April 2012

April 30, 2012

STB日記 その3


4月11日(水)曇りのち雨 

予想…。


順調にスタートした「STB139 / 5Days」の二日目。

でもこの日、私が最も気になっていたのは、

お天気…。


天気予報は夕方から、
「激しい雨、風」
などと報じているからだ。


ジャミン・ゼブが大きなイベントをやるときは、
なにがあっても晴れて欲しいし、
仮に晴天でなくても、
なんとか雨、風だけは避けて欲しいのだ。


ましてや、

「STB 139」の開催日には、
毎日、開場時間近くになると、
250人以上のたくさんのお客さんたちが、
整理券の順番に中庭から道路まで並ぶのだ。

この「入場」のときだけでも、
絶対に悪天候にはなって欲しくない。


でも、今回の天気予報は、
11日(水)と14日(土)が、
雨予想だ。

……。



しかし、私には自信があった。


私たちは一昨年あたりから、
「晴れ男」の異名を取る軍団に変身している。

これは、私のブログでも、
何度も言っていることだ。


事実、昨年の8月、10月のSTB(共に4Days開催)も、
お客さんが傘をさして並ぶ光景は、
一度も見ていない。


ところで…、

常日頃私は、
カバンの中に小さな折りたたみ傘をしのばせている。

いつ、どこで、どんな時間に降り出しても、
心配がないからだ。


そんな私は、今回、

この愛用の傘を、
一度もカバンから出さないで、
この5日間を乗り切ってみせよう。

そう、堅く誓っていたのだ。


どんなに予想が最悪でも、
なんとか乗り切るだろう。

そう信じて疑わなかったのだ。

……。



そんな2日目の4月11日は、

朝からどんよりとした曇り空。

予報では3時頃から本格的に降り出すという。


一度も傘を出さないと決めた私は、
4時集合にもかかわらず、
3時には会場に入っていた。

雨が降り出すであろう前に…。


すると、その直後から、
やはり、ポツリポツリと雨が降り出した。

でも私は、
「やはりな…。濡れずにすんだぞ…。」
くらいにしか思わなかった。


STBのスタッフが、
大きな傘立てのボックスを、
何台も用意し始める。

それでも私は「まずい…」とは思わなかった。


リハーサルが始まったあたりからは、
本格的に降り始めた。

普通の人ならば、
「ああ、ついにジャミンのSTB晴れ伝説も終わったな。」
と思うであろう。

しかし、私は何も心配しなかったのだ。

「なあに、5時半の集合時間から、
 みなさんが入場し終わる1時間くらいだけ、
 やんでくれればいいのだ。
 きっと、そうなるさ…。」


そして、

リハーサルが終わった5時半頃。


やはり…、

雨がやんだ。

……。


カーテンを少しあけて、
窓の外を見ると、

みなさん、傘もささずに、
楽しそうな笑みを浮かべて、
並んでいるではないか。


ほら、見ろ。

思ったとおりだ…。


そして今宵も熱いライブが始まった。

♪♪♪



そして、そのライブの間中は、
天気予想どおり、
激しい雨が降っていた。

しかし、みなさん建物の中だから、
もはや何の影響もない。


さらに、奇跡が起こった。

ライブが終了し、
みなさんが会場を後にする頃には、

またしても雨はやんだのだ!


