Intel SSD 660p 1TB


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IM Flash Technologies製QLC型64層3D NANDメモリチップの採用によってTLC型NAND採用SSDから容量単価の半減を実現し、現行最新のSATA3.0 SSD並みの容量単価で3倍高速なアクセススピードとなった新型NVMe M.2 SSD「Intel SSD 660p」シリーズから、容量1TBモデル「Intel SSD 660p 1TB(型番:SSDPEKNW010T8X1)」を購入したのでレビューしていきます。
Intel SSD 660p 1TB review_02775_DxO

製品公式ページ:https://www.intel.com/content/www/us/en/products/memory-storage/solid-state-drives/consumer-ssds/660p-series.html
Intel 660p NVMe M.2 SSD (3)



Intel SSD 660p 1TB レビュー目次


1.Intel SSD 660pについて
2.Intel SSD 660p 1TBの外観
3.Intel SSD 660p 1TBの検証機材と基本仕様
4.Intel SSD 660p 1TBのベンチマーク比較
5.Intel SSD 660p 1TBの連続書き込みについて
6.Intel SSD 660p 1TBの温度とサーマルスロットリングについて
7.Intel SSD 660p 1TBの実用性能比較
8.Intel SSD 660p 1TBのレビューまとめ



Intel SSD 660pについて

「Intel SSD 660p」シリーズはメモリチップにIntelとMicronの合弁会社であるIM Flash Technologies製のQLC型64層3D NAND、メモリコントローラーにSIlicon Motion製SMI 2263 controllerが採用された、M2 2280フォームファクタでNVMe(PCIE3.0x4)接続のM.2 SSDです。容量は512GB/1TB/2TBの3モデルがラインナップされ、全体容量のうち10%はSLCキャッシュ領域となっています。最大2TBまでいずれも片面実装のM.2 SSDです。
Intel 660p NVMe M.2 SSD (1)Intel 660p NVMe M.2 SSD (2)
「Intel SSD 660p」シリーズのアクセススピードは容量によって若干異なりますが、最大でシーケンシャル読出1800MB/s、シーケンシャル書込1800MB/s、ランダム読出220,000 IOPS、ランダム書込220,000 IOPSの高速アクセスを実現しています。
「Intel SSD 660p」シリーズのMTBFは160万時間、書込耐性は512GBが100TBW、1TBが200TBW、2TBが400TBWとなっており、メーカーによる製品保証期間は5年間です。

Intel SSD 660p スペック一覧
容量 512GB
型番:SSDPEKNW512G8XT
1TB
型番:SSDPEKNW010T8X1
2TB
型番:SSDPEKNW020T8X1
メモリー IM(Intel&Micron) Flash Technologies製 QLC型64層3D NAND
メモリコントローラー SIlicon Motion製SMI 2263 controller
連続読出 1500MB/s 1800MB/s
連続書込 1000MB/s 1800MB/s
4Kランダム読出 90,000 IOPS 150,000 IOPS 220,000 IOPS
4Kランダム書込 220,000 IOPS
消費電力 40mW(アイドル) / 100mW(アクティブ)
動作温度範囲 0°C~70°C
MTBF 160万時間
耐久性評価 100TBW 200TBW 400TBW
保証期間 メーカー5年

「Intel SSD 660p」は1つのメモリセルに4bit記録を行うQLC型NANDを採用した製品となっています。Intel製QLC型64層3D NAND採用「Intel SSD 660p」とIntel製64層TLC型3D NAND採用「Intel SSD 760p」の1TBモデルについて各スペックを比較してみました。
マルチビットセル化が進行するほど、書き換え可能回数や耐久性評価が下がりますが、1セル当たりのデータ格納が3bit(8値)から4bit(16値)で増え、単純計算では単位面積当たりの記憶容量は33%増加しています。
製品価格についてはTLCタイプ64層3D NAND採用のIntel 760pと比較して容量単価が半減しているところは非常に魅力的です。ただし660pは連続書き込みを除いてアクセススピードが760pより低くなっており、また逆に消費電力が上がっているところは少し気になります。
Intel製QLC/TLC型SSD比較(1TB)
製品 Intel SSD 660p 1TB
Intel SSD 760p 1TB
メモリ QLCタイプ64層3D NAND TLCタイプ64層3D NAND
メモリ SIlicon Motion製SMI 2263 SIlicon Motion製SMI 2262
連続読出 1800MB/s 3230MB/s
連続書込 1800MB/s 1625MB/s
4Kランダム読出 220,000 IOPS 340,000 IOPS
4Kランダム書込 220,000 IOPS 275,000 IOPS
消費電力 40mW(アイドル) /
 100mW(アクティブ)
25mW(アイドル) /
50mW(アクティブ)
MTBF 160万時間
耐久性評価 200TBW 576 TBW
価格 199ドル 399ドル



