May 2012
May 28, 2012
ジャミン・ゼブ『裏・シーズンズ』その2
ジャミン・ゼブのニュー・アルバム『SEASONS』
発売まであと2日となりました。
わーい、わーい。
ジャミン・ゼブ『SEASONS』

いよいよカウント・ダウンですね。
という訳で今日も、
発売にさきがけて、
「裏」話の登場です。
でも、くどいようですが、
余計な先入観なしに聴きたい方は、
今はじっとがまん…。
アルバムを聴いたあとで、
来て下さいね。
03. Besame Mucho(ベサメ・ムーチョ)
lyrics & music : Consuelo Velazquez
arrangement : Shun Miyazumi & jammin' Zeb

昨年9月のファン・ミーティングのことでした。
このときの「目玉企画」として、
私が立案したのが、
「メンバーそれぞれによるカラオケ大会」
いやあ、これ受けましたねえ。
私も、ここまで楽しいものになるとは、
思ってもいませんでした。
メンバー個々の、
「秘めたるエンターテインメント魂」
を、見たような気がしました。
なかでも圧巻は、
スティーヴの『青い山脈』(藤山一郎)と、
シモンの『ベサメ・ムーチョ』でしたかね。
なによりも彼らが、
こんな古い曲を知っていることにビックリでした。
(おい君たち、年ごまかしてないか?)
そして、その時私は、
この『ベサメ・ムーチョ』を、
ぜひレパートリーに加えたいと思ったのです。
そう、ちょうどこんなタイプの曲が欲しかったから。
そろそろ、こんな大人な曲もやってみたかったから。
『青い山脈』は、ちょっとねえ…。
いくら私でも、
これをジャミン風にアレンジするのは、
ちと無理かも…。
……。
ま、「一郎スティーヴ藤山」氏には、
またファンミでご登場願うとして、、、
この曲のアレンジは、
「音使い」という意味では、
さほど難しくはありません。
彼らのレパートリーのなかでも、
簡単な方でしょう。
(今回もスコアの一部を掲載しました。
拡大でも見られます。)
しかし、
「雰囲気」「ムード」「色気」「官能」という点では、
今までジャミンが経験したことのない難しさ、
だったのではないでしょうか。
でも、さすがに半分メキシコの血をひくシモンが、
歌う度にどんどん成長をみせてくれて、
3人をグイグイ引っぱってくれましたね。
その結果、
爽やかさは残しつつ、
今までとは一味違う色っぽいハーモニーも、
なかなかセクシーに決まったように思うのですが、
さあ判定やいかに…。
……?
そして、
ならば負けじと、
バックのおじさん、おにいさんたちも、
それぞれの世代の「色気」で大奮闘。
これぞ、
「男の色気悩殺バトル、時空を超えた大饗宴!」
イエ〜、メ〜ン!!
な〜んちゃって…。
……。
04. Wrap Troubles In Your Dreams(ラップ・トラブルズ・イン・ユア・ドリームズ)
lyrics : Ted Koehler, Billy Moll
music : Harry Barris
arrangement : Shun Miyazumi & jammin' Zeb

「表」の解説にも書きましたが、
このアルバムのコンセプトは、
青春という名の「春」と「わかりやすさ」です。
つまり、今までのアルバムのなかで、
とびきりポップなアルバムと言えるのですが、
でもね…。
やはり1曲くらいは、
ジャズ・スタンダード、ジャズ・ハーモニー、
軽快にスイングするナンバーが欲しいではありませんか。
ということで、
私が選んだ曲がコレ。
ただし、いわゆる「モダン・ジャズ」ではなく、
ディズニー・タッチ、ミュージカル・タッチで、
誰にでも楽しめるようにしました。
レンセイの軽妙なリードが光ります。
昔から大好きな曲で、
私もよくライブで演奏します。
詞もいいですねえ。
「Just remember that sunshine
Always follows the rain」
(覚えてて。
太陽はいつも雨の後を追っかけているんだよ。)
というフレーズはいつも、
ほのぼのとした感動を与えてくれます。
そう、今はどん底のどしゃ降りでも、
この雨がやんだら、
またお日様が顔を見せるのだ。
そうだ!
悪いことは続かないんだ。
そう思って、頑張ろうじゃないか。
そうだ、そうだ!!
そんな曲です。
では、元気いっぱいのジャミンの歌で、
今日も癒されましょう!
請求書なんかいっぱい来てたって、
気にしないでいきましょう!
イエ〜〜イ!!
