【堺からのアピール】

2013年10月

(webサイト『リベラル21』から転載させていただきました)


黒字経営の大阪市営地下鉄をなぜ民間事業者に売り飛ばすのか
民間企業であれば“特別背任罪“に該当する行為が「市政改革」なのか
橋下市長に対する市当局幹部の造反が始まった(2)
ポスト堺市長選の政治分析(その4)
~関西から(119)~
2013.10.29 広原盛明(都市計画・まちづくり研究者)
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-2563.html


 年間8億人、1日231万人(2012年度)の乗客が利用する大阪市営地下鉄は、数々の栄光に包まれた日本最初の公営地下鉄だ。1933年、近代都市大阪を築いた卓抜な政治家であり都市計画家であった関一市長によって日本最初の地下鉄御堂筋線が開通した。以来、大阪市は公営地下鉄としては市内一円と衛星都市一帯にわたる日本最大の路線網を着々と整備し、市民サービスに寄与してきた。


 しかし、特筆されるのはそればかりではない。大阪市営地下鉄は全国9都市の公営地下鉄の中で唯一黒字経営を達成した公営地下鉄なのである。2003年度に数十年ぶりに黒字決算に転換して以来、毎年黒字経営を続け、2010年度にはこれまでの累積欠損金を一掃した。そして2011年度には赤字の市バスに30億円の支援をした上でなお167億円もの黒字を出すという偉業を達成し、全国でも“超優良公営企業”にランクされている。2012年度も198億円の黒字だ。


 これは堺市長選のときに交通政策をめぐって指摘したことだが、大都市交通には「線交通」(通勤・通学など短時間に発生する大量ピストン交通)と「面交通」(買物・通院・商談など一定のエリア内で常時発生する多目的ランダム交通)という質的に異なった2種類の交通がある。大阪市の場合を例に取れば、前者はJR・私鉄・地下鉄が担い、後者は市バス(赤バス)が受け持つというように、「線+面」の都市交通ネットワークが形成されてはじめて市民の交通ニーズに対応できるのである。


 これを経営面からみれば、大量の乗客を輸送する「線交通」は黒字にしやすく、分散した少量の乗客を輸送する「面交通」は赤字になりやすいという傾向がある。しかし、大都市交通網としては両者が一体的に必要である以上、前者の黒字で後者の赤字をカバーするという経営方針は極めて合理的なものといえる。その意味で、大阪市営地下鉄は交通ネットワークとしても経営事業体としても全国公営鉄道事業の金字塔なのであり、全国に誇るべき公営事業・公共財産なのである。


 ところが、2006年に関西経済同友会(大阪財界)が「大阪市営地下鉄とバス事業の民営化」を提言して以来、大阪市政は愚かにも大阪財界の要求に屈して民営化路線に傾くようになり、2011年に当選した橋下市長の手によって2015年度までに地下鉄と市バスを完全民営化する方針が打ち出された。市バスは赤字路線を廃止し、路線を縮小整理したうえで民間事業者に譲渡する。地下鉄は黒字経営のままで民間事業者に売り渡すというのである。


 民間企業でも黒字部門をわざわざ手放すような馬鹿な経営者はいないだろう。

  やれば間違いなく会社法上の“特別背任罪”に該当し、同時に株主損害訴訟の対象になるからだ。会社法第960条には、「次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」という“特別背任罪”の規定があるのである。


 特別背任罪とは、会社の取締役など会社経営に重要な役割を果たす者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときに成立する犯罪であり、商法における一般の背任罪よりも重罪とされている。会社経営に重要な役割を果たしている者が背任を行った場合、通常の背任より責任が重いと考えられることから、商法の(一般)背任罪とは別に会社法にわざわざ特別背任罪が規定されているのである。


 私は商法・会社法はもとより行政法の専門家でもないので、公営企業においても民間企業と同じような特別背任罪に相当する刑事罰があるかどうか詳しくは知らない。しかし友人の弁護士から聞くところによれば、公営企業法にはそのような規定はなく、刑事罰に問われるとすれば、刑法上の一般的な背任行為に当たるとされている。しかしその場合でも、それは公営企業の経営破綻に関する管理者責任を問うものであって、黒字部門を売り渡すといった事態は想定されておらず、こんな前代未聞の事例は聞いたことがないという。


 大阪市営地下鉄がもし民間企業であれば、橋下市長の行為は間違いなく特別背任罪に該当し、株主損害訴訟の対象になるだろう。まして市民・国民の税金で建設されてきた公共財産であり、市民の足を保障する(黒字の)公共交通機関を「第三者=民間事業者」に売り飛ばすというのであれば、これはまさしく行政財産の破壊行為そのものであって、刑事告訴・告発や行政訴訟の対象にならないはずがない。


 また市民社会の一般的常識から言っても、橋下市長の地下鉄・バス民営化方針は市民の足を守るべき為政者の責任放棄であって、とても「市政改革の目玉」などといえるような代物ではない。だからこそ、さすがの大阪市議会もこればかりは容認するわけにはいかず、維新を除いて全ての会派が慎重姿勢(反対)を表明し、以降、地下鉄民営化条例は「継続審議」として見送られてきたのである。


 だが、小手先の「騙しのテクニック」に長けた橋下市長のこと、地下鉄民営化と運賃値下げを絡めて提案したところに彼一流の「セコイ工夫」があった。昨年12月、市交通局は「民営化基本方針」を発表し、初乗り運賃を2014年4月に10円、2015年10月にさらに10円値下げする方針を示して、今年2月に民営化基本条例案を市議会に提出した。僅か10円、20円の運賃値下げを餌にして地下鉄民営化を釣ろうというのである。


 市民・市議会を小馬鹿にしたようなこんな提案など通るはずがないと思うが、当然のこととして市議会では「継続審議」という名の宙づり状態になった。そこで市交通局は民営化の目途が立たないため、来年4月からの運賃値下げを断念し見送る方針を9月27日(堺市長選投開票日直前)に決定した。ところが10月15日、橋下市長が突如来年4月の20円値下げを市議会に打診し、さらに17日には「来年10月までに民営化条例を通さなければ、公営では値下げを維持できないので運賃をもとに戻す」と表明したのである。


 当然のことながら、市議会では運賃値下げを政治的取引材料にして地下鉄民営化の賛成を求める橋下市長の言動に対して野党各派(公明も含めて)から批判が集中した。しかしそれに増して18日の市議会交通政策特別委員会で、市交通局の藤本局長が「交通事業者の常識から今回の20円値下げは考えられない話だ」(毎日新聞、2013年10月19日)と橋下市長の発言を否定したことが大きな波紋を呼んだ。なぜなら、藤本交通局長は橋下市長が「地下鉄民営化の切り札」として登用した初の民間人局長だったからである。(つづく)



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(元京都女子大学教授、宇宙科学研究者の前田佐和子さんからの呼びかけを転載させていただきます。この問題の経緯をお知りになりたい方は、前田佐和子さんの次の二つの論考をお読みください。
揺れる八重山の教科書選び
2011年9月14日
http://peacephilosophy.blogspot.jp/2011/09/blog-post_16.html
八重山教科書問題の深層

2012年5月23日
http://peacephilosophy.blogspot.jp/2012/05/part-ii.html



(以下、前田佐和子さんの呼びかけ)

 ご承知のとおり、八重山教科書問題で、文科省は育鵬社版を採択しない竹富町に、「是正要求」という地方自治法にもとづく、実質的な強制命令を今週中にだすと恫喝しました。町がこれに応じない場合、国は町を訴えることができます。

 極小の自治体の財政的、精神的負担は想像を絶するものがあります。

 竹富町教育委員会が、どれほどの苦悩を抱えているかを想い文科省への意見をお一人でも多くの方が出していただくことが大きな力になると考え、お願いする
次第です。

https://www.inquiry.mext.go.jp/inquiry06/
に書き込みフォームがあります。ご意見をお寄せください。


 要点は
 「八重山では教科書一本化ができていないにも関わらず、石垣市、与那国町教育委員会が育鵬社版を無償給付されているのは違法であること、竹富町での寄付による配布は違法とは言えないと前文科大臣がしてきたこと、採択権限は教育委員会にあり、協議会ではない。違法な是正要求はするべきでない」ということです。


 ちなみに、私の書き込みは

 「八重山中学校公民教科書採択で、協議会の規約に瑕疵があり、3教育委員会が同じ教科書を採択しなかった場合の取り決めがない。従って、教科書無償化措置法による採択ができていないのは、石垣市、与那国町も同じであり、しかも無償措置を受けている違法性は、むしろこの2市町である。協議会会長による非民主的運営、調査員報告の無視は、教員に教科書採択における不可欠の役割が与えられるとした1966年ユネスコ勧告に反し、現場の意見を尊重するために将来的には学校単位での採択をめざすとされた1997年、2004年の閣議決定にも反している。3教育委員会全員協議で採択の一致を目指すよう、文科省と県教委の間で検討された事実を無視し、2011年9月8日の協議結果を認めないのは政治の介入である。協議会会長の教育行政については、石垣市市議会で不信任が決議されているとおり、地元の信任を得ていない。文科省が竹富町に是正要求を検討していると報道されているが、現実を無視した政治の介入は、現教育基本法にも抵触するもので、絶対にあってはならないことだ。」


 ぜひ、ご検討ください。よろしくお願いします。


 投稿期限はないと思います。
https://www.inquiry.mext.go.jp/inquiry06/
をクリックしますと、ページが出ます。

 「件名」のところに八重山地区採択公民教科書というような文言を書いて、内容は1000字以内で書き込み欄があります。


 コメントは短くて、「是正要求」発出に反対ということだけでも、十分だと思います。


 とにかく、是正要求を差し止めること、仮に発出されて、竹富町が態度を変えない場合、国が訴訟に訴えることを、なんとか止めさせるために多数の意見がだされることが大事だと思い、お願いしました。


 前田佐和子

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「戦前を取り戻す」のか 特定秘密保護法案
東京新聞社説 2013年10月23日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013102302000123.html

 

 特定秘密保護法案が近く提出される。「知る権利」が条文化されても、政府は恣意(しい)的に重要情報を遮蔽(しゃへい)する。市民活動さえ脅かす情報支配の道具と化す。


 「安全保障」の言葉さえ、意図的に付けたら、どんな情報も秘密として封印されかねない。


 最高十年の懲役という厳罰規定が公務員を威嚇し、一般情報も公にされにくくなろう。何が秘密かも秘密だからだ。情報の密封度は格段に高まる。あらゆる情報が閉ざされる方向に力学が働く。情報統制が復活するようなものだ。一般の国民にも無縁ではない。

◆米国は機密自動解除も


 秘密保護法案の問題点は、特段の秘匿を要する「特定秘密」の指定段階にもある。行政機関の「長」が担うが、その妥当性は誰もチェックできない。


 有識者会議を設け、秘密指定の際に統一基準を示すという。でも、基準を示すだけで、個別案件の審査はしない。監視役が不在なのは何ら変わりがない。


 永久に秘密にしうるのも問題だ。三十年を超えるときは、理由を示して、内閣の承認を得る。だが、承認さえあれば、秘密はずっと秘密であり続ける。


 米国ではさまざまな機会で、機密解除の定めがある。一九六六年には情報公開を促す「情報自由法」ができた。機密解除は十年未満に設定され、上限の二十五年に達すると、自動的にオープンになる。五十年、七十五年のケースもあるが、基本的にずっと秘密にしておく方が困難だ。


 大統領でも「大統領記録法」で、個人的なメールや資料、メモ類が記録され、その後は公文書管理下に置かれる。


 機密指定の段階で、行政機関の「長」は常に「説明しなさい」と命令される状態に置かれる。機密指定が疑わしいと、行政内部で異議申し立てが奨励される。外部機関に通報する権利もある。

◆名ばかりの「知る権利」


 注目すべきは、機密は「保護」から「緩和」へと向かっている点だ。機密指定が壁になり、警察の現場レベルに情報が届かず、テロを招くことがある-。つまり情報は「隠す」のではなくて、「使う」ことも大事なのだ。


 日本は「鍵」をかけることばかりに熱心だ。防衛秘密は公文書管理法の適用外なので、国民に知らされることもなく、大量に廃棄されている。特定秘密も同じ扱いになる可能性がある。


 特定秘密の指定事項は(1)防衛(2)外交(3)特定有害活動の防止(4)テロリズムの防止-の四つだ。自衛隊の情報保全隊や公安警察などがかかわるだろう。


 四事項のうち、特定有害活動とは何か。条文にはスパイ活動ばかりか、「その他の活動」の言葉もある。どんな活動が含まれるのか不明で、特定有害活動の意味が不明瞭になっている。いかなる解釈もできてしまう。


 テロ分野も同様である。殺傷や破壊活動のほかに、「政治上その他の主義主張に基づき、国家若(も)しくは他人にこれを強要」する活動も含まれると解される。


 これが「テロ」なら幅広すぎる。さまざまな市民活動も考えているのか。原発がテロ対象なら、反原発運動は含まれよう。まさか軍事国家化を防ぐ平和運動さえも含むのだろうか。


 公安警察などが社会の幅広い分野にも触手を伸ばせるよう、法案がつくられていると疑われる。


 「知る権利」が書かれても、国民に教えない特定秘密だから名ばかり規定だ。「取材の自由」も「不当な方法でない限り」と制約される。政府がひた隠す情報を探るのは容易でない。そそのかしだけで罰する法律は、従来の取材手法さえ、「不当」の烙印(らくいん)を押しかねない。


 公務員への適性評価と呼ぶ身辺調査は、飲酒の節度や借金など細かな事項に及ぶ。親族ばかりか、省庁と契約した民間業者側も含まれる。膨大な人数にのぼる。


 主義主張に絡む活動まで対象範囲だから、思想調査そのものになってしまう。警察がこれだけ情報収集し、集積するのは、極めて危険だ。国民監視同然で、プライバシー権の侵害にもあたりうる。


 何しろ国会議員も最高五年の処罰対象なのだ。特定秘密を知った議員は、それが大問題であっても、国会追及できない。国権の最高機関を無視するに等しい。

◆目を光らせる公安警察


 根本的な問題は、官僚の情報支配が進むだけで、国民の自由や人権を損なう危うさにある。民主主義にとって大事なのは、自由な情報だ。それが遠のく。


 公安警察や情報保全隊などが、国民の思想や行動に広く目を光らせる。国民主権原理も、民主主義原理も働かない。まるで「戦前を取り戻す」ような発想がのぞいている。

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わかりにくい維新が目指すもの/政界地獄耳
2013.10.22 日刊スポーツ
http://www.asyura2.com/13/senkyo155/msg/358.html

   ★予算委員会初日から国会は荒れ模様だ。自民、公明、民主、維新で進められるはずだった首相・閣僚の国会出席時間に上限を設けることを柱とする国会改革。臨時国会直前、メンバーに加えて欲しいとした日本維新の会が、自民党の国会日程作りなどに不満を漏らし椅子を蹴った。20日会見した国会議員団幹事長・松野頼久は維新が与党側に提案していた国会改革について「自民党の国会運営があまりに強引すぎる。国会改革を議論する環境にはない」とした。


 ★だが、自民党幹事長・石破茂は動じない。「全党ではまとまらないので国会改革はできませんでした、というのでは許されない」とした上で全党による幹事長・書記局長会談の週内の開催を呼び掛ける考えを示した。これは維新がへそ曲げようと前進あるのみといった自民党の不退転の決意を表したもので、石破からみれば「維新は官邸とは仲良しでも国会では思い通りにはいかない」という決意を示したものだろう。


 ★最近維新をめぐっては地域政党「大阪維新の会」が、15年春の統一地方選の候補者発掘を目指す政治塾の塾生を、12月から400人程度公募すると発表。その一方、日本維新の会共同代表・石原慎太郎は党本部を今の大阪から東京に移したいとの考えのあることも報道されている。それでいて野党再編は自民党に対抗できる勢力づくりというのだから、この党の目指すものがわかりにくい。「結局最後は自民党の補完勢力になるだけのコウモリ政党」(野党国対筋)とのレッテルも定着し始めた。折しも同党共同代表・橋下徹のぶら下がり取材も、テレビ局が各社ごとの撮影をやめ代表撮影になりさびしいものになった。「最近は元首相・小泉純一郎のインパクトのほうが大きい。脱原発でブレた橋下ではもう…」(野党幹部)。維新はこのまま終わるのか。(K)


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(webサイト『リベラル21』から転載させていただきました)


橋下大阪市政の“崩壊過程”が目に見える形で進行している
橋下市長に対する市当局幹部の造反が始まった(1)
ポスト堺市長選の政治分析(その3)
広原盛明(都市計画・まちづくり研究者)2013.10.23
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-2559.html#more


 一般的に言って、企業であれ役所であれ軍隊であれ、組織体が崩壊するプロセスには共通点が多い。現場のモチベーションが低下して職場の規律が乱れ、不祥事が発生して離脱者が続発する。中間管理組織に面従腹背の空気が広がり、現場への指揮命令系統が機能しなくなる。幹部組織の意思疎通が疎かになり、執行・統治能力が低下する。ブレーンや参謀が離反して政策・企画能力が劣化するなど、一連の組織崩壊過程が陰に陽に進行するのである。

 橋下大阪市政の崩壊過程はすでに堺市長選の前から始まっていたが(だからこそ、橋下市長は堺市長選の勝利に起死回生を懸けた)、堺市長選後はそれが目に見える形で公然とあらわれるようになった。選挙に当選さえすれば、民意はすべて自分に「白紙状態」で預けられたものと見なし、その「民意」を実現するには、市長は職員や教員に対して「独裁」的権限を振るう存在でなければならないとする橋下流手法が、いよいよ崩壊寸前の段階に到達したのである。


 橋下流独裁は、まず職員の思想調査や入れ墨調査、教員に対する君が代強制など組織全体を対象とする“恐怖政治”からスタートした。次にそれを恒常化するため職員・教員基本条例の制定を強行し、課長・係長や校長・教頭など中間管理職を締め上げることで管理統制を強化した。校長による君が代斉唱の「口パク調査」と教育委員会への通報強制など、聞くもおぞましい実例がその典型だ。


 だが中間管理職が思うように動かないのに業を煮やした橋下市長は、今度は自分好みの「人材」を民間人から登用することによって“橋下モデル”の導入に踏み切り、民間人校長や民間人区長の鳴り物入りの公募採用が始まった。だが悲しいかな、この「人材」の性質(たち)が悪くしかもレベルが恐ろしいほど低かった。セックススキャンダルで名を馳せた上司に見習ったのか、自分たちもセクハラ・パワハラを連発し、“逆モデル”(反面教師)のシンボルになってしまったのである。


 顰蹙(ひんしゅく)を買ったのは民間人校長・区長だけではない。橋下市長の与党である維新市議のレベルもこれまた悲しいほど低かった。自分の裁量ひとつで市の予算付けなどどうでもなると地元選挙区で豪語して吹聴する。市民からのパブコメ資料をこともあろうにゴミ箱に捨て、それをわざわざ写真にしてホームページに掲載する。議会事務局の市職員を自分の手足のように使って私物化する――。こんな例には事欠かないが、その極めつきは市議会議長に就任した維新議員の議長就任パーティーにおける市立高校吹奏クラブの政治利用だった。議長の権威を振りかざして校長やクラブ顧問を屈服させ、高校生たちをパーティーの席上でアトラクション要員に使ったのである。


 さすがにこの事件は市議会でも大問題になり、大阪市議会始まって以来の議長不信任決議が可決されるという事態に発展したが、いまだ以て維新議長は居座ったままで辞任には至っていない。ただし議長席に登壇すると不信任決議をした会派が欠席して議事が進行しないので、議事は副議長が代理を務め、自らは「欠席」を重ねて今日まで恥を曝している。10月23~24日に開催される本会議で辞任すると伝えられているが、無様なことこの上なしだ。


 こんな不祥事が相次ぐ中で、幹部職員の間でも「市長にはもうついていけない」との空気が広がり、前回でも書いたように、「大阪都構想」の具体化を議論する府市法定協議会の提出資料(財政試算レポート)に関する内部告発文書が、事前に関係者やマスメディアにリークされる事態にまで発展した。私が入手した当該文書は、財政局関係の幹部職員(OBも含めて)の手で慌ててつくられたものであるらしく、文章名もなければ日付もなく書式も整っていない簡単なものだ。通常なら「怪文書」と見なされても仕方がないが、おそらく然るべきルートで送られてきたので確かなものとして扱われたのだろう。