Intel SSD 660p 1TBの外観

まず最初にIntel SSD 660p 1TBの外観や付属品について簡単にチェックしておきます。
紙製のパッケージを開くとSSD本体はプラスチックのスペーサーに収められていました。
Intel SSD 660p 1TB review_02777_DxO

Intel SSD 660pシリーズのM.2 SSD本体のデザインについては普通にM.2 2280フォームファクタのM.2 SSDです。PCB基板は緑色になっています。Intel SSD 660pシリーズの表面には右端にメモリコントローラー、その左下にDRAMキャッシュ、さらに左側に512GBと1TBの2モデルには2枚、2TBモデルには4枚のメモリチップが実装されています。
Intel SSD 660p 1TB review_02779_DxO
メモリコントローラーには放熱補助のため薄い銅製プレートが貼られていました。
Intel SSD 660p 1TB review_02784_DxO
最大容量の2TBモデルを含めて「Intel SSD 660p」シリーズはいずれも裏面にメモリチップや素子の実装がない片面実装のM.2 SSDになっています。
Intel SSD 660p 1TB review_02781_DxO


Intel SSD 660p 1TBの検証機材と基本仕様

Intel SSD 660p 1TBの各種検証を行う環境としては、ASRock Z270 SuperCarrierなどで構成されているベンチ機を使用しました。構成の詳細は下記テーブルの通りです。
テストベンチ機の構成
CPU Intel Core i7 7700K
殻割り&クマメタル化(レビュー
Core:5.0GHz, Cache:4.8GHz
CPUクーラー Intel TS15A
メインメモリ Corsair Dominator Platinum
Special Edition
DDR4 8GB*4=32GB (レビュー
3200MHz, 14-16-16-36-CR2
マザーボード
ASRock Z270 SuperCarrier
レビュー
ビデオカード 【基礎性能検証用】
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC
レビュー

【PCゲームロード時間検証用】
EVGA GTX 1080 Ti SC2 iCX
レビュー
システムストレージ
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB
MZ-N6E1T0B/IT (レビュー
OS Windows10 Home 64bit
電源ユニット Corsair HX1200i (レビュー
ベンチ板 STREACOM BC1 (レビュー

ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製3bit-MLC型64層V-NANDのメモリチップを採用するメインストリーム向け最新SATA接続M.2 SSD「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」を使用しています。「Samsung SSD 860 EVO M.2」は2.5インチSATA SSDと同等のパフォーマンスをケーブルレスで発揮できる手軽さが魅力です。Samsung SSD 860 EVOシリーズの容量1TB以上のモデルは大容量データの連続書き込みにおける書き込み速度の低下というTLC型SSDの欠点も解消されているので、大容量ファイルをまとめて入れても余裕のあるメインストレージとしてお勧めのSSDです。
「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」をレビュー
Samsung 860 EVO M.2 1TB

SSD Test bench

「Intel SSD 660p 1TB」のボリュームをWindows10上で作成したところ空きスペースは953GBでした。
Intel SSD 660p 1TB_CDI



Intel SSD 660p 1TBのベンチマーク比較

「Intel SSD 660p 1TB」の性能を測るためストレージに関する基本的なベンチマークソフトを使用して測定を行います。比較対象として同じくNVMe M.2 SSDの「Samsung 970 EVO 1TB(レビュー)」と「WD Black 3D NVMe SSD 1TB(レビュー)」と「Intel SSD 760p 512GB(レビュー)」、およびSATA SSDの「SanDisk SSD Ultra 3D 2TB(レビュー)」でも同様の測定を行いました。