な〜んちゃって…。
……。
05. Serenade(シューベルトのセレナーデ)
lyrics : Ludwig Rellstab
music : Franz Schubert
additional lyrics : Lensei
additional music : Shun Miyazumi
arrangement : Shun Miyazumi & jammin' Zeb

これは、さらにさかのぼって、昨年の5月。
ル・テアトル銀座で開催された、
『シューベルトの音楽映画』と、
『ジャミン・ゼブのミニ・コンサート』、
というジョイント企画から生まれた作品です。
「せっかくの企画なんで、
ジャミン流にシューベルトに挑戦しませんか?」
という主催者さんのたってのリクエストで、
書いたのでした。
いやあ、こういう曲をアレンジするのは、
難しいですねえ。
原曲があまりにも有名だし…、
芸術的な評価も高いし…、
だから作者を冒涜してはいけないし…、
かといってジャミンらしさ、新しさは出したいし、
……。。。
でも、なんとか、
うまくいったように思います。
(自己満足でありませんように)
特にこのアルバムの演奏は圧巻だと思います。
スティーヴのリードも力強いし、
重量感あふれるコーラス・ワークも絶品。
今までのジャミンのア・カペラ・ソングの中でも、
秀逸の出来栄えといってもいいのではないでしょうか。
これなら、シューベルトさんも草葉の陰で、
喜んでくれているのではないか…。
勝手にそう思っております。
それにしても、
この企画は面白かったですねえ。
またやりたいな…。
「ショパンとジャミン」
「ラフマニノフとジャミン」
「ブラームスとジャミン」
「マーラーとジャミン」
な〜んちゃって…。
……。
(つづく)
そういえば私…、
あと6時間ほどで…、
もうひとつ…、
年をとるみたいです。
還暦+One
か…。
ひえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!
……。
ま、そんな私でございますが、
それに先駆けて、
金曜日(5/25)の「A'TRAIN」ライブでは、
本当にたくさんの方に祝っていただきました。
ありがとうございました。
幸い健康には何の問題もないようなので、
来るべき1年も、
熟年オヤジ・パワー全開で頑張りたいと思います。
引き続きのご支援、ご声援、
なにとぞよろしくお願い致します。
では、元気に名古屋ツアー行ってきます。
ガオ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!
(いつもより長めに)
SHUN MIYAZUMI
May 21, 2012
ジャミン・ゼブ『裏・シーズンズ』その1
ジャミン・ゼブ6枚目のアルバム『SEASONS』♪
発売まであと10日を切りましたね。
というわけで今日からしばらくは、
ジャミン・ゼブ・ファンにはすっかりお馴染み。
『裏・シーズンズ』を、
お送りしたいと思います。
少々フライング気味ではありますが…。
収録楽曲の知られざる秘話、
制作過程における面白エピソード、
作・編曲の手法やその解明etc.
作品の持つ、もうひとつの顔を紹介しながら、
さらに楽しく鑑賞してもらおう、
という、涙ぐましくも愛ある企画でございます。。。
そんな「裏」シリーズも、
これで何回めになるのでしょうか…。
……。
ただし、前回も言いましたように、
余計な先入観を持つことなく聴きたいという方は、
今は読まずに、CDを先に聴いてから、
このページに戻って来て下さい。
では、さっそくいってみましょう。
ジャミン・ゼブ『裏・シーズンズ』

あ、すみません、
まだ写真は1枚しかもらってないもんで…。
あとは発売日までのお楽しみということで…。
01. Seasons(シーズンズ)
lyrics : MIYAKO
music : Akinori Kumata, Ayumi Ozaki
arrangement : KAOS, Shun Miyazumi & jammin' Zeb

今回からヴォーカル・スコアも少しだけ公開です。
で、この写真はクリックすると拡大されます。
では、ちょっと拡大してみましょうか。
えい。
おや…?
左上に「Men」とだけ書いてありますね。
そうなんです。
これを書いたときには、
まだグループ名も決まってなかったんですね。
スコアの最終ページには、
いつも出来上がった日にちとサインを書くのが、
私の習性なのですが、
そこにはこうも書かれてあります。
「2006/9/6 by Shun Miyazumi」
……。
ジャミン・ゼブにレンセイが加わり、
ようやく4人が揃って初練習したのが、
2006年の8月25日です。
するとこの作品は、
それから間もなく大急ぎで書かれたわけです。
しかし、
今まで発表してこなかった…。
それはなぜだ…。
そして今になって発表する。
それも、
なぜなんだ…?
……??
