魔女の電子便 

週末のきもの・ガーデニング

本棚

しあわせなモミの木

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クリスマスに必ず手に取りたくなる童話絵本。しあわせなモミの木。枯れそうなモミの木を大切に育てるおじいさん、クロケットさんに素敵なクリスマスが訪れるお話。
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堅実に生活すること、ささやかなことに喜びを感じること、自然と共に生きることの素晴らしさ、そんなことを考えさせてくれる温かいお話が、美しいイラストで一層引き立ちます。
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昨夜のディナーの蕪蒸しもツリー風。
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丁寧なお料理をいただくことができました。
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職場の執務室のドアに掛けたリース。この後お正月用にアレンジしましょうか。
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暖かなクリスマス。

ジャックとモミの木

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弟宅のジャックラッセルテリア、クルトンが夜半に無事出産。
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早朝に連絡を受け、出勤前に対面してきました。
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御近所にお住まいのS先生が往診してくださり(なんと有り難い)、どの子も元気なことが確認されました。
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残っていた胎盤も取り除いてくださいました。
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母親の顔?
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クリスマスになると必ず取り出す「しあわせなモミの木」。今年も本棚から引っ張り出してきました。ジャックとモミの木っていうタイトルにしたかったので無理矢理。。。後日改めて紹介します。

絵本 庭をつくろう

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砕石の駐車場を庭にしようと手掛けたのが3年前の春。
ツルハシで石を掘り出し、新しい土を入れ、肥料をすき込んで花壇を作ることから始まりました。
庭づくりや植物に関する本を何冊も買い求め、ネットでも情報収集に余念がありませんでした。
毎週末には園芸店をはしごすることも。
「庭をつくろう」ゲルダ・ミューラー作 ふしみみさお訳 あすなろ書房
小さなガーデナー、バンジャマンが家族とともに庭を作っていくお話。
四季折々の自然の中で庭づくりをする楽しさを子どもたちに伝えたくなります。
庭づくりを始めて思わぬ収穫だったことは、庭を通して多くの方と関われたことです。これにはネットの力も大きいですね。
バンジャマンにも庭づくりから生まれたつながりがあります。隣に住む、足が不自由な男の子ルイは、ベランダで花を育てており、自然との触れ合いを通して、バンジャマンと交流を深めていきます。野菜を育てるバンジャマンの妹キャロリーヌもバンジャマンのいい相棒です。リザおばさんもバンジャマンたちの庭づくりの応援をしてくれます。
植物の生長を目の当たりにし、自然の豊かさを味わいながら、自分の庭が形になっていくのは大きな喜びです。とともに、様々な方とのつながりができたのは何よりの財産です。この絵本をめくりながら、庭づくりの楽しさを改めて実感しました。

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北側の花壇でパビヨンドゥプレーニがひっそりと咲いていました。

ターシャ・テューダーの世界展

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10年くらい前でしょうか、愛らしいコーギーが登場する「コーギビルの村まつり」という絵本を購入したのは。当時はこの絵本の作者にはさほど関心を持ちませんでした。
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その後、ターシャ・テューダーという、花に囲まれ、自然の中で生活を送った女性がいたことを知りました。その女性が「コーギビルの村まつり」の作者であることにも気付きましたが、この頃はまだガーデニングに取り組む前でしたので、ターシャについては相変わらず興味はなく。。。
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今日から磐田市香りの博物館で「ターシャ・テューダーの世界展」が始まりました。
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絵本作家としてのターシャとガーデナーとしてターシャ。単純にこんな晩年を送りたいという感想だけではない、うまく言えませんが、何か自分の中に一つの芯となるものをいただいた気がします。

ハピネス ルピナス

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このところの寒気で、我が家の花壇も元気を無くしたものが多いようですが、ポットに植えたルピナスは、順調に育っています。

さて、バーバラ・クーニーの 「ルピナスさん」は私が最も好きな絵本です。ここに登場するおばあさんは、子どものころ、世の中を美しくするようにとおじいさんと約束しました。それを果たすため、街に種を蒔きます。
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http://www.amazon.co.jp/ルピナスさん―小さなおばあさんのお話-バーバラ-クーニー/dp/4593502098">
iPadからだとアマゾンのリンクがうまく貼れません。。。livedoorさん何とかして。。。

この絵本については様々な方が語っており、私は陳腐な解説しかできませんので、詳しい紹介はいたしませんが、一言で申しますと、勇気をもらった本です。
ルピナスの花言葉の一つに「いつも幸せ」というのがあります。来春我が家の庭にも幸せがやってきますように。
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玄関ポーチの寄せ植え リースの余った材料で。

蒸栗色

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着物と日本の色
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今年初めて締めた綴の帯を何色と表現したらよいのか気になっていたので、「着物と日本の色」を開いてみました。
着物と日本の色
一番近いのは「蒸栗色 むしくりいろ」でしょうか。日本の伝統色のネーミングにはつくづく感心します。確かにモンブランの上に載っているクリームの色に似ています。温かみがあるようで、クールな印象も持ち合わせていて、それがこの帯の品格につながっているようです。

来る、きっと来る!来ました鈴木光司氏

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鈴木光司氏による出張授業がありました。

魔女先生、前日に突然思いつき、こんな掲示をしてお迎えしました。

生徒にも他の職員にも気味悪がられましたが。。。

鈴木光司氏を歓迎する意味で、生徒全員これをお面にして待っていようという提案もしたのですが、職員に「生徒が悪乗りするのでだめです。」と却下されました。。。

いいアイディアだと思ったのに。。。

「ドロップ」はトイレに行けなくなりそうなので読んでいません。。。

無窮花の女性「利休にたずねよ」

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2009 8.18 東福寺にて

8月17日高速で彦根に向かっていたら、道路脇に夥しい槿(むくげ)が植えられているのに気づきました。過酷な環境をものともせず、炎天の下、華やかに咲き誇っています。

幼いときから、槿に対しては畑の隅や田んぼの畦道に植えられている花木のイメージがありました。名前は知らないけれど、私にはありふれた花という印象でした。

 

 

利休にたずねよ利休にたずねよ 
韓国の国花であると知ったのはいつのことだったか忘れてしまいました。別名、無窮花といい「ムグンファ」と読むというのは「利休にたずねよ」を読んで知ることとなりました。表紙に描かれているのもこの花です。

利休が執念のように美を追求したその原点を 作者はフィクションを交えて描きます。歴史小説として面白く読めると同時に、作者の全くの想像であるその部分も興味深く読めました。(正直に申しますと最初は突飛だとも思いましたが)高麗の女性が関係し、無窮花も女性のイメージづくりに一役買っています。