まずはCrystalDiskMark6.0.0(QD32, 8GiB)のベンチマーク結果です。「Intel SSD 660p 1TB」やその他の比較対象ストレージでは次のようになっています。
「Intel SSD 660p 1TB」のシーケンシャル性能について読み出し速度と書き込み速度ともに仕様値通り1800MB/s前後に達しています。18年最新の64層3D NANDを採用したNVMe M.2 SSDでは3GB/sに達する製品もあるのでそれらと比較すると若干低めではあるものの、SATA3.0 SSDの3倍以上のスピードなので十分に高速です。
Intel SSD 660p 1TB_CDM
Samsung 970 EVO 1TB_CDMWD Black 3D NVMe SSD 1TB_CDM
Intel SSD 760p 512GB_CDMSanDisk 3D SSD 2TB_CDM


ATTO Disk Benchmark(512B-64MB, 256MB, QD4)の結果は次のようになっています。「Intel SSD 660p 1TB」やその他の比較対象ストレージでは次のようになっています。
ATTO Disk Benchmarkはブロックサイズ別のランダム性能を主にチェックするベンチマークなので4KB~1MBを抜粋してリード/ライト性能をグラフにして比較しました。
Intel SSD 660p 1TB_ATTO_read
Intel SSD 660p 1TB_ATTO_write
Intel SSD 660p 1TB_ATTOSamsung 970 EVO 1TB_ATTOWD Black 3D NVMe SSD 1TB_ATTOIntel SSD 760p 512GB_ATTO


AS SSD Benchmark(5GB)の結果は次のようになっています。「Intel SSD 660p 1TB」やその他の比較対象ストレージでは次のようになっています。
Intel SSD 660p 1TB_AS
Samsung 970 EVO 1TB_AS
WD Black 3D NVMe SSD 1TB_AS
Intel SSD 760p 512GB_AS
SanDisk 3D SSD 2TB_AS


PCMark8 ストレージテストのベンチマーク結果は次のようになっています。「Intel SSD 660p 1TB」やその他の比較対象ストレージでは次のようになっています。
Intel SSD 660p 1TB_PCM8
Samsung 970 EVO 1TB_PCM8
WD Black 3D NVMe SSD 1TB_PCM8
Intel SSD 760p 512GB_PCM8
SanDisk 3D SSD 2TB_PCM8



Intel SSD 660p 1TBの連続書き込みについて

「Intel SSD 660p 1TB」に連続書き込みを行った場合の動作についてチェックします。
TLC NANDやQLC NANDと呼ばれる3bit以上のマルチセルを構築しているNANDを採用するSSDでは書き込み速度の底上げのため、NANDメモリの一部を高速なSLCキャッシュ化する機能を採用しているので、キャッシュ容量を超える大容量の書き込みが発生した場合、書き込み速度が階段的にガクッと下がる仕様になっています。例えば600MB/sが理論的な上限速度となるSATA SSDの場合は、動画ファイルなど数十GB以上の単一ファイルの連続書き込みが発生すると、CrystalDiskMarkなどベンチマークソフトで表示される500MB/s程度の連続書き込み速度を維持できず100~200MB/sまで書き込み速度が低下します。

2.5インチSATA SSDの「Samsung 860 PRO 2TB(レビュー)」やNVMe M.2 SSDの「Samsung 970 PRO 1TB(レビュー)」はMLC型なのでHD Tune Proを使用して100GB以上の大容量な連続書き込みを行っても書き込み速度が下がることはなく、いずれも理想的な書き込み速度を維持しています。
Samsung 970 PRO 1TB_HDT

一方でSATA SSDの「PNY CS1311 960GB」はSLCキャッシュによる書き込み速度の底上げを行っている典型的なTLC型SSDとなっており、書き込み開始直後は500MB/sの書き込み速度をマークしているものの、全容量960GBに対して1.5%程度の13~15GBを書き込んだ後は300~350MB/sまで書き込み速度が低下します。
PNY SSD 960GB_HDTP
なお「Samsung SSD 860 EVO(レビュー)」「WD Blue 3D NAND SATA SSD(レビュー)」「SanDisk SSD Ultra 3D(レビュー)」など、64層3D NANDを採用している18年最新のTLC型SATA SSDで、かつ容量が1TB以上の大容量モデルでは書き込み速度の低下は解消されています。(SATA3.0規格の速度上限が先にくるので)
SanDisk 3D SSD 2TB_HDTP
TLC型の書き込み速度の低下はNVMe SSDでも発生することがあり「Samsung 970 EVO 1TB(レビュー)」は3bit-MLC NAND(TLC NAND)の一部を高速なSLC NANDとして用いて書き込み時にそこを優先的に使用する高速化技術「Intelligent TurboWrite」が使用されているので、SLCキャッシュ容量を超える書き込みが発生すると書き込み速度が低下します。
Samsung 970 EVO 1TB_HDT

