May 2011

May 29, 2011

悲しくない60才


はじめに、

5/27(金)の学芸大「A'TRAIN」
にお越し下さったみなさん、

ありがとうございました。


たくさんの方から誕生日を祝っていただき、
本当に「幸せだなあ…」を感じた一日でした。


というわけで、

本日(5/29)、私めは、

無事に60才を迎えることが出来ました。


いわゆる「還暦」というやつですか。


♡♡♡



とは言っても、

なんかまだピンと来ないんですね。


そのライブのときにもお話したのですが…、


「20才を迎えたときは、どうだったんだろう…?」

と、これが、
ほとんど記憶にないんですね。

かつて「ジャズまくり時代」というお話でも書きましたが、
その頃の私は、
ろくに授業など出ない不良大学生で、

毎晩「ジャズ・ピアノの修行」と称して、
六本木界隈のジャズ・クラブで、
演奏ばかりしていましたから…。

成人式に参加した記憶もないし、
お酒やタバコは、
18才の頃からとっくにたしなんでおりましたから、

(こら!)

ま、特にこれという感慨もありませんでした。



「30才になったときは…?」

うん、これは嬉しかったですねえ。

その頃私はアルファ・レコードという会社にいましたが、

20代のときは、
「なめられてはいけない。
 仮にも僕は会社を背負ったプロデューサーなのだ。
 業界の人たちに、ガキだと思われてはいけない。」
と、ずいぶん気負った姿勢でやっておりました。

だから、30才になったときは、
「ようやくこれで大人の仲間入りが出来る。」

そんな喜びでいっぱいでした。



「40才になったときは…?」

ちょっぴり悲しかった…。

なんか、これで青春が終わっちゃう、
みたいな感じでね。



「50才のときは…?」

逆に感謝の気持ちでいっぱいでしたね。

こんな私でも、
周りのみなさんに支えられて、
なんとか50年も生きてこられた…。

私は、その頃出入りしていた、
赤坂や六本木のジャズ・クラブを一人ではしご。

最後は六本木の「All Of Me Club」というお店で、
お店から頂いた誕生日プレゼントのボトルを開けて、
一人しみじみ飲みながら、
感慨にふけっていたのが、