 しかし告発文書のなかからは、2000件の事務について膨大な時間と労力をかけて作成した(させられた)財政試算レポートに対する彼らの憤りが手に取るように伝わってくる。

 「このレポートにおいては、都市計画権限、基幹道路の整備、港湾管理・整備、産業・集客観光、中央卸売市場、大学並びに各種試験研究機関に関わる事務が当初予定通りに府に移管、市が特別区に細分される府市制度の組み替え案が各事務について検討され、財政的試算が行われた。しかしこれほどの組み換えを行うことにより、大阪がどう活性化するのか、市民生活がどう豊かになるのか、このレポートでは明ら(か)となっていないのみならず、それを担保するための財源、組織が極めて恣意的な内容となっている。都構想の効果とは、要約すれば、府市再編により生じた財源(効果額)から再編に伴う経費(コスト)を控除し、なお生じた余剰を府市財政健全化と新たな施策の展開に充当し、大阪の活性化が図られるというものであり、それが時間軸上も保証されることが明らかにされていなければならない」


 この法定協議会(8月)での議論が発端になって、大阪府議会および大阪市議会では大阪都構想の財政効果に関する疑問点が(新たな内部告発によるものか)次から次へと浮かび上がってきた。以下、箇条書きに問題事項を列挙しよう。

(1)9月13日、府市統合法定協議会。自民市議が大阪市を7つの特別区に再編する場合、事務職員2200人の増員が一挙に必要になり、再編しない場合に比べて20年間で1690億円の人件費増になることを指摘。公明市議も2200人の事務職員を一挙に確保することは不可能と指摘(大阪市の年平均採用人数は120人前後)。

(2)10月2日、市議会決算特別委員会。自民市議が地下鉄民営化にともなう275億円の補助金削減効果を94億円少ない181億円と指摘。市交通局が「誤算」を認め、副市長が陳謝。

(3)10月11日、府議会総務常任委員会。公明府議が府市統合により国から地方自治体に交付される地方交付税が36億円減る可能性を指摘。府市は減額にならないよう総務省と調整すると言明。

(4)10月11日、市議会大都市・税財政制度特別委員会。共産市議が「二重行政をカットして生み出せるのは9億4千万円だけ」と指摘。


 このような事態を朝日新聞(10月19日夕刊)は、1面トップで「都構想、大揺れ皮算用」、「コスト減試算、1千億円? 9億円?」、「維新、にじむ焦り」との見出しで、「2015年春に大阪市と大阪府の再編をめざす『大阪都構想』をめぐり、市議会と府議会が紛糾している。役所の組み替えで行政コストをどれだけ節約できるのか。飛び交う試算額は1千億円から数億円まで乱高下し、制度設計の議論は入り口で立ち往生している」と大々的に伝えた。


 だが、事態はこれだけで終わらなかった。それは地下鉄運賃の引き下げをめぐる橋下市長と民間から「地下鉄民営化の切り札」として起用した交通局長(元京福電鉄副社長)の対立である。(つづく)

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維新「自民の補完勢力」を懸念、消費増税で条件
2013年10月19日11時53分  読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20131018-OYT1T00966.htm
  
 日本維新の会の片山虎之助・税制調査会長は18日、国会内で記者会見し、安倍首相が決めた来年4月の消費税率の8%への引き上げに対し、「デフレ脱却のため一層の規制改革や法人税・所得税減税などを政府・与党が実行に移さない限り、容認し難い」との考えを表明した。
  
 維新の会は8日の税制調査会で消費税増税について容認することで大筋で一致したが、その後、「自民党の補完勢力と見られる」などの懸念の声が相次ぎ、17日に再び税調で話し合い、片山氏に一任することを決めていた。


 片山氏は消費税増税の前提として経済効果のないバラマキ政策に反対し、国会議員定数と公務員総人件費の削減などを政府に求めた。

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政権との間合い、悩む維新=「補完勢力」批判を懸念-衆院予算委
時事ドットコム 2013/10/22-20:41
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013102200914


 日本維新の会が安倍政権との間合いの取り方に苦慮している。批判一辺倒の路線とは一線を画すものの、安倍晋三首相に協力的な姿勢を示せば「自民党の補完勢力」とみなされてしまうためだ。22日の衆院予算委員会では、平沼赳夫国会議員団代表が憲法改正で首相に「共闘」を呼び掛けた一方、松野頼久国会議員団幹事長が政府の原発事故への対応を厳しく追及するなど、足並みの乱れも目立った。

 「維新は是は是、非は非のスタイルでいく。自民党の政策でもいいことは賛成し、矛盾があれば反対する」。平沼氏は質問冒頭でこう宣言。「時代に合った憲法をつくるべきだ」として、改憲発議要件を緩和するための96条改正を訴えると、首相も「憲法は国民が決めるという原点に戻ろう」と応じた。
 中田宏氏は、首相や閣僚の国会出席を減らすなどの国会改革の必要性を強調。首相は「野党の立場にもかかわらず、国益の観点から考えていることに敬意を表したい」と中田氏を持ち上げた。


 ただ、維新は、9月に橋下徹共同代表(大阪市長)のお膝元である堺市長選で敗北。党勢立て直しが課題となる中、政権に接近し過ぎれば党が埋没しかねないとの懸念がある。

 22日の質疑で東京電力福島第1原発の汚染水問題を取り上げた松野氏は、汚染水が港湾外に流出している可能性を再三にわたりただし、茂木敏充経済産業相に「湾内と外洋の水は混ざる」と認めさせた。

 汚染水の影響を全面否定した首相発言を「五輪招致の最大の功績」と称賛した石原慎太郎共同代表の16日の代表質問を忘れたかのような松野氏の舌鋒(ぜっぽう)は首相にも向けられ、首相は「何回も答えているように影響はブロックされている」と色をなして反論した。松野氏は、質疑後の記者会見でも「連立を組んでいない以上は野党だ。(首相らの)答弁はごまかしだった」と述べ、「政権寄り」の印象の払拭(ふっしょく)に躍起だった。

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一線を越える安倍政権 問われるリベラル系メディアのチェック機能

本紙特報チーム渡辺豪記者が「Journalism」(朝日新聞社、2013年10月号)に寄せた記事を転載する。
沖縄タイムス
http://www.okinawatimes.co.jp/note/webplus_journalism1310check

渡辺豪(わたなべつよし)
沖縄タイムス記者
1968年兵庫県生まれ。関西大学工学部卒。
92年毎日新聞社入社。北陸総局などを経て98年沖縄タイムス社入社。政経部基地担当などを経て現在特別報道チーム兼論説委員。2013年10月、連載「波よ鎮まれ~尖閣への視座~」が第13回「石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞」草の根民主主義部門大賞を受賞。
 主な著書に『「アメとムチ」の構図』(沖縄タイムス)、『国策のまちおこし』(凱風社)、『私たちの教室からは米軍基地が見えます』(ボーダーインク)、『この国はどこで間違えたのか~沖縄と福島から見えた日本~』(徳間書店)。

 集団的自衛権の行使容認に意欲的な安倍政権は、憲法解釈見直しに前向きな小松一郎氏を内閣法制局長官に抜てきした。
 集団的自衛権は、自国と密接な関係にある国が攻撃を受けた場合、自国に対する攻撃とみなして実力で阻止する権利だ。行使容認は平和主義の理念を空洞化させ、専守防衛の範囲を逸脱し、海外での武力行使も可能にする。事実上、憲法9条を空文化する改憲に等しい決定を、国民が関与できないところで行おうとする安倍政権は明らかに一線を越えつつある。
 野党が存在感を欠く中、マスメディアの権力チェック機能がこれまでにも増して求められている。が、安倍政権に対するマスコミの評価は、保守とリベラルで大きく分かれている。読売や産経といった保守系メディアは集団的自衛権の行使容認に向かう安倍政権を一貫して支持する。そうした中、朝日や毎日といった主要紙をはじめ、筆者が属する沖縄タイムスを含むリベラル系のメディアの取り組みが問われている。
 何をすべきか、何ができるのか。

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 8月20日付毎日新聞夕刊「特集ワイド」の問題意識は明確だ。集団的自衛権の行使容認に向けた安倍政権の手法の問題点を整理し、「憲法解釈がなし崩し的に変更されたら、他国から攻撃されるより先に『法治国家』日本が崩壊する」と警告している。
 この中で、元内閣官房副長官補の柳沢協二氏は「近海で米艦が攻撃されれば日本有事で憲法が認める個別的自衛の範囲内であるし、米国に向かうミサイルは北極を通るため物理的に国内から迎撃できない。いずれも集団的自衛権を行使したいという抽象的な政治目標を達成したいだけではないか」とコメントしている。
 日本政府はなぜ、「抽象的な政治目標」にまい進するのか。近年の日本で集団的自衛権が取りざたされるようになったのは、2000年の「第1次アーミテージ報告」で行使容認が日本への期待として盛り込まれたことが少なからず影響している。
 対日外交の指針として米国の超党派メンバーによって作成されるこの政策提言は、2007年の第2次報告、昨年8月の第3次報告を通じ、直接、間接織り交ぜ、日本に集団的自衛権の行使容認や9条改憲を求めている。
 日本政府の外務・防衛官僚は、元米国務副長官のアーミテージ氏ら一握りの米国のジャパンハンドラー(対日関係の操縦者)の要求に応じることを目的化している。このため、抽象的な政治目標であろうが、自国民にいかなる犠牲を強いることになろうが、とにかく「要求に応えることに意義がある」という思考停止に陥らざるを得ないのではないか。
 集団的自衛権の行使容認によって「安保の双務性(互いに義務を負う)」を担保するのであれば、多額の「思いやり予算」(在日米軍駐留経費の日本側負担)の減額・支払い停止や日米地位協定の改定、沖縄をはじめとする在日米軍基地の削減・撤退も同時に議論していくのが筋だが、日本側からはまったくそういう声が上がらない。日本が集団的自衛権行使に踏み切る目的が、自主外交に舵を切るためではなく、米国により深く臣従することにあるから、そうなるのだろう。
 戦後日本の支配階層は対米関係を腫れ物に触るように扱ってきた。
直近でこの虎の尾を踏んだのは鳩山由紀夫元首相だ。普天間飛行場の移設先を「最低でも沖縄県外」と唱えた鳩山氏は、ジャパンハンドラーから激しい非難を浴びた。それを繰り返し報じたのは日本の主要メディアである。過度な対米追従からの離脱を模索することすら政治的に「危険視」される状況は異様である。
 安倍晋三首相はこうした構造を熟知し、主体的にジャパンハンドラーの意向に沿うようにふるまっているのだろう。今年2月、ワシントンを訪れた安倍首相がアーミテージ氏らの活動拠点である保守系のシンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)で講演したのは象徴的だった。
 「中国の脅威」を最大限アピールし、米国をアジアに引き留めようとする安倍政権の意図と、中国とは決定的な対立を避けつつアジアの市場と軍事的権益を確保しようとする米政府の狙いは微妙に食い違う。それでも、財政難から軍事予算削減を強いられる米国にとって巨額の駐留経費を肩代わりし、軍事的役割も担おうとする日本との「同盟強化」は国益にかなう。10月に開かれた日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で、日本の集団的自衛権の行使容認を米国は「歓迎する」との文言が合意文書に盛り込まれたのも当然の帰結だろう。
 なぜこうした背景を記すのか。過度な対米追従の実態にマスコミが無自覚なまま批判を重ねても、安倍政権の危うさの本質には切り込めない、と考えるからだ。
 集団的自衛権をめぐる安倍政権の政治手法が法的に「逸脱」しているのは論をまたない。粘り強く丁寧に批判するのは重要だが、それだけでは安倍首相は意に介さないだろう。世論を動かすには、国民生活に直結する利害を提示する必要があると思う。
 日本は米国に従属している。その事実を正視した上で、対米従属の下で行使容認に踏み切るリスクを、マスコミは包み隠さず国民に知らせるべきではないかと思う。
 米国との関係が対等ではない中、「米国の戦争」に巻き込まれないようにするにはどうすればいいのか。これは国民の生命・財産を守る上で、差し迫った課題と捉えるべきだろう。

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 集団的自衛権の行使容認で問われるのは、自国民を危険にさらしても日米同盟を優先させる覚悟はあるのか、ということではないか。無論、安倍首相にはあるのだろう。だが、一般国民はどうだろう。日米同盟=「国益」という論理の下、命を投げ出す覚悟はあるのか、と世論に問うてみたい。前線に立たされることになる自衛隊員の「命の重み」という視点で、どれだけ議論が積み上げられてきたのかも甚だ疑問だ。
 日本本土からは見えにくいかもしれないが、沖縄では日米同盟の名の下に県民の安全が日常的に脅かされている。沖縄タイムスで「県民の安全」「県民の命」というキーワードで検索したところ、この1年間(昨年8月~今年8月)の米軍の運用や事件事故に絡む記事は約70に上った。ほとんどが日米同盟を優先し、県民の命や安全を危険にさらしてもいいのか、という異議申し立てである。
 記事の一例を挙げる。宜野座村の米軍キャンプ・ハンセン演習場で墜落、炎上した嘉手納基地所属のHH60救難ヘリコプターの同型機が事故から11日後、事故原因が特定されないまま飛行訓練を再開した。
 その翌日の今年8月17日付の社説は「見切り発車」の飛行再開に対して「県民の安全をないがしろにするものであり、とうてい納得できない」と指弾した。米軍の担当者が「停止が長引くと、救難技術に衰えが出る」と訓練再開の理由を説明したことにも触れ、「住民の安全より米軍の論理の優先だ。生身の県民の存在はすっぽり抜け落ちている。軍隊の本質である」とも付言している。
 米軍基地が集中する沖縄は日々、「有事」のような環境に置かれている。集団的自衛権の行使容認は、自衛隊が戦場で米軍と一体化することでもある。全国の自衛隊は今よりも急ピッチに米軍と融合し、短期間で大きな変貌を遂げるだろう。住民生活の場に軍事優先の論理が幅をきかす状態とは、どういう「痛み」を強いるものなのか。現場の皮膚感覚を欠いたまま、集団的自衛権の観念的な議論が進むのは、沖縄の状況を多くの国民が直視してこなかったことの現われだろう。沖縄県内外のメディアの「伝え方」がますます問われる局面だと認識している。

■  ■

 地方紙に属する筆者が自社のことを棚に上げるようで心苦しいが、リベラル系全国紙の論調の弱点を指摘しておきたい。
 それは一貫性の乏しさだと感じている。筆者はそのことを普天間問題への論調で実感できる。鳩山政権時代の報道を振り返りたい。
 沖縄タイムスは10年7月31日付の社説で、普天間問題に対する当時の全国紙各紙の社説で違和感をもつ一節を列挙した。
 「傷ついた日米当局間の信頼をどう回復するつもりか」(朝日)、「普天間問題を日米同盟全体を揺るがす発火点にしてはならない」(毎日)、「安保にかかわる米軍基地問題に関して、県民の意向だけに委ねるような姿勢は危険である」(読売)
 社説はその上で「『同盟危機』という言葉が思考停止を起こさせ、メディアは自ら言論の自由度を下げてしまった。権力監視というメディアの存在価値が問われる」と苦言を呈した。
 断っておくが、こうした指摘は極めて異例のことである。
 この2日前。普天間爆音訴訟の控訴審判決で、福岡高裁那覇支部はヘリコプター特有の低周波がもたらす精神的被害を初認定した。判決は一方で、住民が求めた飛行差し止めは退けた。
 同判決を受けた原告団の記者会見の席で、島田善次団長は県外の大手メディアの報道のあり方を痛烈に非難した。
 「あなたたちは司法よりたちが悪い。鳩山(由紀夫前首相)が県外と言ったときに日米同盟が破たんすると朝日新聞をはじめ各新聞が騒ぎ出した。破たん、破たんと騒ぐばかりで読むに耐えない」。会場に集まった原告や支援者からはこの日一番大きな拍手が起きた。
 社説はこの出来事を踏まえたものである。沖縄県内で中央メディアの「沖縄報道」が公然の場でこれほど辛辣に批判されたのはおそらく初めてのことだ。
 鳩山政権での朝日新聞社説の迷走を、10年9月号の本誌で屋良朝博氏(当時沖縄タイムス論説兼編集委員、現フリージャーナリスト)が詳細に記している。以下に一部を要約、再掲する。
 朝日新聞社説は10年1月の名護市長選で移設反対派の市長が当選すると、「『県外』探しを加速せよ」(1月25日)と主張した。ところがその後、シュワブ陸上案、ホワイトビーチ沖の人工島埋め立て案、徳之島案などが飛び出した3月、「暫定的に一部の負担を(沖縄)県内で引き続き担ってもらうことも(中略)あるだろう」(3月29日)と主張を変えた。そして鳩山前首相が5月末とした決断の期限が残り1カ月に迫った4月14日の社説は「首相は、一部の機能を沖縄県内に残しつつ、極力、県外への移設を模索しているようだ。時間的な制約のなかで、やむをえない方向性ではあろう」と県内移設を後押しした。
 こうした経緯を説明した上で屋良氏は「主張が一変した理由は何だったのか。『最低でも県外』から『辺野古回帰』までの『鳩山迷走』が日米同盟を傷つけたと断罪されたが、朝日も同じく迷走した」と指摘している。

■  ■

 鳩山政権の崩壊後、普天間問題は国政の焦点から外れていった。奇妙なのはその後、沖縄にとって事態が悪化していく中、肝心な局面で沖縄を「見限った」かに映った朝日の論調が再び、「沖縄寄り」に移行しているように見えることだ。
 朝日新聞は今年3月5日付社説で「日米同盟が重要だというなら、日米両政府で辺野古に替わる選択肢がないか改めて検討すべきだ。本土への基地の分散移転も、真剣に探るべきではないか」と主張した。
 一読すると、沖縄タイムスの社説の論調と変わらない。
 ただ、沖縄から見れば、鳩山政権時、普天間の県外移設の実現よりも、日米同盟が重要だと唱えてきたのは他でもない、大手メディアのあなたたちではないか、との思いがぬぐえない。
 朝日の社説は変化したのだろうか。今後、日米同盟がぎくしゃくすることがあっても、沖縄県民の民意を優先し、県外に移設すべきだと踏み込んでくれるのだろうか。
 うがった見方をすれば、安倍政権が「辺野古見直し」を一顧だにしない現状を十分認識した上で、社説で「県外移設」を唱えても現実化しそうにないので、「安心して」辺野古移設に批判的な論陣を掲げている面はないか。具体的な本土の地名を挙げなければ、「本土への分散移転」にも反発は及ばない。代替案の提示をあいまいにしておけば、誰からも文句を付けられにくい。そんな「打算」はないか。これでは、国民の良心をくすぐり、罪悪感を薄らげているだけである。政策転換の実現を求める姿勢は本物かと問いたくなる。
 普天間問題も、そのときどきの世論の「空気」に合わせて自在に論調を変幻させているように見えなくもない。こうした感性は「沖縄は気の毒だが、自分の住む所に米軍基地は来てほしくない。しかし日米同盟は重要だ」という何の解決にもならず、解決する意思もない、日本国民の心性とシンクロしているようだ。
 やはりどこか「他人事」である、と受け止めざるを得ない。同時に「きれいごと」のようにも映る。
 その点、読売や産経といった保守系メディアの論調は、善しあしはともかく、「辺野古移設推進」で一貫している。国防上の「メリット」の提示も怠らない。建前でなく、本音を訴えているように映る。
 リベラル系メディアの役割は、「右傾化」の流れに符合して保守系メディアの論調にすり寄ることではない。「超えてはならない壁」や「譲れない一線」はどこにあるのかを明示し、ときの政権のスタンスや世情に流されずに論陣を張る毅然さが求められているのではないか。
 憲法9条を盾に集団的自衛権の行使を認めない憲法解釈は、対米従属を国是としながらも、大国アメリカの要求に無為に従うことを回避する、「政治の狡知」として長年機能してきたはずだ。このカードを捨て去る国益の損失は「きれいごと」では済まない。
 今はもう自民党内のリベラル派の声もほとんど表には出てこない。リベラル系の大手メディアには建前ではなく本音で全国世論に発信してもらいたい。

朝日新聞社刊「Journalism」(2013年10月号)から転載
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【動画】10月20日たかじんのそこまで言って委員会③
(20分09秒)
http://www.youtube.com/watch?v=YUvNN2WczC4
(竹田恒泰のレイシズム発言の在特会関連発言は、8分10秒から8分48秒)