IM Flash Technologies製QLC型64層3D NANDをメモリチップに採用する「Intel SSD 660p 1TB」はどのような挙動を見せるのか確認してみたところ、書き込み開始から書き込み総量が120GBを超えるあたりまでは仕様値通り1600MB/s程度の書き込みスピードを維持していますが、書き込み総量がSLCキャッシュを超過すると書き込み速度は100MB/s前後まで大幅に低下しました。
4bitのマルチビットセルであるQLC NANDを採用した一般向けSSDはIntel SSD 660pが初の製品なので、サンプルが少なく断言はできませんが、マルチビットセル化が進むほど書き込み速度の低下が大きくなるように思えます。
Intel SSD 660p 1TB_HDT
Intel SSD 660pについては総容量のうち10%がSLCキャッシュ化されていると仕様上は公表されており、1TBモデルの場合は検証結果でも出ているように、SLCキャッシュになっている100GB(実効120GB)は高速な書き込みが可能でした。
SLCキャッシュ超過後の書き込み速度は100MB/s程度とかなりエグい速度低下を起こしていますが、1TBモデルなら100GB(実効120GB)、2TBモデルなら200GB(実効240GB)のSLCキャッシュが備わっているので、一般的な用途ではSLCキャッシュを超過するような場面に出くわすことはないと思います。ただし最も容量の小さい512GBはSLCキャッシュが50GB(実効60GB)となるので一般ユースでも超過する可能性がありそうです。SLCキャッシュ容量から考えてIntel SSD 660pを購入するのであれば1TBモデルか2TBモデルをおすすめします。



Intel SSD 660p 1TBの温度とサーマルスロットリングについて

NVMe M.2 SSDでは重要になる項目として「Intel SSD 660p 1TB」の温度とサーマルスロットリングについてチェックしていきます。
アクセススピードが数GB/sに及ぶ高速NVMe接続に対応したM.2 SSDでは、そのコンパクトさゆえに放熱性能には表面積的な限界があり、連続したアクセスが発生するとメモリチップやメモリコントローラーが高温になって速度制限がかかるサーマルスロットリングが発生する可能性があることが知られているので、「Intel SSD 660p 1TB」について、連続した高速アクセス発生時の温度やサーマルスロットリング発生の有無をモニタリングソフトとサーモグラフィーを使用して検証します。

Intel SSD 660p 1TBのSSD温度の測定やサーマルスロットリング発生の有無の確認については、ヒートシンクがないPCIE-M.2アダプタ拡張ボードにSSDを装着して検証を行います、
Intel SSD 660p 1TB review_02791
測定時の検証負荷としては上で行ったベンチマーク測定同様にCrystalDiskMark6.0.0(QD32, 8GiB)を使用して間を置かず複数回ベンチマークをループさせ、その間のSSD温度や読み出し・書き込み速度のモニタリング値をHWinfoを使用してログを取得します。
Samsung 960 PRO 512GB_temp test

Intel SSD 660p 1TBの検証結果を確認する前に、NVMe M.2 SSDとしてはおそらく18年現在でもいまだにNVMe M.2 SSDとしては最高クラスの性能を誇り、認知度が高く普及している「Samsung 960 PRO 1TB」を比較参考のサンプルとして上記の負荷テストを実行した結果を確認しておきます。
Samsung 960 PRO 1TBで負荷テストを実行した場合のSSD温度とアクセススピードの推移は下のようになっています。Samsung 960 PRO 1TBにはメモリチップとメモリコントローラーの2か所に温度センサーが実装されています。ベンチ2周目でメモコン温度は最大温度の98度、メモリ温度も最大温度に近い60度超をマークします。この状態で複数回ベンチマークを実行しても速度低下は発生せずサーマルスロットリングは発生しません。
Samsung 960 PRO_1TB_temp
サーモグラフィーによって負荷テスト終盤におけるSamsung 960 PRO 1TBのM.2 SSD上の温度を確認してみると、ソフトウェアモニタリング同様に右端に配置されたメモリコントローラーは91度、左半分に配置されたメモリチップは60~70度となっています。
Samsugn 960 PRO _1TB_FLIR