決意どおり、私はこの日、

一度も傘をカバンから出さなかったのだ。

……。



4月13日の金曜日(3日目)は、

いい天気だった。


しかし、

翌14日(土)は、
またしても雨予想。


しかしだ…。

この日も11日と同じ結果になったのだ…。

……。



夕方から雨という予報なのに、
降り出したのは、
なんとライブが開演してから。

そして、
ライブとサイン会が終わり、
私が帰る23時頃には、
ピタッとやんでいたのだ。

……。



そして、最終日(15日)はピーカン。


どうだ。

私は、当初の決意どおり、
一度も傘をささないまま、
この5日間を乗り切ったのだ。

またしても私たちは、
いや私は、
この私は、
天気予想を覆したのだ。


これは間違いなく、

私こそが「晴れ男」そのものであることを、

証明してみせたのではあるまいか。

……。



そんな11日も、13日も、14日も、
(12日は休息日)
私とY浅ショージは、

彼の終電近くまで、
学芸大のバーで、
毎晩「反省会」につぐ「反省会」。

なんとか最後までライブを成功させるべく、
疲れた体にムチ打って、
激論を交わしていたのだった。


4日目が終わったあとも、

こんな感じだったように思う。


Y「きょうも吉野家行ったんすか?」

M「ああ、行ったよ。それが何か?」

Y「よく飽きないですよね。」

M「飽きてるさ。
  でも、この元担ぎがあってこそ、
  ライブがうまくいってるんじゃないか。
  俺のおかげだとは思わんかね。」

Y「ライブがうまくいってるのは、
  私が頑張ってるからっす。」

M「じゃ聞くが、お天気はどうよ。
  結局今回も入場時には、
  一回も雨にたたられなかったぜ。
  俺のおかげだと思わんかね。」

Y「思いませんね。
  これも私の日頃の行いがいいからっす。
  マスター、おかわり下さい。」

M「ねえ君、そろそろ終電だよ。
  そろそろ帰ったらどう?
  まだあと1日あるんだぜ。」

Y「大丈夫っす。
  マスター、もう一杯下さい。」

M「あのさ、いくら安い店だからって、
  ボトルが焼酎だからって、
  今週もう何本目よ。
  どんどん金がなくなるじゃないのよー。」

Y「先行投資ざんす。
  もっと飲ませるざんす。
  あ、いけね。もう終電だ。
  じゃまた明日。お先に〜〜〜〜〜。」



ドタドタドタドタドタドタ…。

バターン…。

……。



M「ねえマスター、あいつ、何杯飲んだ…?」



(つづく)




金曜日(27日)の「A'TRAIN」も、

盛り上がりましたねえ。


レコーディングが終わった開放感もあってか、

明日からGWという開放感もあってか、

本当に楽しく演奏できました。


新しいお客さんもいっぱい。

みなさん、ありがとうございました。



ただし、翌朝はきつかったです。

早起きしての入間までの遠征。

「ジャミン・ゼブのコーラス講座&ライブ」


ま、楽しかったから途中で眠気飛びましたがね。


なにはともあれ、

次回の「A'TRAIN」は5/25(金)です。



待てよ…、

その翌日は…、

高崎遠征ではないか…。

またしても早起きではないか…。


ねえ、ショージ君、


なにか企(たくら)んでな〜い?


……???



SHUN MIYAZUMI

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2012 エッセイ 

April 23, 2012

STB日記 その2


4月10日(火) 晴れ

19時30分。

昨年来、STBでは恒例となっている、
2階席からのジャミン・ゼブ登場に、
会場は早くも湧きに湧く。


笑顔、笑顔、笑顔のお客さんたちと、
次々とハイ・タッチをしながら、
ステージに向かって行くメンバーも嬉しそうだ。

なにしろ久しぶりのホームでのライブでもあるし…。


そして今回は、
いきなり新曲からのスタート。

「JUN MEN」が用意してくれた、
お洒落なカジュアル衣装にぴったりの、
いかにも春らしい楽曲、
『Just You,Just Me』で幕を開ける。

この衣装を見せられたとき、
今回のオープニングは、
ぜひこの曲でいこうと閃(ひらめ)いて書いた、
ピチピチの新曲だ。


そして曲が終わり、大歓声の中、
おなじみ『Take The 'A' Train』が、
快調なテンポで奏でられていく。

(うん、いい感じだな)