はかなげでありながら、炎天の下、健気に咲き誇る無窮花。すっくと伸びた枝に凛とした女性のイメージが重なります。これまで夏の平凡な花であった槿が今夏から違った花に見えてきました。

2009単衣考

七緒 vol.17―着物からはじまる暮らし (17) (プレジデントムック)七緒 vol.17―着物からはじまる暮らし (17) (プレジデントムック)クチコミを見る

「七緒vol.17」は「ひとえ」の特集です。雨のこどもの日。棚から引っ張り出してきました。

温暖化が進む中、きものと切っても切り離せない、”衣更え”の時期をどうするか、単衣解禁をいつにするか等、よく話題になります。ここ浜松ですと、ゴールデンウィーク明けは単衣にしたくなります。先日の「着物DEはままつ」では、綿の単衣をお召しの方がいらっしゃいました。少し汗ばむくらいでしたから最適だったかと思います。

「七緒」にはきもの巧者の方々の「ひとえ論」が出ております。セオリーどおりという方、あくまでその日の気候に合わせてという方、様々な経験を重ねてのお話を興味深く読みました。

衣替えの初めの頃は濃い色のきもので。よく聞かれます。季節先取りもいいのですが、色は徐々に薄くしていくのがこつでしょうか。グラデーションのように。

ひとえ1私の「ひとえはじめ」は濃い織りのきものに明るい色の帯。

帯まで濃い色にしてしまうと”ひとえ気分”が出ませんから、白い博多献上帯にします。(※帯締めと帯揚げを変えれば長い時期使える博多献上は重宝です。単衣の時期に最適な帯だと思います。浴衣にもいけます。)
帯揚げは鉛白にしました。(※悩んだときはいつもこれ。)ラベンダーや紫でもいいかしら。

そして、5月末までにだんだんきものの色を薄くしていきます。6月の帯は透けすぎない夏物といったところでしょうか。帯はきものより早くていいと聞きますが、小物は帯に合わせて6月から夏物くらいでよろしいでしょうか。

初夏のきものはいろいろと気を遣います。。。

まってる

まってる。
まってる。
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今回の異動で、餞別に保護者の方からすてきな絵本をいただきました。

赤い糸がモチーフになったイラストで、

「おやすみのキスをまってる」「映画のはじまりをまってる」「彼女からの手紙をまってる」・・・・・・とさまざまな形の「まってる」が描かれています。

「待つ」というのはいいものです。

 

新しい学校に赴任した初日、「お客様です。」とうちの職員に呼ばれ、職員室を出ると、

階段をゆっくり上がってくるらしい人が。。。

杖をつきつき、現れたのは、新採の頃お世話になったN先生でした。退職されて海外旅行を楽しんでいらっしゃるとお聞きしていましたが、足をひきずっていらっしゃいます。

「N先生!」駆け寄って手を握りました。

「魔女さんの名前を新聞で見たものだから(異動の記事)、顔を出そうと思って。」

N先生の居住されている学区に赴任すると決まったとき、ごあいさつに伺わなければと思っていたところ、まさかこんなに早くお会いできるとは。

「リハビリを兼ねて散歩しながら魔女さんに会いに来たよ。」

大変な手術をされ、旅行にも行けないとのこと。そんなお体で、わざわざ学校まで足を運んでくださったことに胸が熱くなりました。

「まってなかった」思わぬ出会いに感謝しています。

 

岡本かの子全集

IMG_1431岡本かの子全集〈第8巻〉 (1976年)
著者:岡本 かの子
販売元:冬樹社
発売日:1976
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「黒き鳥つぶての如く落日の強き光をよこぎりて過ぐ」岡本かの子

中学生用国語問題集に採用予定の岡本かの子の短歌。出典を浜北図書館に調べていただいていたところ、「城北図書館にありました。こちらに届いています。取り置きしておきますのでお越しください。」と連絡をいただき、早速図書館に足を運びました。

カウンターで本を受け取り、表紙を見ると、閉架の貴重な本らしい。更に、TAROのサイン。息子の岡本太郎の装丁なのですね。デザインが斬新ですね。

依頼してあった歌が載っているページにはしおりをはさんでくださってありました。

中身をぱらぱらとめくってみると、

監修 川端康成  石川 淳

編纂 小田切 進  瀬戸内晴美  岡本 太郎

ビッグな名前が並んでいます。 

この第八巻には、この全集が編纂された時点で蒐集されたかの子の全短歌が収められ、処女歌集「かろきねたみ」70首から始まる4065首から、人間かの子が浮かび上がってきます。

「かろきねたみ」は家庭を顧みなくなった夫一平に、孤独感を深めたかの子が、早大生との恋愛に走り、家庭が破綻寸前まできていた折に刊行されたものとか。

「黒き光・・・」の歌は初出が明治45年。

 

ゆめをみる街 旅する絵本カーニバル

PICTURE BOOK CARNIVAL IN NAYUTA 2009

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なゆた浜北の図書館に出かけたところ、市民ギャラリーでおもしろそうな企画展をやっていました。

たくさんの絵本がテーマごとに並べられ、自由に手にとって読むことができます。

 

 

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若いお父さんが赤ちゃんに読み聞かせをしたり、椅子に座ってゆったりとした時間を過ごしたり。。。

 

 

 

 

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魔女としては、こちらのコーナーははずせない。

 

 

 

 

 

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カロリーヌは幼少時を思い出します。

 

 

 

 

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ブルーノ・ムナーリが特集されていました。

受付の方に、ブックリストが無いかお尋ねしたのですが、リストはないとのこと、残念。自分の本棚におきたい本がたくさんありました。

 

 

談志が好きになった 「赤めだか」

赤めだか赤めだか
著者:立川 談春
販売元:扶桑社
発売日:2008-04-11
おすすめ度:5.0
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昨年ずっと様々なメディアで取り上げられていながらなかなか読む機会がありませんでした。やっと読み終えました。

この本についてはいろいろな人が語っていると思われます。あえて書評も読まず、先入観なしで読んでみました。

落語界って大変なんだあ(恐怖心さえ覚えます)素直な読書感想文を書くとしたらこうなります。

しかし、最も感銘を受けたのは、談志っていう人の人間性。一連の落語協会騒動のことは少しは聞いたことがあります。私が子どもの頃からテレビで見ていた立川談志という人は、わがままで偉そうな落語家との認識でしたので、どうせこの人の衝動的な発言で大騒動になったのだろうくらいにしか見ておりませんでした。バンダナしてカッコつけてるなとか。