さて本題のIntel SSD 660p 1TBの温度やサーマルスロットリングの有無についてチェックしていきます。
まずソフトウェアモニタリングによるIntel SSD 660p 1TBのSSD温度とアクセススピードの推移は下のようになっています。Intel SSD 660p 1TBに関してはソフトウェアモニタリングが可能な温度はメモリコントローラーとメモリチップの中間あたりのようです。ソフトウェアモニタリング上の温度は最大でも65度程度に収まっており、ベンチマークを複数回繰り返してもサーマルスロットリングによる速度低下は全く確認できません。
Intel SSD 660p 1TB_temp
負荷テスト終盤におけるIntel SSD 660p 1TBのサーモグラフィーは下のようになっています。「Intel SSD 660p 1TB」の右端にあるメモリコントローラー温度は80度後半で、左下のDRAMキャッシュが70度、メモリチップも50~40度前後でした。メモリコントローラーやそれに近いDRAMキャッシュは高温ですが、メモリチップは18年最新のNVMe M.2 SSDの温度としてはやや低温な部類です。
Intel SSD 660p 1TB_FLIR
仕様値ではIntel SSD 660p 1TBの方が消費電力が大きかったのでSSD温度には若干不安があったのですが、実際に測定してみたところ、Intel 760p 512GBのサーモグラフィと比較するとわかりやすいですが、Intel SSD 660p 1TBは連続アクセススピードが控えめなこともあって、全体的に低温で動作していました。
Intel SSD 760p_FLIR


今回の負荷テストではサーマルスロットリングによる速度低下は確認できず、3GB/sを超えるようなNVMe M.2 SSDと比較すると全体的に低温でしたが、それでもIntel SSD 660p 1TBのメモリコントローラーは90度に達しているので、長期運用における温度原因の故障リスクを最小限にするため、可能であれば、M.2 SSDヒートシンクやヒートシンク付きPCIE拡張ボードの利用をおすすめします。
「AquaComputer kryoM.2 evo/micro」をレビュー
「SilverStone SST-TP02-M2」をレビュー

「kryoM.2 evo」と「kryoM.2 micro」をレビュー SilverStone SST-TP02-M2



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Intel SSD 660p 1TBの実用性能比較

続いて「Intel SSD 660p 1TB」で大容量・多数データのコピーやPCゲームのロード時間など実際の使用について性能比較をしてみました。比較対象として同じくNVMe M.2 SSDの「Samsung 960 EVO 1TB(レビュー)」と「WD Black 3D NVMe SSD 1TB(レビュー)」と「Intel SSD 760p 512GB(レビュー)」、およびSATA SSDの「SanDisk SSD Ultra 3D 2TB(レビュー)」と「PNY CS1311 960GB」でも同様の測定を行いました。

まずはファイルのコピーに関する実性能比較となります。検証に使用するデータとしては次のような80GBで多数のファイルが入ったゲームのフォルダ(The Witcher 3とRise of the tomb Raiderなどのゲームフォルダ)と50GBの動画ファイルの2種類を使用しています。
Copy File
データのコピーにおいては当然ですが、元データのあるストレージの読み出し性能とコピー先の書き込み性能の両方が重要になります。測定においては書き込み先/読み出し元の対象となるストレージが必要になるため、各ストレージのコピー相手にはM.2-PCIE変換アダプタ「Aquacomputer kryoM.2」に設置したSamsung SSD 970 PRO 1TBを使用しています。
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「Samsung SSD 970 PRO 1TB」をレビュー
Samsung SSD 970 PRO 1TB

なお下で掲載している検証結果の比較グラフにおいて*の添え字が付いているものは、コピー相手にSamsung 960 PRO 512GBを使用しています。SATA3.0 SSDが検証ストレージの場合は、コピー相手がSamsung 960 PRO 512GBとSamsung SSD 970 PRO 1TBのどちらであっても動画ファイルおよびゲームフォルダのコピー速度に大きな差はありません。

