オススメCPUを徹底比較_2019


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メインストリーム向けのIntel第9世代Core-SとAMD第3世代Ryzen、エンスージアスト向けのIntel第9世代Core-XとAMD第2世代Ryzen Threadripperなど、2019年最新4大プラットフォーム+アルファな25種類のCPUによる各種ベンチマーク比較を参考にして、クリエイティブタスクやPCゲーミングなどの用途と予算に合わせた最適なCPUの選び方、自作PCやBTO PCでオススメのCPUを紹介します。



目次


【CPUの基礎知識】
1.2019年現在の主なプラットフォーム(CPU&M/B)は4種類
2.3分で決まる各種用途に最適なプラットフォームの早見表
3.2019年下半期の主なCPUラインナップ一覧


【CPU性能を比較解説】
4.CPU性能は大別して3種類に分けられる
5.『基本的なPC利用の性能』はデスクトップ向けCPUならどれも十分
6.『クリエイティブタスク性能』はCPUのマルチスレッド性能に比例する
7.『PCゲーミング性能』は60FPSターゲットとハイフレームレートの違いに注意
8.ゲーム実況のリアルタイムエンコード性能は?


【予算&用途別のオススメCPU】
9.予算1万円のエントリークラスCPU
10.予算2万円の一般自作PCにオススメなCPU
11.予算4万円のゲーム実況にオススメなCPU
12.ハイフレームレートPCゲーミングにオススメなCPU
13.動画編集・3DレンダリングなどクリエイティブタスクにオススメなCPU




2019年現在の主なプラットフォーム(CPU&M/B)は4種類

2019年現在、一般コンシューマー向けに販売されているデスクトップPC用CPUは、メインストリーム向けの「Intel第8/9世代CoffeeLake(Refresh)-S」シリーズと「AMD第2/3世代Ryzen」シリーズ、エンスージアスト向けの「Intel Core-X」シリーズと「AMD Ryzen Threadripper」シリーズの4種類です。
各CPUシリーズには対応CPUソケットおよび対応チップセットがあり、CPUとチップセットの組み合わせはプラットフォームと呼ばれますが、システムメモリやCPUクーラーなどの互換性の表記において、CPUシリーズ、CPUソケット、チップセットのどれがプラットフォームを代表して記載されるかは製品やメーカーによって異なるので、円滑に自作PCパーツを選ぶためにも下のテーブルを押さえておいてください。
2019年最新の主なプラットフォームとその表記
CPU CPUソケット チップセット OC
Intel第8/9世代
CoffeeLake(Refresh)-S

Core i9 9900K, i7 8700K,
Core i5 8500など
LGA1151
(CPUクーラーはLGA115Xと互換)
Intel 300シリーズ
Z390, Z370, H370
B365, B360, H310
K付きCPUとZ390, Z370
の組み合わせのみ
Intel 第9世代Core-X
Intel Skylake(Refresh)-X

Core i9 7900X, 9900X
Core i9 9980XEなど
LGA2066
(CPUクーラーはLGA2011と互換)
Intel X299
対応
AMD第2/3世代Ryzen
Ryzen 9 3900X, 7 3800X
Ryzen 7 2700X, 5 2600X,
Ryzen 5 3400Gなど
AM4 AMD 500/400シリーズ
X570, X470, X450
(X370など300系も互換)
詳細はこちら
AMD Ryzen Threadripper
Threadripper 2950Xなど
TR4 AMD X399

CPUの選択とプラットフォームの選択は表裏一体、つまりCPUを選んだ瞬間にマザーボードが大枠で決まってしまいます。エンスージアスト向けCPUについては対応チップセットが1種類しかないので特に問題ありませんが、メインストリーム向けCPUには対応チップセットが複数存在し、チップセットによってPCIE増設カード、ストレージ、USB機器の拡張性が変わります。
この記事を読み終わってからで構わないので、マザーボード(チップセット)について解説した下の記事も目を通してみてください。
おすすめの自作PCマザーボードを徹底解説
おすすめマザーボード