お答えします。
つまり、こういうことなのです。
ジャミンは当初、
「ジャズ・コーラス・グループ」として、
結成されました。
世界にも通用する、
レベルの高いヴォーカル・グループとして、
大いに研鑽していこうではないか。
これが、そもそもの結成理由です。
したがって最初は、
ジャズのスタンダードからいこう。
スタンダードの名曲や知られざる曲を、
オリジナリティ溢れるアレンジで提供しよう。
難しいジャズ・ハーモニーや、
乗り(グルーヴ)や英語の発音を徹底的に磨こう。
そして、
日本語のオリジナルは、
しばらく、
足場が固まるまで封印しよう。
というわけで、
そんな決意のもと、
最初の3枚はすべて英語の楽曲で固めたわけです。
そうこうするうちに、
5年の月日が経ちました。
……。
今ではレパートリーも格段に増え、
ジャズ以外の楽曲でも、
ジャミンの素晴らしさが認められるようになりました。
「さくら」「好きにならずにいられない」
といった、日本語のカヴァー曲も、
なんら問題なく受け入れられるようになりました。
そればかりか、
フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、スペイン語、
といった国際色豊かな楽曲も、
続々とレパートリーに加わっている今日この頃。
ならば、
そろそろこの曲を解禁してもいいのかな…。
いわゆる「J-POPの曲」も、
やってみてもいいのかな…。
とまあ、そう思ったわけです。
しかもこの曲は、
「青春ソング」です。
彼らが中年になってからでは、
詞の鮮度が落ちてしまう。
そう、曲もいいけど、
詞が素晴らしいですからねえ。
『Beautiful Smile』でも素敵な詞を提供してくれた、
私が敬愛するMIYAKOちゃんの、
今だにピチピチの鮮度、新鮮丸かじりの詞は、
本当に素敵です。
♪春は優しさ溢れ咲いて
重く淀んだ雨は流れて
目に映るこの現実を
手に入れて微笑(わら)える♪
に始まる、四季(SEASONS)の表現を、
これほどまでに美しく、ポップに描いた詞を、
私はあまり知りません。
紫式部や清少納言が今生きてたら、
「おや、このお人、なかなかやるわいなあ〜。」
と、褒めちぎっちゃうかもしれません。
ううむ…。
ちと古かったか…。
……。
曲は、クマちゃん、岡田(旧姓)あゆみちゃん、
という古くからの、
私の友人クリエイター・コンビ。
「KAOS」というのも、
彼らのペン・ネームです。
MIYAKOちゃん共々、
いずれも関西出身の人たちです。
そして間奏やエンディングの英語詞は、
もちろんレンセイ君。
ジャミンのメンバーのアイディアも、
あちこちに取り入れながらの、
素敵な競作になりました。
みんな、ありがとう!
ちなみに私、
この曲聞くと、
もう一回青春やりたくなります。
試験勉強がなければの話ですが…。
もうちょっと賢かったらの話ですが…。
(ん…?)
あ〜、若かりし頃思い出すなあ〜…。
こんな風に純情だったかなあ〜、俺…。
彼女、元気かなあ〜…。
あの娘も、どうしてんだろうなあ〜…。
♡♡♡♡♡……
(おい)
えっ…???
02.You Can't Hurry Love(恋はあせらず)
lyrics & music : Eddie Holland, Brian Holland, Lamont Dozier
arrangement : Shun Miyazumi & jammin' Zeb

この譜面の左上には、
ちゃんとjammin'Zebと書いてありますねえ。
そして最後のページには、
こう記されておりました。
2009/9/4→2010/6/23 Re-write
普段私は、一度書き上げると、
よほどのことがないかぎり、
書き直すということはしません。
しかし、これは苦労しました。
なにぶん曲がシンプルすぎるからです。
いわゆるAメロが8小節とサビが8小節(×2回)
基本的にはこれの繰り返し。
そして間にちょこっとブリッジのようなものが入る。
ま、60年代のポップスというのは、
みな、このような単純な構成が多いのですが、
こうした曲をジャミンでやる場合には、
もっと聴きごたえのあるように、
現代風にアレンジして、
スケールの大きな作品に仕上げてみたい。
それがジャミン・ゼブの使命ではないか…。
そう思ってやってきました。
が、しかし、これは一筋縄ではいきません。
Aメロとサビのコード進行が、
まったく一緒だからです。
原曲のAメロはこんなコード進行です。
(ちなみにジャミンはFのキーで歌っています)
| F | F | B♭ | F |
Love love to easy my mind〜
| Am | Dm | Gm7 | C7 |
そしてサビが、
| F | F | B♭ | F |
Can't hurry love (no you) just have to wait〜
| Am | Dm | Gm7 | C7 |
ねえ、おわかりでしょ。
歌詞、メロディーこそ違え、
コードの流れはまったく同じなのです。
これをふくらませていくのは、
いかに私といえども至難の業…。
……。
そこで閃いたのが、
やはり当時のモータウンのスーパー・スター、
ジャクソン・ファイヴが歌った、
『I Want You Back(帰っておいでよ)』
のコード進行でした。
「そうだ、あれと合体させてやろう!」
するとこうなりました。
| F / C/E | Dm / F/C | B♭9 / C74 | F |
Love love to easy my mind〜
| Am | Dm |Gm7 / F/A| B♭ / C74 |
ベース・ラインが、
F-E-D-C-B♭(ファ-ミ-レ-ド-シ♭)という風に、
一音ずつ下降していく。
最後の2小節は、
G-A-B♭-C(ソ-ラ-シ♭-ド)
と今度は上昇ラインです。
カッコいいですねえ。
これぞ、まさに現代風モータウン・サウンドです。
さあ、これで思う存分遊べます。
「煮詰まったときは、コード進行を見直せ!」
これが私流、無手勝流アレンジの極意なのです。
メンバー個々のソロ有り。
それに絡むドゥワップ・コーラス有り。
4声ジャズ・ハーモニー有り。
最後の方には、
レンセイのAメロに3人のサビが同時進行という、
ハチャメチャなパートまで登場する始末。
もう何でも有り有りの、
得意の「ブイヤベース・サウンド」の完成です。
ん…?
