場合の数
2007年11月25日
枚数の違う麻雀における役の難易度比較定数 (2)
部分役については比較の規準となる定数を用意したが、全体役についてはどうだろうか。 全体役と部分役との間での比較にどれほど適するかは分からないが、全体役のうちある種の役に対しては定義することができる指標を見つけた。
部分役のときと同じように、和了形に含まれる面子の数をnとする。 このとき、手牌を構成することのできる牌種をm種に制限する役βに対して、牌種制限役定数Lβを以下のように定義する:
- Lβ
- =(ランダムに3n+2枚取り出した牌が、すべて制限されたm種である確率)
- =4mC3n+2/136C3n+2
LαとPβを相互に比較することができるかどうか、今後いくつかの例について計算し検証してみたい。
2007年11月22日
枚数の違う麻雀における役の難易度比較定数 (1)
手牌の枚数が違う麻雀においては、部分役と全体役との間で難易度が逆転することがあるということを書いた。 具体例としては、小三元と対々和を見てみるとよいだろう。 13枚麻雀では、前者と後者の間には8倍ほどの難易差がある。 日麻や中麻をやっている人にはもちろん分かるだろうが、後者の方が和了りやすい。 しかし、16枚麻雀では前者は後者の倍ほど和了りやすいのだ。 これは小三元が手牌のうち8枚を強く束縛することで得る役であるのに対し、対々和は緩やかな規則に全体を統一することで得る役だからである。
数え上げのプログラムはまだ構想段階である。 全ての和了形を列挙するには、構成面子のパターンをつくせばよい。 しかし、全和了形の数の上界は1,2565,9512通りと見積もられた。 これでは、総当りには非常に時間がかかることが予測される。 そこで、萬子・筒子・索子の対等性(緑一色は別に数えればよい)を利用し、和了形の数を約1/6に絞ろうとしている。 そのためにどのような制限を課し、どのような和了形を対等性から何倍すればよいかというのに頭を悩ませているのだ。
完全な数値を求めるのもよいが、ある程度の信頼性を持つ簡易指標を考えるのも有効である。 和了形をランダムに生成し、それを用いて計算するのもよい。 一方、確率論的な観点から、乱暴に近似して手計算することもできる。 本記事ではその方法について解説する。
まず、求める麻雀に対して、その和了形に含まれる面子の数をnとする。 このとき、m枚部分役αに対する部分役定数Pαを以下のように定義する:
- Pα
-
=(αを構成するm枚の組合せ数kα)×(全麻雀牌から3n+2枚取り出したときに特定のm枚がすべて含まれている確率)
- =kα・136-mC3n+2-m/136C3n+2
なお、この定数が役の難易度比較において有効であるには、
- (和了手牌に役αが与えられる確率) ≒ (ランダム手牌のうちのあるm枚によって役αが成立する確率)
- (あるm枚によって役αが成立するランダム手牌の組合せ数) ≒ (役αを成立させるm牌の組合せ数)×(特定m牌が含まれるランダム手牌の組合せ数)
の2つの近似がともに妥当であることが必要十分である。