June 2011

June 26, 2011

ジャミン・ゼブ『裏・サマータイム』その3


ジ…、

ジャ…、

ジャ、ジャ、ジャ…、

ジャ、ジャ、ジャ、ジャ、ジャ…、


ジャーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!


jammin' Zeb 『Summertime』

Summertime


もういいよ。

くどいから。


まあ、まあ、そうおっしゃらずに。

……。



でも、約束どおり「裏・シリーズ」の最終回です。

今回は発売前に完成させる、
なんて言っちゃいましたからね。

やるときはやる私。

……。



さあ、これで予習は完璧です。

聴いたあとに戻って来ていただければ、
さらに楽しさが増すはずです。

ええ。


では、最後の2曲、いっちゃいましょう。




06. So Many Stars ソー・メニー・スターズ

lyrics : Alan Bergman, Marilyn Bergman
music : Sergio Mendes
arrangement : Shun Miyazumi & jammin' Zeb


この曲は、セルジオ・メンデス&ブラジル66の、
3枚目のアルバムに収録されておりました。

「Like A Lover」「The Look Of Love」と並んで、
私の大好きなナンバーです。


後にこのアルバムのレコード会社「A&M」の副社長、
かつ人気トランペッターで色男、
憎っくきハーブ・アルパートの妻となる名歌手、
ラニー・ホール嬢が、

美しいストリングスをバックに、
なんともセクシーに歌い上げていましたね。


まだ10代だった少年の私には、
まさに「悩殺キック・ヴォーカル」でございました。

くらくらしながら、ときめきながら、
聴いておりました。

は〜〜♡



あれから○○年後。

今度は我がジャミン・ゼブが、
女性たちをとろけさせてみたいもんだと思い、
大胆にもこんな曲に挑んでみました。

(大丈夫か…)


となるとソロは、我が陣営ではこの2人か。

……。


はい、スティーヴ君、レンセイ君、
出番ですよー。

負けじと甘〜く歌ってくださいねー。

(はーい)


ん…?



さらには、ストリングスの代わりに、
ジャミンならではの、
ビロードのようなコーラスが重厚に絡む。

原曲にはないジャズ・ハーモニーを、
あちこちに散りばめたジャミン・ワールド。


オリジナルとはまたガラリと嗜好を変えた、
素敵な素敵な、甘い甘い、夏の夜空を思わせる、
スロー・ボサが出来上がりました。


リゾート地の夜の海辺でハンモック・チェアに揺られ、
カクテル・グラスを傾けながら空を見上げると、
そこは眩(まばゆ)いばかり満天の星、星、星。

☆☆☆


キャーーーーーッ、

ロマンティックすぎる〜〜〜。


(妄想中…)




07. La Mer (Beyond The Sea) ラ・メール(ビヨンド・ザ・シー)

lyrics : Charles Trenet
music : Charles Trenet, Albert Lasry
English lyrics : Jack Lawrence
arrangement : Shun Miyazumi & jammin' Zeb


これは「海」の歌です。

フランス語で「ラ・メール(La Mer)」とは、
英語では「The Sea」という意味です。


シャルル・トレネという人が作ったシャンソンで、
世界中でヒットした名曲中の名曲ですね。

後にアメリカのイケメン・ジャズ・シンガー、
ボビー・ダーリンが英語でカヴァーした、
「Beyond The Sea(ビヨンド・ザ・シー)」。

これもまたアメリカを中心に大ヒットしました。


で、今回私は大胆にも、
この二つのヴァージョンを組み合わせた、
7分半にも及ぶ大作に挑んだわけですが、

その制作が半ば終わったとき、

あの、大震災が起こりました。

……。



かつて私はこのブログで、
「松山商業」というエッセイを、
延々と書き綴ったことがあります。
(2006年エッセイ)