3分で決まる各種用途に最適なプラットフォームの早見表

基本的にはメインストリーム向けCPUのIntel第9世代Core-SかAMD第3世代Ryzenから選ぶことになりますが、2019年下半期における4大プラットフォームについて各種用途に最適なものはどれなのか、ざっくりと早見表にまとめると下のようになります。
各種用途に最適なプラットフォームの早見表
用途 / CPU Intel AMD
Core-S Core-X Ryzen 3rd
Threadripper
最多コア数 8 18 16
16 , 32
メモリ チャンネル数 / 枚数
最大容量
2 / 4
128GB
4 / 8
256GB
2 / 4
128GB
4 / 8
256GB
マルチスレッド性能 基本的にコアスレッド数×コアクロックに比例
2019年下半期においてはAMD製CPUのほうがコスパが高い
PCゲーム FHD~4K/60FPS 〇(6コア6スレッド以上なら大差なし)
120~240FPS 〇〇
クリエイティブ 基本
マルチスレッド性能に比例
エンコード
(x265は苦手)
CPU直結PCIEレーン数
(増設機器の拡張性)
16 44 16 + 4
64

基本的にはメインストリーム向けCPUのIntel第9世代Core-SかAMD第3世代Ryzenから選ぶことになりますが、それぞれのメリットを簡単にまとめると次のようになります。
【Intel製CPUのメリット】
 ・PCゲーミングではハイフレームレートで若干高性能
 ・マイナーなアプリでも性能の最適化が期待できる
【AMD製CPUのメリット】
 ・マルチスレッド性能のコストパフォーマンスが高い
 ・メインストリーム向けで最大16コアまでラインナップされている

Intel第9世代Core-SとAMD第3世代Ryzenは同コアスレッド数のモデル同士で比較すると性能は僅差であり、また第3世代Ryzenでは第2世代以前で見られたハイフレームレートなPCゲーミングにおける明確なIntel製CPUとの壁もなくなっています。
メインストリーム向けCPU同士であえて差をつけるとすれば、Intel製CPUは長年主流だっただけあってなんだかんだでどのアプリケーションでも最適な性能を発揮できる安定感があるAMD製CPUは最多16コアまでラインナップされマルチスレッド性能のコストパフォーマンスが高い、と評価できますが最終的には予算と各自の好みで選ぶことになると思います。

なお2019年8月現在、AMDのエンスー向けCPUであるRyzen Threadripperは最新の第3世代ではなく第2世代のままなので、第3世代Ryzen Threadripperがリリースされるまでは(今のところ正式発表はありませんが)、特別に理由がなければ選ばないほうが無難です。



2019年下半期の主なCPUラインナップ一覧

上で紹介した4大プラットフォーム+αから、2019年現在新規に購入するCPUとして選択肢に挙がる製品をコアスレッド数の順に並べてまとめると次の表のようになります。
Intel製CPUとAMD製CPUでは実用コアクロックに差があるので若干誤差もあるのですが、コアスレッド数からマルチスレッド性能を単純に考えると、AMD製CPUのほうがIntel製CPUよりもコアスレッド数に対して安価なので、マルチスレッド性能のコストパフォーマンスが高いということがわかります。
CPUの選択については下の表で太字にした各社3クラスから、基本的にはメインストリーム向けCPUのIntel Core i5 9400FかAMD Ryzen 5  3600を選んでおけば間違いがありません。
PCゲーミングやクリエイティブタスクなど用途に合わせてさらに性能が必要なら、Core i7 9700K、Core i9 9900K、Ryzen 7 3700X、Ryzen 9 3900Xなど予算に応じて上位のCPUを選択していく感じです。
コアスレッド別CPUラインナップとおおよその価格
メインストリーム/
エンスージアスト
Intel AMD
2コア4スレッド Pentium Gold 5400G
Pentium Gold 5600G
8000円~
Athlon 240GE
Athlon 220GE
6000円~
4コア4スレッド Core i3 9100F
Core i3 9350KF
12000円~
Ryzen 3 3200G 13000円~
4コア8スレッド -
Ryzen 5 3400G 20000円~
6コア6スレッド Core i5 9400F
Core i5 9600K(F)
18000円
29000円
- -
6コア12スレッド Core i7 8700 37000円~ Ryzen 5 3600
Ryzen 5 3600X
26000円
32000円
8コア8スレッド Core i7 9700(F)
Core i7 9700K(F)
43000円
46000円
- -
8コア16スレッド Core i9 9900
Core i9 9900K(F)
53000円
58000円
Ryzen 7 3700X
Ryzen 7 3800X
43000円
51000円
10コア20スレッド Core i9 9900X
10万円~
- -
12コア24スレッド Core i9 9920X
13万円~
Ryzen 9 3900X
Ryzen TR 2920X
6.5万円~
14コア28スレッド Core i9 9940X
16万円~
- -
16コア32スレッド Core i9 9960X
19万円~ Ryzen 9 3950X
Ryzen TR 2950X
9.6万円~
18コア36スレッド Core i9 9980XE
22万円~ - -
24コア48スレッド - - Ryzen TR 2970WX 15万円~
28コア56スレッド Xeon W-3175X
38万円~ - -
32コア64スレッド - - Ryzen TR 2990WX 18万円~