ただし…、
もうひとつだけ…、
この曲には欠かせないパートがありました。
「シュープリムス」のオリジナル(1966年)でも、
「フィル・コリンズ」のカヴァー(1982年)でも、
あの、イントロの、
「ドッドッドー ドッドッドドー〜」
というモールス信号のようなベースのリズムが、
とても印象的でした。
これを、どこかに入れないわけにはいかない。
ううむ…。
はい、閃きました。
インター部分及びエンディングで、
お祭りの太鼓のような、
ドラムのタムタムの強烈なリズムでやってやろう。
「ドンドンドン ドドンドドドドン〜」
そしてここに、メンバーのユニゾンで、
「No No !」を高らかに連呼してやろうじゃないか。
だから、最後は「No No!」の大合唱。
祭りだ祭りだ、ワッショイ、ワッショイ!
ん…??
というわけで、ようやく完成しました。
なんとも春っぽい曲になりました。
このアルバムに収録できて良かったです。
ライブでも盛り上がりますよー。
では、みなさんもご一緒に、
「No No! No No!〜」
さあ、祭りだ祭りだ!
ワッショイ、ワッショイ!!
ん…???
(つづく)
いやあ、毎日爽やかですねえ。
この季節が1年で一番好きです。
1年のうち、
5月が半分くらいあったらいいのに…。
そして今月は、
ジャミンのライブが少なかったので、
少し休養もできました。
準備万端。
月末からは、
怒濤の「夏の陣」に突入です。
やりますよ〜〜。
と、その前に、
5/25(金)は、
学芸大「A'TRAIN」の私のライブでしたね。
60才最後のライブも、
大いに弾けたいと思ってます。
祭りだ祭りだ!!
ワッショイ、ワッショイ!!!
(もういいから)
……。
SHUN MIYAZUMI
May 14, 2012
ジャミン・ゼブ『SEASONS』
今年、記念すべきデビュー5周年を迎える、
ジャミン・ゼブ通算6枚目のアルバムのご紹介です。
7曲収録のミニ・アルバムですが、
“ミニ” というパッケージでは3枚目になりますね。
もちろん今回も聴きごたえ充分です。
jammin' Zeb 『SEASONS』

最初のミニ・アルバムが、
2008年11月に発表した『Gift』。
お次が、記憶も新しい、
昨年(2011年)6月発売の『Summertime』。
そして、
『Gift』が冬のクリスマス・アルバム、
『Summertime』が夏をイメージしたもの、
となると、
この『SEASONS』は、
「春」ということになるのでしょうか。
それも「青春」という名の「春」。
……。
1年に春夏秋冬があるように、
人生にも「SEASONS」があります。
今まさに人生における「春」を迎えている彼らが、
“いろんな世代” の、“いろんな国” の、青春の歌を、
美しくも力強く歌い上げるポップ・ワールド。
ま、これが一つめのコンセプトです。
1960年代、
すなわち私の青春時代にヒットした曲もあります。
それ以前のアメリカやメキシコの、
有名なスタンダード楽曲もあれば、
19世紀のヨーロッパのラブ・ソングもありますよ。
さらには、最近の日本のヒット曲もあれば、
J-POPスタイルのオリジナル青春ソングまである。
いやまさに、春爛漫の華やかさですね。
♡♡♡
そしてもうひとつのコンセプトは、
「わかりやすさ」でしょうか。
最近いろんなところで、
こんな質問が多くなってきました。
「ジャミン・ゼブのCDが欲しいのですが、
どれから聴いたらいいんでしょうか?」
「ジャズのことはまったくわからないのですが、
そんな私でも楽しめるアルバムはどれですか?」
「音楽はまったくの素人なのですが、
私にもわかるCDってありますか?」
「一般的に有名な曲がたくさん入っているのは、
どのアルバムですか?」
そう、そろそろ、
そんなニーズにもお答えしなくてはいけませんね。
というわけで、
今回選ばれた楽曲のほとんどは、
ジャンルを問わず、
昔から親しまれてきた有名な曲ばかり。
そんなバラエティーにあふれる選曲を、
このプロジェクトのキャッチ・フレーズでもある、
「ジャミン流アレンジ」で、
相変わらず、斬新かつみずみずしく、
蘇(よみがえ)らせております。
6月以降の私は、
「ではまず手始めに、この『SEASONS』から、
お聴ききになってはいかがでしょう。」
胸を張って、こう答えるんじゃないでしょうか。
きっと…。
……。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、
私は今回、
いつになくリラックス・ムードで、
制作することができました。
『Garden』『Summertime』と力作が続いたので、
今回は肩の力を抜いて、
自分も楽しむことにしたのです。
どうだ、私だって、
まだまだ若いんだぞ!