その中でも書きましたが、

私の母の実家は、
瀬戸内海に面する、平家の落人村として知られる、
「庵治(あじ)」という香川県の小さな漁村です。


夏休みになると、両親に連れられて、
この「庵治」のおばあちゃんの所に行くのが、
子供時代の私の最大の楽しみでした。


夕方、家の裏玄関を出ると、

左手には雄大な屋島が大きくそびえ、
目の前には美しい海が夕陽を浴びて、
静かに横たわっている。

豊富な海の幸や塩田で生計をたてる村の人たちは、
みな生き生きとしていて、
そんな美しい自然に恵まれた自分の生まれ育った場所を、
とても誇りにしていました。


舟で出かける釣り、

美しい瀬戸内海の島々、

海水浴、

素潜(すもぐ)りで取るサザエやウニ。


そう、私は子供の頃から、

そんな「海」が大好きだったのです。



しかし、そんな大好きだった「海」が、
突如暴力的な姿に変身して、
多くの命、人生、夢を破壊してしまいました。

テレビから次々と流れて来る悲惨な映像を見て、
私は、心がつぶされそうな思いでした。

……。



それ以来私は、

この曲を、このアルバムに入れることに、

ある種のためらいを感じていました。


しかしメンバーの、

「社長、入れましょうよ。
 これは美しい “音楽” ではないですか。
 完成させましょうよ。」

そんな力強い進言もあって、
結局は収録することに決めたのです。



ピアノの間奏を弾いている間中、

「美しい海」と「海によって破壊された光景」

その二つの映像が私の脳裏に浮かんでは消える。


私は涙でボロボロになりながらも、
心を込めてあのソロを弾きました。

そして、私の愛する海が、
人類に豊かな恵みを与えてくれる海が、
本来の美しい姿のままでいてくれることを、

祈りつつ…。

……。



おや、ちょっと感傷的になってしまいました。

「裏・ラメール」というより「本音・ラメール」ですね、

こりゃ。


いけません、いけません。


これ以上書くのは野暮というものです。



でも、これが私の思い描いていた「海」であり、

ジャミン・ゼブが美しく表現してくれた「海」。


淡々と、厳(おごそ)かに、

そして時に雄大に奏(かな)でられていく「海」を、

お楽しみいただけたらと思います。


そしたら、


楽しいフィナーレが待っていますから…。


♪♪♪



さ、カウント・ダウンだ!



Produced by


SHUN MIYAZUMI

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2011 エッセイ | jammin' Zeb インフォメーション

June 22, 2011

ジャミン・ゼブ『裏・サマータイム』その2


ジャーン!

jammin' Zeb 『Summertime』

Summertime


えっ?

もういい?


いやいや、そんなこと言わずに。


この写真見てると、

なんだか楽しくなっちゃいませんか?

ね、

ね、

ね…。


はい、では今日も「裏・シリーズ」のつづき。




03. Rise ライズ

lyrics & music : Lensei
arrangement : Lensei & jammin' Zeb


3月11日。

私たちは代々木公園にある練習スタジオで、
来るべき「STB139 飛び石4Days!」に向かって、
快調にバンド練習をしておりました。

そこへ…、
突然の大地震が…。
……。

そして日本は、
未曾有の国難に陥ってしまいました。


ジャミン・ゼブも、
予定されていたほとんどのスケジュールが、
延期あるいは中止になってしまいました。

福島原発の動向によっては、
このまま音楽活動を続けることができるのだろうか、
といった不安な気持ちで毎日を送っておりました。


そんなジャミンが再び集まって声を出したのは、
3月31日のこと。

オーストラリアに一時帰国していたレンセイが、
1曲のア・カペラ・オリジナルを書いて戻って来たのです。

それがこの『Rise(ライズ)』でした。


We're gonna rise (rise for tomorrow)
We're gonna rise (rise through our sorrow)
After the night has gone we will carry on
A new day's begun,under the Rising Sun.

(僕たちは立ち上がろう 明日のために
 立ち上がろう 苦難を乗り越えて
 夜が過ぎればきっとまた生き続けられる
 新しい日が始まった
 昇りゆく太陽のもとで)


ジャミンのメンバーは、
懸命にこの美しい曲に取り組みました。

そして、
何かが変わった(?)4人の力強いメッセージは、
大きな感動となって、
聴くたびに私の胸を揺さぶります。


今もなお被災地で困難な生活を送っている人の中には、
ジャミン・ゼブのファンも少なからずいらっしゃいます。

今はまだCDを聴くどころではないかもしれません。
コンサートに足を運ぶことも不可能でしょう。

しかし絶対に明るい未来は来ます。

近い将来、みなさんがこのCDを手にすることが出来、
この歌に耳を傾けて下さる日を待っています。


この「under the Rising Sun」とは、
「日の丸(の旗)のもとで」
という意味もあるのですから…。


レンセイ君、すばらしいよ。

間違いなくこれは、君の最高傑作だ!