CPU性能は大別して3種類に分けられる

CPUの性能は「コアスレッド数×コアクロック」に比例するというのが大原則ですが、ここからはもう少し細分化してCPU性能について解説していきます。

『用途別でCPUを選ぶ』時にはCPU性能を次の3つで評価すればOKです。

1.プライベート、オフィスワーク、アカデミックなど基本的なPC利用
2.動画編集や3Dレンダリングなどクリエイティブタスク
3.60FPSターゲットもしくはハイフレームレートなPCゲーミング



次の章から上の3項目について順番に概要を紹介していきますが、2019年最新CPUを一挙に比較したCPU性能データベース的な記事も公開中です。詳細なデータが気になる人は読んでみてください。
2019年最新「CPU」25種類の性能を比較 【第3世代Ryzen対応】
最新CPUの性能を徹底比較



『基本的なPC利用』におけるCPU性能はデスクトップ向けCPUならどれも十分以上

上でCPUの性能評価は3項目に大別できると紹介しましたが、まずは『基本的なPC利用』について解説していきます。

『基本的なPC利用』とざっくりまとめましたが具体的には、OS/アプリケーションの起動、ウェブブラウジング、動画(ファイル/ストリーミング)の視聴、ワープロソフト(マイクロソフトWordなど)、表計算ソフト(マイクロソフトExcelなど)など家庭、オフィスワーク、学習といったシーンのことです。

動画再生能力、DirectX11のグラフィック性能、Webブラウジング、ビデオチャットなど一般ユース(若干クリエイティブタスクやPCゲーミングも含む)におけるPCの総合的な性能を測定するためのベンチマークソフト「PCMark 10」には4つのテストグループがあるのですが、そのうち『基本的なPC利用』に該当する「Essentials」と「Productivity」の2つのテストグループについて各種CPUでベンチマークスコアを比較してみました。
PCMark 10

PCの基本性能を測る「Essentials」は、アプリケーションの起動に要する時間を測る「App Start-up」、 ウェブブラウジングの性能を測る「Web Browsing」、1対1または多対多のビデオ会議をシミュレートする「Video Conferencing」の3つのワークロードで構成されています。
モバイル版Core i7(2コア4スレッド)を搭載するSurface Pro(2017)を基準にするとわかりやすいですが、一般的なPC利用において大半のデスクトップ向けCPUはいずれも十分な性能を備えています。加えてこういった基本的なタスクにおいてはCPUのコアスレッド数やコアクロックはあまり影響しません。
CPU_bench_PCM10_2

