航空自衛隊が運用するF-2戦闘機の退役が2030年頃から始まるのにあわせて、その後継機となる将来戦闘機を国内で開発しようとする動きがあります。
いくらステルス戦闘機だからってそんなところまでステルスにしなくても…
図2.26DMUの三面図(図1の比較図から切り出し)
謎の機内透視図を発見、その正体は?
防衛装備庁では将来戦闘機の概念設計が行われ、平成23年から26年にかけて機体構想の研究の一環として1年度につき1種類、合計4種類のデジタルモックアップ(DMU)が作成されました。
今回は、4種類のDMUのなかで最も新しい「26DMU」について、防衛装備庁技術シンポジウム2016で行われた講演の発表スライドをもとに書いて行きます。
官公認の「26DMU」の画像は少ない
将来戦闘機の機体構想研究で作成された4種類のDMUのうち、23DMU・24DMU・25DMUの3種類については防衛装備庁の発表資料から切り出された画像が出回っており、どのDMUがどのような外形であるかは良く知られています。
しかしながら、26DMUについては「アレは23~25DMUのどれとも違う形だから多分26DMUだろう」という扱いで、本当に26DMUだという根拠が弱いものが多いのが実情です。
官によって「これが26DMUだ」と明示されている画像がもしあれば、そういった根拠の弱い画像が本当に26DMUだという確認が取れることでしょう。
数年前に開示請求して入手した前述の発表スライドに、官公認の26DMU画像がバッチリ掲載されているので、改めてこの場で晒すことにします。
図1.X-2と23~26DMUの比較
(註:透かし加工と出典表記は管理人による)

(註:透かし加工と出典表記は管理人による)
こうやって26DMUとそれ以外のものを比べてみると、
- IRSTの配置はどれもだいたい同じ
- 胴体形状は25DMUに近いが翼形状は大違い(特に主翼アスペクト比)
- 24&25DMUでは尾翼が邪魔で真横方向からはエンジンノズルが見えないが、26DMUでは下側が少し見える
などといった点が目につきます。
特にエンジンノズルの件は、23DMU→24DMUで側方ステルス性確保のために真横方向からエンジンノズルが見えないようにしたにもかかわらず、なぜ26DMUでは(側方ステルスを謳いつつも)下側が少し見えるようになっているのか、詳しい解説が欲しいところです。
謎の機内透視図を発見、その正体は?
ところで、前述の発表スライドの別のページには謎の機体の内部透視図が2枚掲載されています。
透視図なだけあって内部の構造材まで描き込まれているのが印象的ですが、この機体の正体については発表スライド中では一切触れられていません。
せっかく26DMUの三面図があるので、この機体が26DMUかどうかを確認することにしましょう。
やり方は簡単で、この機内透視図が機体をどの方向から見たものであるかを計算によって求め、その結果を基に前掲の三面図を変形させて、機内透視図と外形を比較するだけです。
面倒な計算過程はすっ飛ばして、結果を見てみましょう。(註:画像の切り出し・変形・補助線追加・透かし加工・出典表記は管理人による)
(註:画像の切り出し・変形・補助線追加・赤線除去・透かし加工・出典表記は管理人による)
一目瞭然。
機体の外形が26DMUと一致するので、この内部透視図は26DMUのもので間違いありません。
26DMUの中身
内部透視図の正体が26DMUであることが分かったので、次は外形以外の部分に目を向けてみましょう。
将来戦闘機の兵装としてAAM以外のものが話題に上ることは少ないのですが、図5の胴体下部兵装庫の右舷側に注目すると500lbs爆弾らしきものが少なくとも2発格納されていることが分かります(1発は安定翼だけが見えている)。
空対空任務だけでなく対地・対艦任務も当然やるということなのでしょう。
また、機首に斜め上向きのレーダアンテナが、前胴の上下にIRSTが、主翼前縁にES用アンテナが確認できます。
他にも、胴体側面のSRAAM用兵装庫の前あたりにレーダアンテナ(側方受信用)らしき物体が機首レーダアンテナと同じ色で描かれていたり、胴体後部下面のエンジンのあたりに和製EODASの下方監視用IRST部らしき物体が微かに見えたりと、興味が尽きません。
23~25DMUと比べてみると面白いことが分かるかもしれません。
…というわけで、これまでよく知られていなかった26DMUについて書いてみました。
今後の展開が楽しみですね。
wispywood2344
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