04. One Note Samba (Samba de uma nota so) ワン・ノート・サンバ

lyrics & music : Antonio Carlos Jobim, Newton Mendonca
arrangement : Shun Miyazumi & jammin' Zeb


これは面白い曲ですねえ。

最初のメロディーが、
♪ソソソソソソソソソソ〜♪

お次は、
♪ドドドドドドドドドド〜♪

まさに「One Note(ワン・ノート)」の看板に偽りなし。


で、書いたときから、

最初のソロはシモンとスティーヴに歌ってもらおう、
しかも「ポルトガル語」で、
と思っておりました。

いやあ想像以上でした。


とくに、ラテン系の血をひくシモンは、
抜群のセンスで歌っちゃいましたね。

今後ブラジル系レパートリーの拡大に、
大きな期待を持たせてくれました。

スティーヴの早口音階メロもさすがです。


2コーラスめはレンセイの小粋なアド・リブ・ソロ。
そして次第にコーラス・ワークが絡んでいきます。


ピアノ間奏後に4声コーラスが勢揃いして、
♪パッパラッパパーヤ♪と歌う、
ちょっと切なくなるような部分は、
原曲にはありません。

いつものように、
私が勝手に書き加えました。

最後のクライマックスをより劇的にするために。

ジョビンさん、ごめんなさい。

あははは。


そして最後は、
美しさに力強さが加わったジャミン・ゼブの、
ビロードのような4声コーラスが、

これでもかこれでもかと、
終盤を盛り上げる、

そんな4部構成になっています。


もうもう、夏にピッタリ。

どこかのリゾート地で聴きたいな〜。



05. Summertime サマータイム

lyrics : DuBose Heyward
music : George Gershwin
including "HIGHER GROUND" lyrics & music by Stevie Wonder
arrangement : Lensei & jammin' Zeb


これは、ジャミン・ゼブにとっては、
大冒険のサウンドです。

デビュー以来一貫して、
「アコースティック」なサウンドに徹して来たジャミンが、
初めて挑むエレクトリックな世界。


コンピューター・プログラミングされたドラム、
シンセ・ムーグ・ベース、
エレクトリック・ピアノ、
シンセ・ブラス・サウンドetc.etc.

どうせやるならここまでやっちゃえ、
ということで、

才人西脇辰弥君の協力を得て、

1970年代のスティーヴィー・ワンダーや、
クインシー・ジョーンズを彷彿とさせるような、
ご機嫌なサウンドが出来上がりました。


ま、これはレンセイ渾身の力作アレンジですね。

なにしろ、これ、
1年ぐらいやってましたから。

遠征の新幹線の中でも、
楽屋でも、
ホテルのロビーでも、

いつもパソコンとにらめっこしながら、
「アー」だの、「ウー」だの、
「イエイ」だの、「ダバダバ」だの、「ガチョーン」だの、
作品の完成に没頭しておりましたね。
(最後のはウソですが)


ということで、

あまりバラすと楽しみがなくなりますから、

あとは聴いてのお楽しみとしておきましょう。


えっ?

ミュージシャン・クレジットに、
山木秀夫さんの名前があるよ。

ですって?


いいところに気がつきました。

コンピューター・ドラムが、
突然、生(ナマ)ドラムに変わる瞬間があります。

そして名手山木さんのドラム・ワークが、
終盤を盛り上げていくのですが、

では、その変わり目はどこでしょう?


探してみて下さいね。



(つづく)




早いもので、

今週の金曜日(24日)は、

学芸大「A'TRAIN」ライブではありませんか。


先月、派手に誕生日(還暦)を祝ってもらってから、

もう1ヶ月も経ったんですねえ。



なんだか、


慌ただしかったなあ…。


リリース時期はいつもこうだけど…。


……。



SHUN MIYAZUMI

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2011 エッセイ | jammin' Zeb インフォメーション

June 19, 2011

ジャミン・ゼブ『裏・サマータイム』その1


はい、今回も登場です。

ジャミン・ゼブ・ファンにはお馴染み、
最新アルバムの「裏シリーズ」。


収録楽曲の知られざる秘話、
制作過程における面白エピソード、
作・編曲の手法やその解明etc.