まだまだ「青春」を謳歌してるんだぞ!
そんな感じでね。(笑)
今までのジャミンには無かった世界もあるけれど、
でも、ジャミンはやっぱりジャミンだった。
相変わらずの美しいハーモニーは健在だった。
この5年間の成長を、しかと感じることが出来た。
そんな反応があると嬉しく思います。
みなさんも、それぞれの「春」を、
過去を、今を、
どうぞこのアルバムを聴きながらお楽しみ下さい。
では、いつものように楽曲解説♪♪♪
01. Seasons(シーズンズ)
lyrics : MIYAKO
music : Akinori Kumata, Ayumi Ozaki
arrangement : KAOS, Shun Miyazumi & jammin' Zeb
『Beautiful Smile』につづく、
ジャミン・ゼブ2曲目の日本語オリジナル。
しかも彼らにしては初めてともいえる、
完全な「J- POP・スタイル」の楽曲です。
春夏秋冬をこれほどポップに歌い上げた曲も、
そう無いのではないでしょうか。
いわゆるジャミン本流のサウンドではありませんが、
それでもあちこちにジャミン特有の世界観が、
眩(まぶ)しいほどに散りばめられております。
このくらい素敵な曲だったら、
J-POPだって大歓迎ですよね。
Programming:KAOS
Piano & Keyboards : Shun Miyazumi
02. You Can't Hurry Love(恋はあせらず)
lyrics & music : Eddie Holland, Brian Holland, Lamont Dozier
arrangement : Shun Miyazumi & jammin' Zeb
1966年に「シュープリムス」が放ったヒット曲。
ダイアナ・ロスのキュートな歌唱に、
まだ中学生だった私は、妙にときめいたものです。
1982年にはフィル・コリンズもカヴァーしましたね。
ここでのジャミンのメンバーはみな、
ファンキーなリズムに乗って、
ソロにコーラスにと大忙し。
まったく斬新なアプローチで、
この名曲を自由奔放に歌っております。
コンサート終盤での盛り上がりは、
これはもはやジャミンのオリジナルではないのか…。
そんな錯覚すら覚えます。
Piano : Shun Miyazumi
Bass : Tetsuyuki Kishi
Drums : Hideo Yamaki
Percussion : Ryoichi Kayatani
Sax : Aokki
03. Besame Mucho(ベサメ・ムーチョ)
lyrics & music : Consuelo Velazquez
arrangement : Shun Miyazumi & jammin' Zeb
この曲を書いたのは、
コンスエロ・ベラスケスという、
メキシコの16才の少女です。
16才にしては、
なんと大人びた、おませな曲なんでしょう。(笑)
ならばジャミンがやってもおかしくない。
しかもここには半分メキシコの血をひく、
シモンという若者がいますからね。
いやあ見事に歌ってくれたと思います。
「若さ」と「官能」という、
相反する、矛盾したテーマを、
うまくまとめあげることが出来たのではないでしょうか。
Piano & Keyboards : Shun Miyazumi
Bass : Tetsuyuki Kishi
Drums : Hideo Yamaki
Percussion : Ryoichi Kayatani
04. Wrap Your Troubles In Dreams(ラップ・ユア・トラブルズ・イン・ドリームズ)
lyrics : Ted Koehler, Billy Moll
music : Harry Barris
arrangement : Shun Miyazumi & jammin' Zeb
『Besame Mucho』が1940年の作品なら、
これは、さらにさかのぼって1931年に発表された、
アメリカの古いスタンダード。
いかにポップなアルバムとはいえ、
やはりジャズ・ナンバーもないとジャミンではない。
というわけで、数あるジャミンの、
未発表ジャズ・コーラス物レパートリーの中から、
今回選んだのはこれ。
レンセイの軽妙なソロ、
ジャミンならではの優雅なハーモニーに加え、
「覚えてて。
太陽はいつも、雨の後を追っかけているんだよ。」
という素晴らしい詞の世界は、