昨日のことのようです…。



そして、

「60才…。」


不思議なことに、

なんとも冷静な自分に驚いています。


そして、

今日一日のやることの多さにうんざりしながら、

でもこれを一つ一つこなさなければ…、
という完全な「仕事モード」で、

還暦を迎えました。



ただひとつ言えることは、

今まで以上に1日1日が大事だということ。


「やり残すことがあってはいけない。
 悔いを残した人生は嫌だ。」


ひと言で言えば、

こんな心境でしょうか。

……。



なにはともあれ、

素敵なメンバー、
素晴らしいスタッフ、
家族や友人、

そして、

ジャミン・ゼブを支えてくださるファンの皆様と、
これからも素敵な時間を共有していきたい、

そんな思いでいっぱいです。



その昔、

「悲しき60才」という歌がヒットしましたが、

私に関していえば、

「悲しくない60才」


はい、こんな感じです。



みなさま、

こんな私でございますが、

どうぞこれからも、


よろしくお願い申し上げます。



感謝…。


……。



SHUN MIYAZUMI



PS:早くも何人もの方から、
  お祝いのコメントを頂戴しました。

  この場をお借りして、
  改めて御礼申し上げます。


  きょうは臨時便でした。


  さ、仕事だ、仕事だ。

  ワッショイ、ワッショイ。

……。


woodymiyazumi at 12:20コメント(15)トラックバック(0) 
2011 エッセイ 

May 21, 2011

ゴルフと私 その4


ゴルフのスイングで一番大切なことは…、

ボールを打つ瞬間まで、最後まで、

見ることなんです。


ところが…、

これが出来ないんだなあ。

……。



どうしても、

自分の打った方向や球筋が気になって、
ボールを打つ前に前方(の景色)を見てしまうんですね。

これを「ヘッド・アップ」と言うのですが、
これが一番いけない。

これをやっちゃうから、
ちゃんと当たらずに、
ボールが変なところに飛んで行ってしまう。


コースから外れた、
とても打つのが不可能なエリアに落ちると、

OB(アウト・オブ・バウンズ)と言って、
2打罰のペナルティーの上に、
「打ち直し」という最悪の結果になってしまいます。


つまり、
そのホールの最初のショットでこれをやると、
第二打目が四打目になってしまいます。

こうなると「ダブル・ボギー」はおろか、
「トリプル・ボギー」でも、上がれるかどうか…。



もっと最悪のケースは、

「空振り」

……。



そう、ゴルフでは、
「空振り」も1打に数えられます。

しかも、
みんなが見ている前での「空振り」なんぞ、
格好悪いったらありゃしない。             


これ、すべて、

「ヘッド・アップ」のなせる業(わざ)なのです。



そして、もうひとつは、

「飛ばそう」と思って力むことなんですね。


すると、どうしてもスイングが大きくなる。

余計な力が入って、ジャスト・ミートしない。


カキーン。

「いけね、そっちはOBゾーンだ。
 あぶない、あ、あ、あ…、
 あ〜あ…。」


ガキッ。

「ありゃ、ゴロになっちゃった。
 あ、あ、そっちは池だ。おい、止まってくれ。
 あ、あ、あ…、

 (ぽちゃ〜ん)

 あ〜あ…。」


とまあ、こういうことの繰り返しです。


「ヘッド・アップ」をする。
「力む」。


コースへ出ると、
練習場では出ないようなおバカなショットが、
次から次へと姿を現すというわけなんです。

不思議です…。

……。




ところが…、

あれは確か群馬県にある「榛名カントリー・クラブ」
でのゴルフだったと思います。

ま、実力的には私とほぼどっこいの、
大してうまくもない仲間4人でプレイをしたときの事。

……。



その日は、
5メートル先も見えないような、
霧、霧、霧。

ゴルフをやるには、
最悪のコンディションです。


ティー・グラウンドに立つと、
グリーンはおろか、
フェア・ウェイがどこにあるのかもわからない。


そこに、

一人のキャディーのおばさんがやって来ました。

「今日一日、よろしくお願いしま〜す。」



で…、

このキャディーさんが、

すっごいプロなんです。


この辺では、この季節、
こんな霧はよくあるんだそうで、
ちっとも驚いていない。

私がボールをセットして打とうとすると、
キャディーさんは斜め右を指差し、

「はい、宮住さん。
 このホールはグリーンがあっちの方向にあります。
 少し右目に構えて打って下さい。」


そして私は言われた通りに1打目を打った。

カキーン。

ボールは、いい角度で上がったと思ったら、
すぐに霧に隠れて見えなくなってしまいました。


するとキャディーさん、
「はい、ナイス・ショットですよ。
 フェア・ウェイど真ん中です。」

(なんで、わかるの…?)



2番目に打った奴のボールも、
あっというまに消えた。

なのに…、

「あらら、ちょっと右に行き過ぎましたね。
 でも大丈夫。
 バンカーまでは届いてません。」

(だからあ、なんで、わかるのよ…??)



そして、みんな打ち終わると、
フェア・ウェイを歩くのですが、
霧の中の行軍で、
どこに何があるのやらさっぱりわからない。

ところが、
そのキャディーさんは、
4人のボールが落ちているところまで、
迷わず私たちを導いて行ってくれるのです。


「はい、ありましたよ。
 これが宮住さんのボールね。
 グリーンまではあと150ヤードくらいですが、
 打ち上げになっているので、
 ちょっと大きめなクラブがいいですね。
 そうね、宮住さんの体型だったら、
 5番アイアンがいいかしらね。」