作品の持つ、もうひとつの顔を紹介しながら、
さらに楽しく鑑賞してもらおう、

という、涙ぐましくも愛ある企画でございます。

……。



でね、

普通これは発売後にやっておりました。


最初は余計な先入観を持つことなく、
聴いていただいた方がいいだろう、
と思っていたからです。


しかし、大震災以来、
とにかく日本は明るい話題が少なすぎます。

だから、せめて、「ジャミン・ワールド」だけは、
明るい話題を持ち続けたい。

楽しい話題は、
出し惜しみすることなく提供し続けたい。


ということで、

今回は発売前に公開することにしました。


ただし、
「余計な先入観を持たないで聴きたい」
と思ってる方もいらっしゃるでしょうから、

そういう方は、今は読まずに、
CDを先に聴いてから、
このページに戻って来て下さいね。

さらに楽しさが倍増するはずですから。


では能書きはこのくらいにして、

さっそくいきましょう。


ジャーン!


jammin' Zeb 『裏・Summertime』

Summertime


あははは。

最初から肩すかしです。


「裏・サマータイム」だから、
ジャケットの裏面が来ると思ったでしょ?

残念でした。

それは発売日までのお楽しみとしましょう。

むふふ。




01. Beautiful Smile ビューティフル・スマイル

lyrics : MIYAKO
music : Shun Miyazumi
arrangement : Shun Miyazumi & jammin' Zeb


この曲の構成はこうです。

まず、ピアノのイントロに始まり、
CMでも使われているサビの部分が、
4声コーラスで高らかに歌われます。

 ♪光り浴び 花は舞い 夢抱(いだ)き
  満ちる愛に 世界は今微笑んでいる♪

そして軽快な16ビートのリズムに乗せて、
本編が始まる。

ゾクゾクするような瞬間です。


これを2回演奏します。
つまり俗にいう1番と2番ですね。

で、普通のJ-POPなら、ここで間奏が来る。

そしてもう一度サビがやって来て、
終わりかフェード・アウト。


しかし、ジャミンのJ-POPは、
そんな簡単な構成では許されない。

しかも初めてリリースする、
日本語オリジナルですからね。


なんかここに、
ジャミンにしか出来ない技を盛り込みたい。

ジャミンならではの素敵な世界を演出したい。

ううむ…。

……。



で、閃(ひらめ)いたのが、

あのインターの部分です。


美しい4声コーラスが奏でる、

In our world×4回
What a world×4回
In your smile×4回
What a smile×4回

あの部分です。


そしてお次は、それをバックに、
レンセイが英語でメロディーをなぞる。


はい、これですっかりジャミン・ワールドに、
なってしまいましたね。

日本語のオリジナルをやる以上、
ここまでやらないと気がすまない。

これ、私のこだわりです。


ちなみに、この詞を書いてくれたMIYAKOちゃんは、
関西在住の、私が敬愛する、
素晴らしい才能を持った女性作詞家。

昨年のクリスマス・コンサートで披露した、
「祈り雪」という曲も彼女の詞です。

ジャミンの世界にピッタリだと思いませんか?


ただし、この英語の部分だけは、
レンセイに書いてもらいました。


若い、素敵な才能が、

この曲に新鮮な息吹を与えてくれました。


みんな、ありがとう!


♪♪♪



さて、エピソードをもう一つ。


この曲を作るにあたって、
私は、とあるオペラの世界観をイメージしました。

というより、
その作品から強烈なインスピレーションを受けた、
と言ったほうがいいかもしれません。


それは、

『ばらの騎士』(リヒアルト・シュトラウス)



このオペラに関しては、
昨年の秋、このブログの中で、
詳しく紹介、褒めちぎっておきましたので、
興味のある方はぜひお読み下さい。


美男の貴公子オクタヴィアンを取り巻く恋愛騒動。
笑いあり涙ありの、万華鏡のような人間模様。
息もつかせない展開と素晴らしいサウンドの世界。


私は、なんとかこのイメージ、世界観、エッセンスを、
この曲に盛り込みたい、

そう願いながら書いたのでした。


うまくいったかどうかはわかりませんが、

自己満足はしております。



そういえば、

最近どなたかが、
「この曲は、薔薇色のイメージがする。」
というコメントをお寄せ下さいました。

(「手羽先日記」の頃だったかな…?)