コピーテストにおいて検証ストレージがコピー相手の「Samsung SSD 970 PRO 1TB」と同じくNVMe SSDの場合は、ASRock Z270 SuperCarrierの1段目PCI-Eスロットにグラフィックボード、3段目PCI-Eスロットにコピー相手「Samsung SSD 970 PRO 1TB」、5段目PCI-Eスロットに検証ストレージを装着しています。
Copy_NVMe-NVMe
Z270プラットフォームではCPU-チップセット間のDIMM3.0の帯域がボトルネックになって複数のNVMe SSDへ同時にアクセスが発生するとトータルのアクセススピードが4GB/s程度に制限される場合がありますが、ASRock Z270 SuperCarrierではPLXスイッチチップを介するものの、各NVMeストレージはCPU直結PCI-Eレーンに接続されているので、この問題は発生しません。
Copy_NVMe-NVMe


「Intel SSD 660p 1TB」など各種検証ストレージとSamsung SSD 970 PRO 1TBとの間で50GBの動画ファイルおよび80GBのゲームフォルダをコピーした時間の比較結果は次のようになりました。
まずは50GBの動画ファイルのコピーについてですが、動画ファイルは単一の大容量ファイルなので実際のコピーではベンチマークのシーケンシャルリード・ライト性能が重要になってきます。
Intel SSD 660p 1TBは動画ファイルのコピー読み出しにおいては、同じく18年最新のTLC型NVMe M.2 SSDである「Samsung SSD 970 EVO」「WD Black 3D NVMe SSD 1TB」「Intel SSD 760p 512GB」などと比較すると、ベンチマークのシーケンシャル性能同様に2倍弱の所要時間となっています。とはいえSATA3.0接続のSSDと比較すると2倍以上高速な読み出し速度を実現しており、読み出し速度は1200MB/s程度となっています。
Intel SSD 660p 1TB_copy_movie_read
動画ファイルのコピー書き込みについてチェックしてみると、「Intel SSD 660p 1TB」のコピー書き込み時間は35秒ほどとなりました。「Intel SSD 660p 1TB」はSLCキャッシュが十分に大きいので、TLC型の「Intel SSD 760p 512GB」よりも2倍以上高速なコピー時間になっています。
Intel SSD 660p 1TB_copy_movie_write

続いてゲームフォルダのコピーについてですが、ゲームフォルダは大小様々なファイルを含むので、実際のコピーではベンチマークの連続性能だけでなく、ランダム性能も重要になってきます。
Intel SSD 660p 1TBはゲームフォルダのコピー読み出しにおいて、若干ランダム性能が効いてくるワークロードではありますが、動画ファイルのコピー読み出しに比べると、TLC型NVMe M.2 SSDとの差はかなり小さくなっています。やはりSATA3.0 SSDよりも2倍以上の高速な読み出し速度です。
Intel SSD 660p 1TB_copy_game_read
Intel SSD 660p 1TBのゲームフォルダのコピー書き込み速度についてみてみると、100GBの大容量なSLCキャッシュによる高速書き込みが効いてくるので、「Intel SSD 760p 512GB」よりも2倍近く高速かつ、「Samsung SSD 970 EVO」や「WD Black 3D NVMe SSD 1TB」並みのコピー書き込み速度を実現しています。
Intel SSD 660p 1TB_copy_game_write


続いて実際にPCゲームのロード時間も比較してみました。
The Witcher 3ではグラフィック設定をフルHD解像度・最高設定としてノヴィグラドの広場からトゥサンのコルヴォ・ビアンコブドウ園までのファストトラベル時のロード時間を比較しています。


Rise of the Tomb RaiderではフルHD解像度においてグラフィック設定をDirectX12で個別に最高設定として製鋼所の空き地までのファストトラベル時のロード時間を比較しています。


Final Fantasy XV PC版では4K以上の超高解像度向けに無料配布されている「FFXV WINDOWS EDITION 4K Resolution Pack」を使用して4K解像度・最高グラフィック設定で、『スタートメニューのロード画面からハンマーヘッドまで(FF15_1)』についてロード時間を比較しています。