違いました。今は談志という人の魅力にどっぷり浸かっています。弟子になりたいとは思わないけど。

私は「赤めだか」を談志の弟子である談春の自伝と読むのでなく、落語家としての談志を描いた本と読みました。立川流に集まってくる弟子たちも魅力的でした。

4月の志の輔落語@浜松がますます楽しみになりました。

 

「文体練習」という本

文体練習
文体練習
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「旅へ」@プレ葉ウォークにふらっと入り見つけた本。

「文体練習」 レーモン・クノー 朝比奈弘治 訳 朝日出版社 1996年初版発行 3398円

いかにもフランスの本らしい装丁。3398円はちょっと高いんじゃないかと思いますけど、国語科教師の自分としては興味深く、教材になりそうな気がしたので買ってみました。

amazonでブックレビューを読むと、レーモン・クノーというのは「地下鉄のザジ」の作者らしい。テレビで映画を観たことがあります。ちょっとシュールな感じだったという記憶の映画です。

この本は、99の章から成り、そのすべてが同じ内容、出来事。しかし、違うのはその「書きぶり」「形式」です。内容はバスの中の風景、出来事といういたってシンプルなもの。それを様々な表現にしてあります。

すぐれた料理人がたったひとつの食材からさまざまな味の料理をつぎつぎと作り出してみせるように、限られた材料を使って99通りの異なった「書き方」を実践してみせたもの(訳者あとがき)

以前、「宝島」に、一つの文章を方言で表現するっていうのがありましたが、そういった類の章もあります。「女子高生」(ヤナギハラカナコがよくやってる女子高生風ことばにしたもの)、「擬似農民ことば」、「いんちき関西弁」など。

一般の方は、じっくり読み込む本というより、手元に置いて、ときどき楽しむ本、インテリアにするのも面白いかもしれません。

もとはフランス語なので、訳が大変だったんだろうと想像されます。

本屋さん?

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郊外の大型ショッピングセンターの一角にあるここは?

 

 

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壁面いっぱいに、「街へ」「山へ」「海へ」などのテーマ別に本が並んでいます。ラインナップが個性的というか、センスを感じる本ばかりです。

店員さんに「あの本はプロの方がセレクトしたものですか?」と問うと、

「ええ、情熱大陸に出た・ブックディレクターの・・・」

「えっ、幅さん?」

「そうです。」

「どおりで・・・」

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JTBの旅行グッズを置いている「旅へ」@プレ葉ウォーク。最近話題のブックディレクター幅允孝(はば よしたか)プロデュースによる本棚が「旅へ」の一角にあります。購入もできるのですが、ディスプレイとしての効果も上げています。トラベルグッズも面白いものがいろいろありますが、私はこちらの本棚からしばらく離れることができませんでした。

商品と本が店内いたるところに一緒にディスプレイされていて、それを一つ一つ眺めるのも楽しい。

 

 

結局私が購入したのはスーツケースの棚に一緒に並んでいたこちらの本。こんな本が置いてあるあたり、なかなかお洒落です。

オーレ・エクセル Swedish Graphic Designer (Designers)
オーレ・エクセル Swedish Graphic Designer (Designers)
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オバマ演説集

生声CD付き [対訳] オバマ演説集生声CD付き [対訳] オバマ演説集
著者:CNN English Express編
販売元:朝日出版社
発売日:2008-11-20
おすすめ度:4.5
クチコミを見る
あら、最近amazonのリンク貼ると「おすすめ度」「クチコミを見る」なんてのも出るんですね。以前は画像だけでしたよね?

とにかく売れてるらしいですね。先週はamazonで4位だったけどもっと上がってるかな?千円っていうのも魅力ですね。買いやすいです。

今日、昼食中の職員室でCDを流してみましたら、「英語だから内容はよく分からないけど、人を惹きつけるものがある感じがする。」という人も。

聞いていて心地いいですね。オバマさんの声。発音も聞き取りやすいですし。

古都@川端康成と嵯峨豆腐

古都 (新潮文庫)
古都 (新潮文庫)
「お父さん、森嘉の湯豆腐をおあがりやすか。買うて来ました。」

「ああ、おおきに・・・・・・。森嘉の豆腐もうれしいけど、千重子の来たのはもっとうれしい。夕方までいて、お父さんの頭をほぐしてんか。ええ図柄が浮かぶように・・・・・・。」

 

湯豆腐がおいしい季節になりました。ここまで滑らかな豆腐はないと思うのが森嘉の豆腐。森嘉の豆腐は湯豆腐に限ります。冷奴ももちろんおいしいけれど。

昨夜は湯豆腐をいただいた後、川端康成の古都を読み返してみました。

この小説は森嘉の豆腐のように繊細で、しっとりとしていて、秋の夜長にぴったりです・・・・・・。

紅葉の京都に行けない間は、嵯峨豆腐をいただき、古都を読んで思いを馳せることにします。

女優の箪笥

女優の箪笥

「そうだ、着物美人の女優さんたちに会いに行こう!」

ある日の昼下がり、室井は

ナイスな企画を思いついたのだー。(本文より)

 

都はるみ、山村紅葉、奥菜恵、フジ゙子・ヘミング、若村麻由美、加藤治子との着物対談。

女優さんたちに負けず劣らず美しいのが室井滋のきもの姿。きれいなうなじの後姿は女優並。いや、室井滋も女優でしたね。

マージャンの点棒柄の帯や動物が雀卓を囲んでいる柄のきものなど、個性的な衣装も紹介されていて、エッセイストとしても活躍している室井の軽妙なトークとともに写真も楽しめます。

本書も「クロワッサン着物の時間」同様、きものにその人のパーソナリティが反映されています。500枚のきものを所有していたことがあるという都はるみをはじめ、母山村美紗ときものにまつわるエピソードを語る山村紅葉など、人物もきものもダイナミックで個性的です。どこか突出した部分をもつ人は、きものに関しても平凡ではないようです。

クロワッサン 着物の時間2

着物の時間 2 (マガジンハウスムック)

着物の時間 2 (マガジンハウスムック)


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クロワッサンに連載されている「着物の時間」がまた一冊の本になりました。79人の芸能人、文化人のきもの姿が見られます。

多くの方が日ごろからきものに親しんでおり、自前のきもの姿を見られるのが楽しいのです。

連載が一冊の本にまとまると、どの人が着慣れていて、掲載のためだけに着て日ごろは着慣れていない人というのもよく分かります。

写真 左 室井滋さんは演歌歌手を演じましたので、きもの姿が珍しくないですし、「女優の箪笥」という本も出しているほど、きものは日常的に着ているようです。

写真 右 浜松市出身ジャズボーカリスト鈴木重子さんは成人式のために、振袖と一緒におばあ様が誂えてくれたというきもので登場。

きものはシンプルな構成であるため、洋服以上に個性が出るものだと思います。また、79人それぞれの記事を読むと、きもの一枚一枚に「ものがたり」があることがよく分かり、それもきものの魅力だと感じます。

おもしろかったのが、作家清水博子のコメント

「女性作家がきものを着るのはなぜか。だれてきて仕事をしたくないとき、”私は女性作家”って気分にするために油を差す」

「着物は私にとって唯一無二のリアリズム。小説は虚構、唯一保守的でいられるものがきもの」

うーん、私にとってのきものって何だろう?