あれ、ビックリしました。

ドキッとしました。


すごい感性ですね。

ドンピシャでしたね。

脱帽です。



待てよ…、


ということは…、


成功か…、


……。




02. Day Tripper デイ・トリッパー

lyrics & music : John Lennon, Paul McCartney
arrangement : Shun Miyazumi & jammin' Zeb


このビートルズの名曲は、
「恋を抱きしめよう」(We Can Work It Out)
というシングルのB面に入っておりました。

当時にしては斬新なコード・ワークで、
子供ながらにビックリしたのを覚えています。


ちょっと解明してみましょうか。

(ちなみにジャミンはB♭のキーで歌っています)


| B♭7 | B♭7 | B♭7 | B♭7 |  
 Got a good reason〜

| E♭7 | E♭7 | B♭7 | B♭7 |
 Got a good reason〜

とまあ、この前半部分は、
ごく普通のブルース進行です。


ところが、
このあとがすごいのです。

|  C7  |  C7  |  C7  |  C7  |
 Day tripper〜

このB♭7からC7へ2度で移行するモダンな進行は、
当時の他のロック・バンドには聞くことができません。

さらに、

| E♭7 |  D7  |  G7  | F7  |
 So long〜

このあたりは、ジャズ・スタンダードの譜面を、
見ているかのような錯覚を覚えます。


約半世紀も前のロック・バンドで、
こんなモダンなコード進行を思いつくなんて…。

ジョン・レノン、そしてビートルズの偉大さを、
改めて思い知ることができますね。


だから、

こんなにモダンなんだから、

ジャズのハーモニーなんて、
容易にブレンドさせることが出来ちゃうわけです。


というわけで、ここでは、

ロックン・ロール、アフロ、ジャズ、ポップス、
ラテン、R&B、ドゥー・ワップ、グループ・サウンズ、
ダンス・ミュージックにミュージカルの要素まで、

ありとあらゆる音楽を、

ごった煮のように、
ちゃんこ鍋のように、
ブイヤベースのように、

詰め込みました。


もう何でもありって感じですね。

でも、この上もなく楽しい仕上がりです。


誰がどんなパートを、
どんなスタイルで歌っているのかを、
想像しながら聴くのも楽しいですよ。

もっとも、
ライブに来ていただければ、
一目瞭然ですがね。

あはは。


ちなみに私のお気に入りのエンディング。

Day tripper,Day tripper yeah!

が4回繰り返されるのですが、

この部分のコードはこんな風になっています。


B♭7

B♭7(9)

B♭7(6,9,#11)

B♭7 (6,#9,#11)


つまり、次第に複雑で、
危険なジャズ・ハーモニーが加わっていくのです。


う〜ん、スリリング〜だこと。


(またしても自己満足…)


……。



SHUN MIYAZUMI

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2011 エッセイ | jammin' Zeb インフォメーション

June 11, 2011

ジャミン・ゼブ『サマータイム』


いやあ、なんとも爽やかなジャケットですね。

とても気に入っています。


今回のキャッチ・フレーズはこうです。

「ジャミン・ゼブ通算5枚目のアルバムは、
 まさに “夏” のイメージが満載。

 ホット&クールな選曲、アレンジで、
 季節色を斬新に打ち出した、
 上質のコンセプト・アルバム。

 まぶしーい1枚です。」


ううむ…。

うまいこと言うなあ…。


ジャーン!!