(webサイト『C.R.A.T(Counter-Racist Action Collective、対レイシスト行動集団)』から転載させていただきました)

 [HATE CLIP]  竹田恒泰「通名は在日特権。在特会はいいこともした」
http://cracjpn.tumblr.com/post/64664396381/hate-clip

媒体:読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」
日付:2013年10月20日放送

発言者:
竹田恒泰井上和彦

内容:「在日特権」デマ、どっちもどっち論
動画ソース:
 
C.R.A.C. Clip Daily Motion Youtube

竹田恒泰「私は在特会が…いいこともしたんです。別にしゃべってる内容がいいというわけじゃなくて、在特会が活動したおかげで、在日の特権というものの問題が明らかになったわけですよ。これまでほとんど誰も知らなかったんですけど。たとえば通名っていうのがあって、日本人の名前に変えることによって、今までの犯罪歴から、金融関係の経歴から全部消すことができて、また新たな犯罪ができるとか、そういうことをですね、かなり表現したんですね。だから在特会は表現についてはいろいろと意見が分かれるところですけども、在特会が問題提起したことというのは、かなり重要なことも含まれているんです。ただ、私はああいう表現はしないですけども、在特会には在特会の意義はあったと思うんですね」

井上和彦「ただいずれにしても、これで、私がいちばん言いたかったのは、韓国側が日本政府に対してこういう民族の差別はやっぱりよろしくないというふうに言ってきたんだったら、そのまんまおまえんところに返してやると。国家丸抱えで日本に対して反日ヘイトスピーチ、なんだこれはと。いうのをやっぱりですね、もうちょっと、日本側からも発信すべきだと思う。そしたらお互いもうちょっと、さっきの話、その反日だとか嫌韓というのがおさまっていくんじゃないかとなと思います。日本も言わなさすぎますよ」

 竹田恒泰の言う「特権」とは「犯罪がしやすいこと」であるらしい。すなわち竹田は犯罪者ワナビーと言ってよいだろう。ちなみに彼の言う「日本人の名前に変えることによって、今までの犯罪歴から、金融関係の経歴から全部消すことができて、また新たな犯罪ができる」というのは完全なデマ。

 たとえば『ザ・在日特権』(宝島文庫)の中で触れられている民族系金融機関における資産隠しは通名ではなく親族名義の口座をつかって行われたもの。過去に別名義での口座がつくりやすかったのは外国人が通名を使えたからではなく法律が禁じていなかったためで、日本人でも在日外国人でも事情は同じである。

 通名というものが在日韓国・朝鮮人の多くの人にとって普段使いの名前であることすら理解していないこうした層(ちなみに竹田は1978年、東京生まれ)に、在特会のデマというのはいとも簡単に浸透する。井上の発言はネトウヨ層の主流の意見と同じということで、どうでもいいが晒しておく。

《おまけ》
 井上和彦「これはね、安倍さんが言う通りで、こんなゴキブリだとか言う必要はないだろうと。それはもう誰がどう見たって、聞いててもいやですしね。ただ、一方でね、私ちょっとこの問題では、反対側のしばき隊っていうのがあって、今度はそのヘイト・スピーチをやってるやつらに、それと同等かあるいはそれ以上の強烈な連中がやってるっていうのが、どうもそっちのほうが報道されていないというのがまたちょっと問題…」

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読売テレビ番組「たかじんのそこまで言って委員会」での在日コリアンに対する差別助長・偏向発言に関する抗議文

 私たちコリアNGOセンターは、在日コリアンを中心に「人権」「平和」「共生」を理念として、活動をおこなっているNPO法人です。

 さる10月20日、読売テレビで午後1時30分より放映された「たかじんのそこまで言って委員会」において、出演者の竹田恒泰氏が在日コリアンに対する看過できない、偏見と差別に基づいた虚偽の発言をおこない、それを読売テレビが放映したことについて、断固として抗議するとともに、放送局の責務として、差別を助長する放映をおこなった事実を公に認め、訂正放送をおこなうよう求めます。

 10月20日、放映された「たかじんのそこまで言って委員会」では、京都朝鮮第一初級学校に対する「在日特権を許さない市民の会」(以下在特会)らのヘイトスピーチが人種差別であるとして1226万円の賠償が認められた10月7日の京都地裁判決など、この間、日本各地で繰り広げられているヘイトスピーチを論点として取り上げました。番組では今年5月に安倍首相が国会でおこなったヘイトスピーチに対する批判的答弁も紹介されており、聞くに堪えない差別表現を繰り返す、彼らの行動、表現に対してコメンテーターからも問題視するコメントも多く出されました。

しかし、それらの発言のなかで、出演者の一人である竹田恒泰氏は、以下のような趣旨の発言をおこないました。

「(いろいろ批判もあり、表現の仕方は問題がありますが)在特会はいいこともしたんです。在特会が活動したおかげで在日の特権というものの問題が明らかになりました。たとえば通名というのがあって、日本人の名前に変えることによっていままでの犯罪歴から、金融関係の経歴を消すことができて、また新たな犯罪ができる、そういうことをかなり表現したんです。だから在特会の表現について評価は分かれるところでしょうが、在特会が問題提起したことはかなり重要なことが含まれています」

 この発言は、以下の点から到底看過すべきものではないと考えます。

(1) この発言は在日コリアンの通称名使用による「特権」として、犯罪歴や金融機関の取引記録の抹消などとしています。しかし在日コリアンをはじめとする在日外国人は、以前は外国人登録でしたが、現在は在留カード、特別永住者証明証などで、日常的に身分事項を厳格に管理される制度の下に置かれており、通称名の使用や変更によって過去の犯罪歴や経歴の抹消をおこなうことは到底できません。したがって竹田恒泰氏の発言は明らかに事実に反しており、こうした虚偽の事実を流布することは、偏見を助長するものであり、決して許されません。
(2) また、この発言は在日コリアンの歴史性を背景とする通称名問題を、きわめて歪曲、矮小化しています。そもそも旧植民地出身者としての在日コリアンは、植民地時代に創氏改名により実質的に日本名を名乗ることを強要されてきました。そして解放後も厳しい日本社会の差別の中で、民族名を名乗れない、すなわち自らの出自、アイデンティティを隠すことを余儀なくされる生活を強いられてきました。そうした歴史的事実を全く無視し、通称名を特権視することは、歴史の歪曲以外のなにものでもありません。そして、これを放送局が放送することは、在特会の主張する論理を肯定化し、それを拡散させ、誤った認識と差別意識を拡散させることになります。

(3) 同時に、通称名使用の「特権」なるものが犯罪や金融と結びつき、あたかも新たな犯罪行為を行うことができるかのように語るのは、在日コリアンが犯罪集団であり、危険な存在であるという歪んだ偏見を助長するものであり、私たちは到底許すことができません。

(4) 在特会のヘイトスピーチは、いまや政界、法曹界はもちろん、各界各層で、人種差別行為として批判されています。また朝鮮学校のみならず彼らが行ったヘイトスピーチが威力業務妨害や暴行などに問われ、関係者が逮捕される事態も相次いでいます。そうしたなかで、「いいことをした」と肯定することは、まさに彼らの暴力的な人種差別を容認することにほかなりません。

 以上の理由から、私たちは発言をおこなった竹田恒泰氏に、同番組内にて差別と偏見の助長につながる誤った発言をおこなったことに対する謝罪と訂正を求めるものです。

 また、今回の放送は事前に収録された番組として、録画、編集されたものであり、読売テレビが事実ではない虚偽の内容にもとづく、在日コリアンに対する人権侵害、差別を助長する番組を放映したことの責任もきわめて大きいといえます。私たちは、こうした観点から放送法にもとづく訂正放送を求めます。

 いま各地で広がるヘイトスピーチは、在日コリアンのみならず、良心ある日本の市民の方々も傷つけています。ぜひ読売テレビにおかれましては、社会の公器であるメディアの責務からも、適切な対処をおこなうよう強く求めます。

2013年10月22日

特定非営利活動法人
コリアNGOセンター
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読売テレビ:在日コリアン発言で抗議 NPO法人
毎日新聞 2013年10月22日 11時54分(最終更新 10月22日 12時25分)
http://mainichi.jp/select/news/20131022k0000e040213000c.html


 読売テレビ(大阪市)が今月20日に放送した番組「たかじんのそこまで言って委員会」で、出演者が在日コリアンに対する差別を助長する発言をしたとして、在日外国人の人権保障に取り組む大阪市のNPO法人「コリアNGOセンター」が22日、同社に対し、抗議した。放送倫理・番組向上機構(BPO)にも、審理を申し立てた。


 番組では、「在日特権を許さない市民の会(在特会)」によるヘイトスピーチ(憎悪表現)の問題が取り上げられた。パネリストで出演した作家の竹田恒泰氏が「在特会が活動したおかげで在日の特権の問題が明らかになった」とし、「例えば、通名というのがあって、日本人の名前に変えることによって、犯罪歴や金融関係の経歴を全部消すことができ、また新たな犯罪ができる」と話した。


 「コリアNGOセンター」は抗議文で「発言は明らかに事実に反し、偏見を助長する」と指摘。読売テレビに対し、「放送は事前収録だったのに、虚偽の内容に基づく番組を放映した責任は重い」とし、放送内容の訂正を求めた。


 読売テレビは「抗議を受けたことに対して、現在詳細に検討しています」とコメントしている。

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抗議声明
2013年10月21日(月)
のりこえネット
-ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク- 

2013年10月20日放送
読売テレビ系列「たかじんのそこまで言って委員会」における竹田恒泰氏の発言について

http://www.norikoenet.org/common/pdf/20131021_seimeibun.pdf 

1 2013年10月20日に読売テレビ系列にて放送された「たかじんのそこまで言って委員会」において、竹田恒泰氏(以下「竹田氏」と言う)は、「在特会のことなんですけども…在特会がいいこともしたんです!あの、その、しゃべっている内容がいいってわけじゃなくて、在特会が活動したおかげで、在日の特権というものの問題が明らかになったわけですよ。これまでほとんど誰も知らなかったんですけど。たとえば通名っていうのがあって…日本人の名前に変えることによって、今までの犯罪歴から、金融関係の経歴から全部消すことができて、また新たな犯罪ができるとか、そういうことをですね、かなり表現したんですね。だから在特会は、まぁ表現についてはいろいろと意見が分かれるところですけども、在特会が問題提起したことというのは、かなり重大な、重要なことも含まれているんです。ただ、私はああいう表現はしないですけども、在特会には在特会の意義はあったと思うんですね」等と発言(以下「本件発言」と言う)した。
 
2 しかしながら、これらの発言は重大な事実誤認であるばかりか、通名制度が導入された歴史的経緯、即ち、日本国による朝鮮半島の植民地支配の下、皇民化政策の一環として導入された「創氏改名」制度があることを無視する
もので、到底看過することはできない。
 さらに、竹田氏の本件発言は、あたかも在日コリアンの全てもが「通名」制度を利用して、犯罪や不正に関わっているかの如く視聴者を誤導しており、人種差別的な重大な人権侵害行為であると言わざるを得ない。
 
3 そもそも「特権」とは、特定の身分や地位の人がもつ、一切の優遇的地位・利益をいうところ、本名以外に「通名」を使用すること自体は、コリアンのみならず、日本国に居住する全ての外国人において法律上可能である。
 また、外国人ではない日本人においても、通称名を名乗ることは法律上許されている。
 このように、日本では、在日コリアンだけが「通名」(通称名)を名乗ることが許されているわけではなく、「通名」制度が在日コリアンにとって「特権」たりえないのは明らかである。
 
4 加えて、竹田氏は在日コリアンが「日本人の名前に変えることによって、今までの犯罪歴から、金融関係の経歴から全部消すことができて、また新たな犯罪ができる」と述べたが、これもおよそ客観的な事実に基づかない人種
差別的発言である。
 
5 人の姓名は、個々人を他人から識別させ、特定する作用を持つだけでなく、個々人が一人一人の人間個人として尊重される根幹であり、人格の象徴である。
 在日コリアンの多くが本名と共に通名を使用しているのは、国際化を遂げた21世紀のこの現代においても日本において在日コリアンに対する差別や偏見が根強く残っているという状況が存在するからである。
竹田氏による本件発言は、そのような状況の中で多くの在日コリアンが、自らの出自とルーツ、アイデンティティについて葛藤し、謂れなき偏見や差別に日々苦しみ続けていることについて配慮の欠けらもない。
 
6 京都地裁は、本年10月7日付判決において、在特会の活動を「いずれも、在日朝鮮人に対する差別意識を世間に訴える意図の下、在日朝鮮人に対する差別的発言を織り交ぜてなされたものであり、在日朝鮮人という民族的出身に基づく排除であって、在日朝鮮人の平等の立場での人権及び基本的自由の享有を妨げる目的を有するものといえる」と断じた。
 このように在特会の活動はいかなる点においても肯定できるものではない。
 
7 私たち「のりこえねっと」は、竹田氏の本件発言及びこれを放送した讀賣テレビ放送株式会社に対し、強く抗議する。
 
以 上
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意外な?「日本共産党が五輪成功決議案に賛成」の理由
東スポweb 2013年10月21日
http://www.tokyo-sports.co.jp/blogwriter-watanabe/11214/


 本当に「今はひとり」となってしまった山本太郎氏もビックリしたかどうかは不明だが、臨時国会開会の15日に衆参両院の本会議で採択された「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に関する決議案」には、両院で1人しか反対者がいなかった。それが参院議員の山本氏で、これまで五輪招致に反対していた共産党は全員が賛成した。


 山本氏は20年五輪の東京開催決定を受けて、9月10日付ブログで「この国に生きる人々は、一部の金儲けの為に、またしても切り捨てられる」と憤りを示している。成功決議案への反対がただ1人だったことには、支持者とみられる人がツイッターに「これは異常だ、ありえない。山本議員が反対したのが、異常なのではない。山本議員しか反対しなかった、ということが異常なのだ」と投稿した。


 そこで日本共産党である。同党は東日本大震災前に展開された16年五輪招致にも反対し、今回も3月に発議された招致決議案には反対票を投じた。6月の東京都議選のころには「共産党は反対だけど、それを前面に出さなくなった」(都幹部)と評され、参院選でも同様に受け止められた。今回の賛成は、五輪に対するスタンスを変えたのか。植木俊雄広報部長に聞いた。


 「前回(の国会決議)、招致については反対した。『そんな状況ではない』ということが理由だった。今回はIOC(国際オリンピック委員会)が日本でやると決めた。ある意味、国際的な意思が定められたので、それは尊重しようというのが基本姿勢。こっちから(五輪を)呼び込むことには反対。ただ、IOCという機関が総意として日本に決めたことは尊重するというのが第一」


 ただ、もろ手を挙げて五輪推進にかじを切ったわけではないという。


 「文言については、政府が上から国民に五輪開催を押しつけるのでなく、国民の総意で行うようなものにするという風に、基本的な姿勢をただした。五輪を口実に公共事業を拡大するようなことにも歯止めをかけた。環境破壊や、今も続く放射能汚染にもきちんと対応し、安全な環境のもとで(五輪が)成功するようにという立場を(決議に)反映させた」


 決議案は、衆院では「2020年オリンピック・パラリンピック日本招致議員連盟」の幹事長を務め、15日に同議連が衣替えして設立された「2020年東京オリンピック・パラリンピック大会推進議員連盟」でも幹事長に就いた遠藤利明議員(自民党スポーツ立国調査会会長)ほか13人の議員が発議。参院では自民党の中曽根弘文議員ほか8人が発議を行った。植木氏によると、決議文は「裏話になるけれど、最初はイケイケドンドンみたいな内容だった」。つまり採択された決議文は、原案に共産党の意見が反映される形で“修正”が施されたものだという。


 決議文は衆参両院のホームページなどで読める。短い文章だ。「我が国が元気な日本へと変革していく大きなチャンス」「国民に夢と希望を与える」「これからの新しい日本の創造と我が国未来への発展」といったあたりが、イケイケドンドン的にも読みとれる。一方、「環境の保全に留意しつつ」「国民の理解と協力のもとに、その推進を図るべき」といった文言が、共産党的な意見の反映なのか。


 もっとも、支持者から「招致に反対してきたので当然、『なぜそうなったのか?』という素朴な疑問が(共産党に)きているのは事実」(植木氏)。さらに、文言のイケイケ度を弱めたとはいうものの、決議の直後に開かれた招致議連・推進議連の会合では、このところ関心が高まっている国立競技場の改築計画への異論や、かねて反対の意見が表明されているカヌー会場・葛西臨海公園の環境保護についても、まったく言及がなかった。

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国家戦略特区の意思決定、関係大臣は加えず=安倍首相
Newsweek 2013年10月21日(月)13時20分
http://www.newsweekjapan.jp/headlines/business/2013/10/112196.php


[東京 21日 ロイター] - 安倍晋三首相は21日午前の衆議院予算委員会で「国家戦略特区」に関して、特区ごとに具体的な計画を決める「統合推進本部」の意思決定には関係大臣を加えない方針を明らかにした。

塩崎恭久委員(自民)の質問に答えた。


 安倍首相は、統合推進本部のメンバーは国家戦略特区担当相と関係地方公共団体の長、民間事業者の3者で組織する方向で検討しているとし、具体的な事業の推進のために必要な場合の協議には関係大臣の参加を認めるが、「意思決定には加えない方向で検討している」と述べた。


 国家戦略特区で、解雇ルールの規制緩和が見送られたことについては、「解雇の自由化は最初から考えておらず、そうならなかったのは当たり前だ」と語った。


 一方、菅義偉官房長官は21日午前の会見で、国家戦略特区に関して政府が設置を検討しているとされる「特区諮問会議」に言及し、首相、官房長官、国家戦略特区担当相、経済財政相がメンバーとなることを中心に今検討しているとした上で、「特区を前に進めていくための会議であり、首相を中心に強力なリーダーシップが発揮できるような体制にしたい」と語った。


 21日付の朝日新聞は、政府が国家戦略特区を進めるための関連法案に、安倍首相を議長とする「特区諮問会議」の設置を盛り込む方針を固めたと伝えていた。特区諮問会議でどこを特区にするか、特区ごとにどの規制を緩めるかを決め、その方針に沿って具体的な計画を「統合推進本部」が定めるとしている。

(石田仁志;編集 山川薫)

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経団連会長が戦略特区での解雇ルール見送りに理解 「特区ではなく広いルールで」
2013.10.21 17:19 msn産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131021/biz13102117210010-n1.htm
 
 経団連の米倉弘昌会長は21日の会見で、政府が設置を検討している「国家戦略特区」で当初検討されていた従業員の解雇をしやすくする「解雇ルール」の導入が見送られたことについて「特区での導入はなじみが薄い。もう少し広いルールづくりが合っている」と理解を示した。

 そのうえで「海外では必要なときに必要な人が時間制限なく働いている」と指摘し、雇用トラブルが起きないよう現行の雇用ルールの再考を促した。


 伊豆大島の台風被害については「被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げたい。経団連は本日から会員企業に義援金を呼びかけている」と述べ、「現地のニーズを情報収集してボランティアや救援物資の提供も検討する」と語った。

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中原教育長起用に疑問の指摘
NHKNEWSWEB 10月21日19時22分
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20131021/4240931.html


  大阪府議会の教育常任委員会で過去の勤務状況などを理由に中原教育長の起用を疑問視する指摘が出されたのに対し松井知事は中原教育長には府立高校の校長としての実績もあるなどとして指摘はあたらないという認識を示しました。教科書の採択などをめぐって大阪府教育委員会の中原教育長と陰山教育委員長の関係を懸念する声が出ている中できょうの府議会の教育常任委員会では教育委員の任命のあり方などについて質疑が交わされました。


  このなかで民主党・無所属ネットの半田實氏は中原教育長が府立高校の校長を務めていた当時の勤務状況について「出張や休暇が多く教育長に選んだのは問題だ」と質しました。


  これに対して松井知事は「学校に閉じこもってばかりではわからないこともある。中原氏は、英語力の向上などで結果を残している」などと述べ府立高校の校長としての実績もあるなどとして指摘はあたらないという認識を示しました。このほか委員会で松井知事は府の教育委員に起用する人材について情報提供のあり方を考えたいとして、府議会で候補者から意見を聴取する場を設けることができないかなどを検討する考えを示しました。
 

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かみ合わぬ「大阪維新VS朝日」 朝日社員「いきなり社長を連れてこいとは」
2013.10.21 zakzak
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20131021/plt1310211202001-n1.htm


