さきほど終わった「TVタックル」の最後の方で、現在も自民党内で審議中の「人権擁護法案」について触れられていましたが、その解説が笑えました。今回の法案の発案のきっかけともなった刑務所内での看守による受刑者の殺害事件から始まって、戦後恐らく最低の大臣と言っても過言ではない直野法務大臣が、例の官僚作文棒読み調で、一旦は廃案になった「人権擁護法案」の再提出を宣言。その後、法案推進派の悪役(ヒール)代表として、自民党古賀誠の顔が大きく映し出され、その後に暗めに映された実に陰気な公明党の神崎と冬柴の顔が映されます(神崎・冬柴は一度もしゃべらない)。代わって、法案反対派の善玉(ベビーフェイス)代表として、平沼赳夫氏が登場しますが、今月4日に開催された反対派の集会では、多数の日本人拉致を実行した(又はその実行に協力した)朝鮮総連を利する法案であるから葬り去らなくてはならないとぶちあげた平沼氏も、TVカメラの前では「いや〜、古賀さんとは同期ですからね。彼の苦労も実に理解できますよ」となぜか余裕ある温厚な語り口。一体どんな「苦労」であるかは、容易に想像がつきます。自民党の法務部会の座長である(タックル常連の)平沢勝栄氏も登場しますが、「自民党内では法案への反対意見が圧倒的多数ですが、連立相手の公明党に気兼ねしている方がいらっしゃるんです」と宣います。その前後に、平沼氏の「実は、古賀氏とは合意が出来ているんです」と笑顔で余裕のコメントが入ります。
「合意」の中身は番組の中では結局明かされませんでしたが、ここまで来ると、この番組の狙いは明白です。自民党内の「法案推進」派を救済すること(刑事コロンボの「実は、うちのかみさんがね....」という感じで、本心は反対なのだけど、連立維持のために仕方なくうわべは賛成している)、法案推進派として悪役扱いされている古賀誠は連立維持のために身を粉にしてけなげに調整作業をこなしているだけということ、そして、一番大事なのが、この法案を本当に通したがっているのは公明党だけというメッセージを伝えることです。平沼氏が漠然と触れた「合意」とは、何かと見返りに「人権擁護法案」を廃案にするというようなものではないかと推測できますが、今に至るまで公明党はなぜ国民に向かってただの一言も発しないのか、不思議で仕方がありません。それほど大事な法案であるならば、なぜ国民に向かって呼びかけないのでしょうか。公明党支持者の誰か、答えて下さい。
最後に笑ったのが、ビートたけしが浜幸に「この法案が成立したら、俺が罰金30万円なら、あんたは罰金400万円だ」と一言。確かにそうでしょう。かつて国会の審議中に旧社会党(だったはず)のある議員に「このゴーカン野郎!」と野次を飛ばして、その議員を辞職にまで追い込んだ浜幸など真っ先に刑務所送りです。浜幸は「あんな法案は成立するはずがない」と断言していましたが、そうでなければ、己の首が寒いでしょう。