大きなコンサートのセット・リストを決める場合、
特に神経を使うのが、
オープニング楽曲と2曲目。

これで一気に盛り上げられるかどうかが、
まず最初の勝負なのだ。

それが新曲ともなると、
かなりのプレッシャーがかかるのは当然だが、
まずは快調なスタートのようだ…。


しかし今回は、息を抜くことなく、
最後まで緊張を持続しなくてはならない。

なにしろ、久しぶりの新曲ラッシュだからな。


特に、1st setのラス前に初登場する、
『Bluesette(ブルーゼット)』は、
容易な曲ではない。

音を取るのはさほど難しくはないが、
優雅さのなかにも、
どうドラマチックに力強く展開していくかが勝負の、
スケールの大きなアレンジだからだ。

特に転調してから最後までは、
長い長いクライマックスが延々と続く、
タフなアレンジなのだ。

私にとっては、かなりの自信作なのだが、
この5日間を通して、
彼らがこの曲をどう成長させていくかを、
楽しみに見守っていきたいと思う。


1st setの最後は『I Got Rhythm』。

これは、いつ、どんなステージでも、
大きく崩れたことがない。

いつも「上手いなあ」と感心してしまう。

最高に難しい音の羅列なのになぜだろう…?

私にとってのジャミン七不思議のひとつだ。



さて休憩をはさんで2nd setの始まり。

ここでレンセイが一人で出て来た。


最初は軽妙なトークで笑わせていたが、
「あれ、他の3人はどうしたんだろう?」
と、後ろを振り返ったところをみると、

なにかの手違いだったのだろう。


でも面白かったので、
明日の2部のスタートも、
これでいくことにした。

笑えるアクシデントは、
すぐに拾って使う。

これがこのチームの得意技なのだ。


レンセイ・ビームが炸裂する『Because Of You』
シモンの怪しげな色気が評判の『Besame Mucho』
と続いたあとは、

今ではほとんどSTBでしか演奏しなくなった、
初期のナンバー2曲、
『Lazy Bones』と『How High The Moon』
が、久々に登場だ。


この『Lazy Bones』というア・カペラも、
最高難度の楽曲と思うのだが、
先の『I Got Rhythm』同様、
いつも、感心するような出来栄えだ。

難しい曲ほど出来がいいということは、
どういうことなのだろう…?


私は楽屋でコージローに聞いてみたのだが、
彼にもよくわからないらしい。

ま、それだけ練習が必要だった。
簡単な曲に比べて、
練習量が豊富だったということなんだろうか…。

……。



2部の最高の見せ場は、
今回私が書いた、もう2曲の新曲、
『Moonlight In Vermont』と『I'm A Believer 』

だろうか…。


新曲の初演はいつも緊張する。

こっちがだ。

終わったあとの拍手が少なかったりすると、
「あれ〜、受けなかったのかなあ…。」
と、私にしては珍しく弱気になったりもするのだ。


しかし一喜一憂は禁物だ。

ベートーヴェンだって、
ブラームスだって、
自信を持って初演したものが、
まったく受けなかったことだってあるのだ。

ははは。

(一緒にしてもいいのかな…。)


ちなみに『Moonlight In Vermont』の、
2回目のイントロで、
スティーヴがヴォイス・トロンボーンを奏でる部分。

あれはギャグなのだ。

あそこは笑うところなのだ。

クスクスと笑って欲しかったが、
この日はみなさん真剣に聞いてらした。


ま、初演なんだから当然といえば当然。

明日に期待しよう。

ん…?



そして最後は、お決まり楽曲連続攻撃の盛り上がりで、

この長い長い5Daysの初日も無事終了。


ま、いろいろと問題はあったが、

まずは順調な滑り出しのようにも思う。

……。



しかしだ!


私とY浅ショージだけは、

決して満足してはいけないのだ!!


