April 2011
April 24, 2011
手羽先日記 その3
4月8日(金)
久しぶりにぐっすり寝たように思う。
爽やかな目覚めだ。
ところが…、
ホテルの部屋のテレビをつけたら、
またまた生々しい地震のニュースをやっている。
どうやら昨晩遅く、
東北方面で大きな余震があったというのだ。
場所によっては、
震度6強という、かなり強いものだったらしい。
避難所では口々に、
「こんなの余震じゃなーい!
本震なみの強さじゃないか。」
という怒りの声も聞かれる。
心配な原発も、
一時停電して、
頼みの注水がストップという事態も起こったそうなのだ。
危機はまだ去ってはいないのだ。
やれやれ…。
……。
しかし…、
ここ名古屋では、
何ごとも無い。
「へえ、そんなことがあったの〜?」
てな具合に、
いたって普通の日常なのだ。
きのうのライブが素晴らしく、
再びジャミンと一緒に音楽活動ができる喜びで、
大いに羽目を外しただけに、
「あ〜あ、やっぱり、
東日本は “まだまだ” なんだなあ…。」
という現実に、
一挙に引き戻されてしまった。
残念ながら…。
そんな目覚めだったのだ…。
……。
それでも気を取り直して、
シャワーをして、
支度をして、
チェック・アウトを済ませ、
「ザ・グランクレール」に向かった。
今日も追加公演という名の、
2回の公演がある。
そして今日の2回は、
3月11日の大震災によって、
パタっとチケットの売れ行きが止まったと聞いていたので、
心配していたのだが、
幸いなことに、
それは杞憂に終わった。
1回目から、
たくさんのお客さんが入場してきて下さった。
初めて見る東海地区のみなさん。
「なんとか来ることが出来ましたわ。」
という、懐かしい関東のファンのみなさん。
「本当は昨日帰る予定だったのだが、
あんまり良かったので、
もう一泊しちゃいましたわ。」
という、嬉しい居残り組のみなさん。
そして今日も、
ジャミンは素晴らしいパフォーマンスをしてくれた。
♪♪♪
こうして、
私たちは再び音楽に戻ることが出来たのだ。
なんという幸せであろうか。
こんな素晴らしい環境を与えて下さった、
坂井社長はじめクレールのみなさん。
友人の甚目さん。
そして、
このコンサートにご尽力頂いた全てのスタッフのみなさん。
すべてのみなさんに感謝だ。
この素晴らしい3日間を、
私は一生忘れることはないだろう。
そして、
また来るぞー。
そう、
もう早くも次のライブ企画にむけて、
私たちは動き出しているのだから…。
♡♡♡
それにしても…、
この膝の痛さはどうだろう…。
もちろん、
昨夜「名古屋ケントス」で踊りすぎたせいだ。
しかし、
それが何だというのだ。
……。
そして、
この胸焼けのひどさはなんだろう…。
もちろん、
手羽先を食べ過ぎたせいだ。
この2日間で、
私は30本以上の手羽先を食べたのだ。
しかし、
それが何だというのだ…。
……。
帰りの新幹線の中で、
私とショーちゃんは、
缶ビールでささやかな乾杯をした。
華やかに復活したジャミンの健康と、
これからの活躍を祈念して。
そして私たちは、
3日ぶりに新横浜の駅に降り立った。
ん…?
この暗さはなんだ…?
そうか、
関東では今だ「節電」の真っ最中なのだった。
明るい、明るい、名古屋とは大違いだ…。
……。
しかし、
それが何だというのだ…。
私たちは、
元気に生きているではないか。
困難な日々を送っている東北のみなさんに比べれば、
なんの不満があるというのだ。
そうだ、そうだ。
そうだ、そうだ、そうだ、そうだ。
!!!
そんなことを再認識させてくれた、
名古屋に感謝だ。
また行くぞー。
待ってろ手羽先!