 「私たちは読者の代表として権力者に取材する立場だ」。堺市長選の投開票日(9月29日)直前に政党広告の掲載を拒否されたとして、大阪維新の会代表の橋下徹大阪市長が取材拒否をしている朝日新聞社の社員が18日夜、市役所で自社の正当性を訴える論戦を仕掛けた。だが橋下氏が過去の選挙では投開票日直前に他党の広告が朝日新聞に掲載されたとして、対応の違いについて説明を求めたところ、社員は言葉に詰まらせ「分かりません」。それでも取材拒否の理由を尋ね続けたが、「社長に来てもらったら話します」「話をするカウンターパートじゃない」と突き放された。


 橋下氏が「掲載が仮契約まで進んでいたのに突然拒否された。朝日が説明責任を果たすまで取材に応じない」と宣言してから半月余り。朝日新聞社側は「広告を複数回掲載することは、投票を読者に呼びかける『選挙広告』となる恐れがあり、掲載を見合わせる判断をした」などと説明してきたが膠着(こうちゃく)状態が続いてきた。しびれをきらして打開に挑み、失敗した格好だ。


 戦いの火ぶたが切られたのは同日夜に行われた退庁時の“ぶらさがり取材”。仕掛けたのは朝日新聞の市役所担当の記者だった。


 「極端な話だが、すごくお金をもっている政治団体がいて、政党の広告を選挙期間中、毎日載せてくれと。そういう場合でも載せないといけないのか」


 橋下氏は「極端な話」に顔色をかえることなく、「ルールを明確化しないとだめですね。朝日新聞の誰の判断で、どういう手続きで(維新の広告掲載拒否を)判断したのか教えてほしい」と切り返した。


 さらに、昨年の衆院選で他党の広告が投開票日まで連続して朝日新聞に掲載されたとして、維新との対応の違いを逆質問。朝日新聞社の別の男性社員は「分かりません」と答えたが、なおも橋下氏に取材拒否を続ける理由を問い続けた。


 「この問題(の話し合い)は事務レベルでやっていること。トップである僕に聞くなら、朝日も社長に来てもらってください」。橋下氏は突き放したが、この社員は「橋下さんは権力者。私たちは読者の代表として、権力者に対して取材する立場」と応戦。すかさず橋下氏も「僕は市民の代表、国民の代表だ」「(質問をする社員は)話をするカウンターパートじゃない」と言い返した。


 社員はさらに「全てを社長の決裁でやっているのではない。それをいきなり社長を連れてこいとは」と反論したが、議論は平行線のまま。議論開始から約30分、市役所担当の男性記者が「引き続き事務レベルで」と述べ、橋下氏も「そうですね」と応じた。

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橋下氏の取材「ぶら下がり」から「代表撮影」に、TV各社…薄れる注目度
2013.10.20 23:40 msn産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/131020/waf13102023410019-n1.htm


 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長をめぐる取材景色が一変した。登退庁時に記者が取り囲んで行う「ぶら下がり取材」で、テレビ局が各社ごとの撮影をやめ、代表撮影に変更。「市役所に連日、人員を割く負担が重いため」(民放関係者)というメディア側の都合ではあるが、テレビ各社が自前の映像にこだわらなくなった背景には、橋下氏に対する注目度が全盛期から低下していることがあるようだ。


5~6台→1台…知事→市長くら替え時から案


 3連休が明けた15日正午すぎ。市役所を通じて事前に同日から代表撮影に切り替わることを聞いていた橋下氏は表情を変えずに、代表撮影をしていたNHKのカメラと向かい合った。


 これまではNHKをはじめ、関西テレビ(フジテレビ系)、毎日放送(TBS系)、朝日放送(テレビ朝日系)、読売テレビ(日本テレビ系)など民放各局で計5台以上のTVカメラやマイクの担当者たちがそろい、橋下氏が現れると一斉にライトをたいてレンズを向けていた。慰安婦発言などで注目度が高まった際には、さらにワイドショーのスタッフらも駆けつけた。市関係者によると、報道陣の多さを撮影するカメラが回されることもあったという。


 代表撮影に切り替えた理由について、関西テレビや読売テレビは産経新聞の取材に「コメントは差し控える」などと回答している。一方、関係者によると、毎回のぶら下がりに人員を割くのは負担が大きく、橋下氏が平成23年12月に市長に就任して間もないころから代表撮影の案は持ち上がっていたという。


 だが、橋下氏は市職員の政治活動や入れ墨に関するアンケート、原発再稼働への対応などで注目を集め続け、24年秋には国政政党の日本維新の会を立ち上げた。ぶら下がり取材の内容はほぼ連日、テレビや紙面をにぎわした。テレビ各社の取材対象者としての優先度が高い中、撮影中の映像を瞬時に全社で共有できないという技術的な問題があったことから、代表撮影の提案は実現しなかった。


 しかし維新が伸び悩んだ今年7月の参院選に続き、9月の堺市長選で維新傘下の大阪維新の会公認候補が敗北すると、「ぶら下がり取材の内容がニュースになることが激減した」(民放関係者)。橋下氏の登場を1時間以上待つことも珍しくなく、負担の重さが際立つようになったという。映像共有の技術的な課題も解決済みだったこともあり、再協議の結果、各社が1週間ずつ代表撮影を受け持つことで合意した。


 「やっぱり絵的に寂しいな」。橋下氏が1台のカメラと向き合う光景に、市幹部はつぶやいていた。


薄れる
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西日本発:
小規模政令市の関心 大構想より暮らし
毎日新聞 2013年10月21日 大阪朝刊
http://mainichi.jp/area/news/20131021ddn002010061000c.html


 大阪、堺両政令指定都市を再編する大阪都構想が争点だった9月の堺市長選で、大都市制度のあり方が議論になった。かつて「100万都市」の代名詞で、日本経済の牽引(けんいん)役だった政令市だが、最近は人口70万〜80万人規模の市も次々昇格し、計20市になった。小規模政令市は、どこを目指すのか。【高瀬浩平、前本麻有】


 
 「府県並みの政令市は目指さない。横浜、京都、神戸とは少し違う」。都構想反対を訴え再選を果たした竹山修身・堺市長は、今月16日の記者会見で述べた。2006年に政令市へ移行したが、歳入は約3475億円(12年度決算の普通会計)で、大阪市の5分の1にとどまる。交通や港湾など都市インフラの整備は大阪府・大阪市に委ね、「基礎自治体」として住民生活の充実を目指す。


 政令市になり、宝くじ収益金などの財源が計約138億円(11年度決算)増えた。これを生かし今年4月、児童虐待の通報から24時間以内に安全確認する施策を、政令市として初めて始めた。子どもの医療費の公費負担も拡充。14年度に移転・新築する市立堺病院では3次救急を始める予定で、子育てや医療分野で政令市効果を示している。


 一方、初期の政令市が軒並み持っている市営交通事業には手を出していない。市内の港湾は府が管理し、浄水場も持たない。財政は健全だが、地域を引っ張る大都市としての機能は目立たない。政令市移行時のかじ取り役だった木原敬介前市長は「福祉や子育てなら中核市でもやれる。大都市としてのビジョンも必要だ」と主張する。木原氏は市内の東西を結ぶ次世代型路面電車(LRT)を公設民営方式で整備する計画を立てたが、09年の前回選で中止を公約に掲げた竹山氏が当選、白紙に戻った。


 09年に全国18番目で移行した岡山市も、「県外に打って出る議論より、暮らしの充実に重点を置く」(門田和宏・政策企画課長)。東日本大震災後、温暖で災害の少ないイメージが県外に広まり、岡山市を中心に岡山県内への避難者が1000人を超えた。市は今年度、「移住・定住支援室」を設け、住みやすさを強調し始めた。今月の市長選でも候補5人は、福祉や教育の充実など「住みやすさ」を訴えた。


  政令市は道府県並みの権限を持たせて大都市行政を効率的に運営する制度だが、次第に多様化している。堺市長選の結果は、「世界と競える都市を」といった都構想に漂う大志や壮語より、「少しでも住みやすい街を」という現実論が有権者に受け入れられたとも言えそうだ

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(2012 年8 月 No.465 発行 自由法曹団東京支部支部ニュ-スを転載させていただきました)

2020 オリンピック招致意見交換会の報告
自由法曹団東京支部事務局次長 市野 綾子
http://www.jlaf-tokyo.jp/shibu_katsudo/news/465.pdf

1 東京オリンピック招致対策会議とは
 2020 年開催予定のオリンピック(2020 オリンピック)の開催地として、東京都が名乗りを上げていますが、本年5 月のIOC 理事会で、立候補地はイスタンブール、東京、マドリッドの3都市に絞られました。
 2013年1 月には、各都市がIOC へ立候補ファイルを提出、その後、IOC による立候補地の視察等を経て、2013 年9 月にはブエノスアイレスでのIOC 総会で開催都市が決定される予定です。
 東京都でのオリンピック開催の招致については、 都民の意見を聞くことなく立候補したことや、福島 第1原子力発電所の事故が未だ収束していない中で東京都での開催に問題なしと報告されていること、予算の使い道等、様々な問題点が考えられます。
 そんな中、本年7月10 日、東京オリンピック招致に対する意見交換会(以下「本会議」といいます。)
が、自由法曹団の本部事務所で行われました。

 本会議では、2020 オリンピックを東京都で開催、招致することに問題意識を持つ方々(自由法曹団東京支部、新日本スポーツ連盟、共産党都議団、都民連等)とともに、2020 オリンピックを東京で開催すること及びその招致活動について、意見を交換しました。その結果、申請ファイルを分析し、問題点について議論をし、意見をまとめるために第2 回の会合をもつこととなりました。その後、2020 オリンピック招致についてどういう姿勢で臨むかについて議論し、どう対抗するかを検討することになりました。

2 2020 年東京オリンピック開催及び招致活動の問題点
 本会議第1回では、主に2020 年東京オリンピック開催及び招致活動の問題点について議論されましたので、これらについて主観も交えて簡潔にご報告いたします。

(1)申請ファイルの内容の信用性について

 本稿でいう申請ファイルとは、東京都がIOC に提出した2020 年東京オリンピックの基本計画である申請ファイルを日本国内向けに日本語に訳したものです。この申請ファイルの内容には、信用性に疑問を抱かざるを得ない点が複数見られます。
 たとえば、申請ファイルの「セキュリティ」の項では、原子力に関する災害について、次のように記載されています。
 「東日本大震災による津波の影響で福島第1 原子力発電所の事故が発生したが、日本国政府の適切な対応により、事態は収束に向かっている。国際原子力機構(IAEA)による2011 年6月の報告書では、「今回の事故による健康被害は確認されていない」と記載されている。・・・大会へのNBC 災害リスクは、「極めて低い」といえる。」
 しかし、福島第1原子力発電所の事故は、「収束に向かっている」とはいえないのではないでしょうか。
 また、IAEA 報告書では、「現段階において」健康被害は確認されていないとされていたのが、申請ファイルでは、「現段階において」を削除して、単に「今回の事故による健康被害は確認されていない」と記載されています。
 自然災害(地震・津波)についても、申請ファイルには、次のように記載されています。
 「・・・東京湾は2つの半島に囲まれた閉鎖型の海域で、津波の影響を受けにくい地形となっている。日本での津波災害の史料によると、過去300 年にわたって東京湾岸での津波被害は確認されていない。・・・地震や津波による大会の中断リスクは、「低い」といえる。」
 しかし、今日では、大規模な首都直下型地震の危険性が指摘されています。そんな状況下で、東京でオリンピックを開催することのリスクは低いと言い切ってよいのか、疑問が残ります。
 このように申請ファイルの内容は、セキュリティの項だけでも、様々な疑問が湧き上がるものとなっています。

(2)都民の意見について
 本年5 月に立候補都市を選定した時点での各都市の支持率の世論調査では、東京は賛成が50%に満たないのに対し、イスタンブール、マドリッドの各都市では、賛成が70%を超えています。
 そして東京の支持率は、前回の立候補時よりも下がっています。
 申請ファイルも、事前には公開されずに、IOC に提出された後に公開されたものです。
 これらのことからも、2020 オリンピックを東京に招致することについては、都民の意見を反映したものではないことがわかります。

(3)予算の使い道について
 東京都では、2016 年開催予定のオリンピックについても招致活動を行いました。このときの招致活動ではおよそ150 億円を消費し、今回はおよそ75 億円を使う予定とされています。
 これらの招致活動に使うお金は、都民の福祉や生活の向上、防災に優先的に回すべきなのではないでしょうか。東日本大震災を経験した今、その必要性はより高まっていると思われます。

3 第1回意見交換会の感想
 私は中学、高校時代に陸上部に所属し、短距離走を専門としていました。そんな経歴もあって、東京でオリンピックが開催されれば、自分も陸上100 メートル走を見に行きたい、などと思うところもあります。選手の勝負にかける情熱や集中力、応援が選手の力をより一層引き出す様は、本当に感動します。
 だからこそ、都民の安全で安心できる生活を犠牲にすることなく、心からオリンピックの感動を味わいたいと思う。そんな気持ちにさせられた会議でした。
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(以下は、日本共産党広島市議員団webサイトから転載させていただきました)

2012年9月26日 本会議 反対討論 村上あつ子議員
日本共産党市会議員団を代表して、決議案第5号 第32回オリンピック競技大会及び16回パラリンピック競技大会の東京招致を支援する決議案に反対の討論をおこないます。
http://www.jcp-hiro-shigi.jp/2012-9-teirei/murakami-hantaitouron.html


●決議案第5号 第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会の東京招致を支援する決議案


  今年の5月24日に、2020年夏季オリンピック開催候補地の第一次選考が行われ、正式立候補都市のひとつとして、東京都が選出されましたが、同日、日本共産党東京都議会議員団は、オリンピックそのものに反対ではないが、2020年東京招致には賛同できないとする談話を発表してします

  日本共産党東京都議会議員団が反対する理由の第一は、東日本大震災の被災地の復興は、いまだ入り口の段階であり、原発事故や放射能除去も収束には程遠く、被災者・自治体が納得できる復興対策に国が総力をあげてとりくむことが求められていること

  第二は、東京でも近い将来に、大地震が襲う可能性が高いことが指摘されており、4000億円のオリンピック開催準備基金などを活用して、都民の安全・安心を確保するための防災・福祉の東京づくりに全力をつくすときだということ

  第三にオリンピック招致はこうした安全・安心の国土、都市づくりが進んだ中で、都民、国民の声が広がれば、検討すればよいということです。

  事実、都民・国民の間で東京オリンピック招致を求める声は広がっていません。

 IOCの世論調査によると、東京での賛成は47%と半数にも達せず、5つの立候補申請都市のなかで最低です。一方、反対は23%と最高で、イスタンブールの3%の8倍近くにのぼっています。

  こういう状況下では、広島市議会が東京招致支持を決議し、「東京都の招致活動を全国的に支援、協力する」ことは正しくないと考えます。

  以上の理由で、決議案第5号には賛成できません。
(以上、日本共産党広島市議員団webサイトからの転載終わり)


2020年オリンピック招致 都に寄せられた「都民の声」について
2011 年9 月26 日 日本共産党東京都議会議員団

(以下は、『青梅市議会議員 田中みずほの市政革新ブログ』より転載させていただきました)


青梅市議会
オリンピック招致は「今」必要ですか?
2012年03月29日08:14 


 昨日(2/28)、平成24年第1回市議会(定例会)が閉会しました。

2020年オリンピックの東京招致決議が、24人の議員中20人が賛成して採択されました。
日本共産党とみどりのオンブズマンが反対し、改革フォーラムの一人が退席しました。

私は招致決議に賛同しかねるので、質疑したうえで、下記のような反対討論を行いました。

-------------------以下討論原稿--------------------

私は、日本共産党青梅市議団を代表して、議員提出議案第4号、第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会の東京招致に関する決議に、反対の立場から討論を行います。


この決議に反対する理由を3点述べます。


第1点目は、莫大なお金がかかることです。
 招致活動費に加え、オリンピックを機に3環状道路などの巨大インフラ建設がすすめられるなど、招致関連経費が支出されることになるので反対です。

 前回、2016 年オリンピックの招致活動には約150 億円かかりました。招致経費で65億円、広告などで84億円をかけたとのことですが、詳細は明らかにされていません。またこの他にもオリンピック招致を目的とした石原知事の海外出張費や招致本部の人件費等にも約50億円使われており、合わせれば約200億円ものお金が使われたのです。失敗した招致運動に多額のお金をかけた上に、さらにまた多額の税金を投入しようとしていますが、苦しい生活をしている都民のくらしを支えるためにこそ税金は使われるべきではありませんか。

 また、今回はたとえば、38億円の民間資金を集める予算となっていますが、前回作った赤字分の約7億円と合わせれば、45億円を集めなければなりません。前回は42億円を集めましたが、今回はより厳しい経済情勢にありますから、前回以上の資金を集められる保障はありません。

これに加え、1メートル1億円かかる外環道をはじめとした巨大開発がすすめられています。
 たとえば石原知事は昨年12月9日の定例記者会見で「外環道は、2020年のオリンピック誘致のためにも、どうしても完成しなければ困るんです」と述べ、松原国土交通副大臣は12月12日の会見で「東京外環については、2020年オリンピック開催地に東京が立候補していることを踏まえて・・・来年度早々にも工事に本格着手できるよう・・・進める」と述べています。オリンピックをテコにした道路や港湾施設などの巨大開発が推進されています。

 しかし。まず、福祉や医療、雇用や教育、災害対策や放射能対策を充実させるべきではありませんか。温存されているオリンピック招致の準備基金、4000億円も、これは都民のために防災・福祉にこそ使うべきです。


第2点目は、オリンピック招致への世論が高まってはいないことです。

 日本共産党東京都議団は、東京都の「都民の声総合窓口」に寄せられたオリンピック招致についての意見、要望などを情報公開請求により開示させました。昨年6月から8月にかけ、電話・ファクス・メールなどで寄せられた意見・要望などは420 件です。

 そのうち、オリンピック招致に反対する意見は346 件、82%、賛成する意見は38 件、9%、であり、招致反対が大多数でした。理由として上げられているのは、「東北の復興、防災対策こそ優先すべき」「原発事故、放射能汚染が深刻で招致すべきではない」「税金はオリンピックではなく、福祉の向上のために有効に使ってもらいたい」そういった声です。たとえば災害対策や放射能対策で都民が心配するのは当然のことです。今なお私たちは大きな地震を感じながら生活しているのですから。
 計画では1万7千人を収容する選手村を始め多くの競技施設は臨海部に建設することになっていますが、臨海部は液状化の危険があり津波対策は十分ではありません。除染などの放射能対策も不十分なままです。世界中の人々を受け入れることに多くの都民が心配しています。

また、オリンピック招致は昨年のマスコミの調査でも、朝日新聞の報道では「反対」が8割、日経ビジネス・インターネット版では7割が「否定的」であるなど、反対や否定的な意見が多く見られます。

 オリンピック招致の世論は高まっていませんから、このまま強行するべきではありません。


第3点目は、オリンピックの理念に関してです。

 招致委員会が、国際オリンピック委員会に提出した申請ファイルには「オリンピズムの本質であるその価値、すなわち卓越、友情、尊敬に改めて関わることは、日本の若者に自分たち、自分たちの国、そして世界にとっての明るい未来に向けた努力を促すものだと信じている」そのように書いてあります。

 しかし、招致委員会の会長である石原知事は、昨年9月28日に開催された都議会第3回定例会において、「オリンピックというのは・・・とにかく裏の裏の裏があるどろどろした・・・招致運動」だと述べました。続いて「きれいごとでは・・・勝てない」と述べ、さらには「サマランチですよ。この人がとにかくオリンピックをビッグビジネスにしてしまった。そのために大きな利権が発生した。これはみんな知っていることです。それを知らなかったらこの戦いに勝てない」、そういうことまで述べています。

オリンピックの招致運動というものは、世界平和の理念やフェアプレーの精神、友情や尊敬といった考え方に基づいて進めるべきではないでしょうか。


 オリンピックについては、被災者が納得できる復興に取り組む、そして防災・福祉の国づくりを軌道に乗せる中で、仮に国民の招致の声が広がれば、その時点で、どの都市で実施するかも含めて検討するべきです。そして、青梅市議会も、そういった時点で初めて、市議会としてどう対応するのか検討すればいいのではないでしょうか。