ビジネスアプリケーション性能を測る「Productivity」は、ワープロソフト(マイクロソフトWordなど)の処理性能をシミュレートする「Writing」、表計算ソフト(マイクロソフトExcelなど)の処理性能をシミュレートする「Spreadsheets」の2つのワークロードで構成されています。
モバイル版Core i7(2コア4スレッド)を搭載するSurface Pro(2017)を基準にするとわかりやすいですが、一般的なPC利用において大半のデスクトップ向けCPUはいずれも十分な性能を備えています。加えてこういった基本的なタスクにおいてはCPUのコアスレッド数やコアクロックはあまり影響しません。
CPU_bench_PCM10_3

基本的なPC利用におけるCPU性能のまとめ

以上のように『基本的なPC利用』においてはコアスレッド数が2コア4スレッドもあればCPU性能としては十分であり、2019年現在、1万円から購入できるCPUは4コア4スレッド以上、2万円から購入できるCPUは6コア6スレッド以上なので、デスクトップ向けCPUが『基本的なPC利用』において性能が不足するということはありません。

ウェブブラウジング、オフィスアプリ、動画視聴がメインの用途であれば、Intel Core i3 9100(F)やAMD Ryzen 3 3200Gのような1万円前後で購入できる4コア4スレッドのCPUで十分です。
CPU_main



『クリエイティブタスク』におけるCPU性能は基本的にCPUのマルチスレッド性能に比例する

続いて3つに大別したCPU性能評価の2つ目、『クリエイティブタスク』におけるCPU性能について解説していきます。

ここで言うクリエイティブタスクとは、動画編集におけるエンコード作業、3Dレンダリング、RAW現像、3DゲームのビルドなどCPUのマルチスレッド性能を100%使用するタスクのことです。『CPUのマルチスレッド性能を100%使用する』と言ったように、クリエイティブタスクにおける性能は基本的にCPUのマルチスレッド性能、つまり「コアスレッド数×コアクロック」に比例します。

クリエイティブタスクにおける性能比較の例として、
・3Dレンダリング:オープンソース3DCGソフト「Blender」の公式ベンチマークソフト
・動画:エンコード:「Aviutl」のx264エンコーダによる4K動画のエンコード
・RAW現像:DxO PhotoLab(PRIMEあり、5472×3648解像度のRAW画像ファイル 100枚)
・3Dゲームビルド:「Unreal Engine 4」でデモプロジェクト「Infiltrator」を使用したビルド

以上の4種類について、各種CPUの性能比較の結果をチェックしていきます。

3DCGソフト「Blender」の公式ベンチマークソフトで測定する3Dレンダリング性能についてはレンダリング時間だけを見ても性能差が直感的にわかりにくいので、6コア6スレッドCPUのCore i5 9400Fを基準にして、各種CPUのレンダリング速度を性能比としてグラフ化しました。
CPU_3D_blender_pef

x264エンコーダによって3840×2160解像度の動画をH.264 (MPEG-4 AVC)の3840×2160解像度へエンコードした時のエンコード速度について、各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
CPU_enc_aviutl_x264_3840to3840

DxO PhotoLabによるRAW現像速度について、各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
CPU_DxO

「Unreal Engine 4 - Infiltrator」を使用した3Dゲームのビルド性能については、ビルド時間だけを見ても性能差が直感的にわかりにくいので、6コア6スレッドCPUのCore i5 9400Fを基準にして、各種CPUのビルド速度を性能比としてグラフ化しました。
CPU_3D_Unreal-Engine-4 _pef


クリエイティブタスク別のオススメCPUまとめ記事

動画のエンコードについては、動画編集ソフトウェアの種類や、エンコーダの種類(現在主流なx264と高圧縮率で今後普及が期待されるx265/HEVC)によって、CPU別で得手不得手があったりもするので、動画編集やエンコードがメインの人はこちらの記事を参考にしてください。
動画エンコードにオススメなCPUは?最新20種のCPUで徹底比較
動画編集・エンコードにオススメなCPUは?最新20種のCPUで徹底比較