いつも私を勇気づけてくれます。
Piano : Shun Miyazumi
Bass : Tetsuyuki Kishi
Drums : Hideo Yamaki
Percussion : Ryoichi Kayatani
05. Serenade(シューベルトのセレナーデ)
lyrics : Ludwig Rellstab
music : Franz Schubert
additional lyrics : Lensei
additional music : Shun Miyazumi
arrangement : Shun Miyazumi & jammin' Zeb
時代はさらに、どんどんとさかのぼって、
有名な「シューベルトのセレナーデ」が、
200年近い時空を超えて今蘇る。
彼の最後の歌曲集、
「白鳥の歌」に収められている美しいバラードで、
これを発表した1828年に、
彼は31才という若さでこの世を去ったのです。
シューベルト時代には無かったコードも使いながら、
現代にも充分通用する作品に仕上げることが、
私たちの願いでした。
スティーヴの切なくも力強いソロに、
重厚なハーモニーが絡む、
圧倒的なア・カペラ・ナンバーになりましたね。
06. I'm A Believer アイム・ア・ビリーヴァー(恋にいきよう)
lyrics & music : Neil Diamond
arrangement : Shun Miyazumi & jammin' Zeb
これも私の青春時代の曲です。
作ったのはニール・ダイヤモンドで、
ヒットさせたのは、あのアイドル・グループ、
モンキーズ(The Monkees)。
1966年のことでした。
しかし、こんなシンプルな曲でも、
簡単にやっつけてしまわないのが、
ジャミン・ゼブの真骨頂。
ここでは、ラテンのリズムに、
超絶技巧スキャットを駆使しながら、
原曲の楽しさを、さらに何倍も楽しくさせようと、
渾身の力を振り絞っての挑戦です。
ライブでの盛り上がりも、
考えただけでワクワクしますね。
Piano : Shun Miyazumi
Bass : Tetsuyuki Kishi
Drums : Hideo Yamaki
Percussion : Ryoichi Kayatani
Flute : Akihiro Yoshimoto
07. 世界に一つだけの花
lyrics & music : Noriyuki Makihara
arrangement : Shun Miyazumi & jammin' Zeb
最後はぐっと現代に戻って、
2003年のスマップの大ヒット曲。
まるで、映画『Back To The Future』の、
タイム・スリップ列車に乗って、
「時空を超えた青春の歌探し」の小旅行から、
無事戻って来たような気分ですね。(笑)
コージローのみずみずしいリードに、
ビロードのようなハーモニー。
有名なJ-POPだって、
「ジャミンの手にかかればこうなる」ところを、
ぜひ一人でも多くの方に知ってもらいたいと思います。
Piano : Shun Miyazumi
Bass : Tetsuyuki Kishi
Drums : Hideo Yamaki
Percussion : Ryoichi Kayatani
発売日は5月30日(水)。
あと2週間ほどで、
みなさんのお手元に届きます。
どうぞお楽しみに。
そして、そのリリースを記念したライブが、
6月1日(金)名古屋「ビアンカーラ」
6月2日(土)慶應大学・日吉
「藤原洋記念ホール」
にて、華やかに開催されます。
どうぞ、お誘い合わせの上、
お越し下さい。
こちらも、最高に楽しいものになることでしょう。
くどいようですが、
今年はジャミン・ゼブの記念すべき5周年です。
このアルバム発表から年末までは、
いろんな企画で、ワッショイ、ワッショイ。
この最高に素敵なグループの、
5周年を祝ってやろうと思っています。
どうぞみなさんも、ご一緒にお付き合い下さい。
そして、まだジャミンを知らない方にも、
どんどんこの素晴らしい世界を、
体感してもらいたいものですねえ。
ということで次回からは、
おなじみ「裏・シーズンズ」を書く予定ですが、
いつもにも増して、
豊富な話題をお届けしようと思っております。
こちらも、どうぞお楽しみに。
VIVA!
5th Anniversary, jammin'Zeb!!
では、会場でお会いしましょう。
チャオ!
