ぜひ、実行してみてください。
 
何年か経って、翻訳を続けていたら、きっと、○○さんも、同じことを感じるはずです。
 
とにかく、継続は力なりです!
停滞期は誰にでもあるので、諦めなければ大丈夫ですよ!
 
とりとめのない長文になってしまいましたが、
多少の参考になれば幸いです。
 
山下
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