ところが、

グリーンなんて、
どこにも見えやしない。

どころか、
あちこちに散らばった仲間すら、
誰がどこにいるのかも、
さっぱりわからない。

一寸先は霧、霧、霧なんですから。


私は、またしても仕方なく、
キャディーさんの言う通りに、
彼女の指差す方に向かって打ちました。

カキーン。

ボールはあっというまに霧に隠れて、
見えなくなってしまいました。


でも、キャディーさんはこう言う。

「はい、ナイス・ショットですよ。
 おそらくグリーンに乗ってますよ。」

「……???」



すると彼女は、大きな声で、

「みなさーん、私が行くまで、
 絶対打っちゃだめですよー。」

と言うと、

今度は、2番目に打つ奴のところへ走り去った。


というより、

すぐに私の視界から消えた。

霧のなかに…。



そして、

「○○さんは、4番アイアンね。
 あっちの方向ですよ。
 ううん、もう少し左に構えて。
 そうそう、それでいいですよ。
 はい、打ちましょう。」

なんて声だけが聞こえる。
二人の姿はちっとも見えない。


カキーン。

「はい、いいですね。
 ちょっと奥目だけれど、
 パターで打てるところに落ちたと思いますよ。」


とまあ、

こんな感じです。


まるで魔法を見ているようでした。



そして霧の中を歩いて行くと、
ようやくグリーンと旗が見えてきました。

そして、

キャディーさんが言ったとおり、
私のボールはピンから10メートルくらいのところに、
ちゃんと乗っていたのです。


2番目の彼のボールも、

3番目に打った彼のボールも、

4番目の彼のも、


みんな、キャディーさんの言ったとおりのところに、

ちゃんとありました。

……。



こうして私たちは、

なんらトラブル・ショットもないまま、
前半の9ホールを終え、

私に関して言えば、
「44」という信じられないハイ・スコアが出たのです。


しかも、

こんな視界ゼロに近い環境のなかで、
一つのボールも無くすことなく、
ホール・アウトしたのです。

これも奇跡です。


他の3人も、

まったく同じことを言っておりました。



つまり、

視界がないから、
景色が見えないから、
ボールを最後まで見るしかない。

「ヘッド・アップ」の仕様がない。


飛んでる距離がわからないから、
「飛ばそう」という力みも生まれてこない。


最良のフォームで、

ゴルフを続けていたと、

まあ、こういうわけです。



しかし…、

な〜んにも面白くありませんでした。

……。




さて、午後になると霧が晴れてきました。

美しい榛名高原が一望に見渡せる。

グリーンもフェア・ウェイもバッチリ見える。


素晴らしい環境の中で、

後半の9ホールが始まりました。



すると…、

私たちのボールは…、


あっちに曲がり、こっちに曲がり、

OBは出るわ、池に落ちるわ、バンカーに吸い込まれるわ、

もうもう、いつものゴルフに逆戻りです。



景色が見たくて「ヘッド・アップ」し、

距離が知りたくて「力」が入り、

それはそれは、散々な結果となりました。


無くしたボールも9個を数えました。


な〜んで…?


……???




でもね。

後半の方が、100倍楽しかったです。


いくらいいスコアが出たって、
飛んだボールが見えないゴルフなんて、
ちっとも面白くありませんよね。


やはりゴルフは、

お天気のいい日にかぎります。


雨の日もいやですねー。


ところが、

私の周りには、
とんでもない「雨男」がいるのです。


次回は、

このシリーズの最終回として、

そんな、強烈な「雨男」のお話でもしましょうか。



ほんと、


すごいですよー、


この「雨男」ったら…。


……。



(つづく)




今日は、こんな写真を引っぱりだしてみました。

今を去ること20年くらい前ですから、

私が40才前後の頃の写真というわけです。


このゴルフ・コースには、
「あなたのフォーム、チェックします。」
という連続写真撮影のサービスがあって、

私は、1,000円くらい払って、
撮ってもらったのですが、

さて、これらの写真を見て、

みなさんは、どう思われるでしょうか。


Scan 3

えっ?

