April 2015

April 27, 2015

ブルックナーはお好き


いい季節になりましたね。

ようやく花粉のシーズンも終わり、
昨日は久しぶりの「駒沢ウォーク」

大勢の人が、
爽やかな休日を楽しんでいました。


ああ気持ちいい。。。

IMG_2433

GWもずっとこんな感じだといいですね。

……。


気持ちがいいので、

これまた久しぶりにブログの更新。


というわけで、

今回のお題はコレ。

『ブルックナーはお好き』


ん?

どこかで聞いた事があるような…?


そう、

フランソワーズ・サガンの小説、
『ブラームスはお好き』を文字って、

ブルックナーという作曲家と作品を、
私なりに語ってみちゃおうかな、
企画です。


ま、私のことですから、
決して堅苦しい「クラシック話」にはならない、
とは思いますので、

よろしかったらおつきあいのほどを…。



さて、昨年の9月、
長年親しんだガラ携から、
「iphone」に換えた私ですが、

おかげで私の日常には、
大きな楽しみが加わりました。


一つは写真。

そしてもう一つは、
『You Tube』でクラシックの動画を観ること。


もちろん今までだって、
パソコンで楽しむことは出来たわけですが、
そんなことを悠長にやってる時間はありません。

パソコンは仕事でフル稼働。

あとはせっせとアレンジや作曲。


まあ、これが、
ジャミンのライブやリハーサルの無い日の、
私の日常。

というか昼間の生活。

(時々サボって大リーグ観戦。)

ん…?


でもね、、、

どちらも目を使う仕事ですから、
夕方、暗くなってくると、
もうダメなんですね。

なにせ年ですから。

あははは。


だから、目がしょぼしょぼしてきたら、
その日はもう作業をあきらめ、
大好きな学芸大にぷら〜り出かける。

これもまた私の日常です。


「さ、今日は何食べようかな。」

「今日は、どこで飲もうかな。」

「でもまだ6時か、飲むにはちょっと早いな。」


そんなときは、

行きつけの「Cafe」で一服。

ぷか〜〜♡

ああ幸せ♡♡



そんなある日のこと。

お気に入り「iphone6」の「You Tube」の中に、
面白いものを見つけました。


Celibidache(チェリビダッケ)という指揮者、

ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団が演奏する、

ドヴォルザーク「交響曲第9番(新世界より)」


前回の「四日市」シリーズでも書いたように、
この曲は、中学1年のとき、
私が初めて接した本格的なクラシックの曲。

ちょうどそんな話も書いた後だったし、
こんな名前の指揮者は知らないけど、

ま、暇つぶしに見てやろうかな。


そんな軽い気持ちで、
イヤホンを付け、
動画のクリックを押した私。

♪♪♪


ミュンヘン・フィルの楽団員が立ち上がり、
万来の拍手の中、

白髪をオールバックにした、
恰幅のいい指揮者が登場する。

(ふ〜ん、これがチェリビダッケか。)


で、このチェリビなんとか。

客席に向かってロクに会釈もしない。

(なんか、怖そうな人だなあ。)


そしてゆっくりと指揮台に上がると、

ゆっくりとタクトを振り始める。


と、、、

そのテンポの遅いこと遅いこと。

(な、な、なんだこの遅さは…)


ま、いずれどこかで普通のテンポになるだろう、
と思っていても、
いっこうに遅いまま。

(これじゃあ日が暮れてしまうだろ…)