クリエイティブタスクにおけるCPU性能のまとめ

以上のようにCPUリソースを100%使用するクリエイティブタスクにおいて、CPU性能は基本的にCPUのマルチスレッド性能(コアスレッド数×コアクロック)に直接比例します。
コアスレッド数が増える(クリエイティブタスクにおけるCPU性能が上がる)ほど、CPU価格も比例して高価になるので、クリエイティブタスクをメインに行うユーザーは各自の予算に合わせて可能な限りコアスレッド数の多いものを選択する形になります。

AMD製CPUの方がIntel製CPUよりもコアスレッド数に対して安価なので、マルチスレッド性能におけるコストパフォーマンスが高い傾向にあります。ソフトウェア最適化においてIntel製CPUのほうが有利との意見もありましたが、2019年最新の第3世代Ryzenでは基本的に最適化の面で後れを取ることはないと思います。

クリエイティブタスクのプライオリティが高い場合、コストパフォーマンスの観点からするとAMD第3世代RyzenではなくIntel第9世代Core-Sを選ぶ理由はあまりなく、基本的には8コア16スレッドの「AMD Ryzen 7 3700X」が一押しで、予算に余裕があるのであれば上位モデルで12コア24スレッドの「AMD Ryzen 9 3900X」を検討してみてください。
CPU_creative



『PCゲーミング』におけるCPU性能は60FPSターゲットとハイフレームレートの違いに注意

最後に3つに大別したCPU性能評価の3つ目、『PCゲーミング』におけるCPU性能について解説していきます。
PCゲーミングにおけるCPU性能は大きく2点、誤解されることが多いポイントがあります。


AMD製CPUはIntel製CPUよりもゲーミング性能が低い?

まず、『Intel製CPUに比べてAMD製CPUはPCゲーミング性能が低い』と評価されることが多いのですが、この表現には若干語弊があり、正確を期すとフルHD~4K解像度における60FPSターゲットの一般的なPCゲーミングではIntel製CPUとAMD製CPUに大差はないが、144FPS~240FPSなどのハイフレームレートなPCゲーミングではIntel製CPUの方がAMD製CPUよりも高性能であるとなります。
CPUのゲーム性能とは基本的に後者を指し、60FPSターゲットであれば6コア6スレッド以上の最新CPUにおいてCPUがボトルネックになることは基本的にありません。

さらに付け加えると、2019年下半期最新のAMD製CPUである第3世代Ryzenでは、このハイフレームレートなPCゲーミングにおけるCPUボトルネックが大幅に改善されており、最新CPUの中でCore i9 9900Kが頭一つ飛びぬけているのを除けば、『AMD第3世代Ryzen CPU各種はIntelのCore i7やCore i5とは伯仲する性能を発揮できる』ようになっています。
CPU_game_3_br240hz_codbo4
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メニーコアなエンスー向けCPUはゲーミング性能が低い?

次に『10コア以上のメニーコアなエンスージアスト向けCPUはメインストリーム向けCPUに比べてPCゲーミング性能が低い』と評価されていることがあります。これについては数年前までは概ね正しかったのですが、公式スペックにおけるCPU最大動作倍率とTDPの関係に変化があって2019年最新のCPUでは概ね当てはまりません。

Core i9 7900Xの登場(2017年中頃)以前、第6世代より前のIntelエンスー向けCPUでは多コア多スレッドゆえに全コア最大動作倍率がTDP(全コア負荷時の動作倍率)に合わせて引き下げられていたため、手動OCをしないとメインストリーム向けCPUよりもゲーム性能で大きく劣るというのが通説でした。
しかしながら2019年最新のCPUでは全コア負荷時にTDP範囲内で動作可能な動作倍率とは関係なく、全コアの最大動作倍率が設定されており、TDPの範囲内で動作できるのであれば全コアを高い動作クロックで維持できるようになっています。

ゲームタイトルにもよりますがPCゲームにおけるCPU負荷は基本的にTDP内に収まることが多く、CPUコアクロックは全コア最大動作倍率に張り付きます。フレームレートに対するCPUボトルネックの緩和においては、この全コア最大動作倍率の高さが重要になり、クリエイティブタスクと違って電力制限は支配的ではなくなります。(PCゲームではIntel製CPUのPL1、AMD製CPUのPPTは影響をほとんど及ぼさなくなる)
PC-Gaming_CPU-Power

