(webサイト『360°海外ニュース』から転載させていただきました)


ワシントンポスト「ネトウヨが、日本の差別について授業をしたアメリカ人教師に総攻撃」

2013年02月25日20:00
http://360news.doorblog.jp/archives/24904085.html


 ワシントンポストのWeb版に、日本での差別についての動画をYoutubeにアップしたアメリカ人教師が炎上した話題が掲載されています。長い文章ですが、興味深い内容になっていますのでご一読ください。
(動画:6分14秒)

(動画:6分23秒)

デザキ・ミキは2007年に教師の交換プログラムで日本にやってきた。両親が母国と呼んだ国について学びたかったのだ。彼は英語を教え、日本中を探究し、彼の異文化間での冒険を愛情を込めてYoutubeなどのソーシャルメディアに記録した。

デザキは最新のビデオについても反応は今までと変わらないだろうと思っていた。しかしそれは間違っていた。「私はnetouyu(ネトウヨ)について予期しておくべきでした。」とデザキは言う。ネトウヨとは若いハイパーナショナリストのウェブユーザーの部隊だ。彼らは日本を批判していると感じれば、どんな記事でも人でも襲撃する。

ネトウヨはデザキを標的にし、殺害予告したり、現在や以前の雇用主や、さらには地元選出の政治家に追及したりした。それ以前はただ教師と生徒がいるだけだったのに。

デザキはアメリカの学校でよく教えられるドキュメンタリーのEye of the Stormを使って授業をした。それはどのようにして良い心を持った人たちが差別主義に向かうのかについて、生き生と誠実に探究する内容だ。ビデオの最後で、彼は生徒たちに、もし日本に差別が存在すると思うなら手をあげるように言う。誰も手をあげない。彼らは差別はアメリカ特有の問題だと思っているのだ。

デザキは優しく、日本にも差別があるのだと示す。彼は慎重に極端で議論のある話題(例えば日本が完全には認めていない従軍慰安婦問題)は避け、「バカチョンカメラ」というスラングについて指摘する。その言葉の訳は「頭の悪い韓国人カメラ」である。意味するものは使い捨てカメラであり、頭が悪くても、朝鮮人でも使える操作が簡単なカメラであるということからきている。

彼が日本での差別について話す時、生徒から注目が集まる。デザキが偶然にも教えていた沖縄の人々は、時々他の日本人から見下されている。彼らはかつて2級市民として扱われていた。それは差別ではないのか?

「反応は好意的でした」。彼は思い返す。生徒のうちの多くが「そうだったのか」という反応だ。「彼らは日本本国から虐げられた話について両親から聞いている。彼らはこの話を知っているんだ。でもおかしなことに、彼らはこれを差別だとは思っていない。」「そこから始めると生徒たちは日本の人種や階級についての態度が差別かもしれないと、より容易に受け入れることができた。」

その学校の教頭はもっと多くの人がこの授業を受けてほしいと願っていると言った。デザキはなんの抗議も受けなかった。誰も彼が日本の敵だとして非難しなかったのだ。

1週間後、状況は変わる。デザキは授業を録画し6分間にまとめてYoutubeに投稿した。「私はアメリカにたくさんの差別があるということは分かっている。アメリカが日本より優れていると言っているのではない。」そしてデザキはReddit(アメリカの掲示板)にリンクを張り付けた。そこで彼はよくコメントをしている。そして2日後、ネトウヨがその動画を見つけてしまう。

「私は最近日本の差別についての動画を作った。とても不快で分別のないコメントを日本人から受けている。彼らは私が意図的に日本を攻撃していると思っている。」とデザキはRedditに新たに投稿した。彼に対する非難は「コメントセクションからあふれ出し、大混乱になった」。しかし、怒り狂ったネット上でのコメントは、彼に起こる問題の始まりでしかなかった。

ネトウヨは「2ちゃんねる」というウェブサイトを本拠地にしている。英語版のスピンオフである4chanでも知られているようなネットの最底辺だ。

2ちゃんユーザーは恐らく、彼らの国がどのように外国から思われているのか疑問を持っており、時折Redditの投稿を日本語に翻訳する。「日本での差別」での動画が2ちゃんねるに載った時、怒り狂ったユーザーがYoutubeのコメント欄に押し寄せて動画の信用を損なわせようとした。彼らはデザキの「反日」を批判し、子供たちを間違った情報で歪めようとしていると責めた。

必然的に、殺害予告をするものが現れた。最初、それはネットでされる多くの匿名の脅迫と同じで、おそらく意味のないものだったが、デザキは震え上がった。ウェブのコメントで現実世界の議論を変えようとするネトウヨの最初の運動は、ほとんど意味をなさない。それゆえに彼らはエスカレートした。

数日後彼らはデザキの本名を始めとする個人情報を見つけ出し、日本での雇用主に関するコンタクトリストを作り上げた。デザキがソーシャルメディアに残してきた形跡からすると、それは難しいことではなかった。彼らはスカイドライブと呼ばれるサービスを使ってこの情報をまき散らした。掲示板から飛び出し、デザキの実生活を攻撃するようにけしかけた。

数日して学校の上司がメールを送ってきた。彼が言うには苦情が山のように送られてきたというのだ。動画は彼らが一度は褒めたものであったが、学校側は動画を削除するように頼んできた。

デザキはRedditに投稿した「どこかの日本人が私の働いている学校と以前働いていた学校を見つけた。私は動画を削除するようにプレッシャーをかけられた。」、「今の所、私はどうしたらいいか確信はない。私は動画が間違っているとは思っていないから、取り下げたくはないんだ。そして日本のタブーについて検閲するいじめっ子どもに負けたくない。みんなはどう思う?」

彼は動画をそのままにすることを決めた。一方で彼は動画の最初に英語と日本語で、動画を削除することを拒否するメッセージを載せた。

しかし彼らの怒りは収まらなかった。ネット上でも実生活でも。デザキはある日沖縄の教育委員会から連絡があったという。彼らは国会議員が衆議院で問題にすると警告した。ネトウヨはYoutubeのコメント欄から地方や国全体の政治にまで問題を拡大させることに、明らかに成功していた。

デザキは言う「私はいくらかの日本人が私に狼狽するだろうとは思っていた、でもこんな大きな問題になるなんて予想していなかった。」「教育委員会に伝えるとは思っていなかった。でもそれには驚いていない。どういう意味か分かるかい?彼らは頭がおかしいんだ。」

ナショナリズムは日本だけの問題ではない。しかし日本ではその傾向が強い。かつて強大だった国が衰えた時の不安定性を帯びており、第二次大戦での敗戦やアメリカによる占領の屈辱もある。日本の憲法は反戦主義を唱えアメリカを拠り所にしていおり、アメリカの統治という形で日本に重くのしかかった。日本の国際的地位の低さについては、日本の凶行よりもアメリカに責任がある。

このような歴史は今でも日本に生きている。日本ではナショナリズムとアメリカの支配から受けた憤りが相まっている。デザキはアメリカ人だ。彼の動画は多くのナショナリスト達の「アメリカは親分ぶっており日本をコントロールしようとしている」との考えを刺激した。

「私は日本に恋に落ちました。今でも日本が好きです」デザキは言い、なぜ動画を投稿したか説明する。「私は日本にもっと良くなって欲しいんだ。日本の人種差別やその他の差別の問題を見てきたから。」彼の生徒は授業から多くを学んだように見える。しかし、多くの人たちはそのような意見を聞く準備が整っていない。


American teacher in Japan under fire for lessons on Japan’s history of discrimination