 以上、今ただちに決議をあげる必然性は何もないことを指摘し、決議に対する反対討論と致します。
---------------以上討論原稿----------------


※上記の2011年9月28日の石原都知事の発言は、日本共産党の大山とも子都議会議員の質問への答弁で、以下のようなものです。都議会のウェブサイトで「サマランチ」で検索すればすぐに見つかります。
しかし・・・。サマランチさん、ひどい言われようですねえ(・ω・)


http://asp.db-search.com/tokyo/
 

次いで、ビッグトークでの私の発言についてでありますが、あなたのいい分は、この国の一部の下劣なメディアがやると同じ、全体の文脈も一向に考えずに、片言隻句をとらえて事全体を非難する、まことにこそくで卑劣なやり方だと私は思いますね。全く、私自身があそこのシンポジウムでいったことは、あなた方もビデオで見てそれを全部承知していると聞きましたけれども、そうじゃなかったら全く無責任な話でありますが、オリンピックというのは、一回やってみて、いかにとにかく裏の裏の裏があるどろどろした、要するに招致運動かということを認識しました。これをまず知っている上じゃないと、きれいごとではこれでは勝てない、戦いに。


 そのことを私はあそこでいったので、確かに日本を襲った大災害というのは悲痛なものだし、みんなの同情を買うでしょう。しかし、それだけをかざして票を集める。この投票権を持った国の友情、同情を買うことは絶対にできない。そういうメカニズムというものをだれがつくったか。これはサマランチですよ。この人がとにかくオリンピックをビッグビジネスにしてしまった。そのために大きな利権が発生した。これはみんな知っていることです。それを知らなかったらこの戦いに勝てないということを、私はあそこで申し上げた。そのためにも、この推進役であるJOCや、あるいは要するに日本の体育協会がもっともっと陣営を強化して進まなければ、これはなかなか難しい、困難な試みになりますよということをいったわけで、災害に対する同情もあるでしょう。しかし、それを盾に、私はとてもこの戦いは勝てないよということを警告したわけです。


 オリンピックの招致が日本の復興の目標になるのは言をまちませんが、一方で、実際に招致をかち取るためには、熾烈な国家間の競争に勝ち抜く必要があるということも表現したわけであります。
(以上、『青梅市議会議員 田中みずほの市政革新ブログ』からの転載終わり)

(以下は、日本共産党衆議院議員・佐々木憲昭さんのwebサイトから転載させていただきました)

日本共産党 衆議院議員 佐々木憲昭の
 *--*--*--* 憲 昭 e た よ り *--*--*--* 2013/9/9 第526号
 ◇◆本人がつづる今週の一言◆◇
  メルマガ読者の皆さん、こんにちは。佐々木憲昭です。

  今日は、気温は高いものの湿度が50%程度と低いため、爽やかな一日でした。
 秋の気配も感じられるようになり、これからは、梨、ブドウ、りんごなどの果物も美味しくなる季節になりますね。
 皆さんは、お変わりありませんか。

  昨日の朝(日本時間)、2020年オリンピックの東京招致が決まりました。オリンピックは、国際親善とスポーツの発展にとって意義深いものと考えますが、過熱した報道ぶりと政府の対応には、どうしても違和感を覚えます。テレビで、被災地の方が「別の国の話のようだ」と語っていたのが印象的です。

  私は今年3月、オリンピック招致の本会議決議をあげようとしたとき、衆院議運委員会で「今、国と都が力を注ぐべきは、大震災・原発事故からの復興であり、国民・都民のくらし、社会保障を立て直すこと」だと主張しました。
 オリンピックの東京招致によって、それらがないがしろにされ「大規模な東京開発を進めること」にならないか、と問題点を
 指摘し本会議決議に反対しました。

 【国会での活動】オリンピック東京招致決議に反対の意見表明
  →
http://www.sasaki-kensho.jp/kokkai/130304-000001.html

 昨日、日本共産党都議会議員団の吉田信夫団長は、ツイッターで「五輪の東京開催が決まりテレビ報道で沸き立ってる。しかし深刻な原発事故への対応、都民の暮らしへの手だてなど、軽視させてはならない。五輪を理由にした外環道などのごり押しは許されない」と指摘しました。その通りだと思います。

 政府の対応にも大きな問題があります。安倍総理は、7日午前の招致演説で、東京電力福島第一原発の汚染水漏れについて「状況はコントロールされている。決して東京にダメージを与えることを許さない」と強調し、国際オリンピック委員会委員からその根拠を問われ、「汚染水の影響は原発の港湾内の0.3平方キロメートル範囲内で、完全にブロックされている」と説明したのです。また、「健康問題については今までも現在も将来も全く問題ない」と述べました。

 これにたいして、福島の漁業関係者などから批判や疑問の声が上がりました。なぜなら、政府は1日300トンの汚染水が海に染み出していると試算し、地上タンクからの漏れは、「排水溝を通じて外洋(港湾外)に流れ出た可能性が高いとみられる」
 と説明していたからです。ネット上でも、多くの方々から「世界に向かってウソをついた」などと厳しい批判が上がりました。

 さらに許せないのは、甘利経済再生担当大臣の発言です。甘利大臣は、消費税増税に「もう一つ好材料が加わったことは間違いない」と述べたのです。

 いったい、オリンピックと消費税増税はどのような関係があるというのでしょうか。「景気の『気』の部分への影響は絶大だ」
 と言ったそうですが、オリンピック誘致で国内が大騒ぎしているうちに、さっさと消費税増税を決めてしまおうというのでしょうか。とんでもないことです。

 東京都も国も、オリンピック開催に財政資金を投入し「経済効果」があがることを期待しているようですが、ムダ遣いが広がって財政赤字が大きくなったら、いっそう大規模な庶民増税を押しつけることにならないでしょうか。

 財政の使い方が偏れば、被災地や社会保障・福祉がなおざりにされてしまわないでしょうか。

 いま、国と都がやるべきことは、大震災・原発事故からの復興であり、国民・都民のくらし、社会保障を立て直すことです。
 ――オリンピックの東京招致は決まりましたが、私たちは、この主張をいっそう強く押し出してたたかう決意です。

【13.03.04】オリンピック東京招致決議に反対の意見表明

http://www.sasaki-kensho.jp/kokkai/130304-000001.html

 2013年3月4日、2020年オリンピック・パラリンピックの東京招致に関する決議案が、衆議院本会議において賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。

 本会議に先立ち開かれた議院運営委員会で、佐々木憲昭議員は、反対の意見表明を行いました。
 佐々木議員は、オリンピック・パラリンピックはオリンピックは、国際親善とスポーツの発展にとって意義深いと述べました。
 そのうえで、2011年にも招致決議に反対したことをあげ、東京招致はオリンピックを利用して大規模な東京開発を進めるものだと指摘。
 「今、国と都が力を注ぐべきは、大震災・原発事故からの復興であり、国民・都民のくらし、社会保障を立て直すこと」と述べました。
(以上、日本共産党衆議院議員・佐々木憲章さんのwebサイトからの転載終わり)

(以下、日本共産党豊島区議会議員団webサイトから転載させていただきました)

日本共産党豊島区議団

本会議討論など
☆2012年3月22日開催の本会議(12年第1回定例会)
●2020年度東京オリンピック・パラリンピック招致に反対する討論(森とおる議員)

http://www.jcp-toshima.jp/kugihoukoku/honkaigi_toron/120322mori_opc.html

 私は、日本共産党豊島区議団を代表して、ただいま議題とされております、議員提出議案第9号「第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会東京招致に関する決議」、ならびに議員提出議案第10号「2020年東京オリンピック・パラリンピック招致に関する決議」を可決することに反対の立場から討論を行います。

  昨年7月、石原知事が2020年の夏季オリンピックへの立候補表明を行い、同年10月の都議会定例会で、民主、自民、公明がオリンピック招致決議を行いました。
  前回、石原都政は、2016年の夏期オリンピック招致に失敗しました。この最大の要因は、オリンピック招致が都民に背を向けたものであり、石原知事のトップダウンで決定し、一方的に進められたことにあります。今回の招致も、前回同様、都民の支持が得られるようなものではありません。以下、理由を述べます


  前回のオリンピック招致を振り返ってみます。1回のイベントに1億円もかけたり、知事にかかわる海外出張だけで約2億円使うなど、オリンピック招致を理由に湯水のように税金が使われました。都が明らかにした150億円の招致経費以外にも50億円の税金投入があったことが、わが党のその後の調査で判明しました。このような税金投入に対し、知事が「痛くもかゆくもない」と言い放ったことに、都民から批判が渦巻きました。

  また、知事がオリンピック招致にこだわる最大の理由は、オリンピックをてこに、1メートル1億円かかる外環道をはじめ、高速道路多摩新宿線、羽田と築地を結ぶトンネル道路、巨大港湾施設などの大型都市施設建設を推進し、そのために莫大な財源をつぎ込むことです。今回も、知事自身が「オリンピック招致という闘いに挑む限り、勝たなかったら意味がない。東京は汗かいて血みどろになって金つくるし、施設もつくる」と述べたように、開催都市決定をめざして、インフラ整備を初めとした莫大な招致関連経費を投入することになるのです


  オリンピック招致についての世論を見ると、朝日新聞で反対が8割、日経ビジネスインターネット版で否定的が7割など、発表後のマスコミ調査で、反対・否定的な声が多数を占めています。また、都の「都民の声」に寄せられた意見では反対が82%と圧倒的多数を占めました。その理由は、「東北の復興、防災対策こそ優先すべき」「原発事故、放射能汚染が深刻で招致すべきではない」「税金はオリンピックではなく、福祉向上のために有効に使ってもらいたい」などというものでした。

  ところが、知事が会長を務める東京都オリンピック・パラリンピック招致委員会が、先月、国際オリンピック委員会IOCに提出した申請ファイルには、招致の支持率を水増ししていることが、わが党都議団の調査で明らかになりました。招致委員会は「全国65.7%、東京都65.2%」と公表しました。しかし実際はインターネット調査と電話調査と手法もサンプル数も異なる調査の結果を単純に足して2で割るという操作をしていたのです。また、IOCから詳細を述べるように求められている反対世論については、「大規模な運動はない」と記すのみです。招致委員会は、あたかも賛成が多く、反対の声がないかのようによそおうごまかしを行っているのです

  知事にいたっては、「国家をかけての利益の争奪戦だ」「裏の裏の裏がある、ドロドロした」「きれいごとでは勝てない」「ODAを使って、脅せとは言わないけどうまく外交交渉で」云々などという発言を行っているのです。このような知事のもとで進められる招致活動は、オリンピックのフェアプレー精神にもとる行為であることは明白です。


  今なによりも、東京都が国と一体となり力を注ぐべきは、被災者の生活再建、被災地の復興、放射能汚染への対策であり、地震に強い防災・福祉のまちづくりです。知事自身が認めているように、都民、国民から招致をのぞむ声は高まっていないのであります。ましてや被災地からは、「日々のくらしもままならない中、オリンピックどころではない」という悲痛な声が届けられているのです。このような状況で、豊島区議会が機運を高めるために決議をあげるなど、区民が望むはずはありません。


  わが党区議団は、スポーツの祭典であるオリンピック、パラリンピック、そのものに反対しているのではありません。しかし、都民の深刻なくらし、被災地の窮状の救済こそが最大最優先課題である都政において、莫大な財政負担をともなう今回のオリンピック招致は行うべきではありません。都に対し、4000億円にものぼるオリンピック基金を初めとする財政力を、大型開発中心ではなく、民意に応えた施策実現に使うことによって、本来の自治体としての立場を明確にすることを強く求めるものであります。


  よって、議員提出議案第9号「第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会東京招致に関する決議」、ならびに議員提出議案第10号「2020年東京オリンピック・パラリンピック招致に関する決議」の可決に反対します。
 
 以上、討論を終わります。
(以上、日本共産党豊島区議団webサイトからの転載終わり)

(以下、日本共産党中央区議会議員団webサイトから転載させていただきました)

2012年1月17日

中央区議会議長 石田 英朗 様

2020年オリンピック・パラリンピックの東京招致に関する意見

日本共産党中央区議会議員団
http://www.jcpchuo-kugidan.jp/katsudou/kiji/120117iken.html

 1月18日の特別区議会議長会において2020年開催のオリンピック・パラリンピックの東京招致に関する決議の採決にあたり、日本共産党中央区議団としての意見書を提出します。
 
 日本共産党区議団は、スポーツの祭典であるオリンピック・パラリンピックには反対ではありませんが、次に述べるような問題点が多々あり、莫大な税金投入が必要となるオリンピックの東京招致をいまやるべきではないと考えます。


①  オリンピック・パラリンピックの東京招致は東京の大型開発推進のテコにするためであることは明白です。石原都知事は、2016年オリンピック東京招致を「10年後の東京」に描かれた大型開発中心の東京を実現するための起爆剤と公言していましたが、昨年12月に作成した「2020年の東京」計画にもその思いが貫かれています。

②  1964年の東京オリンピックで残されたものは、名橋日本橋の上空をはじめ無秩序にめぐらされた高速道路や東京一極集中の加速、急激な高度成長・バブルの反動による泥沼の不況など負の遺産です。同じ過ちを繰り返してはなりません。今、東京一極集中への見直しが言われている時だからこそ、これまでの東京におけるまちづくりの考え方の転換が求められています

③  巨額の税金を招致活動や都市基盤整備に注ぎ込むことよりも東日本大震災被災者の生活支援、放射能対策への投入が優先されるべきです。それが、被災地の真の復旧・復興につながります

④  2016年招致の時には事前公表された「開催計画」が、今回は公表されず、関係地域・自治体の声を無視するやり方は問題です。また、2016年招致活動で生まれた赤字を今回の招致活動の予算に組み入れた姑息なやり方にも批判が出ています。

⑤  福島第1原発事故は収束の展望が持てず、放射能被害は様々な形で拡大しています。2020年が、放射能におびえず「安全な日本」と世界に宣言できるという保証はありません。

⑥  2020年東京招致について都に寄せられた声は、反対が8割以上です。この都民世論を無視した東京開催が全国民の心を一つにできるはずはありません

⑦  すべての被災者の生活再建の道筋が示されてこそ、国民は希望が持てます。福島第1原発事故の収束の展望が示され放射能による汚染の不安が払拭されてこそ、国民の安心が保証されます。そのときこそ、東京に限定することなしに日本でオリンピックを開催する条件と国民的同意の可能性が生まれます


 以上の趣旨をぜひご理解いただき、議長会に臨んでいただくことを心よりお願いいたします。

--------------------------------------------------------------------------------
(以上、日本共産党中央区議団webサイトからの転載終わり)

(以下、日本共産党長野県議会議会議員団webサイトから転載させていただきました)

2012年9月定例会 9月28日
日本共産党長野県議会議員・両角友成
2020年夏季オリンピック東京招致に関する決議(案)に対する討論
http://www.jcpnagano-kengi.jp/gikai/12/h1209/1209moro1.html

 議第1号2020年夏季オリンピック東京招致に関する決議案に賛同できない立場で討論を行います。

  本年5月24日開催された、IOCの理事会において、2020年夏季オリンピック開催候補地の第一次選考会が行われ、正式立候補都市の一つとして東京都が選出されました。


 私たちは、オリンピックの開催そのものに反対するものではありません。このことははっきり申し上げておきます。特に我が長野県は、1998年にこの地で冬季オリンピックを開催しました。決議案の中にあるように世界の人々に感動を与えたと確信をしております。

  ただ、2020年の東京招致には賛同できません。それは、東日本大震災の被災地の復興は、入り口の段階であり、福島原発のこの頃の報道でも使用済み核燃料プールに鉄材が落下、核燃料棒を傷つけたおそれすらある状況。いったい何十年したら廃炉にすることができるのかのめどさえ立っていません。被災者・自治体が納得できる長期の復興対策に国が総力をあげてとりくむときです
  
  東京都議会内部の論でも、東京で、近い将来に大地震が襲う可能性が高いことが指摘されており、4000億円のオリンピック開催準備基金などを活用して、都民の安全・安心を確保するための防災・福祉の東京づくりに全力を尽くす時と指摘がされています。

 オリンピック招致は、安全・安心の国土、都市づくりが進んだ中で、国民・都民の中より声が大きく上がれば検討すればよいことと考えます。


 IOCの世論調査によると、東京での開催賛成は47%と半数に達せず、5つの立候補申請都市の中で最低。逆に開催反対は23%と最高で、イスタンブールの3%の約8倍であります。さらに、東京都の申請ファイルを見ますと地震などの災害リスクを過小評価し、この際、過大な都市インフラ建設を進めようとする中身です。 
 
 本来のオリンピック精神に反すると指摘せざるを得ません。以上の理由により、決議を上げることに賛成することができない旨申し上げ討論といたします。
(以上、日本共産党長野県議会webサイトよりの転載終わり)

【動画】東京オリンピック招致支援決議に反対する討論
(1分54秒)
http://www.youtube.com/watch?v=HYz6HgS46bo

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富裕層海外移住志向高まる 日本の所得税55%だが香港は17%
2013年10月21日(月)7時0分配信 NEWSポストセブン
http://news.nifty.com/cs/domestic/societydetail/postseven-20131021-222555/1.htm


 今年8月、エイベックス社長の松浦勝人氏がフェイスブックに〈富裕層は日本にいなくなっても仕方ない〉と書き込み話題となった。富裕層への課税強化に反発する内容だった。元国税調査官でエヌエムシイ税理士法人税務総合戦略室の玉川育生氏はこう語る。


「2015年に所得税の最高税率は50%から55%(地方税を含む)になり、相続税の最高税率も55%となります。一般的に、このような最高税率が適用されるのは会社の経営者が多いと言えます。


 彼らは会社の利益の約40%を法人税として納税した上に、自らの報酬の半分以上を所得税として納付し、最終的には虎の子の財産にまで高率の相続税が課されるので、不満が高まるのは当然です。


 たとえば香港の場合、所得税17%、法人税16.5%、相続税は0%ですので、富裕層の海外志向はかつてなく高まっている」


 昨年、光学ガラスメーカー最大手・HOYAの鈴木洋CEOがシンガポールに移住、経営拠点も移したのはその典型だ。


 税金の問題だけではない。デフレが続き、「安くてそこそこ質のいいもの」は普及したが、その分富裕層向けのサービスは未熟だ。経営コンサルタントの小林昇太郎氏(船井総合研究所)はこう言う。


「富裕層向けサービスでは、オーダーメイドの考え方を徹底させること、即ち究極的な『ワン・トゥー・ワン・サービス』が必要となり、こだわりが人一倍強い富裕層に徹底的に身を捧げられるかが問われる。日本企業では、これまでの社内の評価体制などから、顧客一人ひとりに尽くすサービスができるところが少ない」

※SAPIO2013年11月号

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「お金使うべきは原発収束」 山本太郎氏 ただ一人五輪決議反対
東京新聞 2013年10月19日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013101902000122.html?ref=rank


 二〇二〇年の東京五輪とパラリンピックの成功に向けて政府に努力を求めた国会決議の採決で、衆参両院議員のうちただ一人反対した無所属の山本太郎参院議員(東京選挙区)が十八日、本紙の取材に「うそで固められた五輪開催には賛成できない」と語った。


 山本氏は、国際オリンピック委員会(IOC)総会で「(東京電力福島第一原発の)汚染水は完全にコントロールされている」と訴えた安倍晋三首相の演説内容が事実と異なると批判。「原発事故は収束していない。汚染水問題など、お金を使うべきところに使わず、はりぼての復興のために五輪をやろうとしている。うそまでついて招致したのは罪だ」と主張した。


 決議への反対については「声を上げる場所は議会しかなかった。党に所属していないからこそ、自分の意思を自由に示すことができた」と語った。


 決議は、五輪開催がスポーツ振興や国際交流に意義があるとし、競技場などの施設整備や震災復興の推進を求める内容。衆参両院で十五日、それぞれ採択された。


東京五輪2020 アスリートの願いにこたえて
しんぶん赤旗主張 2013年9月10日(火)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-09-10/2013091001_05_1.html
 
 2020年の夏に東京にオリンピック・パラリンピックがやってきます。引き寄せたのはアスリート(競技者)の力です。

 開催都市を決める最後のプレゼンテーションでの訴えは力強く、心に響きました。「スポーツが夢、勇気、きずなを与えてくれた」「大震災の被災者とチームが一丸になれた」。スポーツで得た貴重な体験と思いが込められていました。