一色一生

一色一生 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)

 

 

 

ぶん屋のおかみさんのブログ「ぶん屋のお針箱」に、「風情の無い和小物が出回っている」とコメントしたところですが、「風情がある」と「風情がない」の違いはどこから生まれるのだろうと考えました。

本書にこんな記述がありました。

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空がレースにみえるとき

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ビムロスって 知ってる?

きれいな もやみたいな雲のこと

ビムロスの夜は 空がレースにみえる

 

 

9月14日21時54分 お月様が姿を見せてくれていました。

空がレースにみえるとき

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空を眺めていたら、ふと、この絵本を思い出し、久し振りに棚から取り出してみました。

 

 

 

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森田空美の知的きもの新ルール

森田空美の知的きもの新ルール(着付けDVD付)

きもので最も大切なのは季節感。季節感の演出に心を砕くのです。季節感は素材や色で表現します。

見た目も大事ですが、着る身にとって快適であることも重要です。しかし、このところの異常気象、温暖化で、これまでの常識では、実際的でなくなっています。

ちなみに、きものにおける衣更は以下のとおりです。

7・8月は単衣(裏地のないきもの)の夏素材のもの ※薄ものともいう。

6月(春から夏への以降期間)と9月(夏から秋への以降期間)は単衣

10月から5月までは袷(裏地付きのきもの)

これが衣更の基準です。フォーマルやお茶席ではしきたりどおりにするのがよいとのことですが、地域によっては、5月GW明けから単衣にし、9月は上旬はまだ夏物で、中旬ごろから単衣にするなど柔軟になっているようです。

9月上旬の今の時期、まだ汗ばむ日が多いのですが、気分としては単衣を着たいのですね。お洒落で現実的な単衣の着こなしはどうあったらよいか、暑苦しさがなく、秋を感じさせるコーディネイトを思案中です。

*****

本書第三章 きものをもっと楽しみたい人へ 「異常気象の今こそ単衣を見直したい」で、秋単衣の小物についてのおさらい。要点を抜粋してみます。

 

 

 

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見出された恋「金閣寺への船出」

見出された恋 -「金閣寺」への船出    岩下尚史著 雄山閣
 見出された恋 -「金閣寺」への船出

「この小説は、若き日の三島由紀夫の恋を描いたものであるが、女嫌いと噂され、悲惨な死を遂げた三島にかかる恋があったとすれば、まことにめでたいことである 哲学者 梅原 猛」本書帯より

「紅梅白梅の香も枝振も光琳屏風をそのままに霰地の綸子に染め、裾に流れる観世水を白金で蒔いた極彩色に蝋色のペイズリーの帯も高々と、今をときめく作家に寄り添い、会場を圧倒した」この「今をときめく作家」が三島で、何とも豪奢なきものに身を包む赤坂高級料亭の娘、満佐子が三島の恋人であり、この女性の回顧談をもとに小説が仕立てられたとのことです。

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きものとからだ 三砂ちづる

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以前,三砂ちづるさんがきもののことを書かれているのをネットで読んだことがあります。「きものを長い間着ているとどんどんなで肩になる」というもの。

洋服は立体裁断されているため,そこに体を入れるだけです。ですからオーダーメイドでない限り,服に着られたような感じのときがあります。体型をごまかそうと大きめのサイズのものを着ると,かえって太く見えることもあります。ぴたっとしたサイズですと,体のラインが強調され,これまた具合が悪い。

その点きものは長方形の生地を縫い合わせてあるという構造上,体に添わせて身に付ける感覚がありますので,体型をうまくごまかせます。特に,肥大化した下半身を隠すにはうってつけなのであります。

ただし,ごまかせないのは肩のあたり。いかり肩の私はきもの向きの体型ではございません。きものを着続けているといつかはなで肩になるのでしょうか。それは分かりませんが,本書で述べられている,「きものはからだによい」というのを実感することはあります。ふだんパソコンに向かっていてつい前屈みになりがちなのを帯をきゅっと締めることで姿勢をよくしてくれます。背筋がよくなると腹筋にも自然に力が入ります。

きものの生活についても共感するところが多い本です。シンプルな装丁ですが,本の「帯」が,まさしくきものと帯を重ねたように創られているのもたのしい。バジリコ出版 1400円+税
 

源氏物語の京都案内

源氏物語の京都案内 (文春文庫 編 5-9)

今年は「源氏物語千年紀」。書店には「源氏物語」関連の本が連なっております。

子どもの頃,我が家の応接室に,谷崎訳でしょうか?源氏物語全集がありました。どこの家庭も百科事典や文学全集を飾ってそれをステイタスにしていた時代がありましたが我が家も同様。中学校の頃まであったのは覚えているのですが,とうとう開くことも手にとることもなく,今はどこに行ってしまったのやら。

源氏物語は高校時代に古典の授業で多少触れたのが最初の出会い。源氏というと平家が対なので,軍記物語だと思っていたため,内容を知って驚いたものです。大学時代にもほんのちょっと現代語訳を読んだりする程度でした。お馴染みの漫画「あさきゆめみし」は全巻購入。とても国語教師とは思えませんね。

源氏物語と京都はあまりに当たり前の取り合わせですが,つい手にとってしまいました。各巻の内容が人物関係図,<ちょっと読みどころ>,その巻にちなんだ観光スポット,京菓子,などが4ページにまとめられています。カラー写真も美しく,読んで,見て,楽しめる本になっています。源氏物語と京都観光のガイドブックとして身近に置くのもいいかもしれません。

 

京都きもの生活 Kyoto kimono map

京都きもの生活

京都できもの。。。私のような人間にとっては着物を着て京都に出かけるのは敷居が高いどころでなく、天竺みたいなもの。昨夏、着物の旅を実現。湖東を訪れる折、京都駅に立ち寄ったのですが、おそれ多く、とうとう伊勢丹あたりをうろうろした程度で、宿は山科あたりにこそこそとって、長浜に逃げた(?)のでした。でもいつか着物で行ってみたい。