これによってPCゲームのように全コアが稼働するものの負荷的には余裕でTDP範囲内に収まるワークロードにおいて、Core i9 9920XやCore i9 9980XEなど10コア以上のメニーコアなエンスー向けCPUであっても定格のままでメインストリーム向けCPUと同等の高いパフォーマンスを発揮できるようになっています。
CPU_High FPS_Gaming_acod
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PCゲーミングにおけるCPU性能のまとめ

Intel第7/8/9世代Core-SやAMD第2/3世代Ryzenなどここ数年で発売された4コア4スレッド以上のCPUであれば、フルHD~4K解像度の60FPSターゲットにおいてCPUボトルネックが発生するケースはほとんどありません。
ただし最新の超高画質で重いゲームの場合、ゲームプレイの裏で次のシーンのロード作業が動くとロードが遅くなったりスタッター(カクツキ)が発生することがあるので、60FPSターゲットであってもゲーミングPCに搭載するCPUとして6コア6スレッド以上を個人的に推奨しています。2019年最新CPUではIntel Core i5 9400FやAMD Ryzen 5 3600が該当します。
CPU_Gaming_60FPS



ゲーム実況のリアルタイムエンコード性能は?

Youtube LiveやTwitchなどリアルタイム配信(ライブストリーミング)サービスで、PS4/Xbox/Switch等のコンシューマーゲーム機やPCゲームのプレイ動画・ゲーム実況を快適に配信するのに必要なCPU性能については、現在、連載を続けている【快適配信】シリーズで詳細に解説しています。
一口にゲーム実況と言っても、『1.ビデオキャプチャを使用してPCは録画配信作業のみを行う』、『2.PC1台で同時にゲームプレイと録画配信を行う』の2つのケースに大別され、どちらで使用するのかで要求されるCPU性能やCPUメーカー毎の得手不得手など事情が変わってくるので注意してください。

【快適配信】シリーズの記事一覧へ
【快適配信】シリーズの記事一覧へ

ざっくりと現状だけ述べておくと、『ビデオキャプチャを使用した配信の最低水準は6コア12スレッドのCPU』、『ゲームをプレイしながら配信の最低水準は8コア16スレッドのCPU』です。





予算1万円のエントリークラスCPU

1万円程度で購入可能なエントリークラスCPUとしては「Intel Core i3 9100(F)」もしくは「AMD Ryzen 3 3200G」がオススメです。1万円程度のエントリークラスCPUとはいえ、4コア4スレッドなので20万円クラスの高性能なモバイルPCは余裕で上回る性能があり、ウェブブラウジング、動画ストリーミング視聴、オフィスアプリ、2Dイラストレーションくらいのタスクは軽々とこなせます。
「AMD Ryzen 3 3200G」は統合グラフィックス(iGPU)がIntel製CPUよりも高性能なので、グラフィックボードを使用しないなら「AMD Ryzen 3 3200G」で良いと思います。


AMD Ryzen 3 3200GやAMD Ryzen 5 3400GでホームユースのPCを組むのであれば、STXベアボーン「ASRock DeskMini A300」が非常にオススメです。
「ASRock DeskMini A300」をレビュー
ASRock DeskMini A300

「AMD Ryzen 3 3200G」は統合グラフィックスはiGPUとしては高性能とはいえ、エントリークラスのグラフィックボードとは比較にならないので、GeForce GTX 1650やRadeon RX 560などのグラフィックボードと組み合わせるのであれば、グラフィックボード用PCIEスロットがPCIE3.0x16に対応する「Intel Core i3 9100(F)」を選択するのがオススメです。





予算2万円の一般自作PCにオススメなCPU

CPUの予算が2万円程度であれば、一般的なPC利用からミドルクラスGPUと組み合わせたフルHD/60FPSのPCゲーミングに対応できる6コア6スレッドCPUの「Intel Core i5 9400F」がオススメです。2019年下半期現在のおおよその販売価格が1.8万円程度と2万円を切っており、基本的にこれを買っておけば間違いありません。
「Intel Core i5 9400F」をレビュー
Intel Core i5 9400F