現実と向き合い連帯し

 社会の現実と向き合い、連帯し、けん引役となる―この間、国民とアスリートとのあいだに太く築かれてきた心情です。そこに手ごたえをおぼえた多くの国際オリンピック委員会(IOC)委員が、“明日のオリンピック”を東京に託したのでないでしょうか。

 56年ぶり2回目となるオリンピックの東京開催です。国の総力でやり遂げた1回目の1964年大会と大きく違うのは、スポーツが国民生活に溶け込み、世界を知るアスリートたちが躍動していることです。国民とアスリートこそ「東京2020」の担い手です。

 さっそく問われるのが、近く設置される大会組織委員会の陣容です。昨年のロンドン大会の組織委員長はオリンピックで活躍した選手でした。スポーツの祭典にふさわしい構成になるかどうか、男女、障害者を問わず競技関係者の大胆な登用が求められています。

 これからは国民の関心も選手強化に向けられていくだけに、スポーツ界での暴力・「体罰」の根絶が焦眉の課題になっています。開催を負託された国としてオリンピックの根本原則「スポーツを行うことは人権の一つである」との自覚を持って、競技団体がこの問題に向き合い、国民の信頼回復に努めてほしいと思います。

 競技施設の整備も競技者や観客の目線での検討が迫られています。「コンパクト五輪」がうたわれていますが、老朽化した国立競技場の改築も新設予定の22の競技会場も、競技に専念でき観戦を楽しめる施設に仕上げることです。多くの人びとが活用できる後利用への考慮も大事な要件です。

 懸念されているのが、競技施設が豪華さを競い、交通・通信・警備などのインフラ整備の関係費が膨張することです。大型公共事業バラマキの安倍晋三政権のもとで、早くも乱開発や浪費に拍車がかかるおそれが出ています。国民・都民の生活や福祉を圧迫し、環境を破壊するやり方は戒められなければなりません。

 IOCできびしく指摘されたのが、福島原発事故と放射能汚染水の流出問題です。安倍首相はプレゼンテーションで「完全にブロックされており、安全だ」とうそぶきました。しかし、放射能汚染水の海洋流出は続いており、日本国内はもちろん国際的にも重大問題になっています。事実を認めようとしない首相の態度はあまりにも不誠実であり、多くの国民やアスリートの気持ちとはまったく相いれないものです。

安全と安心保障して

 安全で安心できる国際交流を保障するのが、オリンピック開催の第一条件です。この点で、東京開催が手放しで信任されたわけではありません。いよいよ「東京2020」に向けた準備が始まりますが、このことを肝に銘じて、政府が不安の解消と課題の解決に真剣に取り組んでいくことです。

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学テ成績公表、来年度解禁へ…市町村教委が判断
読売新聞 10月21日(月)7時19分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131020-00001071-yom-soci


 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)について、文部科学省は、来年度から区市町村教育委員会の判断で学校別成績を公表できるよう実施要領を見直す方向で検討に入ることが20日、わかった。


  学校間の「過度な競争や序列化」を招くとして公表は禁じられてきたが、一部自治体などから公表を望む声が強まっていた。専門家会議で11月末までに公表方法についてとりまとめ、要領を改定する方針だ。


  同省は学校別成績について、区市町村教委による公表を禁じ、各校の判断で公表することのみ認めてきた。しかし、大阪府泉佐野市が昨年10月、今年度のテストで市立小中学校の成績を公表する方針を一時打ち出したことを機に、同省は今年2月、来年度以降のテスト結果について公表のあり方を検討する姿勢を示していた。
 
最終更新:10月21日(月)7時19分



 

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(『弁護士 猪野 亨のブログ』から転載させていただきました)


慰安婦問題の蒸し返し 産経新聞とそれにすがる人たち
2013/10/18 09:30
http://p.tl/6O1a

慰安婦問題については、1993年8月に出された河野談話によって日本の立場は明確になっています。
 この河野談話については、種々の聞き取り調査などをもとに結論付られ発表された談話ですが、そこでは、
 以下、外務省ホームページより抜粋

 「当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。」

 「慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、その場合も、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。」

 「当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。」

「政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたすべての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。」

 非常に明快な談話です。
 これに難癖をつけてきたのが産経新聞。このほど調査報告書が開示されましたが、元慰安婦への聞き取り調査が問題だっとして、「元慰安婦の名前や出身地、生年すら不明確で、ずさん極まる調査だった。」を唯一の拠り所に難癖をつけてきているのです。
虚構の慰安婦報告 河野氏呼び国会で検証を」(産経2013年10月17日)
元慰安婦報告書、ずさん調査浮き彫り 慰安所ない場所で「働いた」など証言曖昧 河野談話の根拠崩れる」(産経2013年10月16日)
韓国での元慰安婦16人の聞き取り調査報告書を入手した。証言の事実関係はあいまいで別の機会での発言との食い違いも目立つほか、氏名や生年すら不正確な例もあり、歴史資料としては通用しない内容だった。

 それにしても本当に言い掛かりとしかいいようのない論調です。
 もともと、元慰安婦が語るのは、どのような場所で誰を相手に性行為を強要されたのかという点です。
 軍にあった施設で、日本兵を相手にさせられていたのであれば、それは紛れもない軍管理というべきものです。
 それに民間業者が関与していようがいまいが大した問題ではありません。軍の関与が問われているのですから。

 軍の関与を示す文書資料などがないということも問題ではありません。
 敗戦が濃厚となる中で、戦犯容疑に問われるような資料は片っ端から焼却処分していたのが日本軍部でした。
 当時から、日本軍部は戦争に負けた場合には戦争犯罪の責任が問われることを十分に認識しながら当時の国際法に違反する捕虜の虐殺行為などを平気で行ってきた人たちなのですが、それでも国際法違反は承知の上、だから敗戦間際に命令書などは「口頭」にしてみたり、文書が残っていればすべて焼却してきたのです。
 国際法違反の事実や罪証隠滅の経緯は、『日本海軍400時間の証言―軍令部・参謀たちが語った敗戦』に詳しく記載されています。

日本海軍400時間の証言―軍令部・参謀たちが語った敗戦日本海軍400時間の証言―軍令部・参謀たちが語った敗戦
(2011/07)
NHKスペシャル取材班

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 未だに日本の軍隊が潔癖だったと信じている人たちがいるのには呆れてしまいますが、慰安婦問題も同様です。
 本来であれば軍の関与など自明のことなのですが(だって軍国主義の元での戦時下ですよ。軍の関与がなかったという方があり得ないでしょう。)、実際に元慰安婦たちがどのような辛く、苦しい状況に置かれていたのかという生の声を聞くところに調査の意味があったと言えます。
 河野談話は、軍の関与によって苦しめられたこの元慰安婦たちへの謝罪であり、もう二度とこのようなことを繰り返さないという決意です。
 その謝罪と反省は聞き取り調査の対象となった元慰安婦だけが対象ではなく、すべての慰安婦とさせられた女性たちに対するものです。それ故に産経新聞が指摘するような点は大きな問題ではないのです。
(当たり前ですよ、聞き取り調査の対象になった女性は既に高齢となり、かなり古い時代の証言ですから、記憶違いや記憶の変遷などがあったって不思議ではありませんし、むしろ自然でしょう。大枠で軍の関与を裏付ける事実があったのかどうかという問題なのです。)

 言ってみれば産経新聞の主張というのは、「軍の関与を示す証拠はあるのか、ないだろう、どうだ。ざまあみろ!」と言っているようなものなのです。
 次元の低い主張です。

 その意味では、この産経新聞の言い掛かりの主張が出てきて極右政治家が小躍りしている状況であっても、安倍政権が河野談話を承継すると改めて表明したことは当然のことと言えます。
 「菅義偉(すが・よしひで)官房長官は16日の記者会見で「コメントは差し控えたい」とした上で、「つらい思いをされた方への思いは安倍晋三首相も歴代首相と変わらない」と述べ、安倍政権として当面、河野談話を引き継ぐ考えを表明。」(産経2013年10月16日
 河野談話を否定しようものなら、世界から相手にされなくなる、もちろん安倍総理が大好きな米国からも。
 「証拠がないだろ、どうだ。」なんていう低レベルな論法が世界に通じようはずもないことは常識的な判断能力があればわかることです。
 ここでいう証拠とは、軍の関与を示す文書などないだろという趣旨で用いられるのが常ですが、文書として残っているかどうかではなく、歴史的事実としてそのような事実があったという評価の問題です。
 朝鮮半島の女性たちが慰安婦として軍の関与の元で強制的に日本兵の性行為の相手をさせられた、この事実を動かすことはできないのです。

 この産経新聞の言い掛かり主張が出てきてから、橋下氏といい、高市早苗氏といい、極右の人たちが舞い上がっていますが、本当に見苦しい。
 橋下氏が率いる維新の会の支持率が朝日新聞の世論調査では1%まで下がったそうです。同紙の分析では自民党の補完勢力と見られたからというものでしたが、橋下氏の従軍慰安婦問題発言以降、急速に支持率が低下し、その低下に歯止めがかからないのは、その体質が見透かされたからです。
 それは決して橋下氏の失言ではなく、維新の体質なのですから。
消えゆく維新の会 橋下維新の会は、安倍自民党の捨て駒か?

 この産経新聞の言い掛かり主張にすがっても意味がないどころか泥舟そのものです。維新の会が浮揚することはないでしょう。

 過去の間違った国策については、はっきりと事実を認め、謝罪し、二度と繰り返さないことを決意する、この当然のことが求められているにも関わらず、右翼勢力は決して、この事実を認めようとしないのは何故か。
 また同じ歴史を繰り返したいからに他なりません。
安倍氏の植民地支配と侵略の否定 過去を否定することの意味


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教科書採択 現場の判断こそ尊重を
信濃毎日新聞 10月20日(日)
http://www.shinmai.co.jp/news/20131020/KT131019ETI090003000.php
 
 教育の場にかえって混乱や戸惑いを広げるのではないか。沖縄県竹富町の教科書採択をめぐり、町教委に是正を求めるよう下村博文文部科学相が県教委に指示した。国は、現場の判断を尊重することこそ考えるべきだ。


  市町村立の小中学校の教科書は都道府県教委が設定した採択地区内の市町村で、同じものを使うことになっている。教科書無償措置法の定めだ。竹富町が2012年度から地区内の2市町と別の教科書を使っていることに対し、文科省が違法状態と判断した。


  問題になっているのは、中学公民教科書だ。採択地区協議会が選んだ育鵬社版は、沖縄の米軍基地負担にあまり触れていないなどとして、県内で反発の声が上がった経緯がある。竹富町は使用を拒否し、別の教科書にした。


  今回の是正要求は、地方自治法に基づく。自治体などの事務処理に法令違反があるときや、明らかに公益を害していると認められる場合に出せる。教育行政に出すのは初だ。罰則はないものの、自治体は改善する義務を負う。


  教育に支障が出ているなら、強い姿勢も分かる。けれど、そうではない。別の教科書を選んだため国による無償配布の対象から外れはした。代わりに、民間の寄付金で購入しており、子どもや家庭に負担はかかっていない。


  文科省は、町が従わない場合に違法確認訴訟を起こすことも検討している。違法状態であるとの司法判断を得るためだ。国費で賄われないことで“ペナルティー”を既に負っている。なぜ目くじらを立てるのか、分からない


  地方教育行政法では、市町村教委に教科書採択の権限がある。町教委はこれを根拠に「違法行為はしていない」としている。


  県教委にも難しい判断を迫ることになる。同じ教科書の採択に向け、3市町教委と話し合いを重ねているところだ。竹富町教委は地区協議会の委員構成が「育鵬社版の採択ありきだった」と問題視してもいる。県教委として簡単には対応を決められないだろう。

  寄付金で購入する現状が変則的なのは確かだ。むしろ文科省には採択地区というくくりが必要なのか、問い直してもらいたい。教員同士で教材研究をしやすいなど利点があるとしても、時代に合っているのか検証が求められる。


  文科省は、地区での統一が優先することを明確にするため法改正する方針だ。より現場に近い判断を重視し、市町村が独自に採択できるよう見直すべきである。
 

 

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平和ネット総会 「官僚が政権に迎合」教科書問題で高嶋氏
琉球新報 2013年10月20日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-214068-storytopic-1.html 
 

約30人が集まった第20回沖縄平和ネットワーク総会=19日、那覇市の教育福祉会館

高嶋伸欣氏

 第20回沖縄平和ネットワーク総会と記念講演「平和教育を見直す」が19日、那覇市の教育福祉会館で開かれた。同ネット代表世話人を務める琉球大学名誉教授の高嶋伸欣氏が登壇し、会員ら約30人が耳を傾けた。竹富町の教科書に対する文部科学省の是正要求問題に触れ、「集団自決(強制集団死)」歪曲教科書検定を振り返った高嶋氏は、「いずれも安倍政権に引きずられた官僚の点数稼ぎの迎合を感じる」と指摘した。今後の平和教育に対する政治介入への懸念も示した。

  八重山地区で揺れ続ける竹富町の教科書などの問題や、島根県の松江市教育委員会による漫画「はだしのゲン」閲覧制限問題などを例示し、「このような流れの背景には、保守系市民組織の動きがある」と読み解いた。その上で「行政や教育委員会に主体性がないと、押し流される危険性が各地にある」とし、教育現場に関わる同ネットの活動でも、同様の摩擦が起こり得る可能性を示した。

  また、日中戦争中の南京大虐殺犠牲者数について論争が絶えないことを挙げ、「日本社会には基本的人権認識の欠落がある。学術論争をする前に、ヒューマニズムに基づいた研究がない」とした。基本的人権認識の欠落は「裏返せば対アジアや沖縄への差別意識につながり、間違った日本のアジア侵略を肯定する認識につながっている」と強調した。

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教育委員会 政治からは遠ざけよ
東京新聞 2013年10月19日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013101902000129.html


 教育委員会の在り方を話し合う中央教育審議会が二通りの改革案を示した。最大の焦点は教育行政の決定権を首長に移すか、教委に残すかだ。時の政治的思惑に左右されかねない首長案では危うい。


 最近のいじめや体罰、子供の自殺といった問題は、教委のふがいなさを露呈させた。事なかれ主義や隠蔽(いんぺい)体質が厳しく問われた


 非常勤の委員による合議は形骸化し、危機管理の機能が損なわれている。代表者の教育委員長と事務を取り仕切る教育長が併存し、責任の所在が曖昧だ。多くの欠陥が指摘された。


 政府の教育再生実行会議は四月、民意を担う知事や市町村長が教育長を選び、教育行政の現場責任者に据えると提言した。中教審の議論はここから出発している。


 首長が抜てきする教育長に責任を委ねる仕組みでさえ、現場の不偏不党が保てるのか気になる。それなのに、中教審では首長を教育行政の「執行機関」として決定権を与える案が有力視されている。


 この首長案では、教委は首長の「付属機関」とされて独立性を失う。諮問に答申したり、建議や勧告をしたりする存在に格下げされる。学校教育の政治的な中立性が脅かされる恐れが強まる。


 現下の教委ですら首長からの独立を貫くのは容易ではない。


 静岡県の川勝平太知事は九月、全国学力テストの成績下位校の校長名を公表すると言い出した。大阪市の橋下徹市長は一月、体罰自殺のあった桜宮高校の体育系学科の入試の中止を求めた。


 どちらの教委も異を唱えた。静岡県では上位校の校長名の公表に、大阪市では普通科に振り替えての入試に、押しとどめた形だ。


 もとより首長が代われば考え方も変わる。選挙のたびに方針が揺れ動くような環境は、子供の成長にとって百害あって一利なしだ。


 憲法や歴史、道徳、原子力といった多様な意見を伴う分野での介入も許しかねない。過去の軍国主義教育への反省に立った教委制度の理念をゆがめてはならない


 もう一つの案では教委を「執行機関」として残すが、教育内容や教科書採択などの重要事項に限って決定権を持たせる。首長からの距離は保てそうだが、教育長への強い歯止めが欠かせない。


 松江市で八月、漫画「はだしのゲン」の学校での閲覧制限が問題化した。教育長の判断だった。予算を握る首長に教育長の任免権まで認めるとすれば、教委機能の向上と強化の手だてこそが肝心だ。

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文科相是正要求 本末転倒の「恫喝」だ
琉球新報社説 2013年10月19日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-214016-storytopic-11.html 
 
 八重山で中学公民教科書が一本化していない件で、下村博文文科相が県教育委員会に対し是正要求を指示した。竹富町教委が育鵬社の教科書を拒否して別の教科書を使っている点を批判し、町に是正措置を求めるよう指示している。 下村氏は違法確認訴訟についても「法治国家として行使はあり得る」と述べた。是正要求に従わなければ国が自治体を訴えるというわけだ。小自治体にとり訴訟費用の負担は重いから、これは「恫喝(どうかつ)」に等しい

  最高裁判例は教育行政が法令に基づいて行うことも「不当な支配」に該当する場合があり得るとしている。文科相の措置はまさにこれに該当するのではないか。県や竹富町はその不当性を問うていい。

  八重山採択地区協議会が育鵬社を採択した過程は、石垣市教育長による協議会規定無視、非民主的運営の連続であった。その後、地区内全教育委員による採決で育鵬社版は否決された
 
 竹富町教委の判断はこれらを受けたものだが、国民の多くはその過程を知らない。逆に、教科書無償措置法違反と言えば竹富町が何か悪いかのように印象付けられる。文科相の指示はそれを狙った全国向けの政治的印象操作であろう。

  そもそも違法か疑わしい。地方教育行政法は教科書採択権が市町村教委にあると定める。竹富町教委の決定はそれに基づく。法に基づく以上、合法ではないか。

  教科書無償措置法は無償で教科書を配る義務を国に対して課す法だ。地区内の教科書一本化はその無償化の場合の要件にすぎない。竹富町は無償化の恩恵を受けず、寄付を得て自前で教科書を配った。なぜそれが違法か。国に義務を課す、国を縛るための法律で、自治体を縛ろうとするのは本末転倒だ

  地方教育行政法にも是正要求の規定はあるが、今回、文科省は地方自治法を根拠に指示した。文科省の権能として明確に定める法律でなく、あえて一般的な法を使ったのはなぜか。
 
 地方教育行政法は、「教育を受ける機会の妨げ」が明らかな場合に指示すると定める。竹富町教委は別の教科書を配布しているから、「機会」は「妨げ」られていない。指示の根拠がないから、この法の適用を避けたのではないか。

  そもそも教育の場に「恫喝」はふさわしくない。竹富町教委は「恫喝」に屈しない姿を児童生徒に示してほしい


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[教科書是正要求]政治的介入を撤回せよ
沖縄タイムス社説 2013年10月19日 10時06分(26時間41分前に更新)
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-10-19_55505


 特定の教科書を使え、と言っているようなものだ。教育に政治的イデオロギーを持ち込み、教育の名とはおよそかけ離れた要求である。国が教育現場に強権的に介入していると受け止めざるを得ない。国の介入は抑制的でなければならないという大原則に反し、離島の小さな町の地方自治に対する露骨な圧力だ。


 八重山地区3市町のうち竹富町が他の2市町と異なる中学公民教科書を使用していることに、下村博文文部科学相は地方自治法に基づく是正要求を県教委に指示した。採択地区ごとに同一教科書を使うよう定めている教科書無償措置法に違反するというのが理由だが、政治的な効果を狙った強引な印象を禁じ得ない。


 是正要求を指示するには、市町村教委が担当する事務処理で、法令違反があるか、著しく適正を欠き、かつ、明らかに公益を害していると認められなければならない。従わなくても罰則はない。


 2011年8月、3市町教委の諮問機関である八重山採択地区協議会は公民教科書について「新しい歴史教科書をつくる会」の流れをくむ保守色の強い育鵬社版を選定し、3市町教委に答申した。


 会長の玉津博克石垣市教育長が非民主的な方法で選定手続きを次々と変更した結果だった。育鵬社版は推薦さえされていなかった


 反発した竹富町教委は教科書の採択権限は各教委にあると規定する地方教育行政法に基づき東京書籍版に決めた。


 協議会の答申に強制力はない。下村氏が竹富町を違法状態というなら同一教科書を使っていない石垣市、与那国町も違法状態である。


    ■    ■


 文科省は選定過程が不透明で「育鵬社版ありき」の協議会の結論を重視。竹富町は教科書無償配布の対象から外れたため、住民らが寄付金を集め教科書を購入し、町教委に寄付。生徒に無償で届けられている。東京書籍版の使用は、2年目に入り、町教委は来年度も継続する考えだ。