ということで私たちは、
疲れてはいたが、
この日も二人で「反省会」をすることにした。

時計の針は23時を回っていたが、
私たちは、学芸大のいつものバーで、
彼の終電ギリギリまで、
さまざまな問題点をチェックして、
明日に備えようということになった。


これもSTBの後では、いつものことだ。

私たちに疲れをいたわる時間はないのだ。


そして、それが、

時には意見の食い違いから、

大激論になってしまうことも珍しくはない。


そう、この日も、

こんな大激論が展開されたように思う。


Y「今日も吉野家行ったんすか?」

M「行ったよ。
  あそこに行くとライブが成功するからね。
  ま、元担ぎさ。それが何か?」

Y「ビールも飲んだんすか?」

M「ああ、飲んだよ。それが何か?」

Y「ずるいっす。抜け駆けはダメざんす。」

M「だって、君は忙しそうだったじゃないか。
  とても誘える状態じゃなかったぜ。」

Y「本番前にアルコール入れたら、
  微妙なバランスがわからないじゃないですか。
  プロデューサーとして、それでいいんっすか?」

M「あははは。
  ビールは俺にとっては清涼飲料水だぜ。
  それに、お客さんだって何かしら飲んでるんだろ。
  同じ状態で聞いてこそ、
  お客さんにとって最良のバランスが、
  わかるってもんだよ。」

Y「それは詭弁っす。」

M「あのさ、それより君、もう3杯目だろ。
  明日もあるんだから、もう帰ったらどうよ?」

Y「余計なお世話っす。
  そっちこそ、もう4杯目じゃないっすか。」

M「なにを言うか。俺はまだ2杯目だよ。」

Y「いいえ、さっきトイレいく前は空だったのに、
  出て来たらなグラスがいっぱいだったっす。」

M「じゃ、3杯目かな。」

Y「いいえ、4杯目っす。ちゃんと見てるんですから。
  マスター、僕もおかわり下さい。」

M「おい、さっき入れたボトルが、
  もう半分以上も空じゃないか。
  おまえ、飲み過ぎだってばー。」

Y「いいえ、そっちが飲み過ぎざんす。
  あれ〜、いけない、そろそろ終電だ。
  じゃ、また明日。お先に〜〜〜〜!」


ドタドタドタドタドタドタドタ…。

バターン…。

……。



M「ねえマスター、あいつ、何杯飲んだ…?」



(つづく)




バンザーイ!

昨日レコーディングが無事終了しました。

すべての作業が終了しました。

パチパチパチパチ。


あとは明日のマスタリングを残すのみ。

ま、名人原田さんですからね。

さらに素晴らしくしてくれるでしょう。



ということで、

ようやく、ようやく、ようやく休めます。


まずは金曜日(27日)の「A'TRAIN」ライブですね。

来てくださいね〜〜。

はっちゃけますよ〜〜。

イエーイ!


そして5月連休は遊びますよ〜〜。

イエーイ!



ん…?


待てよ…。


行きつけの店はみな休みだぞ…。



いったい、何して遊べばいいんだろう…?


……???



SHUN MIYAZUMI

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2012 エッセイ 

April 16, 2012

STB日記


4月10日(火) 晴れ

ジャミン・ゼブ「STB139 / 5days」の初日。


いよいよだな…。

春恒例の「STB139」ライブが始まる…。

しかも今回は、初の “5days” に挑戦だ…。


初日というのは、

期待で胸が高鳴る一方、
いろんな不安要素もたくさんあって、
いつも複雑な思いで迎えるのだが、

今回は特にその思いが強い。


たとえば…、


中1日(12日)の休みがあるとはいえ、
5日間ベスト・コンディションで臨めるのだろうか?

最後まで喉が持つのだろうか?

お客さんに喜んでもらえる、
セット・リストになっているのだろうか?

たくさんある新曲が、
果たして気に入ってもらえるのだろうか?


まだあるぞ…。


お天気はどうなんだろうか?

せっかく桜が満開の時期に「さくら」を演奏するのに、
途中で散ってしまわないだろうか?