「右手をもう少しかぶせた方がいいんじゃないか。」

ですって?


いや、そうじゃないんだなあ…。

……。


Scan 4

えっ?

「スタンスが狭いから、ひねりも弱い。
 これじゃボールにパワーが出ないんじゃないか。」

ですって?


いや、そうではなくて…。

……。


Scan 2

えっ?

「おへそをもう少し前に突き出す感じ。
 つまり、もう少し背中が反(そ)るような感じの方が、
 飛距離が出るんじゃないか。」

ですって?


いや、そうじゃないんです。

……。



私が見て欲しかったのは…、



髪の毛(の量)なんです。


……。



(拡大可)



SHUN MIYAZUMI

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2011 エッセイ 

May 16, 2011

ゴルフと私 その3


ゴルフというのは、

実にメンタルなスポーツです。


そして、ゴルフ場というのが、

そうした人間の心理を、

うまく利用して作ってあるんですね。



ゴルフを始める前の私は、

「止まっているボールを打つのが、
 何でそんなに難しいんだろう?」

という疑問を持っていました。


今ならはっきりこう答えますね。

「ゴルフ場は平らじゃないからです。」

と…。



練習場では、
平らなマットの上にボールを置いて打ちます。

だから、ちゃんと練習さえ積めば、
誰でもいい球が打てるようになる。


ところが、ゴルフ場では、
フェアウェイと言えども平らではない。

デコボコです。

そのとき、ボールがどの位置にあるのかで、
次の打ち方やフォームが変わっていくんですね。


右肩上がりの場合はこう。

左肩下がりの場合はこう構えてね。

ラフに入れたらこんなスタンスで打つんだよ。

打ちおろしはこんな感じで。

打ち上げはこうするのよ。

……。



ましてや、

私のようなヘボ・ゴルファーは、
トラブル・ショットとの戦いです。


小山の中腹に突き刺さったボールを、
とんでもない姿勢で打たねばならない…。

崖(がけ)の下に落っこちたボールを、
変な打ち方をするから、
正しい打ち方を知らないから、
さらに傷口を拡げてしまう…。

林の中に入れたボールを、
無理して、わずかな隙間から前に打とうとするから、
木々に当たってキンコンカンと最悪の事態に…。



さらに…、

ここが一番重要なのですが…、


ゴルフというのは、

ある意味「トラウマ」との戦いなんですね。



たとえば、
グリーンまで残り90ヤードの地点まで来たとする。

で、目の前に、
大きな池がある。


すると、通常の人間のなかには、当然ながら、

「池に入れたら大変だ…、絶対池を越えなければ…、」

という、イヤ〜な心理が働くんですね。


緊張が走る。

変な力が入る。


だから、

見事に、

ポチャ〜〜〜ン。


あちゃ〜〜。

……。



ところが、

池さえ無ければ、
心理的圧迫さえ無ければ、

たいていの人は、
難なくグリーンに乗せることができます。



他にも、

崖、

川、

バンカー(砂場)、

などなど、


ゴルフ場には、

そうした人間の心理をあざ笑うような罠が、
あちこちに仕掛けられています。



だから、

前回書いたように、
元アルファのM社長のように、

ゴルフ場に行く回数が多ければ多いほど、
自然と上手くなるんですね。


だから、お金がかかる。

でも、それがゴルフというもの。


「経験こそが上達への道」

……。



冗談じゃな〜〜い。


だから、私はゴルフをやめました。



だって、

好奇心旺盛の私は、
ゴルフだけに夢中になる訳にはいかない。

年に5〜600万もゴルフに投資する余裕なんか無いし、
そんな気もサラサラない。



そして、もう一つの理由は、

朝が早いから。


このお話の冒頭にも書きましたが、

東京に住む人間ならば、
千葉、茨城、静岡、栃木、群馬、
といった所まで足を運ばないと、

ゴルフを楽しむことはできません。


当然、行くのに時間がかかる。

ひどい時は、車で3時間も4時間もかかる。


だから朝早く起きなければいけない。


日頃ジャズ・バーで、
夜遅くまでワイワイ騒いだり、
ピアノを弾いて飲んだくれるのが楽しい私には、

とうてい無理です。

自殺行為です。

……。




そこへいくと、

アメリカはいいですねえ。


ニューヨークなんか、

マンハッタンはハドソン川に沿って走り、
橋を渡ってニュージャージーに出ると、
もう、そこは、

いきなり軽井沢のような景観。


1時間もすれば、
ゴルフ・コースに到着です。

お値段も、
たったの10ドルくらい。


え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?