ん…。
……。
(おわり)
これって、
まだ2週間前のことなんですね。
あの日以来、
時間の経過がやけにゆっくりと感じられるのは、
私だけでしょうか。
しかし、
ここで元気を取り戻した私は、
毎日のようにスタジオにこもり、
6/29発売のニュー・アルバム、
「Summertime」の完成にむけて、
全身全霊で取り組んでおります。
そして、
明日(4/25)は、
久しぶりに東京でのジャミン・ライブですね。
「Beautiful Smile in TOKYO」
東京のみなさんにも、
ようやくご披露できるんですね。
あの曲が…。
そして、あの曲も…。
……。
おかげさまで、
チケットも完売したそうです。
大いに盛り上がりましょう。
そして、私たちの思いを、
東北に届けましょう。
膝の痛みは一向にとれませんが、
がんばります。
なあに、膝なんて、
またお酒を抜けば治ります。
酒をやめないから治らないのですが、
それが、
何だというのでしょう。
そうだ、そうだ、そうだ!
ん…?
……。
SHUN MIYAZUMI
(追記)
今週の私のライブ(学芸大 A'TRAIN)は、
4/28(木)の変則開催でーす。
金曜日(4/29)が祝日のため。
お間違えのなきよう、お集まり下さいませ。
膝を使わない特殊テクニックでスイングしてみせますから。
ギャハハハ。
Shun Miyazumi
April 17, 2011
手羽先日記 その2
4月7日(木)
いよいよ名古屋ライブの初日だ。
なんとなく朝からソワソワ。
久しぶりにジャミンを聞かせられる喜びと、
遠くから遠征してくるであろう、
たくさんのファンのみなさんとの再会に、
胸が躍るような気持ちだ。
なにしろ2月11、12日の「日本橋三越」以来、
ジャミンが公(おおやけ)の場で歌うのは、
本当に久しぶりなのだ。
メンバーとショーちゃんは、
テレビ出演(NHK総合「さらさらサラダ」)のため、
早くに出かけたようだ。
私は直接会場(ザ・グランクレール)に出向き、
PA(音響)や照明、
進行の段取りなどをチェックする役目。
タクシーから、
満開の桜が見えたので、
タクシー運転手の女性に、
「きれいですねえ」と私。
「本当に、きれいですねえ。
でも今年は名古屋でも花見は自粛なんですよ。」
と、その女性ドライバーは言う。
(へえ、そうなんだ。
そんな必要ないと思うんだけどなあ…。)
さて、大変綺麗な会場で、
(普段は結婚披露宴が行われている場所)
準備万端整ったお昼の12時頃、
TV出演を終えたジャミンが元気に帰って来た。
なにしろ、
3月11日の震災以降、
明日(8日)の追加公演のチケットの売れ行きが、
パタッと止まってしまったらしいのだ。
これも致し方のないこと。
そのために出演させてもらうことになった番組。
そして、少しでも当日券を売りたいので、
この番組で告知できることを、
大いに期待していたのだが…、
が…、
彼らの登場後、
ファックスがたくさん入って来て、
それをアナウンサーの方が読み上げているうちに、
番組が終了してしまったんだそう。
明日のライブの告知をする前に…。
ありゃりゃ…。
……。
しかし、これも致し方のないこと。
それだけ反響があるというのもまた、
大変に嬉しいことだ。
NHKのみなさんに感謝、感謝。
さて、リハーサルも順調に終わり、
いよいよ14:30の開場が近づいて来た。
驚いたのは、
本当にたくさんのスタッフさんを、
クレールさんが用意して下さったこと。
お客さんに、
万が一にも失礼がないようにと配慮された、
坂井社長以下スタッフのみなさんの心遣いが、
本当にありがたい。
そして開場。
たくさんの東海地区の方に混じって、
一人また一人と、
なつかしい関東のファンのみなさんの顔、顔、顔…。
ああ、嬉しいなあ。
みなさんもそうだろうけど、
こっちもこの日を待ちわびていたのだ。
♪♪♪
そしてライブが始まる。
ジャミンが華やかに2階から登場する。
そして、1曲目「Come On Get Happy」で、
いきなり全開モード。
いつもの興奮が早くも甦る。
How Deep Is Your Love♪
Take The 'A’ Train♪
I Do♪
♪♪♪
この日を待っていたのは、