さて、KIMONO真楽でその存在を知り、早く手元に置きたいと思っていた本。やっと購入できました。きものを軸にしたお店レポート、観光案内というにはちょっと軽々しい。メイン執筆者の佐藤文絵さんが足で稼ぎ、その目で確かめられた京都のものづくり文化案内。京都在住の佐藤さん御自身も美しいお着物姿やお気に入りのものを披露してくださっています。素敵な方は身近に置かれるものも素敵なのです。

単に「もの」ばかりでなく、ものづくりに携わる職人さんやお店の方の存在も合わせて紹介され、それが、どこのページをめくっても「おいでやす」と温かく迎えてくれているような気分にしてくれる理由かもしれません。この京都を机上のものにしておいてはもったいない。早く出掛けよう。この本のように京都は私を受け入れてくれるでしょうか。

着物中毒

着物中毒 中島梓著

作家で着物好きというと真っ先に思い出すのは林真理子さん。宇野千代さんも有名ですね。中島梓さんが着物歴50年、着物のコレクション200枚というのを初めて知りました。「クイズヒントでピント」(かなり古いですね)に著者が着物で出ていたということを書いているのですが思い出せません。

初心者向けのアドバイスも特筆すべき内容はなく、着物本としてはさほど目新しくありませんが、着物に足を踏み入れる誰もが一旦は通る道を話題としていて、共感することが多くあります。林真理子さんは作家物のウン百万、何千万っていう着物を持っているという話を聞く一方、著者は私同様、ネットで着物を購入することもあるそうで親近感を抱きました、。(一時は、年間60枚も買ったらしい。)確かに着物中毒ですね。私も最近はヤフーオークションを覗くのが日課ですし、ネット通販の呉服屋さんサイトもお気に入りにたくさん登録してあります。ネット着物中毒ですね。

中毒になるからにはそれだけ魅力があるわけです。中島さんは和の布が好きというのを着物中毒になった理由としてあげています。また、「トリップする楽しみ」もあると述べられています。変身願望を満たしてくれるという意味でのトリップですね。中毒っていうと危ない薬のような感じですけど、確かに着物を着たときの高揚感にはそれに近いものがあるかもしれませんね。

天使突抜一丁目―着物と自転車と

天使突抜一丁目―着物と自転車と 通崎睦美著 

最近の私のカジュアル志向の一因が本書。マリンバ奏者であり、アンティーク着物蒐集家でもある通崎さんの着こなしにぐいぐいひき込まれてしまっています。

自転車に乗り、京都の街中を颯爽と走るにはアンティーク着物がぴったりです。ときどきちょっとやり過ぎの感のある人もいますが、通崎さんの着こなしはアンティーク着物の魅力をうまく引き出していると思います。私が好きな法然院も紹介され、通崎さんの軽やかな文章による、ちょっとした京都案内にもなっています。

書名は通崎さんが住む実在の町名というのには驚きました。「テンシツキヌケイッチョウメ」―小気味いい響きも通崎さんの雰囲気にぴったりです。

樋口可南子のものものがたり

樋口可南子のものものがたり
京都に家建て着物着て・・・。これ以上何が必要でしょうか・・・。

平松昭子の着物事件簿

平松昭子の着物事件簿

著者の平松女史はお友達の栗原貴子さんと着物部なるものを結成していらっしゃいます。部員はこのお二方のみ。呉服店の展示会に足を運ぶ、食事をするなど、銀座界隈での部活が多いようです。そして、お二人が目指しているのが「セミ玄人」。 素人とプロの中間レベルの着こなしをいうそうです。

平松女史がこれまでに出会った着物に関する「事件」をマンガにした本です。なぜ着物で事件なのか?やはり着物が今や日常性から離れたものになってしまっているからでしょう。私は懸命に日常に引き寄せようと努めてはおりますが、周りの方たちからすると非日常のようなのですね。

着物で事件に出会いたい方、私と一緒に着物部で活動しませんか?

森田空美 きもの美巡礼

森田空美のきもの美巡礼 染めと織りの手わざを訪ねて

「和楽」連載の誌面をまとめた本。着物のグラビアについ見入ってしまいます。ページを繰っていると、着物が美術品であることを実感します。そして、森田さんの筆で伝えられる職人さんの並々ならぬ苦労と情熱がどのページからも伺えます。

 

1008110082森田流コーディネイトには程遠いのですが,今日は最近よく着ている黒い大島に,赤の格子の帯を合わせてみました。この帯も黒いのですが着物とトーンが異なるので何とかまとまりました。大人のかわいいコーデといったところでしょうか。小柄な私が着ると町娘みたいです。帯揚げが少し白っぽかったでしょうか。

君野倫子のおせっかい着物暦

君野倫子の おせっかい着物暦

着物にまつわるいろんなことについては,経験や書籍,人などから得て,何となく分かるものの,知らないといけないことがあり過ぎて,分かっているようで分かっていないことが多くあります。この本はそれをきちんと整理整頓してくれています。また,日本の文化,中でも着物が四季と密接な関係があることを伝えてくれています。

 

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夜は食事会。気軽なお店だったので紬の半幅帯で。大島には半幅を合わせないと聞きますが,倫子さんの本を見ていると,細かいことに囚われるより,常識を逸脱しない範囲で自分が心地よく着るのが一番かなと思います。

 

 

 

チェコ絵本とアニメーションの世界展

チェコ絵本とアニメーションの世界〜チャペック、トゥルンカから21世紀の作家まで〜京都伊勢丹百貨店

ポスターチェコのアニメーションが世界的に評価が高いということを知りませんでした。チェコはアニメの先進国だとか。

山科のホテルに向かう前に伊勢丹に立ち寄ったところ,この展覧会を知り覗いてみました。本展では、チェコを代表する作家28名の原画や制作過程の資料、絵本など約200点が展示されていました。

私もちょっとだけ絵本を蒐集しており,その中にチェコの絵本作家イジー・トゥルンカ(968年国際アンデルセン賞受賞作家)のものもあります。

                                                                  ビーテック「わんぱくビーテック」 原本は1961年のものですが,私の手元にあるのはほるぷ出版から1984年に出たものです。

繊細で奥深い色遣い,空間を生かした画面構成は見ていて飽きません。

 

 

 