その代わり、

立派なクラブ・ハウスもなければ、
大風呂もなければ、
キャディーさんもいません。

自分たちでカートを運転して、
さっさと回るのです。


でも、それでいいじゃありませんか。

10ドルなんだから。


「そもそもが、
 広い土地を利用して作ったんだから、
 高いお金は取れない。」

これが、アメリカ人の精神なんだそうです。


うらやましいなあ…。

……。




ちなみに私のスコアですが…、

ま、平均すると、
100〜110くらいでしたかね。
(18ホールで)


え?

「このヘタクソ」ですって?


(うるさいから)




ま、たいていのコースでは、
18ホールで72(パー)というのが基準です。


最上級のアマチュアのことを、
よくシングル・プレイヤーと言いますが、

これは、それに8〜9打を足した、
80前後で回る人のことを言います。


コンペなんかで、
ハンディ・キャップがシングルの人がこれですが、

なあに、
別に尊敬する必要もありません。

お金と時間がいっぱいあっただけの人たちですから。

ふん…。



一般に、「上手いなあ…」と思える人は、
だいたい90くらい。

つまり平均すると、
パー72に18ホール分を足して、
ボギー・ペースということになる。


俗に「教え魔」というのは、
この辺の人たちに多いようです。


ただし、

運動神経の優れた若者のなかには、
ちょっと練習しただけで、
このくらいのスコアを出す人がいますが、

ま、これは大したもんです。

パチパチもんです。



ところが…、

そんな私が…、

「ハーフ44」という驚異的スコアで、
回ったことがありました。



しかも、

5メートル先も見えないような、
濃い、濃い、霧の中で。

これ以下はないというような、
最悪のコンディションの中で…。



そのとき、私は開眼したのです。

「そうかあ、
 ゴルフというのは、
 こういうことだったんだ…。
 うん、うん…。」

……。



さあ、いったい私に、


なにが起こったというのでしょうか…?


……??




(つづく)




最近ゴルフを始めた方、

いっこうに上手くならない方、


次回は必読ですよ。

……。



そういえば、

最近ゴルフをやり始めた息子のシマムくんに、

私は、自分が使っていた、
ゴルフのクラブやバッグなど一式、
惜しげもなく、くれてやりました。


彼は、喜んでそれらを愛車に積んで、
休みの度(たび)に、
練習場に出かけているようですよ。


ほんわか…。


♡♡♡



私はといえば、

毎日スタジオにこもって、
ジャミンのニュー・アルバムの仕上げです。


出前の弁当を食いながら。

「タバコがタバコがすすむく〜ん♪」になりながら。

肩こり、首こり、こ〜りこり。


で、今朝も終了したのは夜中の3時でした。

……。



ね、


だからゴルフは無理なんです。


あたしには。



ふん…。


(やけくそ気味…)


……。



SHUN MIYAZUMI

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2011 エッセイ 

May 07, 2011

ゴルフと私 その2


最近は、あまり見られなくなりましたね。

なにが?