演奏中に地震が来たりしないだろうか?

ミサイルが降って来たりしないだろうか?

ダルビッシュは果たして通用するのだろうか?


(ん…?)



心配の種は尽きない。

どうしてもネガティブに考えがちだ。

家にいてもなんだか落ち着かない。


だから私はいつも、
集合時間よりも早く六本木に行く。

そして六本木に着くと私は、
まず交差点の角のある、
「アマンド」の2階に行くことにしている。


「アマンド」といえば、

ピンクの看板の、
ケーキが売りの、
どっちかというと女の子向けの店、
と思われがちだが、

それは偏見というものだ。


1階こそケーキの陳列棚に囲まれて、
小じんまりとしたたたずまいの、
テーブルと椅子がいくつかあるが、

2階は眺めも良く、
たくさんの人が入れる広々としたスペース。


そして、

この広々とした2階が、
すべて「喫煙席」なのだ。

これは今どき珍しい作りだ。


しかもここは、
不思議なことに、
たばこのにおいがしない。

煙もうもうといった光景では断じてない。

よほど換気がいいのだろう。


でも、一応は喫煙席なので、
どちらかというと大人が多い。

若いギャルがケーキをほおばりながら、
キャーキャーおしゃべりをしている、
といったシーンはまず無いので、

たばこ愛好家のおじさんには、
とても居心地のいい空間なのだ。



さらに、もうひとつ、

ここが気に入ってる理由がある。


それは…、

ここの「オムライス」が抜群に美味いからなのだ。


そう、私は「オムライス」が大好き。


しかしながら、
最近のオムライスといえば、

デミグラス・ソースのかかった、
お洒落なものが主流になっている。


でも私は、
昔ながらのケチャップの「オムライス」が好き。

黄色い玉子焼きにすっぽりと包まれて、
ライスがまったく見えない楕円形の「オムライス」に、
ケチャップがたっぷりとかかったのが好みなのだ。

古い人間と笑わば笑え。

わははは。


ま、なにはともあれ、

目まぐるしく様変わりする六本木にあって、
現存する、この六本木の名物ともいえる老舗は、
昔ながらの伝統的な、東京の「オムライス」に、
今だにこだわってくれている。

嬉しいではないか。


ランチ・タイムには、
この「オムライス」に、
サラダとスープと飲み物がついて、
お値段はたったの900円。

嬉しいではないか。


店主のおじさんの心意気に乾杯したい気分だ。


そして重要なのは…、

私がここの「オムライス」を食べた日のライブは、

絶対に成功するということだ。


だから元(げん)を担(かつ)ぐ意味もあって、
STBの初日は、
必ずといっていいほど、
この「オムライス」を食べることにしている。



元を担ぐといえばもう一つ、

リハーサルが終了して、
お客さんがすべて入場されてから、
本番までの間に必ず行く店がある。


それは…、

STBの目と鼻の先にある…、

「牛丼の吉野家」

……。



この「牛丼」を食べた日のライブも、

必ず成功するのだ!