Produced by
SHUN MIYAZUMI
May 07, 2012
STB日記 その4(最終回)
4月15日(日)晴れ
朝9時半 ホテル・オークラ集合。
えっ、ちょっと待ってくれ…。
「STB 5Days」という、
かつてないハードなスケジュールのさなか、
しかもメンバーの疲れもピークという、
この最終日に、
もう1本仕事を入れたんかね、Y浅くん。
ううむ…。
君は鬼か…。
えっ、○○さんの喜寿のお祝いのゲストだって?
そりゃ仕方ない。
あの方には、本当にお世話になってるからねえ。
というわけで、
この日私は、
スーツを着て行ったのだった。
(え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?)
そう、私がスーツを着るのは、
本当に珍しい。
20代の頃、アルファにいた頃は、
スーツ着用の仕事もずいぶんあって、
そのために何着か持ってはいたのだが、
32才でフリーになってからは、
まず必要なくなったのだ。
そのうち、
どんどん中年太りして、
メタボ化して、
サイズが合わなくなったスーツと、
片っ端からおサラバすることになる。
それでも、
冠婚葬祭には必要なので、
一応、夏用と冬用のブラック・スーツを、
1着ずつ持ってはいるのだが、
これも最近では、
ウエストがまったくもってキツい。
息をするのもひと苦労。
ふ〜…。
食事なんかすると、
下腹が絞めつけられるようで、
これがもう苦しくてたまらない。
したがって、
よほどの事が無い限り、
なんだかんだと言い訳をしながら、
スーツ着用をゴマかしてきたのだけれど、
この日ばかりは、
私服で行く訳にもいかない。
お客さんのリストを見ても、
それはそれはVIPな人たちばかりだからだ。
その上、その後STBがある。
私はこの日、
14時間近くもスーツを着ることになる。
そんな長時間も下腹を絞めつけていると、
腸閉塞かなんかで、
救急車を呼ぶハメになるかもしれない。
ビールを飲むのもひと苦労だろう。
ましてや吉野家なんか、もってのほかだ。
……。
というわけで私は、この日のために、
「ええい!」とばかり大奮発して、
何年かぶりに、
スーツを作ったのだった。
ウェストにたっぷりとゆとりを持たせたスーツを…。
ん…?
その結果、
私は二つのことを再認識したのだった。
スーツの持つ、二つの相反する功罪についてだ。
まず、いいことは、
偉そうに見える。
おニューのスーツを着ると、
当然靴もピカピカの革靴が必要だ。
ちょっと値のはるスーツだったので、
靴も立派のを買ってしまった。
ところが、
革靴は重いし、傷がつきやすいし、
なによりも滑って転びそうになるのが恐い。
したがって、どうしても、
ゆっくりと歩く事になる。
これが人によっては、
堂々として見えるのだろうか。
さぞや貫禄のあるVIPな人なのだろうと、
錯覚を覚えさせられるのだろうか。
準備にあわただしい、
ホテル・オークラ宴会係のスタッフたちの態度が、
普段と全く違うのだ。
ホテルでの営業はたくさんやって来たけれど、
いつもは、宴会係のスタッフたちに、
「なんだろう、このオッサン?」
くらいにしか扱われない私が、
まるでVIPの一人のように、
敬意を持って扱われる。
あはははだ。
「君たち、人を見かけで判断してはいかんよ。」
と言いたい気分だった。
ただし、
そうした、
動きが緩慢になるということは、
この仕事には不向きだということも事実だ。
こうした仕事では、
あくまで我々は裏方なのだから、
場合によってはあっちこっちと、
動き回らなければならない。
悠然とはしていられないのだ。
しかし、
スーツに革靴では、
どうにもならない。
……。
さらに…、
この仕事のあと、
私たちは六本木に移動。
私とY浅ショージは、
「アマンド」で遅い昼食をとった。
もちろん私は「オムライス」。
この「オムライス」を食うのも、
ひと苦労なのだ。
あの真っ赤なケチャップが、
ま新しいスーツやYシャツに飛び散ったら、
それはもう大変ではないか。
だから、
一口一口、慎重に、顔を前に突き出して、
ゆっくりゆっくり食べるもんだから、
おそろしく時間がかかってしまった。
さらに一口食べる度に紙ナプキンで口を拭く。
テーブルの上には、いったい何枚の、
使い捨ての紙ナプキンが散在しただろう。
おそろしく不経済だ。
このように、普段食事なんか、
パッパッとすませるのが慣れている私には、
これは大変な苦労だった。
味もどんなだったか覚えていないし、
普段のように楽しめなかったのが真実だ。
さらに、
楽屋に戻ると、
朝が早かったせいか、着替えを済ませたメンバーが、
思い思いソファーに寝そべって休んでいる。
しかし私は、
このスーツ姿では、
寝そべるわけにもいかない。
普段なら床にだって平気でゴロゴロする私なのに…。
いや、まったくもって、
スーツというのは不便なもんだ、
着替えを持って来れば良かった、
とつくづく思ったのだった。
そうこうするうちに開演が迫って来た。
会場に入ると、
うわ、凄い熱気だ。
さすがに最終日ともなると、
見知ったファンのみなさんの顔、顔、顔。
その顔、顔、顔が、
なにやら珍しい物を見るかのように、
一斉に私を振り向く。
「ちょっと、あれ見て、あれ。」
「ねえねえ、あれって、もしかして…?」
そして、みなさん駆け寄って来て、
記念撮影ラッシュになった。
「すみませーん、一緒に写真撮っていいですかー。」
「こんなオヤジでいいんですかー。」
照れくさいこと、この上もなかったが、
でも悪い気はしなかったな。
こんなにモテるんだったら、
いい気分にさせてもらえるんだったら、
たまにはスーツ着てみようかなと、
真剣に思ったほどだ。
わははは。
待てよ…、
私こそ…、
人を見かけで判断させようとしてないか…?