駅のホームや交差点で、

ゴルフ・スイングの真似をするおじさんたち。

……。



カッコ悪いと悟ったのでしょうか。

それとも景気が悪くなって、
みなさんゴルフどころではなくなったのでしょうか。


「パパ、カッコ悪いから、
 外でゴルフの真似すんの、やめてね。」

と、娘さんに言われたのでしょうか。


「そんなお金あったら、
 少しは家計に回してよね。」

と、奥さんに叱られたのでしょうか。


ま、いずれにせよ、

かつてのような狂躁的な雰囲気は感じませんね。

ニッポン…。



でも、

相変わらず、

石川遼君の出場するトーナメントには、
毎回、2万人近いギャラリーが集まります。


やっぱり、まだまだ、

人気スポーツなのでしょうか。

ゴルフ…。



あれだって、そんなに安くはないんですよ。

プロゴルフ・トーナメント。


あんなの見に行くために高い入場料払うんだったら、
1回コースに行った方がいいのになあ…。

人の見るくらいだったら、
自分でやればいいのに、もったいないなあ…。

所詮アマチュアなんだから…。


私は昔からそう思っておりました。


だって、ゴルフってお金かかるんですから…。

……。




私が夢中になってやってた90年代は、

ちょっとしたゴルフ場で1日プレイすると、
休日で2〜3万円、平日で1万円が相場。


しかも、そうしたゴルフ場は、
千葉、茨城、静岡、栃木、群馬、
といった、東京から離れた場所に多くありますから、
車で行くとしても時間がかかる。

その交通費やガソリン代もバカにならない。


さらには、食事代、飲み物代、

そして、私のようなヘボゴルファーだと、
あっちの池にポチャーン、
あそこの谷底へサヨナラ〜、

と、ボール代もバカにならない。

あれ3個で1,000円くらいするんですから。


というわけで、

一回コースに行ったら、

一体どれくらいお金がかかるのやら…。


ま、他のレジャーに比べたら、

こんな「金食い虫」の遊びは無いわけです。

……。




ところが、

やはりバブルだったんでしょうかねえ。


当時、ちょっとしたコースに、
1ヶ月前に予約を入れたら、
すでに満杯なんてこともザラでした。

安いお得なコースなら、
2、3ヶ月先まで一杯、
なんてことも…。


いったい、どんな国だったのだ…?

どういう時代だったのだ…?

どんだけ景気が良かったのだ…?

……。



こんな “一億総ゴルファー” の国を、

外国人はどう見てたのでしょうか…。

……???



はい、もちろん冷ややかでした。

ま、そんなお話は追々しますが…。



だから、

アマチュアで上手い人というのは、
当然お金持ちということになります。


さらには、自分で時間をコントロールできる人。


私の周り(音楽業界)で言えば、

社長クラスの人、著名な作家、有名なタレント、歌手、
音楽評論家、テレビのプロデューサーetc.


私が昔勤(つと)めていたレコード会社のM社長などは、

週に2、3度はコースに出かけ、
それ以外の日でも、
毎日のように練習場でひたすら打ち込む。


ま、それだけやれば、
誰でも上手くなります。

素質なんか無くても。

ふん…。


もっともこの社長は、

「シュン、ゴルフなんてのはね、
 回数よ、回数。
 回数をかければ、どんなバカだって上手くなるのよ。」

と開き直っておりましたが…。


「それには、金がかかるんだよね。
 僕なんか、1年に5〜600万くらいは、
 ゴルフにつぎ込むからね。
 ま、そんだけつぎ込められるように、
 早くヒットを出して偉くなることだね。
 アハハハ。」