だからこの日も私は、

楽屋に用意された美味しそうな、
まかないイタリアンや弁当には目もくれず、
一人「吉野家」に飛び込むのだ。


涙ぐましいではないか。

会場では、
たくさんのお客さんが、
美味しいパスタやピザに舌鼓を打ち、

楽屋では、
ジャミンやメンバーが、
これまた素敵なまかないのイタリアンを食してるときに、

社長たる、プロデューサーたるこの私は、
「吉野家」の牛丼を食べているのだ。


ただひたすら、

ライブを成功させるために。

くうう〜〜〜…。

……。。。



しかし、

「吉野家の牛丼」をあなどってはいけないのだ。


あの「ドゥービー・ブラザース」の面々も、

「女子十二楽坊」のお姉ちゃんたちも、

日本に来ると「吉野家」「吉野家」と、
大騒ぎをしていたのを覚えている。


これはもはや、

国際的な味なのだ。

胸を張って堂々と食おう。


しかもこれで今日のライブは、

大成功間違いなしなのだから。

……。



で、かつても書いた覚えがあるが、

私流の「吉野家」攻略法を、
あらためて伝授することにしよう。


まずビールを1本と、
「並の牛皿」1枚と、
「おしんこ」を注文する。

そして、
「牛皿」の半分と、
「おしんこ」の半分をつまみにして、
ビールを飲む。


ビールがなくなった頃を見計らって、
「並の牛丼」を注文。

「並の牛丼」というのは、
どうしても最後は牛が少なくなって、
米ばかりが残る。

しかしここで、
さっき半分残しておいた「牛皿」が、
威力を発揮するのだ。

「牛」が不足することなく、
最後まで楽しめる、
とまあ、こういうわけだ。

覚えておいて欲しい。



ところで…、

今何時だろう…?


7時25分だ。


いかんいかん、

あと5分で開演だ。

……。



大急ぎで勘定を済ませ、
STBに戻って会場の扉を開けると…、

うわあ凄い人だ…。

凄い熱気だ…。

……。


今か今かと開演を待ちわびるみなさんの鼓動が、

こっちにまで伝わってくる。


この仕事をやってて良かった。

ジャミンを始めて良かった。


そう思える瞬間だ…。

……。


そして中庭側の緑のカーテンが降ろされる。

場内が暗くなる。


いよいよだな…。


……。



(つづく)





おかげさまで、

「STB 139 / 5Days」も、

つつがなく終了することが出来ました。


総入場者数1,255名。

連日超満員という大盛況でした。


本当にありがとうございました。


お越しいただいたみなさん、
STBスタッフのみなさん、
バックを努めてくれたミュージシャンのみなさんに、

この場をお借りして、
熱く御礼申し上げます。



というわけで、

ここからしばらくは、

私流にこの5日間を振り返ってみようと思います。


ドラマチックな5日間を。

私の視点を通して。

おもしろ可笑しく。

時間の許すかぎり。

……。



えっ?

明日からまたスタジオ…?


ねえ、ショーちゃん、

たまには休もうよ〜。

遊ぼうよ〜。


ねえ、


ねえ…、


ねぇったら〜………、、


………………..。。。



SHUN MIYAZUMI

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2012 エッセイ 

April 01, 2012

年甲斐もなく


ようやく東京でも桜の開花宣言が出ましたね。

「よっ、待ってました!」

と、年甲斐もなく興奮気味な私。


とはいっても、
まだ蕾(つぼみ)の段階。

満開になるのは週末でしょうか。

それとも来週の「STB 139」のあたりでしょうか。

(おっと、もう来週なのか…。STB…。)