 一連の竹富町教委の行為は先に挙げた地方自治法の是正要求の要件を満たすだろうか。町教委には何ら瑕疵(かし)はないというべきである。


 地方教育行政法にも文科相による是正要求の条文があるが、児童生徒の教育を受ける機会が妨げられたり、教育を受ける権利が侵害されたりしていることが明らかな場合を要件としている。


 竹富町では教育を受ける権利が侵害されていることはない。地方自治法で是正要求を指示せざるを得なかった下村氏の対応が、いかに無理筋であるかがうかがえる。


    ■    ■


 民主党政権は竹富町教委の対応を容認してきた。是正要求の指示は戦後教育の改革を掲げる安倍晋三首相の再登板とも無関係ではあるまい。


 県教委は23日に会議を開き、対応を協議することにしているが、是正要求の指示を竹富町教委にそのまま下ろすのか。指示に不服があるとして国の「国地方係争処理委員会」に審査を申し立てるのか。


 県教委には事実関係をあらためて検証してもらいたい。おのずと竹富町教委の正当性が明らかになるはずである。

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【教科書是正要求】それほど切迫した問題か 
高知新聞 2013年10月19日08時13分
http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=309777&nwIW=1&nwVt=knd
 
 国が〝強権発動〟するほど切迫した問題なのか。そんな違和感を覚える。

 沖縄県の竹富町教育委員会が教科書無償措置法に違反し、近隣の2市町と同じ中学公民教科書を使っていないとして、下村文部科学相は沖縄県教委に是正するよう指示した。

 地方自治法に基づいた措置で、自治体事務に法令違反がある時や明らかに公益を害している場合に国は是正を要求できる。過去に2市町に適用され、教育行政ではこれが初めてだ。

 どう是正を求めるかは沖縄県教委の判断だが、文科省は司法判断を得るために違法確認訴訟も検討中だという。

 無償措置法は確かに、近隣自治体による採択地区で教科書を統一するよう規定している。竹富町が「違法状態」にあるのは文科相の指摘通りだ。

 だが、そうした状況になった背景や経緯を考えると、国の是正要求は厳しすぎるように思う。

 竹富町を含む3市町は2011年8月、中学公民に保守色の強い教科書を選んだ。しかし、教員を選定過程から排除したなどとして竹富町が反発、別の教科書を独自に選んだ。

 問題をややこしくしたのは、地方教育行政法に教科書採択の権限は市町村教委にあると規定している点だ。

 地元には、保守色の強い教科書採択に反対する住民もおり、竹富町が独自判断で教科書を選んだのは、この法律に照らせば不思議ではない。

 竹富町は、こうした経緯で国の無償給付の対象から外された一方で、民間寄付で教科書を購入し、中学生への無償配布を続けている。教育を受ける権利を侵害しているわけではない。

 そもそも、矛盾する法律を放置してきた責任は国にある。竹富町が違法状態にあるとしても、国が是正を求めるほどの明らかな公益侵害があるのだろうか。

 文科省は無償措置法を改正して、統一教科書の優先を明確化する方針だ。確かに二つの法律の併存は、分かりにくいし保護者らも混乱する。何らかの法改正は必要だが、方向性を決めるまでは慎重な議論を求めたい。

 というのも教科書選択には、地域や保護者の考え、教育方針が十分反映されるのが理想だ。広域で教科書が選ばれている理由の一つは、選定事務の効率化などもあるとされる。自治体単位など、可能な限りきめ細かい地域で教科書が選べる道も探るべきだ。
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竹富町が教科書にこだわる背景に戦争マラリアの記憶
徳島新聞 鳴潮 2013年10月19日
http://www.topics.or.jp/meityo/news/2013/10/13821411349808.html


 沖縄県竹富町は八つの有人島からなる。この町を含む八重山地方には、沖縄以外ではあまり知られていない史実がある。大戦末期の1945年、疎開先の山中でマラリアに感染して、3647人が亡くなった「事件」だ。地元では「戦争マラリア」と呼ばれる。


 死亡率が高かったのはもともとマラリアとは無縁だった日本最南端の有人島・竹富町波照間(はてるま)島の住民である。米軍の上陸に備えるとの理由で、軍に西表島の有病地帯への疎開を強いられた結果だ。島民の懸念通り、1590人の9割が発病、45年末までに約480人が死んだ。


 10年ほど前、取材に重い口を開いてくれた女性がいた。生死の境をさまようこと3カ月。回復した時、家族は誰もいなくなっていたという。1人で16人分の死亡届を出した。「またと、こういうことのない世の中にしていただきたいねえ」。涙を拭った。


 西表島の疎開先近くの海岸には「忘忽石(わすれないし)」と刻まれた岩がある。娘を含む66人の教え子を失った波照間国民学校の校長が帰島前に彫った。現在、祈念碑が立つ。

 下村博文文部科学相はきのう、保守色が強いとされる育鵬社版中学公民教科書を拒む竹富町教委に、是正を要求するよう沖縄県教委へ指示した。忘忽石之碑保存会の平田一雄会長に意見を求めると-。「教科書にこだわる背景に戦争マラリアの記憶もある。竹富の教育長は波照間の出身です」。

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文科相、竹富教科書で是正要求 県教育委員会に指示 
琉球新報 2013年10月19日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-214020-storytopic-238.html 
 
 【竹富】竹富町教育委員会が教科書の同一採択地区の石垣市、与那国町とは違う中学校公民教科書を独自に採択している問題で、下村博文文部科学相は18日、竹富町教委の対応が教科書無償措置法に違反しているとして、地方自治法に基づく是正要求をするよう県教育委員会に指示した。教育行政で国が是正要求するのは初めて。是正要求は国が地方自治体に対して行う最も強い措置で、従う義務が生じる。罰則規定はないものの、竹富町教委が従わない場合、文科省は違法状態にあるとの司法判断を得るため、違法確認訴訟を起こすことも検討している。

  八重山採択地区は2011年度の教科用図書八重山採択地区協議会で保守色の強い育鵬社版公民教科書を選定し、3市町教委に答申した。竹富町教委は、教科書調査員がマイナス点を多く挙げた育鵬社版が協議会委員の無記名投票で選定されたことなどを問題視し、独自の協議で東京書籍版を採択した。

  文科省は協議会の「規約に従ってまとめられた結果」(答申)と異なる教科書を竹富町教委が採択したことの違法性を指摘。「無償措置法に違反する状態をこれ以上放置することはできない」として、県教委に必要な措置を講じるよう求めた。

  文科省はこれまで、竹富町教委の教科書を無償給付せず、育鵬社版を採択するよう直接指導してきた。竹富町教委は地方教育行政法で採択権は各教育委員会にあると定められているとして、採択の正当性を主張。竹富町教委は有志から東京書籍版の現物給付を受けて生徒に配布し、使用している。無償措置法違反という指摘についても、竹富町のみを無償の対象外とすることに異議を申し立てている

  地方教育行政法にも是正要求の規定はあるが、「児童、生徒等の教育を受ける機会が妨げられていること」や、「その他の教育を受ける権利が侵害されていることが明らか」な場合に限られており、文科省は地教行法の規定は満たしていないと判断し、地方自治法の規定で是正要求を出した。

  県教委は、23日の定例教育委員会で対応を協議する。竹富町教委は県の指導を待って是正要求への対応を決める。


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問われる大阪都構想の「効果」 橋下氏、戦略修正
日本経済新聞 2013/10/17 17:20
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK17012_X11C13A0000000/?dg=1
 
 大阪府と大阪市を統合再編する「大阪都構想」の効果を巡る議論で、日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)が軌道修正を迫られている。府市は8月、都構想の実現で生じる効果額を最大年970億円程度と公表したが、当初見込んだ同4000億円には遠く及ばず、都構想反対派からは「都構想の効果額はもっと少ない」との批判も相次ぐ。都構想が最大の争点となった9月末の堺市長選で完敗し、戦略の練り直しを余儀なくされた橋下氏は「節約効果だけで都構想を議論すべきではない。論点がずれている」と訴え始めている。


 「いつの間にか、都構想が節約効果の話になっている。大阪府庁と大阪市役所という巨大な役所が2つあり、二重行政で莫大なロスが生じていた。それを将来的に止めるという話から都構想はスタートしたのに」。10月2日夕、退庁時の記者団の問いかけに、橋下氏がいらだちを隠せない様子で語気を強めた。きっかけは同日の市議会決算特別委員会での自民市議の質問。都構想が見込む府市の歳出削減の効果額が約94億円も過大ではないか、と指摘し、大阪市の担当者が効果額の下方修正を検討すると答弁したのだ。


 都構想を推進してきた維新は、大阪市内24区を5~7の特別区に再編して府と統合すれば、府と市で重複する非効率な事業や事務などを解消でき、多大な経費が削減できるとうたっている。都構想の効果額を巡っては、もともと維新の松井一郎幹事長(大阪府知事)が知事就任直後の2011年12月、府市の二重行政解消で、府市予算の合計約8兆円の5%に当たる年4000億円を捻出する考えを表明していた。ところが府市大都市局が今年8月に試算した効果額は同976億~736億円にとどまったうえ、発表直後から「府市を統合再編しなくても実現できる行政改革の効果も加えており、水増しだ」との批判にさらされた。今月の自民市議の指摘をきっかけに、さらなる下方修正を迫られた格好だ。


 都構想に反対の立場の自民市議らは「都構想の具体化が進めば進むほど、アラが見えだした」と勢いづき、「節約効果だけで議論すべきではない」と訴える橋下氏の姿勢を「急に論点をずらして、論争から逃げ出した」と追及する構え。昨年の衆院選大阪選挙区で選挙協力するなど維新とは友好関係を維持してきた公明からも「効果額は都構想を進める上で一番のキモの部分。都構想の制度設計に責任を負う市長や知事が『効果額なんて大した問題じゃない』などと言ってはいけない」(府議)と批判の声が上がる。


 一方、橋下氏は、例えばかつて府と市が競うように臨海部に高層ビルを建設したり、水道事業を別々に運営したりといった二重行政、二元行政の弊害を都構想実現後には防げることも広い意味での「効果」と主張。国家戦略特区の指定や五輪招致など、府市を統合して自治体の影響力を強くすることで実現可能なプロジェクトの経済効果なども都構想の「効果」と考える。今後、こうした「目に見えにくい効果」(同氏)について、有識者らへの公開ヒアリングを実施して、整理する予定だ。


 ただ、これまで11年の統一地方選や大阪市長選で、橋下氏や維新が都構想の必要性や効果を説明する際、二重行政の弊害の再発防止や成長の起爆剤になるといった「長期的な効果」よりも、より直接的に有権者の金銭感覚を刺激する「節約できるお金」を「短期的な効果」として強調してきた感も否めない。職員の給与削減や合理化などを巡って橋下氏と対立することも多い市職員組合のある幹部は「今さら都構想が行政改革、節約効果ではないと手のひらを返すのは、おかしな話だ」とあきれる。


 時に難解な制度論や都市論になりがちな都構想のメリットを丁寧に説明せず、分かりやすい金銭感覚に訴えてきたことの“ツケ”が回ってきたとも言えるのが、維新が大阪の首長選で初の敗北を喫した9月末の堺市長選。大阪府と堺市の間には、府と大阪市のような分かりやすい二重行政に乏しく、松井氏も選挙を前に「二重行政はない」と認めざるを得なかった。維新は「都構想で堺は飛躍する。都構想に参加しなければ堺が取り残される」と長期的な効果を強調し続けたが、逆に現職市長の陣営は「都構想で堺市民の税金が大阪『都』に吸い上げられる」と有権者の金銭感覚に訴える戦術をとり、勝利した。お株を奪われた形の橋下氏は「争点設定を間違えた。都構想をきちんと説明できなかった」と完敗を認めざるを得なかった


 今月上旬、維新は橋下氏を本部長とする「大阪都構想推進本部」の設置を決め、来年秋にも予定する都構想の是非を巡る住民投票へ向け、本格的な準備に入った。維新幹部は「相手の土俵に乗って入り口論で消耗してしまう事態は、堺で経験済み」として、効果額の「多い」「少ない」に議論が集中するのを避ける戦略を描く。堺市長選の敗戦までは、自在に争点を設定し相手を論破し続けてきた橋下氏。都構想の効果を巡り軌道修正を急ぐ背景には、約1年後の住民投票を見越して、まず争点設定で優位に立とうとする狙いがありそうだ。



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(谷川眞さんのFacebookへの投稿を転載させていただきました)

【大阪市は発展しているか】
 堺市長選挙に毎日のように押しかけてきた橋下市長は、「大阪市はあべのハルカスや梅田のグランフロントのように発展しているのに、堺は取り残されている。大阪都にならないと落ちぶれる」なんて演説しましたが、肝心の大阪市がどうなっているか数字で示された。都市の総合力が落ちているというのです。よその都市を云々する前に足元を見ろ! (昨日の新聞より)

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【動画】「ジスル」予告編 Jiseul - trailer
(1分30秒)
http://www.youtube.com/watch?v=TQivmP37fAQ&feature=player_embedded

映画<ジスル>で国際的に認められた済州4・3虐殺
http://blog.livedoor.jp/woodgate1313-sakaiappeal/archives/22917843.html
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公設民営学校提案の橋下氏「大阪市がモデルを示す」

産経新聞 10月18日(金)15時10分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131018-00000125-san-soci


 政府が18日、「国家戦略特区」の具体策公立学校の運営を民間に開放する「公設民営学校」を盛り込んだことを受け、同校の大阪市内の設置を大阪府と共同で政府に提案していた橋下徹市長は同日、「公設民営学校は長年議論されるばかりで進んでこなかった。下村博文文部科学相の政治的なリーダーシップのおかげ(で認められた)」と評価した。市役所で記者団の質問に答えた。


  大阪市は現在、民間事業者から公設民営学校への参入可能性や課題などについて、意見や提案を募集している。橋下市長は「あとは大阪市が責任を持つ立場として、民間からのアイデアを基に、公設民営学校のモデルを文科省に示したい」と意気込んだ。

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政治塾に400人公募=都構想は市民周知加速―大阪維新
時事通信 10月19日(土)2時35分配信
http://etawill.com/dom/21731/


 地域政党「大阪維新の会」(代表・橋下徹大阪市長)は、堺市長選での公認候補の敗北で陰りが見える党勢の回復に向けた取り組みに着手する。2015年春の統一地方選の候補者発掘を目指す政治塾の塾生を、12月から400人程度公募。また、堺市の参加に「ノー」が突き付けられた「大阪都」構想については、来秋に大阪市で実施する予定の住民投票に備え、年内にも市民向けのタウンミーティングの開催を始める方針だ。

  同党幹部が明らかにした。統一選の候補者選定や都構想実現の足場づくりを急ぎ、巻き返しを図る狙いだ。

  政治塾に関しては、11月初旬に開く同党全体会議で正式決定する。公募は12月にも開始し、開講期間は来年2~7月とする意向。塾生は、大阪府をはじめ、京都府、兵庫県など、近畿一円を募集対象とする。

  統一選に向けては、塾生などを中心に改めて公募を実施。大阪府、大阪市、堺市の各議会議員などの候補者をできるだけ早期に決める。3団体以外にも、大阪市の隣接自治体で候補者を擁立する予定。政治塾の内容に関しては、今後詳細を詰める。

  一方、都構想に関しては、堺市長選の敗北が、大阪市での住民投票に「ものすごく影響する」(橋下氏)との懸念がある。このため、来週設置する推進本部で、都構想への理解を深めるためのタウンミーティング開催を検討する。住民投票に向けおよそ1年をかけて、構想実現のメリットや工程などを丁寧に説明する機会を設ける意向だ。 


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就職失敗で自殺、急増 対策NPO 相談体制の充実を
東京新聞 2013年10月19日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013101902000112.html


 就職活動に失敗して自殺する若者が増えている。昨年の自殺者数は六年前に比べ三倍近くに増加。自殺対策に取り組むNPO法人「ライフリンク」(東京都)が就活生を対象に実施したアンケートでは、二割が就活中に「死にたい」と考えていた。厳しい雇用環境が続き将来に希望が見いだせない中で育った世代にとって、就活失敗のショックはかつてより大きくなっていると分析している。


 ライフリンクでは今年三月と七月、都内で就職活動する学生約百二十人ずつにアンケートし、結果を十八日に公表した。七月の調査では、就活を始めた後に「本気で死にたい、消えたい」と考えたことがあるかを質問。二十六人が「ある」と答えた。

写真
 清水康之代表は「背景には社会や企業への不信感がある」と説明する。アンケートでは七割近くが、日本の社会のイメージを「いざというときに何もしてくれない」「正直者がバカを見る」と回答。経団連が定めた就活期間を守らない企業や、不採用通知すら送ってこない不誠実な対応にも不満の声が多かった。


 正社員志向の強さも目立った。「絶対になりたい」「できればなりたい」を合わせると、97%が正社員を希望。一方で「定年まで勤める」としたのは20%で、約四割が転職や独立を考えていた。清水さんは「頼れるものがない日本社会で生きていくため、緊急避難的に正社員を望む学生が多い」とみる。


 就職が決まらないことでの焦りや不安、企業の対応の問題などは、過去の就活にも共通する。しかし景気や労働環境など、学生を取り巻く社会の状況は大きく変わった。


 「今の学生は高度成長やバブルを知らない。将来に希望を見いだせず、生きる意欲を失いやすくなっている」と清水さん。つまずいても立ち直り別の道を見つけられるよう、小中学校・高校からの就職教育や、大学などの相談体制の充実を提言している。

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【動画】河田恵昭教授地下鉄民営化を叱る
(6分40秒)
http://www.youtube.com/watch?v=Wq7pdoEigOA&feature=share


「大阪は世界で一番地下街が広がっているのに、津波対策が取られていない。地下鉄民営­化の前に、防水扉設置など、公営でやることがたくさんある」と、関西大学・社会安全学­部教授河田さん(南海トラフ地震対策チーム主査)が地下鉄民営化を叱ります。

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【動画】交通局トップも困惑・・・ 地下鉄運賃値下げ 橋下発言で混乱

mbsNEWS 2013年10月19日(土) 18時02分
(1分52秒)↓をクリック
http://www.mbs.jp/news/kansaiflash_GE000000000000002673.shtml


 橋下市長が打ち出した地下鉄の運賃値下げの方針が混乱を招いています。橋下市長は市営地下鉄の民営化に慎重な市議会に揺さぶりをかけるのが狙いで、「まず運賃を下げる。しかし、民営化できないのなら、その後、再び値上げする」と主張しているのですが、当の交通局のトップも市長の考えに困惑を隠せないようです。

「交通事業者の常識から言って、『20円値下げ』は常識的とは考えられない」(大阪市交通局 藤本昌信局長)


 橋下市長に経営手腕を買われ、民間から交通局のトップに就任した藤本局長。


 しかし、18日の議会の答弁では「市長が打ち出した『初乗り運賃20円値下げ』は、あくまで政治判断で交通局としては難しい」と述べました。


 浸水対策に、新たに最大100億円かかる上に、民営化による人員削減のめどが立たない中での値下げは困難なようです。


 「民営化できない責任を我々に転嫁して、料金の再値上げを考えているという、市長の発言があったと聞いている。安易に運賃を上げたり下げたりすることはあってはならない」(自民党 川嶋広稔市議)


 「いつもいつもですよ市長は。コンセンサスをとる段になって、ああいうことをされる」(公明党 辻義隆市議)


 地下鉄の民営化には議会の3分の2以上の賛成が必要ですが、橋下市長の今回の方針は議会での民営化議論を進めるよりも、かえってブレーキをかけている状況です。 (10/18 23:45

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ユニクロの名誉毀損認めず=サービス残業は「真実」―東京地裁
時事通信 10月18日(金)17時34分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131018-00000120-jij-soci

ユニクロ
 カジュアル衣料品店「ユニクロ」では店長がサービス残業をしていると本で書かれ、名誉を毀損(きそん)されたとして、同社と親会社のファーストリテイリングが発行元の文芸春秋を相手に、出版差し止めや計2億2000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、東京地裁であった。土田昭彦裁判長は「重要部分は真実と認められる」として、ユニクロ側の訴えを退けた。

  判決によると、問題となったのは2011年3月に出版された「ユニクロ帝国の光と影」。現役店長らの話として、ユニクロでは店長がタイムカードを押していったん退社したように装い、その後サービス残業をしていると記載。労働時間は月300時間を超え、会社側も黙認していると指摘した。
 