jammin' Zeb 『Summertime』

Summertime


でも、看板に偽りなしですよ。

これを聴いた誰もが、
もはや「コーラス・グループ」という単純な言葉では、
言い表わせない力強さ、エネルギーを感じることでしょう。


そう、

私から見ても、
この1年の彼らの成長には、
目を見張るものがあります。

特に個々のヴォーカリストとしての力量が、
格段に進歩しました。


したがってこのアルバムでは、
今まで以上に各人の魅力的なソロを、
ふんだんに聴くことができます。

しかも、そんな強力な4人がハモるのですから、
そのコーラス・ワークの美しさと破壊力は、
言うまでもありませんね。


彼らの持ち味とされてきた、
「美しいコーラス」というキャッチを遥かに超えた、

スーパー・ヴォーカリストたちによる
「力強くも極上のハーモニー」へと、
大変身を遂げたことがおわかりいただけると思います。



さらには、

初の日本語オリジナル曲(CMタイアップ)、
大震災に思いを寄せた感動的なア・カペラ・オリジナル、
7分半にも及ぶ大作、
コンピューターやシンセ・サウンドの導入、

など、これまで見られなかった新しい試みにも挑戦。

いずれも見事な成果をあげています。



パッケージこそミニ・アルバムという形態ですが、
7曲で38分という収録時間は、
アナログ時代だったら充分フル・アルバムのヴォリューム。

これで2,100円(税込み)というのは、
なんともお得です。


では、前置きはこのくらいにして、

さっそく楽曲の解説といきますか。



01. Beautiful Smile ビューティフル・スマイル

lyrics : MIYAKO
music : Shun Miyazumi
arrangement : Shun Miyazumi & jammin' Zeb

 ジャミンが初めてリリースする日本語オリジナル楽曲で、
 名古屋のブライダル・チェーン「クレール」
 のTV-CMタイアップ・ソング。

 CMでは可愛い子供のカップルと一緒に本人たちも出演。

 中京圏では、
 ケーキの上で楽しそうに歌う姿をご覧になった方も、
 多いと思います。

 あの可愛い絵コンテを見せられたとき、
 すぐにイメージが出来上がりましたね。

 華やかなジャミン・サウンドに、
 さらに磨きがかかりました。


Piano & Keyboards : Shun Miyazumi
Bass : Tetsuyuki Kishi
Drums : Hideo Yamaki
Percussion : Ryoichi Kayatani



02. Day Tripper デイ・トリッパー

lyrics & music : John Lennon, Paul McCartney
arrangement : Shun Miyazumi & jammin' Zeb

 お馴染み、
 ビートルズの有名なロックン・ロール・ナンバーが、
 
 ジャミンの手にかかると、
 こんなにファンキーで楽しいジャズ8ビートの、
 ダンス・ナンバーに大変身してしまいます。

 個性豊かなソロまわしと、
 チャーミングなコーラス・サウンドに乗せて、
 みなさんもぜひ踊って下さい。


Piano : Shun Miyazumi
Bass : Tetsuyuki Kishi
Drums : Hideo Yamaki
Percussion : Ryoichi Kayatani



03. Rise ライズ

lyrics & music : Lensei
arrangement : Lensei & jammin' Zeb

 凄惨な爪痕を残した東日本大震災。
 その惨状に心を痛めたオーストラリア出身のレンセイが、
 心をこめて書き下ろしたオリジナル。

 この上もなく美しい、
 感動的なメッセージに溢れたア・カペラです。

 「僕たちは立ち上がろう 明日のために
  立ち上がろう 苦難を乗り越えて
  夜が過ぎればきっと生き続けられる
  新しい日が始まった
  昇りゆく太陽のもとで」
   
 Under the rising sun.

 このフレーズにはもう一つの意味もあるんですね。

 レンセイ君ありがとう。



04. One Note Samba (Samba de uma nota so) ワン・ノート・サンバ

lyrics & music : Antonio Carlos Jobim, Newton Mendonca
arrangement : Shun Miyazumi & jammin' Zeb

 ボサ・ノヴァの創始者、
 アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲。

 前半はシモンとスティーヴがポルトガル語に初挑戦。
 後半はうねるような力強さを加えた、
 4声によるコーラスが延々と続きます。

 貴公子たちによる、
 ビロードのような極上のハーモニーを、
 存分にお楽しみ下さい。


Piano : Shun Miyazumi
Bass : Tetsuyuki Kishi
Drums : Hideo Yamaki
Percussion : Ryoichi Kayatani



05. Summertime サマータイム

lyrics : DuBose Heyward
music : George Gershwin
including "HIGHER GROUND" lyrics & music by Stevie Wonder
arrangement : Lensei & jammin' Zeb