野球シーズンも到来したし、
例年ならば心浮き浮きの季節なのですが、
今年は忙しすぎて、
そんな風流な気持ちにはなれません。

ま、ありがたいことですが…。


というわけで、
先週も私はスタジオで、
5月発売のアルバムの仕上げをせっせとやっておりました。

というより、
これからが佳境です。


いやあ年甲斐もなく、

毎度毎度、アルバムを作るたびに言ってるようですが、

このスタジオ作業というのは、
実に殺伐としておりましてね。


なにしろ、
私とエンジニアの須藤くんとショーちゃんの3人だけで、
譜面とにらめっこしながら、
気の遠くなるような緻密な作業の繰り返し。

毎日10時間以上もこもって…。


そして、毎日の食事は出前の弁当。
晩酌をやるわけにもいかないので、
これがなんとも味気ない。

「あ〜あ、早く終わって遊びに行きたいなあ〜。」

と、やはり年甲斐もなく愚痴が出る…。



でも、これが私の本来の仕事ですから、
40年近くも続けているメイン・ワークですから、
誰に文句を言うわけにもいかない。

言いたいけど。

言ってるし。

年甲斐もないし…。

……。



そして最終(あるいはそれに近い)の電車に乗り、
ちょっとだけ学芸大のジャズ・バーに立ち寄って、
一人寂しくグラスを傾ける。

そんな遅い時間に客はまずいないので、
話し相手はマスターだけ。

なんだか感傷的になっちゃうんですね、これが…。

年甲斐もないか…。

……。



ま、こんな孤独な毎日ですから、

金曜日の「A'TRAIN」ライブは、
本当に楽しゅうございました。


なによりも、久しぶりに、
たくさんの女性にお会いすることが出来ました。

スタジオを一歩出ると、
世の中にはこんなにたくさんの女性がいるんですね。

(あたりまえだろ)


だから、

年甲斐もなく、

やたら張り切っちゃいました。

あはは。


くどいようですが、
なんとも殺伐とした男だけの世界ですからね。
スタジオというのは。

……。



というわけで私、
久しぶりに弾(はじ)けまくったわけですが、

調子に乗りすぎて飲み過ぎました。

最後の方は何も覚えておりません。
何を演奏したのかも覚えていません。
どうやって帰ったかの記憶もありません。

年甲斐もないなあ…。

……。


ま、これも、
引きこもりから来る反動でしょうかね。

笑ってやってください。

年甲斐もないヤツと…。



そんな中、
昨日(3/31)は、
おなじみ名ドラマー山木秀夫さんのダビング・デイ。

あいも変わらず「人間国宝」級のプレイで、
各曲のサウンドが、ググッと華やかになりました。


「ベサメ・ムーチョ」なんて、
涙が出そうになりましたね。

あまりの素晴らしい演奏に…。

年甲斐もなく…。

……。



じつは、この曲を弾こうかどうしようかは、

ずいぶんと悩みました。


もともとラテンは、
私の得意分野ではないし、

しかも最近はほとんどピアノを弾く機会もないので、
若い森丘くんや小林岳五郎くんらのテクニックには、
到底及ばないと思ったからです。


となると、

私にとって唯一自信があるのは、
長年の経験からくるお色気というやつですか。

言い換えれば「官能的」なサウンド。


したがって私は、
渾身の力をふりしぼって、
これでもかと色っぽく演奏したのです。

エロいピアノを心がけたのです。

(こら)



でも、

爽やかなジャミンのヴォーカルに対して、
このエロ・オヤジのようなピアノ・サウンドは、
はたしてマッチしているのだろうか…。

年甲斐もなく、
やりすぎてはいないだろうか…。

……?



ちょっぴり心配でもありました。

年甲斐もなく…。


しかし、

もうひとりのオヤジがやってくれました。


さすがの切れ味はもちろんのこと、
この山木さんのドラムも、
なんとも官能的ではありませんか。

これまた最高にエロエロではありませんか。

(こらこらこら)



いやいや、冗談はともかく、
頼もしいオヤジ仲間が加わってくれたおかげで、
うまくバランスが取れました。

ちょっとした孤独感に陥りそうになっていたのですが、
安心しました。


というわけで、この作品も、
間違いなくいいものになりそうです。

年甲斐もなく興奮しております。

どうぞ楽しみにしていて下さい。

♪♪♪



とは言いつつも、

4月10日から始まる「STB 139」では、
若いプレイヤーたちが、
溌剌とした素晴らしい演奏で、
ジャミンを盛り上げてくれることでしょう。

楽しみです。

楽しみます。

楽しみましょう。


明日からは、
そんなバンドを入れての最終リハーサルです。

燃えております。


リハーサルのない日はレコーディングです。

まだまだ続きます。

でも、がんばります。


本当は遊びたいけど。


毎日飲みたいけど。



やっぱり…、


年甲斐もない…。


か…。


……。



SHUN MIYAZUMI

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2012 エッセイ