実は私、

曲の途中でテンポが揺れる演奏、
作曲家の指定より遅いテンポの演奏、

これには抵抗があります。

グルーヴ(乗り)が損なわれるからです。


私の得意分野である、
ジャズでもポップスでも、
何よりも大切なのは「Groove(グルーヴ)」です。

つい体が動いてしまうような躍動感。

グイグイと前に進んで行く疾走感。


つまり、こうした「乗り」のない音楽を、

私は好みません。

ひと言で言えば「かったるい」から。


これはクラシックだって同じだろう、

これまた私の持論です。


いくら「美しい表現だ」「新しい解釈だ」
などと、クラシックの評論家先生が言っても、

「ふん、何を言ってやがる。
 こんなに揺れたら乗れないだろ。
 作曲家が聴いたら怒るぞ。」

と、そんな演奏、そんな指揮者は、
無視してきました。


今までは。

…。


しかし、今目の前で繰り広げられてる演奏は、

どうでしょう。


私が忌み嫌ってきたタイプの演奏なのに、

なぜか無視する事が出来ないのです。


私は、イヤホンをしっかり両手で押さえ、
食い入るように、次第に、
その演奏に引き込まれていきました。


チェリビダッケか…。

もしかすると、
知らなかった私がアホウで、
実はとんでもない人なのかもしれない…。

……。


そして、その演奏を観て(聴いて)いるうちに、

私はこの人がどんな人なのか、
このテンポの遅さにはどんな意味があるのか、

分かるような気がしてきたのです。

220px-Celibidache_At_Curtis_Single

演奏を見終わると、
私はすぐに「Wikipedia」で、
このチェリビなんとかさんを検索。

いやあ私の感は、
見事に当たっておりました。

私が抱いていた、
いくつかの謎も解けました。


「ああ、やっぱりな!」


(えっ? もう時間?)


いかん。


またしても連載になってしまいそう…。


……。



(つづく)



GWか…。


毎年つぶやいておりますが、
私にとってこの時期は、
決算の時期。

みなさんが、
海外に、レジャーに、
大いに羽根を伸ばしてらっしゃるのを、
うらめしく思いながら、

書類と格闘の毎日。


いいなあ…。

しかもこのお天気。


ふん…。

(と、いじけてみる)


そういえば、

今駒沢公園で、

「肉フェス」ての、やってますよ。


お近くの方、

いかがですか?


肉、肉、肉…。


……。



SHUN MIYAZUMI

woodymiyazumi at 12:41コメント(6)トラックバック(0) 
2015 エッセイ 

April 10, 2015

四日市 その9(最終回)


中学2年になりました。


で、当然のようにクラス替えがあったのですが、
ここで奇跡が起きました。

私の生涯の大親友とも言うべき小原さんと、
またまた同じクラスになったのです。


IMG_0516

(最後列右端が私、最前列右から2番目が彼。)


以来彼と私は、
1年生のとき以上に、
いつも一緒につるんでおりました。

なにしろ、何から何まで趣味が合うために、
会話が途切れることがないのです。


私がクラシックに夢中になると、
彼もまたそれを追いかける。

「ビートルズがいいよ」と言うと、
彼もまた同じように好きになる。

好きなテレビ番組もおんなじ。

学校でのみならず、
休みの日まで一緒に映画を観に行ったり、
卓球に興じたり。。。


そして、同じように思春期を迎えると、
なんと初恋の相手まで同じでした。

もちろん、
共に淡〜いプラトニックに終わりましたが、
そんなトキメキまで共有するとは…、、、


キャーーーーーーッ!


(上の写真の中に、その憧れの君がいます。
 興味のある方は推測してみて下さい。
 むふふ…。)