以上の条件で「Intel SSD 660p 1TB」など各ストレージについてゲームのロード時間比較を行った結果は次のようになりました。
ロード時間を測定して比較してみたところThe Witcher 3とRise of the Tomb Raiderではコンマ秒で差がある可能性はあるものの「Intel SSD 660p 1TB」含めて各SSDでは大きな差は確認できませんでした。
一方、Final Fantasy XV PC版ではNVMe(PCIE3.0x4)SSDの「Intel SSD 660p 1TB」とSATA3.0 SSDとの間に若干ではありますが、ロード時間に差が確認できました。今後PCゲームが高解像度・高画質化してテクスチャなどのゲームデータが大きくなっていけば、NVMe SSDがSATA SSDよりもゲームのロード時間で明確に優位に立つかもしれません
Intel SSD 660p 1TB_ATTO_game



Intel SSD 660p 1TBのレビューまとめ

最後にIM Flash Technologies製QLC型64層3D NANDメモリチップを採用するNVMe M.2 SSD「Intel SSD 660p 1TB(SSDPEKNW010T8X1)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • SATA3.0を3倍以上も上回る連続リード・ライト1800MB/s
  • QLC型NAND採用によって、現在普及しているTLC型NVMe M.2 SSDの半分の容量単価
  • SATA SSD並みの容量単価でSATA SSDより3倍高速
  • NVMe M.2 SSDとしては連続性能が低めなので温度も比較的低め
  • メーカー正規保証期間が5年間
悪いところor注意点
  • QLC型なので大容量の連続書き込みでは速度低下が発生する
    1TBモデルのキャッシュ外書き込み速度は100MB/s
  • SLCキャッシュは総容量の10%なので1TBモデルか2TBモデルを推奨
  • QLC型なので書き込み耐性(TBW)はTLC型の半分以下 (MTBFは同程度)

「Intel SSD 660p 1TB」を検証してみたところ、同製品はQLC型NANDを採用するNVMe M.2 SSDとなっており、仕様値通りシーケンシャル性能は18年最新のTLC型NVMe M.2 SSDに劣りますが、実アプリケーション性能を測定するベンチマークのPCMark 8 ストレージテストではSamsung SSD 970 EVOやWD Black 3D NVMe SSDやIntel SSD 760pと同等のパフォーマンスを発揮しました。
実際のファイルコピーテストにおいては容量単価の近い最新のSATA3.0 SSDを2倍以上も上回るコピー速度を実現しており、コストパフォーマンスの高い高速NVMe M.2 SSDとしてIntel SSD 660pシリーズは非常に魅力的な製品です。

Intel SSD 660p 1TBには4bitマルチセルのQLCタイプのIM Flash Technologies製64層3D NANDが採用されていますが、3bitマルチセルのTLC型SSDと同様の特徴が大容量書き込み時にでており、今回検証した1TBモデルでは120GB程度のSLCキャッシュを超える書き込みアクセスでは理想値1800MB/sから100MB/sまで書き込み速度が大幅に急落しました。
Intel SSD 660pのSLCキャッシュ容量は総容量の10%なので512GBでは50GB(実効60GB)、1TBでは100GB(実効120GB)、2TBでは200GB(実効240GB)となるため、一般ユースで超過することがないであろうSLCキャッシュを備えた1TBモデルか2TBモデルが管理人的にはおすすめです。

QLC NANDの弱点として仕様上の書き込み耐性の低さが気になるところですが、実際にTLC型に比べて書き込み不可の故障発生が早いのかどうかは経過観察を要すると思います。Intel SSD 660pの1TB/2TBモデルは100GB/200GBの大容量なSLCキャッシュを搭載しているので大容量データの書き込みが現行のTLC型SSDと比較して地味に強いので、実際の書き込み耐性がどの程度確保されているのかは気になるところです。

「Intel SSD 660p」は一般向けSSDとしては世界初のQLC NANDメモリを採用した製品で、現行最新のSATA3.0 SSD並みの容量単価で3倍高速なアクセススピードを実現しており、マルチビットセルゆえの書き込み耐性の低さやSLCキャッシュ超過時の書き込み速度の急落は少々気になるものの、後者は1TBや2TBの大容量モデルならほぼ無視できるので、低容量単価かつ高アクセススピードを活かせるPCゲームのインストール用ストレージとして非常に魅力的なSSDだと思います。

以上、「Intel SSD 660p 1TB」のレビューでした。
Intel SSD 660p 1TB





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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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