いかんいかん…。
我に帰ろう…。
……。
そしてライブは、
おかげさまで、
大熱狂のうちに5日間の幕を閉じた。
この経験は、
またひとつ、
彼らを大きく成長させるだろう。
しかし、
私とY浅ショージは、
この日も勝利の美酒に酔うことなく、
5日間の反省会と、
早くも次ぎに向けての作戦会議だ。
日曜日は馴染みのバーがお休みなので、
この日は学芸大の「串揚げや」が舞台。
Y「今日も吉野家行ったんすか?」
M「行くわけないだろ。
こんな新調のスーツ着て、あんなとこ。」
Y「あんなとこ?
それって、ちょっと問題発言っすよ。」
M「だから今日は腹ペコよ。
ちょっとお兄さん、
串揚げじゃんじゃん持って来てよ。」
Y「吉野家へ行かなくても成功した。
ということは、
宮住さんの元担ぎも怪しいもんですね。」
お兄さーん、お酒おかわりー。」
M「それより君、ここ、ちょっと高いから、
あまり飲み過ぎないようにね。」
Y「大丈夫っす。今日は朝まで飲みましょう。」
M「今日は、今日は、ってどういうこと?
君、今週、毎日飲んでたでしょ?」
Y「自分だって、大事なライブの前に、
毎日ビール飲んでたざんしょ。
お兄さーん、もう一杯おかわりー。」
M「あのね、ビールは俺には清涼飲料水だって、
いつも言ってるでしょ。
お兄さん、こっちもおかわりー。」
Y「それはそうと、この串揚げうまいっすね。
お兄さん、もう一杯おかわりね。」
M「だろ、たまにはいいだろ。
こっちもお酒おかわりね。」
Y「いつも来るっすか?」
M「そんなことどっちだっていいだろ。
ここは俺のホームタウンなんだから。
お兄さーん、もう一杯ね。」
Y「また来ますかねー。」
M「さ、そろそろ帰るか。もう遅いからな。」
Y「明日は休みだから、もっと飲むざんす。」
M「すみませーん。お会計してくださーい。」
M「……。」
M「あのさ、君、何杯飲んだ…?」
(「STB日記」おわり)
あははは。
このシリーズはタイトルに偽り有りでしたね。
失礼致しました。
でも、素晴らしい5日間でした。
いらして下さったみなさんに、
改めて御礼申し上げます。
さて、GWも終わりましたね。
後半はお天気にも恵まれ、
さぞやみなさん、
有意義な休日を過ごされたのでしょうね。
私も、最後の2日間は、
ゆっくりさせてもらいました。
衣替えも終了しました。
ウエストが入らなくて、
捨てたパンツが何本もありました。
ん…?
さてさて、
冗談はさておき、
私たちは早くも次ぎに向けて始動しました。
6月の「リリース・パーティー」では、
「STB」とはまったく違うコンセプト、
セット・リストで臨みます。
どうぞふるってご参加下さいませ。
いろんなパッケージを、
TPOに合わせて使い分けるが、、
2012年型ジャミン・ゼブの新境地。
中盤のジャミンも、
目が離せませんよー。
というわけで、
明日は朝早く起きて、
打ち合わせで岐阜に行ってきます。
帰りに名古屋に寄って、
「味噌煮込みうどん」食おうかな…。
ねえ、ショーちゃん、
そんな時間あんの?
(こっちは何も変わらんな…)
ん……???
SHUN MIYAZUMI