と、自分の下手(へた)を逆手に取って、
変な激励を私に与えておりましたが…。


ふん…。



しかし、

それだけお金がかかっても、

やはりゴルフには魅力があるのでしょう。


私も当時、下手なりに夢中になったわけですから、

よ〜くわかります。



ま、ひと言で言ってしまえば、

「究極の現実逃避」ですかね。


あるいは、

「究極のストレス発散」かな。



あの広々とした大自然の中で、
自分の打った球の行方に熱狂したり落胆したり。

必死でクラブを選択したり、
パットのコースを読んだり。


とにかく、

ゴルフをやってる間だけは、
仕事はおろか、
浮き世の事など一切忘れて集中するのです。

嫌な事、困った事など一切忘れて、
大の男が熱中するのです。



だから、

もしも、あなたのご主人が、

「明日は接待ゴルフなんだよ。
 本当は家で休みたいんだけど、
 会社の命令だからね。
 朝も早いし、億劫なんだけど、
 ま、これも仕事だから仕方ないね。」

と言っていたら、

それはウソです。


それが証拠に、

こそ〜っとご主人の部屋を覗いてみなさい。


まるで遠足の前の日の子供のように、

嬉しそうに、喜々として、
一生懸命、靴やクラブやボールを磨いたり、
しきりに天気予報を気にしたりしているはずですから。



そして、

日焼けして帰宅したご主人が、

「いやあ、きょうは行って良かったよ。
 おかげで、今度の取引は上手くいきそうだよ。
 ほら、ゴルフてのは、
 1日中その人と一緒に回るわけだろ。
 だから話す時間がいっぱいあるんだよ。
 ほんと、接待ゴルフも大切なんだなあと思ったよ。
 あははは。」

と、言ったら、

それも真っ赤なウソです。



ゴルフ場では、

誰一人、仕事の話なんかしません。


接待している方も、されてる方も、

みんな自分のプレイに夢中で、

仕事の事なんか考えたりしません。


人の事なんか一切眼中にありません。


とにかく自分のゴルフに集中です。

ええ、集中、集中。

会社の金を使って…。


ん……。



「あ〜あ、
 なんでスライスするんだよ。
 きのうの練習じゃバッチリだったのに。」

「いけねえ、俺はバンカーだよ。
 しかも目玉だ。
 ありゃ、後ろに出した方がいいかねえ、君。」

「あっ、いけない、そっちはOBだ。
 ファ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ。」

「あ〜あ、今度は左だ…。
 もしかして池ポチャかな、ねえキャディーさん。」

「プッ、ご愁傷様で。
 カキーン。
 おっ、俺、今度はいいぞ。
 こりゃバーディー・チャンスだぞ。
 ウシシシ。」
 


はい、これが実態です。



えっ…?


そんなことバラしたら、

世のご亭主たちを敵にまわすぞ、

ですって…?



かまいません。

私はとっくにゴルフなんかやめましたから。


な〜んにも恐くないも〜ん。

あはは。


今の私は、

女性の味方だも〜〜〜ん。


あはは、


アハハハ、



( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \


……。



(つづく)




あ〜、終わった、終わった。


なにが?


決算です。



さ、遊ぶぞー。


えっ…?

明日からスタジオだって…?

しかも毎日…?

……。


(わ、わたしは、いつ遊ぶのだ〜〜…?)



そう、だから、今日の私は、

やっかんでいるのです。


GWをゴルフや海外旅行で満喫した、

世の亭主どもを…。


とまあ、

そういうことにしておいて下さい。

ね。



ということで、


そ〜っと、


退散…。



退散…。


……。



SHUN MIYAZUMI

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2011 エッセイ 

May 01, 2011

ゴルフと私


ゴルフか…。


10年前にピタッとやめてしまいましたが、
ま、その理由はおいおい述べるとして、

かつては私も、
夢中になってやった時期がありました。


30代の終わりから50代の初めくらいまでにかけて、

だったかな…。


ということは、

一番盛んにやってたのが、
主に1990年代というわけで、

これはまさに、
日本経済のバブルとその崩壊時期にあたります。



面倒くさそうなので、
最初はその気もなかったのですが、

友人に熱心に誘われて始めてみると、
これがなかなか面白い。


難しいけど面白い。

ちっとも上手くならないけど楽しい。

ちょっぴり大人になった感じで誇らしい。

なんか特権階級の遊びみたいで気持ちいい。


なによりも、

あの開放感がたまりませんね。


見渡す限り、緑、緑、緑。

爽やかなそよ風、鳥のささやき。

ソヨソヨ〜、チュンチュン♪


美しい自然の景観に囲まれてプレイをしていると、
この広大な大地は、自分一人のためにあるんだという、
錯覚にすら陥ってしまいます。

登山家が山を征服したときに、
四方八方を見下ろして爽快な気分になるのと同じ快感。


な〜んちゃって、

登山なんて、やったこともありませんが。

……。



そんな90年代のはじめ、

国中がバブル景気に沸きかえっているとき、

(私には何の恩恵もありませんでしたが…)


