ガヤトリ・スピヴァックが先日死んだ哲学者ジャック・デリダの『グラマトロジーについて』の英訳につけた序文(たかが序文というなかれ、結構引用されているのです)の翻訳が出ていたので、生協書籍部で買いました。訳者が、故由良君美先生のゼミナールで一緒になった田尻芳樹氏(当時、氏はまだ法学部に在籍)だったことも買った理由の一つなのですが、後書きに彼が書いているように、私が大学に入学した1985年に出るべきだったでしょう。ニューアカデミズム(ニューアカ)全盛のあの頃が一番売れ時で、田尻さんに印税がもっと沢山入ったでしょう(笑)。後書きは、舞い上がった所もペダントリーをひけらかす嫌みな所もない、実に実直なものなので、法学部を出ている人はさすがに手堅いなあと感心しました。彼が法学部から英文科の大学院に来たときは、指導教官の故高橋康也先生が「約束された出世コースを捨てて、わざわざ(こんなおんぼろの)文学部に来てくれた!」と大感激でしたが、確かに法学部から文学部の大学院に入るのって、警視庁から山口組(か稲川会)に出向するようなものかもしれません。1970年前後の大学紛争の後に、散々暴れまくった医学部にいられなくなって、やむなく文学部宗教学科の大学院を受験した医学部出身の某S氏も、「わざわざ医学部からうちの講座に来てくれるなんて、本当に有り難い!」と主任教授に熱烈歓迎されたといいますから、文学部の地位って低いんだなって、つくづく思いました(その後、S氏は同学科の教授になっています)。故高橋康也氏は日本国内の英文学の研究者としては、それなりに功成り名を遂げた方なのですけど。
昔話はここまでにして、この入門書からデリダに入れる人は正直言って羨ましいです。我々の頃には、ジョナサン・カラーとクリストファー・ノリスの本が手っ取り早い入門書でした。ポスコロやジェンダー論大流行の昨今、今更デリダなんて、とかぐずぐず言わずに、そこの貴方も買って読んでみてください。お薦めです。
昔話はここまでにして、この入門書からデリダに入れる人は正直言って羨ましいです。我々の頃には、ジョナサン・カラーとクリストファー・ノリスの本が手っ取り早い入門書でした。ポスコロやジェンダー論大流行の昨今、今更デリダなんて、とかぐずぐず言わずに、そこの貴方も買って読んでみてください。お薦めです。

デリダ論―「グラマトロジーについて」英訳版序文