 ガーシュインの名曲「Summertime」が、
 あっと驚くコンテンポラリーなサウンドに大変身。

 コンピューター・ドラム、シンセ・ベース、
 ブラス・サウンド、クロマチック・ハーモニカ。
 これらを全部一人でやってのけた、
 西脇辰弥君の才能に拍手。

 70年代のスティービー・ワンダーや、
 クインシー・ジョーンズを彷彿とさせる、
 グルーヴィーなサウンドに乗って、 
 4人のシマウマたちが奔放に駆け回ります。


Keyboards & Chromatic Harmonica : Tatsuya Nishiwaki
Drums : Hideo Yamaki



06. So Many Stars ソー・メニー・スターズ

lyrics : Alan Bergman, Marilyn Bergman
music : Sergio Mendes
arrangement : Shun Miyazumi & jammin' Zeb

 今年はセルジオ・メンデスの生誕70年、
 レコード・デビュー50周年なんだそうです。

 それに敬意をはらって、
 こんな曲にトライしてみました。

 スティーヴとレンセイのメロウなソロに、
 重厚なコーラスが絡む、
 まさに夏の夜空を思わせるような、
 甘い甘いスロー・ボサが出来上がりました。


Piano & Keyboards : Shun Miyazumi
Bass : Tetsuyuki Kishi
Drums : Hideo Yamaki
Percussion : Ryoichi Kayatani



07. La Mer (Beyond The Sea) ラ・メール(ビヨンド・ザ・シー)

lyrics : Charles Trenet
music : Charles Trenet, Albert Lasry
English lyrics : Jack Lawrence
arrangement : Shun Miyazumi & jammin' Zeb

 シャルル・トレネの有名なシャンソン「ラ・メール」と、
 ボビー・ダーリンが英語でカヴァーして大ヒットした、
 「ビヨンド・ザ・シー」。

 この二つのヴァージョンを組み合わせた、
 7分半にも及ぶ超大作。

 ここでもシモンとスティーヴはフランス語に挑戦。
 コージローとレンセイが英語で受けて、
 雄大に、厳かに、淡々と、
 美しい世界が奏でられていきます。

 「人類に大きな恵みを与えてくれる 美しい海よ。
  いつまでも “本来の” 美しい海のままでいておくれ。」

 このサウンドにはそんな願いも込められています。

 そして、あっと驚くフィナーレが…。


Piano : Shun Miyazumi
Keyboards : Tatsuya Nishiwaki
Bass : Tetsuyuki Kishi
Drums : Hideo Yamaki
Percussion : Ryoichi Kayatani



発売日は6月29日(水)です。


なお、1曲目の「Beautiful Smile」は、
ジャミン・ゼブ初の先行配信が実施されます。

詳しくは近々、
彼らのホーム・ページで発表されると思います。

ご注目下さい。



さあ、楽しみですね。


ワクワクします。


こんな7曲がライブで聴ける日ももうすぐ…。



素敵な夏よ、待ってるぞ〜!



Produced by


SHUN MIYAZUMI

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2011 エッセイ | jammin' Zeb インフォメーション