ビーテック2描かれた子どもの表情を見ていると,トゥルンカはきっと穏やかで温かいまなざしを子どもに向けていたのだろうと想像されるのですが,肖像画のトゥルンカはいかめしい顔をしていて,子どもが寄り付きそうにない怖いおじさんとしか思えないのです。でもこういう人に限ってきっととても優しいのでしょうね。

 

きものを着たらおとな思草−着物を通して知る日本の心−

きものを着たら おとな思草 着物を通して知る日本の心

中谷比佐子著 角川学芸出版 2005年発行

きもの文化研究家でいらっしゃる著者がきものを切り口に日本の文化のすばらしさを伝えてくれる本です。左ページに美しいグラビアが掲載され,見開きで一項目が読めるようになっているので,興味をもったページから読み進められます。

            8909de52.jpg   

第一章 きものが私に教えてくれたこと         

第二章 日本画に学ぶいい女              

第三章 凛とした色気 

第四章 おしゃれ味 おとな味 

これらの章立てに独特のセンスを感じます。

この本を手にしたとき,まるで昭和時代の本のような印象があるのはなぜだろうと考えてみました。それは男性モデル松井誠さんのページ。だって立ち姿がまるで時代劇っぽいんですもの。ちなみに左のイラストで持ってるのは「はりせん」ではありません。(著作権を考慮して本書の写真掲載は見合わせ,イラスト仕立て@着物好きの魔女にしてみました)

七緒vol.6

七緒 (Vol.6) 着物からはじまる暮らし プレジデントムック
呉服店にもう今年の浴衣が並び始めました。今年はレースの付いた着物が出ていました。10代の女の子向けでしょうか。

 昨年が着物元年だった私には夏の着物は敷居が高く,浴衣に半衿と足袋を合わせて着ておりました。それでも夏着物気分は十分味わえ満足できました。今年もぜひちょっとした外出にはぜひ浴衣を着たいと思っています。落ち着いた色合いの絹紅梅あたりならデパートにも着ていけそうです。

花火大会には浴衣が欠かせないアイテムになってきました。浴衣姿の若いカップルの多いこと。昨夏は私がよく立ち寄る呉服店に毎週のように高校生の男の子が浴衣を買いに来ていました。聞くところによると浴衣でないと花火大会でナンパもできないとか。

若い方たちがこれだけ浴衣を着るのに本格的な着物にまではなかなか広がっていかないのが残念に思います。若い方たち向けにクリスマス用の着物を売り出すなんてのはどうでしょう。できたらシーズンごとにイベント向け着物を出すとか。呉服業界の方たちにぜひお願いしたいと思います。

七緒vol.6には「ゆかた塾」と称して浴衣の特集が組まれています。中でも興味深いのは下着。着物用のステテコです。裾にフリルがついたお洒落なもの。植木等(古いなあ)がはいていたものとは違うかわいらしいものです。でもステテコという名前だけはどうにかならないものかと思います。

グラン・シャレ夢の刻

グラン・シャレ夢の刻

 

 

 

節子・クロソフスカ・ド・ローラ 著 

1年前、家庭画報「きものサロン」でこの方を見て、ご自分でデザインしたという着物の斬新さに驚いたものです。海外に在住され、そのほとんど毎日を着物で過ごされている方であり、学生の頃、画家バルテュスに見初められ海外に渡ったという経歴を知り、納得いたしました。

どうもまだ西洋コンプレックス(もうそんな人あまりいないでしょうね)のようなところがある私は、日本人で海外生活と聞いただけでぽーっとなってしまうのです。スイスの豪邸に着物で暮らすなんて、六本木ヒルズのペントハウスに何百平米のマンションを持ってたってかなわない。(元住人で今や鉄格子のワンルームにお住まいの方もあります)

それはともかく、この方が素敵なのは着物だけでなく、その暮らしぶりです。お庭で割烹着姿なんて写真もあります。節子さんは画家もなさっていて、誕生日のバルテュスに贈ったという手描きのストールやクッションにも目を惹かれます。巨匠の奥様だから豪勢な生活かと思いきや、身の回りのものにご自分の手を加えられるなど、豊かさの意味が違うのです。

節子さんが和の心を忘れなかったのは、かえって遠い異国暮らしがそうさせたのかもしれませんが、私も自分が日本人であること、日本の風土・文化の中で生きていることの意味、自分の足元を見つめ直すことをこの本から学びたいと思います。

七緒 vol.5

七緒 (Vol.5) 着物からはじまる暮らし プレジデントムック

和裁士さんたちの仕事ぶりを扱ったページが興味深い。和裁士というのでどんな年配の方がなさっているかと思いきや,振袖を仕立てている19歳の方もいらっしゃる。何事も分業の世の中だが,一人の人間が一枚の着物を最後まで受け持つという。全身をフル稼働させての仕事,緻密な手仕事ぶりを知り,そういった過程を経て自分のところにやってきたことを思うと,着物を一層大切にしたくなる。あさってから秋田に出張。今週末は着物どうしよう。

一葉のきもの5

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近代文学を専攻していた学生時代,女流作家としては唯一読んだ樋口一葉。当時は興味深く読むことも無く,ゼミで扱うので一応あたっておく程度だった。当時の自分は今考えると女性としてもガサツで,きれいなお嬢さん風の女子大生とは対極にある,ちょっと突っ張った黒っぽい格好(あれ?今も同じ?)をして,講義も途中で脱け出す不良学生だった。そんな私が樋口一葉の世界に惹かれなかったのも当然といえば当然。よく見る肖像も地味で薄幸そうな姿だし。お札に取り上げられたのはいいが,あまりお金が残らないような気さえする・・・。

この本は書店の着物本コーナーで見つけたが,読み始めて,これは着物本のコーナーだけに陳列するのではもったいないと感じた。一葉の文学を再考するのにももってこいだ。一葉の小説や日記に出てくる着物の描写が,当時の風俗や一葉愛用の品などの写真とともに紹介されている。鏑木清方の日本画も美しく,目でも楽しめる本になっている。

改めて,一葉が「女性」の文学者だったことを思い知らされる。着物の描写の鮮明さに驚く。その描写から着物姿の女性が目の前に現れてくる。「単衣は水色友禅の涼しげに,白茶金らんの丸帯,少し幅の狭いを結ばせて,庭石に下駄直すまで時は移りぬ(たけくらべ)」「思ひ切つたる大形の浴衣に引かけ帯は,黒繻子と何やらのまがひ物,緋の平ぐけが背の処に見えて,(にごりえ)」これらの描写は学生時代の私には何の実感もなく通り過ぎていってしまったが,着物の知識も増え,少しは大人の女性になった今,樋口一葉がとても近く感じられ,また作品を手にとりたくなった。