ジャミンのメンバーも同じだ。
そして彼らは、
震災前よりも素晴らしかったと思う。
「歌いたい」という気持ち、
「伝えたい」という気持ちが、
空回りする事無く、
今までよりも、力強く鳴り響いていたように思う。
そして、この日のクライマックス。
3月のSTB139が流れたため、
この日が初演となってしまった、
「Beautiful Smile」
の演奏が始まった。
♪♪♪
ま、元はと言えば、
この「クレール」さんのCMソングとして、
新たに書き下ろした新曲なわけだから、
よくよく考えたら、
この場所で初演するのが妥当も妥当なわけだ。
このときばかりは、
不思議な運命めいたものを感じたな…。
……。
ところで反響はどうなんだろう…。
ドキドキ…。
……。
うわ、すごい拍手だ。
パチパチパチパチパチパチパチだ。
ああ、良かった。
この時ばかりはホッと胸をなでおろす。
そして、
O Love Will Never Let Me Go♪
で、感動的にコンサートは終わった。
……。
ジャミンをやってて良かった。
音楽を再開出来て良かった。
甚目さんが言うように、
この日一番感動していたのは、
私かもしれない。
……。
2回目のステージも完璧だった。
2011年4月7日という日を、
私は決して忘れることはないだろう。
いや、忘れてはいけないと思う。
♡♡♡
というわけで、
さあ、今日は1日早い打ち上げだ。
みんなで「やまちゃん」へ行って手羽先を食おう。
そうだ、そうだ、
今日も手羽先だ、手羽先だ。
ビールだ、ビールだ。
ん?
……???
いつもは、
翌日もステージがあるときは、
このようにメンバーを誘うことなどない私だが、
今日は特別だ。
ジャミンの再出発のめでたい日だ。
みんな、食おう、食おう。
飲もう、飲もう、飲もう。
ん…?
……???
そして、しこたま飲んで食べた私は、
その勢いのまま、
ショーちゃんを誘って、
「名古屋ケントス」で、
レベルスのオールディーズの演奏と歌に酔いしれ、
ついには我慢できずに、踊り狂ったのだった。
腰をひねり、膝をひねり、
ツイスト、ツイスト、ツイスト、
イエイ、イエイ、イエイ、イエ〜〜〜イ♪
声を張り上げ歌ったのだった。
イエ〜イ、イエ〜イ、イエ〜〜〜〜〜〜〜イ♪
………。
翌朝、
私の膝は最悪の状態に戻っていた…。
せっかく治りかけてたのに…。
……。
しかし、
それを誰が責められよう。
この愚行を、
誰が責められよう…。
そうだ、そうだ、そうだ〜〜〜、
……。
あっ、
痛っ…。
………。
(つづく)
バカな奴と笑ってやってください。
あはははは。
(お前が笑ってどうする)
ところで、
この素晴らしい復活ライブを、
チャリティ・ライブを、
一日でも早く東京でも開催したい、
と思っていたところ、
今月の25日(月)に、
渋谷の「伝承ホール」というところで、
開催できることと相成りました。
みなさん、どうぞお集まり下さい。
私たちは元気ですよー、
ということを証明してみせましょう。
それまでに、
膝は治しておきますから。
ね。
それにしても、
痛い…。
あっ…。
……。
SHUN MIYAZUMI
April 09, 2011
手羽先日記
4月6日(水)
暖かい。
東京の桜も、ようやく満開になりつつあるようだ。
そして私も、この日を待っていた。
またジャミン・ゼブの歌声を届けられる…。
♪♪♪
3月11日の「東日本大震災」以来、
大きなライブ、イベントが10本あまり、
ことごとく中止、あるいは延期になってしまい、
唯一残されたのが、
明日からの名古屋ライブ(2Days)だったから…。
我々にとっても再出発なのだ。
さらに、翌7日の朝は、
NHK名古屋放送局の「さらさらサラダ」という、
番組出演も決まっており、
しかも、朝の8時半に集合ということもあって、
我々は前日に乗り込むことにしたのだ。
こんな時期は、
あらゆる不測の事態に備えて、
万全の準備をしておかねばならない。
うんうん…。
新幹線の中で合流したジャミンの連中も、
みな、明るい顔をしていた。
なんとも楽しそうな顔をしていた。
「また歌える」喜びが表情にも伺える。
「名古屋へ行ったら、あれとあれを食うぞ。」
といった、固い決意も読み取れる。
ん…?