2019年下半期現在のおおよその販売価格が2.6万円程となっており、Core i5 9400Fよりは割高になってしまうのですが、6コア12スレッドでクリエイティブタスクにおいて50%程度高い性能が発揮できる「AMD Ryzen 5 3600」も検討してみる価値があります。動画エンコードやゲーム配信などマルチスレッド性能が重要になる用途でも使用するのであれば「AMD Ryzen 5 3600」は非常にコストパフォーマンスの優れたCPUです。
「AMD Ryzen 5 3600」をレビュー
AMD Ryzen 5 3600




予算4万円のゲーム実況にオススメなCPU

ゲーム実況やライブタイム配信を行いたいということであれば、PCゲームをプレイしながらx264 Mediumでリアルタイムエンコードが可能なマルチスレッド性能があり、かつ4万円で購入できてコストパフォーマンスに優れる、8コア16スレッドCPUの「AMD Ryzen 7 3700X」がオススメです。
「AMD Ryzen 7 3700X」をレビュー
AMD Ryzen 7 3700X




ハイフレームレートPCゲーミングにオススメなCPU

GeForce RTX 2080 SUPERやRadeon VIIのようなハイエンドGPUと組み合わせ、144FPS~240FPSのハイフレームレートで最新PCゲームや近年流行りのバトルロイヤル系PCゲームをプレイするのであれば、「Core i7 9700K」や「Core i7 9700F」などIntel第9世代Core-Sの8コア8スレッドモデルがオススメです。
「Intel Core i7 9700K」をレビュー
Intel Core i7 9700K



バトルロイヤル系PCゲームなどハイフレームレートが有利になるオンライン対戦PCゲームにおいて、現状最速のCPUが欲しい、ということであれば「Core i9 9900K」や「Core i9 9900KF」を検討してみてください。2019年下半期の最新CPUの中でも、この分野においては頭一つ飛びぬけた最速のCPUになっています。
「Intel Core i9 9900K」をレビュー
Intel Core i9 9900K




動画編集・3DレンダリングなどクリエイティブタスクにオススメなCPU

動画編集や3DレンダリングなどCPUのマルチスレッド性能が物を言う用途がメインになる人には、メインストリーム向けCPUながら世界初となる12コア24スレッド「Ryzen 9 3900X」や16コア32スレッド「Ryzen 9 3950X」がオススメです。「Ryzen 9 3900X」はクリエイティブタスクにおいて同価格帯のCore i9 9900Kを40~50%も上回る性能を発揮します。
また同コアスレッド数のIntel第9世代Core-Xをワットパフォーマンスで大きく上回るので、自作PCにあまり詳しくない人でもCPUの冷却面で簡単に運用できるところも魅力です。
「AMD Ryzen 9 3900X」をレビュー。9900Kや9920Xと徹底比較
AMD Ryzen 9 3900X



12コア24スレッドのRyzen 9 3900XなどAMD第3世代Ryzenの同コアスレッド数モデルと比較して価格が非常に高いため、”予算が許すのであれば”という条件付きになりますが、クリエイティブタスク向いたCPUにはIntelのエンスー向け製品である第9世代Core-Xシリーズもあります。
Intel Core-X
ワットパフォーマンスが悪く定格電力制限下では第3世代Ryzenに及ばないため、Intel第9世代Core-Xで十分な性能を発揮するにはユーザーによる手動OCが必要になり(設定自体はそれほど難しくはない)、運用面においても若干ハードルが高いですが、CPU直結PCIEレーンの多さやメモリ帯域の高速さなど替えの効かない要素もあります。この分野ではコスパ度外視なユーザーも多いと思うので検討してみる価値はあると思います。
AMD Ryzne 9 3900X_vs_Intel Core i9 9920X-OC

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Intel Core i9 9980XE





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