日本はまさに「ゴルフ・ブーム」でした。



40才以上の男性で、
およそゴルフをやらないやつは、

よほどの変わり者か、貧乏人だと思われて、
相手にもしてもらえなかった。

そんな時代でしたね。


居酒屋でも、焼き鳥屋でも、寿司屋でも、ラーメン屋でも、
スナックでも、バーでも、会社でも、病院の待合室でも、

男が複数人集まると、
もうもうゴルフの話ばかり。


そして、

これは日本だけの現象でしょうが、

みんな、やたらと教えたがるんですね。


自分よりも下手なやつ、
あるいは初心者が周りにいると、
頼んでもいないのに、
その辺のおっちゃんが教えに来る。

みんながよってたかって教え魔に変身。

おせっかいオヤジのオン・パレード。


「ああ、それじゃあダメなんだよ。
 ちょっと構えてごらん。
 ううむ、右手をもうちょっとかぶせて。
 そう、そう、いい感じだよ。」

「あ〜あ、それじゃスライスするに決まってるよ。
 こう、こう、腰をこういうふうにひねってね。
 そう、そう、それ、それ、いい感じだよ。」

「あ〜あ、スタンスがなってないなあ。
 ちょっと僕をみててごらん。
 こう、こう、こう構えてね…。」

「……。」



とまあ、日本中がゴルフの先生だらけ。


そのくせ、
一緒にコースを廻ってみると、
意外と大したことがないんですがね、

これが…、

みんな…。



そして、

もう街中が、

「にわかゴルファー」「すちゃらかゴルファー」

の、オン・パレード。



駅のホームで、電車を待ってる間も惜しんで、

あっちでも、こっちでも、

みんな真剣な表情でスタンス(構え)の研究、
素振りのイメージでフォームのチェック。


雨の日なんか、

傘をクラブに見立てて、駅のホームで、
素振りをやっちゃうオッサンもいたりする。

その水しぶきがパーッと周りに飛び散る。

(もう、人迷惑だなあ…)


その辺の路地で、近所のおっちゃんが、
クラブを持って素振りをしているのに気がつかず、

危うく強打を免れるような目にあったこともあります。

(もう、危ないんだから〜…)



これは、本当の話ですが、

当時、ニューヨークのマンハッタンの交差点で、
信号待ちの間に、
ゴルフのスイングの真似ごとをやってる人を見ると、
間違いなく日本人と思っていい。

アメリカ人の間で話題になっていたそうです。


おい、

恥ずかしいぞ。

日本の男性諸君。

……。



えっ、あなたのご主人もそうでしたか?

あら、あなたのお父さんもそうなの?

おやおや、あなたの彼氏も?


やれやれ…。

……。



えっ、

おまえはどうなんだ、

ですって?



ううむ…、


どうだったかな…、


ええと…、



やってたかも…。


あはは…。


……。。。




(つづく)





遅ればせながら、

4/28(木)の学芸大「A'TRAIN」
にお集りのみなさま、

ありがとうございました。


変則開催なので、
ちょっと心配しておりましたが、
たくさんのお客さんにお越し頂き、

大変楽しゅうございました。


激しくスイングしたわりには、
膝は特に悪化は致しておりません。

治ってもいませんが…。

……。



次回は5/27(金)の開催です。


これは私の「バースデイ・ライブ」

ということになるのでしょうか…。


しかも、

「還暦」というおマケまでついた…。

……。



ギャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ。



SHUN MIYAZUMI

woodymiyazumi at 16:45コメント(8)トラックバック(0) 
2011 エッセイ