着物ジャポン

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チャン・ツイィーが「SAYURI」で着物姿を披露しているとか。ちらっと見た映像では,外国人がちょっと勘違いした日本女性の姿という感じだった。日本女性はみんな芸者ガールというような。実際にはまだ映画を見ていないので違うかもしれない。本当のところは映画で確かめることにしよう。

このところ,ファッション雑誌にしばしば着物が取り上げられている。FIGARO JAPAN 癸械娃后峪笋燭舛里もの事始」@原由美子さん監修による着物特集にかなりの頁を割いている。

よくある,若い女性着物初心者対象のこうした記事では,興味本位の奇抜なコーディネートを見かける。しかし,この特集の着物や帯コーディネートは,そのまま私たちにも応用できるものだし,かといって決して平凡ではない。特に,帯揚げの色遣いが目をひいた。ブルーや紫の帯揚げにオレンジの帯締めというのも面白い。緑の帯揚げも。そうした鮮やかな帯揚げは,若々しく元気な着こなしにしてくれる。

原由美子さんはご自身も着物を着られるそうだが,ベテランスタイリストだけにそのセンスは着物のコーディネイトにも表れている。最近の,洗練を追求し過ぎる傾向でもない。頑なに正統派を守っているわけでもない。アンティーク一本やりでもない。こういうのが本当のお洒落なんだろうなあと感じさせる。

肩に力が入り過ぎない,原さんの生き方もきっとそうなのだろう。

 

萬田久子 感じる着物

萬田久子 感じる着物
洋服を着ることに経験を積み膨大な授業料を払うと,「引き算」のおしゃれを学ぶ。コーディネイトに懲り過ぎず,贅肉をそぎ落とした着こなしが心地よくなる。

萬田さんはもともと洋服のセンス抜群の方で,メディアにも,個性を主張したファッションセンスがよく取り上げられる。彼女は「足し算」のセンス。彼女の審美眼にかなった美しいものを上手に組み合わせ,華美になる手前のところで上手に抑えている。

私は人には「中庸」という言葉が好きだといっているくせに,何でも行き過ぎの感がある。自分の思いのままについ平気で言いたいことをすべてぶちまけてしまう。最近お世話になったある方から「秘すれば花」というお言葉が出てきた。この境地には当分行き着きそうにないが,もう少しふだんの言動をお行儀よくしないといけない。

 

 

 

樋口可南子のきものまわり

樋口可南子のきものまわり
着物に惹かれた動機は?と聞かれたとき,実は正直に口に出したことはない。
以前,樋口可南子が着物でデートするというのを読み,着物DEデートという響きに一瞬でぎゅっと心をつかまれてしまった。着物だと一緒の男性がとても喜んでくれるのだと。それ以来,私は着物を夢見る魔女,もとい,乙女と化したのだった。
しかし,実現することもなく,年月が経過し,だいぶ薹が立った乙女となった。

それが,今年着物の魔力にとりつかれ(魔女もとりつかれる魔力があるのだ),私も男性と着物で同席する機会を得た。そのときの反応がよかったものだから,内心「しめしめ」といい気になった。タクシーの運転手さんもわざわざ運転席から降りてドアを開けてくれたりする。いつも立ち寄るコンビニでも,妙に優しい口調で対応してくれる。おおーっ,これが着物のマジックだあ(魔女も真っ青のマジックね)と感激した。

ただし,着物で出かけると,相変わらず「何かあるんですか」という方が多い。それで「いいえ,今日はお買い物です。」「ちょっと飲みに・・・」と答えるとへえーっと感心される。

樋口可南子さんはそんな風に聞かれることはないだろう。着物好き,着物の似合う女優の筆頭に上げられる人だ。ショートカットの髪型も彼女のトレードマークだ。それが,紬など素材感が伝わってくる着物を引き立てている。

着物とそれを着る人が互いにそれぞれの魅力を引き出し合う,私はいつそんな女性になれるのだろう。

 

平成着物図鑑

平成着物図鑑
 ある日、駅ビルに入っている全国展開の呉服屋さんに足を踏み入れたところ、目に止まった着物があった。某女優(梨園のお嬢様ね)プロデュースという,地の色は黒やグレーでちょっとシックな雰囲気、桜の花びらが控えめに入り、大正ロマンにも通じるような、現代的でもあり、古典的でもあるもの。この女優さんのこだわりで、帯もこれじゃなきゃだめだと、袋帯を持ってこられ、3人がかりで私をあっという間に着物姿に仕立ててしまった。自分で言うのもなんだが結構似合っている。洋服に少々食傷気味だった私に、これから新しい世界に足を踏み入れられるという大きな期待を抱かせた。10月に結婚式があるけど、それに来ていけるかと尋ねたら、店のおばさんは「ええ大丈夫ですよ」と力強く答えた。街に着物姿で繰り出す自分の姿を想像しながら言われるままにローンを組んだ。これが自分で購入した初めての着物となった。

着物が届いたのは数ヵ月後、袖を通すこともなく、桜の時期が過ぎ、箪笥で静かに眠っている。それでも私はわくわくしていた。私も着物人の仲間入りだわ。お茶も習おうかしら。

興味のあるものをとことん追求する私の猛勉強が始まった。ネットで着物関係の本を買い漁った。はて、あのおばさん結婚式にも着られると言っていたが、秋に桜じゃおかしいじゃないか、小紋は格式のある場には向いていないじゃないかと勉強の成果(?)が出てきた。私は泣きそうだった。

着物は素人の浅い知識で着るとどうやら恥をかくことになるものだということが分かってきた。いろいろな呉服店にも足を運び、だんだん自分の好みも明確になってきた。「美しいキモノ」も「きものサロン」も欠かさず購入。素人ながら知識だけは増えた。

そうなってくると、余計にあの着物が恨めしく、袖を通しづらくなってきた。普段着るには街で目立ち過ぎる。桜の柄が許される時期も限られている。所詮小紋だから訪問着のようにも着られない。恥を忍んで他の呉服店にこの着物購入の顛末を話したら、「プロデュースしたその女優だってそこの着物は着ないはずだよ。」とダメ押し。

前置きが長くなったが、「平成着物図鑑」が私を救ってくれた。着物のしきたりにガチガチにこだわらなくてももっと気楽に着ていいんだと教えてくれた。いっそのこと、今流行のアンティーク着物風に着ちゃおうか。思い切って半襟も派手にしちまおうって。それなら色足袋もありじゃん。

