とある異界の、とある時代。

その異界は星を汚す悪の組織と、星を守る使命を得た少女たちとの戦いが繰り広げられていた。

星の命運を担った少女たちを、人は呼んだ。

「魔法少女エニグマフラワーズ」と!

1-1

[怪人ウマダシカオ]
シーカッカッカ! その程度か、エニグマ戦士たちよ!

1-2

[エニグマSF]
くっそお……エニグマモーニンググローリーさえいれば、こんなことには……。

[エニグマチェリー]
サンフラワー! それは言わない約束よ! 彼女には彼女の理由があるのよ。

[怪人ウマダシカオ]
シーカッカッカ! 貴様らエニグマ戦士の友情などその程度のものよ!

[エニグマチェリー]
くっ……!

 + ――゜+ ―― 🌸 🐈 ―― +゜―― +

さかのぼること、1時間前。

エニグマチェリーとエニグマサンフラワーは、駅の待ち合わせ場所で、エニグマモーニンググローリーを待っていた。

1-3

[エニグマSF]
……遅くないっすか?

[エニグマチェリー]
ちょっと遅いね。

[エニグマSF]
もう1時間待ってますよ。つか、モーニンググローリーって、どんな人なんすか?

[エニグマチェリー]
あれ? サンフラワー知らなかったっけ? 会ったことない?

[エニグマSF]
ないっす。いま、あたしの中でモーニンググローリーの評価ダダ下がりっすよ。

[エニグマチェリー]
そうなるよね~。でも、そんな悪い子じゃないよ。あ、連絡先教えとこうか?

[エニグマSF]
いいっす。

[エニグマチェリー]
いいっすじゃないよ。これから一緒にエニグマ戦士やっていくんでしょ? 知らなきゃ不便でしょ。

[エニグマSF]
いや、いいっす。チェリーさん経由で連絡します。

[エニグマチェリー]
無理無理、それ私が面倒なだけじゃん。じゃ、グループ作るね。

[エニグマSF]
いや、いらないっすよ。……あ。

[エニグマチェリー]
はい。もうグループに入れました。大丈夫。鍵かけてるから。

[エニグマSF]
鍵に対する信頼パねえな。……名前ださ。なんすか、この「はるこ会」って。ださMAX。

[エニグマチェリー]
名前なんてどうでもいいでしょー。ただの連絡用なんだから……あ。いま、グループ抜けたでしょ。

[エニグマSF]
あたし、あの、自分のどうでもいい会話で、通知めっちゃ来るのきらいなんすよ。

[エニグマチェリー]
うわー、いるわー。こいつ、イベントごと終わったらグループ抜けるやつだー。

[エニグマSF]
友達の友達は、他人っすから。話すことないっしょ。

[エニグマチェリー]
人付き合い悪いなー……。

[エニグマチェリー]
あれ? 私は? 私は友達なの? けっこうまめに返信くれるよね。あれは友達ってことでいいの?

[エニグマSF]
うっせえ! だまれよ、ブス!

[エニグマチェリー]
照れんなよー……! あ、グローリーから連絡来た。……門限あるから無理だって。

[エニグマSF]
朝顔だからっすか? モーニンググローリーが朝顔だから門限厳しいんですか? キャラづけっすか?

[エニグマチェリー]
ただの家庭の事情でしょ。ま、行こっか。

 + ――゜+ ―― 🌸 🐈 ―― +゜―― +

[怪人ウマダシカオ]
シーカッカッカ! 貴様らエニグマ戦士の友情などその程度のものよ!

[エニグマSF]
実は友情以前の問題なんだけどなー。

[怪人ウマダシカオ]
お前達ふたりでこの俺を止めることができるか? ……無理だろうなあ。

[エニグマチェリー]
だまれ! 桜の枝を折り、あまつさえは自分の頭に植え付ける、自然に優しくない怪人め!

[エニグマチェリー]
お前のような奴にこの星のきれいな空気を吸う資格はない!

[怪人ウマダシカオ]
うるさい! 花見の余興で桜を折って何が悪い!?

[怪人ウマダシカオ]
貴様らにはわからんのだ! 何か面白いことをやれと言われ、桜の木に登ってしまう者の気持ちなど!

[エニグマSF]
わかってたまるか。

[怪人ウマダシカオ]
かかって来い!

1-4

[いもぴー]
待つんだ、チェリー。エニグマキャタピラを使うんだよ。

[怪人ウマダシカオ]
うわ。虫がしゃべった。気持ちわる……。

[エニグマSF]
鏡を見てから言え、畜生。

エニグマチェリーは、右手に持ったエニグマステッキ(いい枝)を振りあげる。

それは年甲斐もなく、桜の枝を武器のように振り回す高校2年生の、わりといい歳した女の子というだけではない。

エニグマチェリーは、エニグマステッキを振り回すことによって、星の力をエニグマ呼び出すのである。

1-5

[エニグマチェリー]
魔法の力は不思議なエニグマ! 説明不要のやんちゃなエニグマ! 出でよ。エニグマキャタピラーーー!!

エニグマチェリーが唱えるや否や、大地が震えた。

荒々しい地響きが、唸るようにこちらに迫ってくるのが、肌を通して感じられる。

来る!

そう思った瞬間。

1-6

怪人を踏みつぶし、エニグマキャタピラが登場した。

[2人]
キャタピラ?

[いもぴー]
エニグマキャタピラはエコの力がエニグマ爆発した循環型エネルギー炉搭載のエコカーだよ。

[エニグマSF]
どう見ても、ただの芋虫だろ。

[エニグマチェリー]
エニグマキャタピラまぢキャタピラ。

[エニグマSF]
ていうか、どうします? 敵、倒しちゃったみたいですけど。

[エニグマチェリー]
ホントだ……帰る?

[エニグマSF]
そうっすね。チェリーさん、帰りに牛丼どうっすか?

[エニグマチェリー]
あ、いいね。行こ行こ。どうせならキャタピラ乗ってく?

[エニグマSF]
これ乗るんすか? チェリーさん、魔法少女歴長すぎて良い感じに頭壊れていってますね。

[エニグマチェリー]
よく言われるー。

星の命運を担う魔法少女エニグマフラワーズ。

彼女たちのやんちゃとなんとなくの流れで、この世界は守られているのである。