  判決で土田裁判長は、「取材に応じた現役店長の話は具体的で、信用性は高い」と判断した。

  ユニクロ側の話 判決は事実に反するもので誠に遺憾。今後の対応は慎重に検討して決定する。

「過酷労働」記事、ユニクロが敗訴 東京地裁判決
2013/10/18 19:05 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1803Q_Y3A011C1CR8000/


 従業員に過酷な労働をさせているとの週刊誌の記事などで名誉を傷つけられたとして、「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングなど2社が、文芸春秋に計2億2千万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁(土田昭彦裁判長)は18日、ユニクロ側の請求を退けた。


 問題となったのは、2011年3月発行の書籍「ユニクロ帝国の光と影」と「週刊文春」の10年5月6.13日合併号。ユニクロの店長らが過酷な労働環境にあり、中国の工場では低賃金・長時間の過重労働が行われているなどと記載した。


 判決は「取材した店長の話は具体的で、記事の重要部分は真実と認められる」と判断。中国の工場についても「記者の取材内容や経緯から真実と判断する相当な理由がある」とした。


 ファーストリテイリング側は「判決内容は事実に反するもので、誠に遺憾。今後の対応は慎重に検討する」とコメント。文芸春秋は「裁判所の正当な判断を高く評価したい」としている。



ユニクロ敗訴 柳井会長の「残業はするな」ただし「生産性は上げろ」はこれからも続くのか?
The Huffington Post 投稿日: 2013年10月19日 17時00分 JST 更新: 2013年10月19日 17時00分 JST
http://www.huffingtonpost.jp/2013/10/19/uniqlo_n_4126657.html?utm_hp_ref=japan


 ユニクロが文春に全面敗訴した。ユニクロの店長がサービス残業を証言した本が、事実に反しており名誉毀損に当たるとして、ユニクロと親会社のファーストリテイリングが出版元の文藝春秋を相手に起こした訴訟の判決で、東京地裁は10月18日、請求を全て退けた。

発端となったのは、週刊誌「週刊文春」と、書籍「ユニクロ帝国の光と影」。時事ドットコムはこの本の内容を次のように報じている。

問題となったのは2011年3月に出版された「ユニクロ帝国の光と影」。現役店長らの話として、ユニクロでは店長がタイムカードを押していったん退社したように装い、その後サービス残業をしていると記載。労働時間は月300時間を超え、会社側も黙認していると指摘した。

(時事ドットコム「ユニクロの名誉毀損認めず=サービス残業は「真実」-東京地裁」より。 2013/10/18 17:41)

 これに対しユニクロ側は、同書の記述がユニクロブランドの社会的評価・信用を不当に貶めるものとして、発行元の株式会社文藝春秋に対し、書籍の発行差し止めと回収、謝罪広告及び約2億2000万円の損害賠償を求めて争っていた。

本訴訟の対象としている記事ならびに書籍は、「ユニクロは、店舗運営において、苛烈で非人間的な労働環境を現場の店長ら職員に強制し、また、その取扱い製品の製造を委託している海外生産工場において、劣悪で過重な奴隷労働を行なわせている」かの如き表現を用いて、あたかも当社の利益は店舗や工場で働く方々の苦しみの上に成り立っているかのような内容となっております。

当社といたしましては、当社ならびに「ユニクロ」ブランドが、当該記事および書籍によって被った社会的評価・信用の毀損を看過することはできず、やむなく今回の訴訟提起に踏み切ったものです。

(ファーストリテイリング プレスリリース「株式会社文藝春秋に対する訴訟について」より。2011.06.03)

 しかし、東京地裁はこの請求を棄却。棄却理由についてMSN産経ニュースは次のように報じている。

土田昭彦裁判長は「『月300時間以上、働いている』と本で証言した店長の話の信用性は高く、国内店に関する重要な部分は真実」と指摘。「中国工場についても現地取材などから真実と判断した理由がある」と指摘した。

(MSN産経ニュース『「過酷労働」記事でユニクロ側が全面敗訴』より。 2013.10.18 19:54)

 ユニクロに対してはこれまでにも、社員を酷使する「ブラック企業」との批判があった。ファーストリテイリングの柳井正会長は、ブラック企業とは誤解で、社員には残業をしないよう話していると、今年4月のインタビューでは答えている。

――売り上げは増やせ、その一方で残業はするな、では生身の人間は壊れませんか。

「生産性はもっと上げられる。押しつぶされたという人もいると思うが、将来、結婚して家庭をもつ、人より良い生活がしたいのなら、賃金が上がらないとできない。技能や仕事がいまのままでいいということにはならない。頑張らないと」

朝日新聞デジタル『「年収100万円も仕方ない」ユニクロ柳井会長に聞く』より。2013/04/23 10:11)

 業務量が半端ではないと話すのは、ユニクロ新卒3年目の女性。

「とにかく業務量が半端じゃないんです。すごいスピード感。仕事がどんどん降ってきて、どんどん動いて、改善を日々繰り返さないといけない」

ユニクロの現場では、とにかく「スピード・効率」が命だ。考え込む暇があれば、とにかく決めて、やってみて、結果を見て改善、が求められ続けるという。
数字の達成も、売場管理の業務も「できない」という言葉は許されず、「どうすればできるのか」を問われる。「できなかった」は許されず、「なぜできなかったのか」を問われ続けることが珍しくない。

(東洋経済オンライン「ユニクロで働けば、決断力は鍛えられるか」より。 2013/10/02)

 このようなユニクロには、アパレル業界の華やかな面に惹かれている人より、実践的なノウハウを身に付け、自身を成長させることを貪欲に目指す人のほうが向いている。そう話すのは、ユニクロで4年間店舗スタッフとして働いていた男性だ。

「ユニクロに変な夢や幻想を抱かず、将来の独立・転職を見越して『スキルアップのために何でも吸収してやろう』という人のほうが成長できます。バイトスタッフでも、俳優志望の人やバンドマンなど、生活費のためドライに働く人のほうが粘り強いですね」

(キャリコネ『「柳井信者」は成長しない! ユニクロでは「ドライな人」が活躍する 【ブラック企業のいいところ(2)】』より。 2013/10/10)

 今や、仕事において業務効率を上げるのは必須のようだ。コンサルタントの山口巌氏は、インターネットを利用して世界中の人々に、業務を発注したり受注者の募集を行う「クラウドソーシング」という仕組みと、日本のブラック企業の問題を比較し、次のように述べている。

ブラック企業の問題とされる長時間労働やサービス残業は法律によって明確に禁止されている。又、日本社会も被害者である労働者に対し同情的である。一方、クラウド・ソーシング内労働市場は世界共通、一元化された市場であり国内法は通用しない。個人毎に仕事の能力と成果が公平に厳しく査定され報酬が決定される。仮に報酬額が低いといってクレームをした所で、お前の能力が低いからと一蹴されてお仕舞いとなる。IBMを筆頭に世界の超一流企業がクラウド・ソーシングを大胆に取り入れようとしている今日、日本が例外である事が許されるとはとてもでないが思えない。

(山口巌氏ブログ記事「「ブラック企業問題」は最早周回遅れの議論」より。 2013/08/01 17:03)

 現在ユニクロでは、19時退社を義務づけるノー残業デーを、週4日導入しているという。残業をせずにそれでも効果を出すことが、労働者には求められる。

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(『「日々坦々」資料ブログ』より転載させていただきました)


猪瀬直樹は都知事失格! 伊豆大島大惨事の最中に“ジョギング””ツイッター”…
日刊ゲンダイ2013/10/18
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-10075.html
 猪瀬





























 「まず72時間以内の救助が一番大事だと思います。頑張ってください」――。きのう(17日)午後、東京都の猪瀬直樹知事(66)がようやく、伊豆大島に入り、土石流の被災者を激励したが、「どのツラ下げて」と言いたくなる。
 

 猪瀬は「大事な72時間」に何をしていたか。世間は災害当日、不在だった大島町長らの危機管理の甘さを追及しているが、それを問われるべきは、この男だ。


〈ジョグ2k。アプリはjogboy〉


 17日午前0時すぎ、猪瀬が自身のツイッターに書き込んだ“つぶやき”だ。〈ジョグ2k〉は、日課のジョギングを2キロ走ったという意味で、jogboyは、日々の走行距離を記録するアイフォン向けの無料アプリである。要するに、猪瀬は2キロの距離を走り終えたことをツイッターで世間にアピールしたのだ。


 この時間までに伊豆大島では土石流被害により、20人近くが死亡、安否不明者は40人を超えていた。自衛隊員や消防隊員、警察官らが夜を徹して捜索を続ける中、陣頭指揮にあたるべき東京都のトップが、日課のジョギングで汗を流し、それをわざわざツイートするなんて、本当に理解に苦しむ。


 猪瀬は外遊先でも一日も欠かさないほどのジョギング狂いで知られるが、この日は「十年に一度」の大災害が起きたのだ。現地の支援で汗をかくべきだろう。


 「犠牲者の遺族や捜索にあたる人々が、このツイートを読めば何と思うでしょうか。そんなことすら想像できない時点で、トップ失格です」(危機管理コンサルタント・田中辰巳氏)


 猪瀬の危機管理の欠如はこれだけにとどまらない。台風が大島を直撃した12時間後、猪瀬は16日午後2時半から都庁で緊急会見を開いた。ここで前田信弘副知事を本部長とする「現地対策本部」を立ち上げ、状況把握のためにヘリで現地に向かわせたことを発表したが、問題はその後の行動だ。

◆信じられない危機意識の欠如と鈍感さ

  会見を終えると、防災センターのある都庁を離れ、車で向かった先は東京ビッグサイト。「ITS(高度道路交通システム)世界会議」を視察し、出展企業の説明に聞き入っていた。この時点で死者13人、行方不明者が50人を超えることが分かっていた。未曽有の台風被害を考えれば、すべての公務をキャンセルすべきではないか。

 

 都の知事本局秘書課は「今回の会議で知事は組織委員会の副委員長を務めています。14日の開会式は東京国体の閉会式と重なり、ビデオメッセージのみの参加となった。いつか会議に訪れる必要があり、この日に日程を組んだ」と言うが、会議は18日まで開かれている。キャンセルは十分に可能だったし、これはもう、トップの“良識”の問題だ。

 

 きのうも猪瀬は大島に向かう直前、防災服姿で報道陣に囲まれる姿や、ヘリに乗り込む様子をスタッフに撮らせ、自身のフェイスブックに公開した。


 前出の田中氏は「大震災直後に当時の菅首相が福島原発を視察したパフォーマンスと印象が重なります」と言った。五輪招致で浮かれ、都民の安全という最も大切なことを忘れている猪瀬は、知事失格だ。

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(『神奈川新聞』10月7日付の転載です)
軍強制
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教科書:「竹富教委に是正要求を」文科相、県教委に指示
毎日新聞 2013年10月18日 11時12分(最終更新 10月19日 07時46分)
http://mainichi.jp/select/news/20131018k0000e040197000c.htmlM


 中学の公民教科書を巡り、沖縄県竹富町教育委員会が八重山採択地区協議会(石垣市、竹富町、与那国町)の決定に反して別の教科書を使用している問題で、下村博文文部科学相は18日、地方自治法に基づき、沖縄県教委に対して、竹富町教委に是正要求を出すよう指示した。同法に基づく是正要求は、過去に住民基本台帳ネットワークシステムに参加しなかった東京都国立市と福島県矢祭町に出された2009年の2例だけで、教育行政に関しては初めて


 八重山地区協は11年8月、教科書無償措置法に基づき、保守色の強い育鵬(いくほう)社の公民教科書を採択し、1市2町の中学校で使うことを決めた。しかし、竹富町は地方教育行政法が教科書の採択権限を地元教委に与えていることを根拠に「沖縄の米軍基地問題の記述が少ない」などとして同意せず、国の無償措置の対象から外れたため、同町の中学校は12、13年度、寄付金で購入した東京書籍の教科書を使用している。こうした状況について、下村文科相は「違法状態にある」とし、今年3月には当時の義家弘介政務官を同町に派遣したほか、沖縄県教委を通じて繰り返し「育鵬社版教科書を使うよう」指導してきたが、同町は応じていなかった。


 文科省が今年9月中旬、来年度に使用する教科書の需要数を集約したところ、竹富町が来年度も同様の対応を取ることが判明し、是正要求の指示に踏み切った。


 下村文科相は18日の閣議後記者会見で「来年は(採択ルールが)より明確に(なるよう、法律の)改正も考えたい」と述べた。【福田隆】


 ◇解説 二つの法律に隙間


 竹富町教委の教科書問題では、教科書の採択権を定めた「地方教育行政法」と、無償配布の根拠となる「教科書無償措置法」の二つの法律間に「隙間(すきま)」があることが、事態を泥沼化させた。


 地教行法は、教委の職務権限として「教科書の取り扱い」を定め、採択権があることを定義している。ところが、教科書無償措置法は、採択地区が八重山のように複数の市町村で構成される場合、協議して同一の教科書を採択するよう求めている。地域の教員が共同研究をしやすいことや子供が地区内で転校しても教科書が変わらないことなどが理由とされる。だが、教委の意見が食い違った場合の解決ルールはない。二つの法律は一体的に運用されることが前提で、今回の竹富町のような対応は想定外だった。

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10月25日、「南海トラフ巨大地震」を想定して高知県で実施される日米共同統合防災訓練

 訓練に参加する米海兵隊の垂直離
着陸機MV22オスプレイが米軍岩国基地(山口県岩国市)を拠点に四国を縦断飛行する方向で調整が進められています。同訓練は、国が主管する日米共同の実動防災訓練としては国内で初めてです。

  防衛省の資料によると、「孤立地域への物資輸送」として岩国基地を出発したオスプレイは陸上自衛隊高知駐屯地(同県香南市)、航空自衛隊(空自)土佐清水分屯基地(同県土佐清水市)に飛来する計画です。

  「高知新聞」や「毎日新聞」高知版によると、オスプレイの動き

 0900 岩国基地離陸------ 部隊空輸:物資空輸
 1000 空自土佐清水分屯基地着-------   移動
 1100 岩国基地着 1130 岩国基地離陸(燃料補給も)---- 部隊空輸:物資
空輸
 1200 陸自高知駐屯地着-------       移動
 1300 護衛艦いせ着艦--------     患者搬
 1400 土佐清水分屯基地着------    患者搬送
 1600 岩国基地着
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教員の「残業」月95時間超 10年で14時間増える
朝日新聞デジタル 2013年10月17日20時57分
http://www.asahi.com/national/update/1017/TKY201310170358.html
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(『東京新聞』10月18日付の転載です)
積極的平和主義
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(webサイト『リベラル21』から転載させていただきました)


“百害あって一利なし”、内部告発で暴露された「大阪都構想」の経済効果
ポスト堺市長選の政治分析(その2)
~関西から(117)~
2013.10.17 広原盛明(都市計画・まちづくり研究者)
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-2550.html


 堺市長選で維新候補の劣勢が明らかになった選挙戦終盤、橋下代表は「大阪都構想の設計図作りへの賛否でなく、都構想の是非を争点にしたのは誤りだった。代表としてのミス。(都移行の是非の最終判断には)住民投票があることを訴えるよう指示を出したが、遅きに失した」(産経新聞、9月24日)と語った。選挙戦終盤になってこのような発言をすることは“事実上の敗北宣言”と受け取られるだけに、周辺にいた記者団はみな驚いたと言う。


 実は、橋下代表が堺市長選で「大阪都構想の設計図」には一言も触れず、「大阪都構想の是非」を最大の争点として打ち出したのは、そうせざるを得ない事情があったのである。都構想の設計図がマスメディから総スカンを食らい、それを堺市長選の争点にすることは不味いと判断したからだ。堺市長選前の8月9日、「大阪都構想」の具体的な制度設計を議論する法定協議会に府市統合にともなう経済効果の試算が事務局から公表された。大阪都構想に移行するにあたって大阪市を新たに5~7区に区割りする4案が示され、それぞれの経費削減効果が年間736億円から976億円だとする試算が示されたのである。


 橋下代表としては、いつものように「大阪都構想」の経済効果をマスメディアが大々的に取り上げてくれるものと予測し、その余勢を駆って堺市長選に臨む算段だったのであろう。堺市が「大阪都構想」に参加すれば、これだけのメリットがあると大宣伝するつもりだったのである。ところが案に相違して、法定協議会翌日の各紙報道の内容は批判一色に塗りつぶされていた。たとえば、日経新聞(8月10日)は紙面の半分を使って経済効果試算の内容を詳報し、「都構想『効果』最大970億円、大阪府市が試算、当初目標4000億円と隔たり」、「構想実現に課題山積、『都』と無関係の項目も、区の財政力、格差大きく」との見出しで批判的に報じた。法定協議会の直前に経済効果試算の欺瞞性を暴露する内部告発文書がマスメディア関係者に出回り、各社とも事前に勉強して当局発表の内容を精査したからである。


 橋下代表にとって最も痛手だったのは、松井知事が府市の二重行政解消により府市予算合計の5%にあたる年間4000億円削減を目指す(できる)と豪語していたにもかかわらず、出されてきた試算額が目標額に遠く及ばなかったことだ。「なーんだ」と言う空気が一挙に広がり、次いで試算根拠の妥当性にも批判の目が向けられた。するとあるわあるわ、「大阪都構想」(府市統合)とは何ら関係のない経費削減額が706億円(地下鉄民営化275億円、ゴミ収集民営化109億円など)も含まれているではないか。これを差し引くと、府市統合の“真水効果”は端金(はしたがね)程度にしかならないことが判明したのである。


 くわえて、橋下代表が触れたがらない部分に府市統合にともなう“借金問題”がある。大阪都は大阪市が抱える借金(市債)3兆3千億円をすべて引き継ぐので負債額は一挙に8兆2千億円に膨らみ、現行制度ではスタートすると同時に「財政再建団体」に転落することになる。また大阪市は年300~400億円程度の収支不足を未利用地の売却などで穴埋めしているが、市有財産は偏在しているので(区人口1人当たり財産額は最大49倍の格差が生じる)、所有財産が少ない区では補填財源を確保できず、当面の予算編成ができなくなるというのである。


 起債で急場を凌げばいいではないかということになるが、大阪府はすでに橋下知事時代に赤字府債を乱発して「起債許可団体」に転落しているため、新たな起債は厳しく制限されている。それどころか、減債基金の積立不足解消のため、来年から3年間で840億円も積み増ししなければならない事態が控えている。そんな“財政火車”状態のなかで、大阪都へ移行するには「設置コスト」(最大)が初期投資640億円、ランニングコスト年130億円もの新たな財源を捻出しなければならないのだから、起債(借金)どころの話ではないのである。


 堺市長選がスタートする前日、朝日新聞は「大阪都構想、『魔法の杖』がない中で」(9月14日)と題する次のような異例の社説を掲載した。

 「自治体の仕組みを大胆に変えて低迷する大阪を再生する。そう訴えてきた日本維新の会の『大阪都構想』が岐路に立っている」

 「だが試算の結果、集権によるコスト減の一方で、分割、分権に伴うコストがかかり、人件費削減にも壁があることが浮き彫りになった。仕組みを変えれば巨額の財源が生まれるという『魔法の杖』はなかった」

 「大阪の苦悩は多くの都市が抱える共通の課題でもある。維新はまず堺市長選の論戦で、今後の構想とその実行計画をできるだけ具体的に語るべきだ」


 当然の指摘だと思うが、しかし橋下代表も松井幹事長もそして維新候補も「実行計画」を具体的に語ることができなかった。「大阪都構想」の具体的な設計図を堺市民に示せば、都構想がすでに破綻している代物であることを自ら暴露する破目に陥るからだ。そこで橋下代表は「大阪都構想の是非」に的を絞って争点化し、都構想を「魔法の杖」(打ち出の小槌)に仕立て上げて選挙戦に臨まざるを得なくなった。このままでは堺市は衰退する、それを防ぐためには「大阪都構想」に参加する他はない、大阪市がオリンピック誘致に失敗したのは「大阪都」でなかったからだ―――。こんな絶叫調の演説を繰り返す他はなかったのである。


 竹山陣営からは、都構想は“百害あって一利なし”との反論が集中砲火のように浴びせかけられた。だが、「実行計画」を語ることができない橋下代表と維新候補は、設計図を示さないまま「大阪都構想は住民投票で決める」という手続き論に後退するしかなかった。(つづく)

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