全国展開のチェーン店からは毎月のように展示会のハガキが届くし、私の担当という(呉服屋さんって必ず担当者がつくのね)Eさんから電話も何回かもらった。あのとき、Eさんは私の足にすがりつき、「ありがとうございます。今月は売り上げが無いかと思っていたらお客様がきてくださった。本当にうれしいです。ああ、ありがたい。」と涙を流さんばかりだった。でももうそこの店に足を運ぶことはないだろう。ただ、私と着物を出会わせてくれたことには感謝してますよ。本当に。

森田空美の知的きもの入門

森田空美(あけみ)の知的きもの入門
森田空美さんには多くの信者がいるらしい。私が出入りしている呉服屋さんに、毎週のように東京まで出て森田さんの着付け教室に通っているという方がいらっしゃる。その方の着こなしは田舎の町では際立って洗練されている。30代後半といったところかと思うが、地元ではあまり着ている方を見ない、人目で質がいいと分かる花織を素敵に着こなしていたし、この夏浴衣にもきちんとお太鼓だった。紙布の帯だとか、草履もパナマだとか、こだわりが感じられる。

森田さんのこの本に出会ったのが着物を知ってまもなくのことだった。社会人になって洋服にさんざん給料を遣い果たし、季節ごとの箪笥があるほどになって、いきついたところが着物だった。そういう人に、森田さんのきものは最も受け入れらるのではないだろうか。当時、この本と出会ったときは衝撃といってもいいくらいだった。普段、黒っぽいスーツばかり着ている私にこんなにしっくりくる着物はなかった。それまで着物といえば、縮緬地に古典柄が通常の着物だと思っていたから、これなら私も着たいと思った。

それ以来、しばらく紬が好きになり、無地の着物に目がいくようになった。周りの人との調和を考えると、華やかな柄ものは添わない。ジャズバーに行けるような格好が理想だ。

しかし、また一通り着物の世界を巡っていると、女性の可愛らしさを引き出してくれるのは垂れものだなあと感じてみたり、一般の人が感じている、着物が「ハレ」のものだという特性から考えると、豪華なもの、きらびやかなものも魅力的だと思ったり。着物ワールドは果てがない。

 

月のお話―絵のない絵本―

絵のない絵本
月を愛でる楽しさを教えてくれる人がいた。満月に近づいていくまでの日々は何事も吸収しながら充実させていくといいこと、そして満月を過ぎたら少しずつ不要なものをそぎ落としていくといいこと。

満月をただただ黙って一緒に眺める時間を過ごす人もいた。

煌々と輝く月の光に照らされた砂浜で、大きな声で歌うことを共に楽しんだ人もいた。

青い月の下、共に涙をながしながら月を見つめた人もいた。

いろんな節目で月は私の傍に寄り添っていてくれた。

 

「絵のない」この世で一番美しい絵本。三十三夜にわたって月が語るお話の美しさ。世の中の片隅でそっと生きている人間の美しさ。

私の手元にある「絵のない絵本」は山村静訳・いわさきちひろ画のもの。もともと挿絵のない本だが、こんな美しいお話に出会ったらだれもが絵を添えたくなるだろう。でもこの話から私たちの心に広がる世界以上に美しい絵を描ける人はきっといないだろう。

 

 

石田節子のきものでおでかけ

石田節子のきものでおでかけ

着物で遊ぶ―菊池信子さんの場合

着物で遊ぶ―菊地信子さんの場合
世界中から集められた美術品と呼ぶにふさわしい着物,帯,小物の自在な組み合わせ。

刀の鍔を帯留めに使ってるのには仰天。

菊地さんの着物,帯,小物の合わせっていうのは,そのときにひらめいた感覚なのか,本能的にぴたっとくるものがお分かりになっているんだろうな。もともと着物にも帯にも力があるものばかりだから,無難な合わせ方では野暮ったくなってしまう。かといって力んだ組み合わせでないところがまねできないところ。

本の大きさが着物を見せるのにいい。写真が大きいので生地の質感も伝わってくる。手に取ってお茶を飲みながらぱらぱらめくるのにもいい。

檀流きものみち

檀流きものみち
着物は品で着るのだなあ。着物を着るから品が出るわけでなく。こんなに着物姿の似合う女優さんとは知らなかった。もっとメディアに着物姿で露出して着物文化を浸透させて欲しい。
カラー写真が豊富で,着物初心者にも日本の染めや織りの産地を知るいい資料になる。
しかし何といっても壇さんのやわらかで気さくな人柄がにじみ出た文章がこの本の魅力。

ロハスな人


西の魔女が死んだ

野いちごをつんでジャムにする,自宅の鶏が生んだ卵を朝ごはんにする,たらいでシーツを洗う,裏山で摘んだハーブでハーブティをつくる・・・,この小説には主人公の少女とおばあちゃんのスローライフが登場する。

悪魔を防ぐためにも、魔女になるためにも、いちばん大切なのは、意志の力。自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力です。その力が強くなれば、悪魔もそう簡単にはとりつきませんよ。

少女に語りかけるおばあちゃんの言葉が読み手の私たちに響いてくるのは,おばあちゃんがこのロハスな生活スタイルに身をおいていることで,おばあちゃん像を一層魅力的にしているからのような気がする。

ロハスな人は人を惹き付けるものを持った人のようだ。

 

 

スズキコージズキン参上

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浜松文芸館スズキコージズキン展。

中南米あたりの音楽が流れる中,スズキコージズキンワールドが展開されていた。コージズキンのダイナミックさを生かすには手狭な空間だが,地元の絵本画家への愛着が感じられる展覧会だった。

万国旗のごとく会場に吊るされた切り絵も楽しかったが,何といっても,コージの幼少時代の絵日記には目を見張った。小学校2年生とは思えぬ大胆な構図と色調。

浜松西高時代に描き,友人に贈った油絵も展示されている。しかし,中学校時代の作品が一つもない。勉学に勤しんでいて創作どころではなかったのかなあ。

10月の映画


春の雪
映画は現実離れしているのがいい。設定,演出など,現代から思い切り飛躍してほしい。人物設定もキャスティングも癖があるくらいが映画にはちょうどいい。

「春の雪」を観てきた。初めの方のシーンは,イギリス映画を感じさせた。単なる印象だけど。

竹内結子の着物姿は美しかった。豪華な刺繍入り半襟をたくさん見せての着方は三島作品にぴったりだった。冒頭のターコイズブルーの着物も彼女の白い肌に合っていた。

クライマックスは衝撃だったが,思わず私はにたにたしてしまった。やってくれるじゃん。やっぱり三島だぁって。あらゆる意味で映画の醍醐味を味わった。

終末の内容は伏せておきます。

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