June 01, 2011

ゴルフと私 その5 最終回


世に「雨男」あるいは「雨女」という言葉があります。


これって、

どのくらいの科学的根拠があるのでしょう。


むろん私は、信じてはおりません。

世の中、
その人のためだけに動いてるわけではないのですから。


例えば、

ジャミン・ゼブのコージロー君は、
よく「雨男」と言われていますし、
本人もそれを自覚しております。


しかし、果たしてそうでしょうか。


確かに、
活動初期の頃は、
大きなイベントやライブではよく雨が降りました。

彼がMCで、
「本日はお足もとの悪い中…」と始めると、
ドッと笑いが起きたもんです。


でもね、

ジャミン・ゼブがこの3年半の活動のなかで、
雨や天候不良で流したライブは、
たったの2回しかないのです。


約300本はこなしたであろうライブのなかで、

たったの2本です。


これで、コージロー君を「雨男」と呼ぶのは、

いささか酷というものです。


ゆえに私は、

「雨男」あるいは「雨女」などというのは、

やっぱり迷信にすぎないと思うのです。

♡♡♡



ところがここに、

ひょっとすると「雨男」は存在するのではないか…、

と思わざるを得ない人物がいます。


私たちは彼のことを、

「アベちゃん」と呼んでいます。


勤めていた会社をいち早く独立して、
今では立派なグラフィックの会社を経営する、
なかなかのヤリ手ビジネス・マン。

そして、
私がゴルフの手ほどきを最初に受けたのが、
実はこのアベちゃんだったのです。


したがって私は、

このアベちゃんとゴルフ・コースに出ることが最も多く、
おそらくキャリアの30%くらいは、
彼と一緒に回ったのではないでしょうか。


そして、今思うと、

ほとんどが、

雨でした。

☂☂☂



雨の日のゴルフくらいつまらないものはありませんね。


せっかくナイス・ショットしても、
フェア・ウェイに溜まった水につかって、
ボールが止まってしまう。

バンカー(砂場)なんかに入れたら、
砂が水を含んで泥みたいに重くなってしまい、
もう、どうやって出していいかわからない。

本来は美しい自然の景観を味わえるのに、
なんか物悲しい気分になってしまう。



しかし、アベちゃんは平気です。

上手いもんです。

慣れてるから。

……。



彼の「雨男」は業界でも有名です。


一度、とあるレコード会社のゴルフ・コンペに、
一緒に参加したときのことですが、

その日は晴れ予想だったのに、
さあこれから試合開始という時刻になって、
急に雨が降り始めました。

すると主催者の一人がこう言ったのです。

「誰だぁ〜、アベちゃんを誘ったのは〜…!」



「今日は雨だから多分アベちゃんはゴルフだろうな。」
と思って、からかい半分、彼の会社に電話してみると、
秘書の女性が出て案の定、

「今日は一日ゴルフなんですよ。」

(やっぱり)



珍しく関東一帯がピーカンの日に彼がゴルフだと聞き、

「これは珍しい。こんないい天気の日にゴルフなんて、
 生まれて初めてじゃないの…?」

と、お祝いの言葉でも贈ってやろうと携帯に電話すると、

「ところがさあ、今栃木にいるんだけどさあ、
 なんとここの場所だけ、氷(ヒョウ)が降って来てさあ、
 中止になっちゃったのよ。アハハハ。」

(そんなことってあんの…?)




極めつけは、こんなお話です。


ある日、

私たちは千葉の方にゴルフに行くことになっていました。


ところが朝からあいにくの雨。

と、そこにアベちゃんから電話がかかってきました。


「シュンちゃん、悪いけど俺今日パスするわ。
 天気予報も一日雨だしさ。
 これからますます悪くなるらしいしさ。
 じゃ、もう一眠りするから。おやすみー。」



しめた!

残された私たち3人は、
逆に狂喜しました。

(アベちゃんが来ないのなら、
 もしかすると天気が好転するかもしれない…。)


そして私たちは、

1台の車に相乗りをして出発。


すると…、

案の定…、

千葉に近づくにつれ、
雨が小降りになってきたのです。


そして、

目的地のコースまであと30分という所まで来て、
なんと太陽まで顔をのぞかせたではありませんか。

「おいおい、晴れて来たぞ。信じられないよ。
 やっぱアベちゃんは強烈な “雨男” なんだな。
 あははは。」

私たち3人は車の中で高笑いです。



ところが…、

コースまであと5分という所へ来て、

もう間もなく到着という所まで来て、


再び大粒の雨が降り始めた。

……。



そして、

降りしきる大雨の中、

クラブ・ハウスの玄関に車を着けようとしたその時、


ひとりの男が、

ニコニコしながら、

玄関先に立っているのを見つけました。



むろん、アベちゃんです。


そして彼は、

悪びれもせずこう言ったのです。


「やっぱり来ちゃった。

 あははは。」


「……。」




みなさん、


これでも「雨男」というものを、


信じませんか…?


……。



(ゴルフと私 おわり)





ゴルフにとって一番大切な筋肉は、

「背筋」なんだそうです。


友人の作曲家に都志見隆という人がいるのですが、

彼は、体は小さいのに、

おそろしく飛距離が出ます。


一緒に回ってて嫌になるほど、

ボールがよく飛びます。


その秘密を聞いてみると、

彼は学生時代、

「ボート(漕艇)部」にいたんだそうです。


そして、ボートくらい、

「背筋」が必要なスポーツはないんだそうです。



ということは…、


ジャミンの中で、


ゴルフにもっとも向いているのは…、


……。。。



SHUN MIYAZUMI

woodymiyazumi at 13:33コメント(12)トラックバック(0) 
2011 エッセイ