そうこうするうちに、
夕方、5時前に名古屋に到着。
その第一印象。
「なんだ、この明るさは…?」
相変わらず駅ビルの人の多さ、
そして活気に溢れたにぎわいは、
この1ヶ月、
天と地がひっくり返るような体験をしてきた、
私たち関東の人間から見れば、
まさに別世界。
……。
そしてなによりも違うのは、
すべての照明に煌煌と照らされた明るさだ。
「明るい…。明るいなあ…。」
さて私たちは、
スティーブのナビによって、
マネージャーのY浅ショージから指定された、
宿泊先のホテルに向かう。
ショーちゃんは、東京で打ち合わせがあるため、
後から合流することになっている。
こんなとき、
1番頼りになるのはスティーブだ。
やつのマシーンは、
どんな地図でもたちどころに目的地を教えてくれる。
しかも彼は、方向感覚もバッチリだ。
むろん私には、Y浅ショージは、
事前に何の情報も地図も送っては来ない。
どこに泊まるのか、
住所はどこか、
何にも知らせてはくれない。
方向音痴の私に送ったところで、
何にも意味をなさないことをよく知っているのだ。
あいつは…。
ただひと言、
「スティーブに付いていけばいいんです。」
それしか教えられてはいない。
……。
地下鉄に乗り、栄というところで降り、
無事にホテルにチェック・インした我々は、
荷物を置いた後、
さっそく近くにある「やまちゃん」という、
有名な「手羽先」のお店に入って腹ごしらえ。
ジャミンの名古屋遠征は何度もあるが、
実は「手羽先」を食うのは、
これが初めての私…。
彼らは何度も食べてるので、
私よりもずっと詳しい…。
で、
その、
手羽先…。
これが、
うま、うま、うま…、
うま〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!!
ということで、
ガンガンおかわり。
ビールが、ビールが、すすむくん♪
「すみませ〜ん、手羽先あと5皿お願いしま〜す!」
そこへ遅れてやって来たショーちゃんも合流。
果てしなく続く、
ビールと手羽先の華麗なる饗宴。
♪♪♪
で、さんざん食べたジャミンの4人は、
「ごちそうさまでした。
僕たち、ちょっと街を散策してきまーす。」
「ああ、行っといで。
でも、明日は早いから夜遊びはだめだよ。」
と、私。
しかし、私は知っているのだ。
やつらは、きっと、
「山本屋の味噌煮込みうどん」か、
「ひつまぶし」を、
食いに行くのだ。
いつもそうなのだ。
どんなに高価な「懐石料理」をごちそうになろうと、
フル・コースのフランス料理をいただこうと、
彼らはその後、
必ず「味噌煮込みうどん」を食いに行くのだ。
彼らに質はどうでもいいのだ。
量があればいいのだ。
おい、君たちの胃袋はおかしいぞ。
君たちに、食文化という感覚はないのか。
……。
で、
やはりこの感は当たっていたのだった。
翌朝、私は彼らに聞いてみる。
「もしかして、みんなあの後、
うどんでも食べに行ったのかい?」
するとコージローは、
満面の笑みでこう答えたのだ。
「もちろんじゃないですか。」
……。
(つづく)
結論から言うと、
名古屋のライブは大成功でした。
と思います。
ジャミンも私も、
再び音楽が出来る喜びで、
感無量の2日間でした。
この日を待ちに待ったお客さんたちの、
なんとも言えない笑顔も忘れられません。
まさに「Beautiful Smile」でしたね。
この企画を推進してくれた、
友人の甚目さんに、
「みんな、幸せそうで良かった。
ありがとう。」
とお礼を言ったら、
彼はこう言いました。
「シュンちゃんが、一番嬉しそうだったよ。」
「……。」
そうかもしれない…。
幸せだな…。
……。
SHUN MIYAZUMI