中上級者向けのドリルですね。非常に良質な問題が揃っています。実際のTOEICで中上級者がミスしてしまう問題というのは、間違いの選択肢に誘導するトラップが仕掛けられた問題と言えます。リスニングパートで450点以上を目指す方はそうした問題を多く解くことによって問題作成者の意図にひっかからないスキルを身につける必要があります。本書はそのようなトラップ問題が多く含まれたドリルですので、しっかりと学習すればリターンは大きいと思われます。

いつものように、まず一通り問題を解いてみました。

正解数
Part1 28/30 10問×3セットで30問
Part2 87/90 30問×3セットで90問
Part3 85/90 30問×3セットで90問
Part4 78/90 30問×3セットで90問
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Total 278/300
正解率 92.7%

Part1
ポイントを押さえてよく作成されています。具体的には同じような音を持つ語をつかったひっかけ、関連するカテゴリーの単語を使ったひっかけ、発音の違いによる惑わせ、難しい単語を使った惑わせ、受身完了形と受身進行形を使った惑わせなど。実際のTOEICでもこれらのポイントを上手く織り交ぜた形で問題が作成されます。リスニングパートで450点以上を目指す方はPart1は全問正解すべきですので、毎回1問〜2問含まれるやや難しい問題を落とさないためにも、日頃からボキャビルと共に発音(特に英、豪特有の発音)の違いに惑わされない練習と、受身完了形と受身進行形の違いを聴き取る練習をするとよいでしょう。

Part2
Part2で中上級者が間違えやすい問題というのは、質問に対する変化球での回答問題、付加疑問文や否定疑問文の問題、発音の違い(米・英・豪・加)により聴き取りを難しくしている問題などが挙げられます。中級者と上級者は上記問題で峻別されると言ってもよいでしょう。そうであれば、そのような問題に対する免疫を作ることがPart2で高得点をあげる上で重要なポイントになってきます。このドリルのPart2では、まさにそうした峻別問題が取り揃えられていますので、よい訓練になると思います。

Part3/Part4
Part3は2人による会話、Part4は1人による説明/アナウンスです。リスニングパート高得点者のほとんどは設問を素早く先読みして、ポイントを絞って会話のやり取りや説明/アナウンスを聴いています。これはPart3,4で高得点をあげるための必須テクニックですが、そのテクニックを使ったとしても惑わされて解答に迷う問題があります。例えば会話や説明/アナウンスの中で使われている単語が間違いの選択肢に巧妙に含まれている問題(それっぽい単語が含まれているので一見正解のようにも見えるが不正解)、解答する上でのキーワードが会話や説明/アナウンスの中で非常に近接している問題(解答する上でのキーワードをキャッチして、該当する設問の選択肢の確認作業に気をとられている隙に次の設問に解答する上でのキーワードが読み上げられていて聞き逃してしまう)、解答につながるダイレクトな表現はなく類推でしか正解を選べない問題、それからPart4では説明/アナウンスの流れと設問の順番が逆転している問題などがあります。ここに発音の違い(米・英・豪・加)による惑わせが加わって2重、3重のトラップが完成します。このドリルのPart3,4ではそのようなトラップを仕掛けた問題が多く含まれていますので、トラップにひっかからないスキルを身につける上でのいい練習になります。

穿った見方をすればTOEICというのはいかに受験者に迷わせ、頭を疲れさせ、気力を挫かせ、失点させるかの観点で問題が作成されていますので、我々はその思惑に負けない強さを身に付ける必要があるわけです。本書のようにトラップやひねりのあるやや難しい問題を集めた高地トレーニング教材で負荷をかけて解答する練習を積めば、本番のリスニングはいつもより少しだけ余裕を持って解答することができると思います。

私は本ドリルを解き終えているので、トラップの種類やパターンみたいなものを自分の観点で織り交ぜながら本書を紹介していますが、実は本ドリルの解説にはトラップの種類とかパターンについての説明はほとんどありません。冒頭で、「この本はTOEIC900点以上の高得点を望む日本の学習者のために、最近の難易度を徹底的に調べ上げ、800点前後の学習者にとって不正解率が高い問題を中心に選別して構成しました」とあります。つまり、そういう問題を集めていることは公表していますが、それは一体どういう類のもので、どういう問題が不正解率が高いのか、その分析は明らかにしていないわけです。その点に関しては「本書の問題を解き、解き終わったら、なぜ不正解だったのかを必ず検討してください」と、学習者に分析を委ねています。私は私の観点で分析を終えていますが、ぜひ皆さんは皆さんなりの分析をしてみてください。

最後に、学習というのは復習が大事ですのでそこに一番時間をかけるようにしましょう。分析もそこで行います。TOEICの点数は購入したTOEIC本の数よりも、その復習にかけた時間に比例します。

(補足情報)
1.問題冊子が取り外せるようになっていて便利です。解答用紙は最後の方のページにマークシートがあり、はさみで切り取ってコピーして使用できるようになっています。

2.MP3音声のCD-ROMが付いています。データを収録したCD-ROMのため、音楽用CDプレーヤーでは再生できません。またMP3音声が再生できる機器でしか聴けません。PCからパソコンに取り込んでiTunesに取り込む方法、WindowsMediaPlayerで再生する方法については7ページ「CD-ROMの使い方」に記載があります。私はiTunesに取り込んでiPodで再生して聴きました。

3.上記CD-ROMにはTEST用とREVIEW用のデータフォルダが2つありますので、問題を解くときはTEST用を再生し、復習する時にはREVIEW用の音声を再生するとよいでしょう。違いはREVIEW用は各パートのDirectionの部分がカットされているというところです。問題部分だけの音声が収録されているため、まさに復習用と言えます。

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