そんな小原さん。


勉強だけはよく出来ましたね。

とは言っても、ガリ勉タイプではない。

授業中の集中力と記憶力が凄いのです。


夏休みの宿題なんぞは、
最初の3日間くらいでさっさと片付けて、
あとは遊びに徹する。

逆に私は、ず〜っと遊びっぱなしで、
最後の3日間で、
大慌てで宿題に取り組むタイプ。

ま、ここだけは大きな違いがありました。


そして間に合いそうになくなると、
彼が来てくれて手伝ってくれるのです。

というか、
強制的に来てもらう。

あははは。


苦手の工作などは、
全部彼に押し付けて、
私はポンカンなんぞを食う。

「小原く〜ん、出来た〜?」

「もうちょいや。
 ん? なんか、ええ匂いやなあ…?」



以来、今日に至るまで、
この友人関係は健在です。

今も彼は、
私の家から歩いて10分くらいの所に、
住んでおります。

ま、さすがにこの数年は、
忙しくてなかなか会えませんがね。


そうそう、そう言えば、

私の息子が中学生の時にも、
家庭教師をやってもらってましたね。


私が息子を学習塾に行かせなかったために、
成績がガタ落ち。。。

その穴埋めに、彼にお願いしたというわけですが、
知識の吸収にどん欲な彼は、

「おお、今時の教科書は何が書いてあるんやろ、
 興味あるなあ。
 よっしゃよっしゃ、寄越しなはれ。」

と快諾。


そして、我が息子も、
やはり夏休みの終わりになると、

「小原さ〜ん、助けて〜。」

と、手をつけていない宿題をゴッソリ持って、
彼に手伝ってもらってたようです。

特に工作は、
全部小原さんにまかせて、
横でミカンかなんかを食べてたらしい…。


血は争えませんね。

あははは。


ちなみに、そのとき我が息子は、
彼にこう言ったそうです。

「親子2代で小原さんにお世話になるなんて、
 なんか悲しいなあ〜。
 でも、ついでだから、
 僕の息子の時もよろしくお願いしま〜す。」


やはり、血は争えませんなあ〜。

あはははははははは。



あれから50年か…。


すっかりオヤジになった私は、
懐かしい思い出がいっぱいの、
2年間を過ごした中学校を訪れました。


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私が颯爽と駆け抜けていたグラウンド、、、

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しかし、校舎もすっかりリ・ニューアルされ、

当時の面影はありませんでしたね。


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でも、私の今日(こんにち)は、

ここから始まったのです。


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四日市。。。


何度も言うように、
この街で私は音楽に出会い、
60年代の、あらゆる文化のシャワーを浴び、

「人生は、なんて素晴らしい!」
という毎日を育(はぐく)んでいったのです。

そして遂には、
音楽家を志してしまった…。

……。



そんな私を後押ししてくれた、
四日市という街で、
昨年の10月、

私が心をこめてプロデュースする、
ジャミン・ゼブのコンサートがありました。


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たくさんのお客さんが、
彼らの音楽、ステージを、

心から楽しんで下さいました。


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感慨深いものがありました…。


ご存知のように、
ジャミン・ゼブの音楽を、
ひと言でジャンル分けするのは不可能です。

ジャズ、ポップス、クラシック、ラテン、
シャンソン、カンツォーネ、etc.etc.

それらがごった煮のようにミックスされ、
新しいエンターテインメントを生み出す。

それがこのプロジェクトの理念です。


少なくとも、
私はそういうコンセプトのもとに、
アレンジをしたり曲を書いたりしています。

その基盤となっているのは、
あの素晴らしい60年代と、この開放的な街、
そのおかげではないかと思っております。


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このコンサートを、

私は心のなかで、

「少しはこの街に恩返しが出来たかな…。」

そう思いながら見ておりました。


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♡♡♡


「さあ兄さん、
 ここで『玉子とじうどん』食べようや。
 美味いでえ〜、この店は。。」


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「小原さん、
 あんたもオッサンになりましたなあ〜。」

「そりゃしゃ〜ない。
 50年やからなあ。」


あはははは。


あはははははははははは。



(四日市 おわり)




いやあ、
長いシリーズになってしまいました。

今更ながら、
青春ていいもんですね。(笑)

最後までおつきあい下さいまして、
ありがとうございます。


それにしても、
ここ数日の寒さはなんでしょう。

「寒の戻り」「菜種梅雨」…。


でも、明日(11日)は、
午前中に雨は止むそうです。

『成城コルティ』での、
ジャミン・ゼブ・フリーライブ。

きっと楽しいステージになることでしょう。

たくさんのお越しを、
お待ちしております。


ではまた、

アレンジの続き…。


せっせ、せっせ、


と…。



SHUN MIYAZUMI

woodymiyazumi at 15:39コメント(10)トラックバック(0) 
2015 エッセイ