November 2015
November 22, 2015
ニュー・シネマ・パラダイス
先日、大阪の新歌舞伎座で開催された、
クラシック・ヴォーカル・ユニット
「THE VOICE」さんのコンサート。
光栄にも、我がジャミン・ゼブが、
ゲストとしてお招きをいただきました。

さあ、そこで、せっかくだから、
なにか共演しようということになり、
選ばれた曲が、
「Time To Say Goodbye」
「Cinema Paradiso」
の2曲。
共に「THE VOICE」さんの得意のレパートリーであり、
ジャミンにとっては初のイタリア語ということもあり、
「よーし、こりゃ燃えるなあ。」
とばかり、ジャミンの歌うパートを、
ハーモニーもふんだんに書き上げて、
本番に挑んだのですが、、、
なかなか素敵に仕上がったのではないかと、
ちょっと自惚れております。
むふふ。
さて、その「Cinema Paradiso」とは、
言わずと知れた「ニュー・シネマ・パラダイス」。
ジュゼッペ・トルナトーレ監督の名を、
一気に世界中に知らしめることになった、
映画史上不朽の名作ですね。
数々の「マカロニ・ウエスタン」でも知られる、
エンニオ・モリコーネさんの書いた、
美しいテーマ音楽に涙された方も、
多いのではないでしょうか。
そんなこともあって、
久しぶりにもう一度観てみようかな、
「ニュー・シネマ・パラダイス」
と、馴染みの「TSUTAYA」に行ってみたら、
こんなのを見つけてしまいました。

173分にも及ぶ、
『完全オリジナル版』!!
20数年前に観た時も、
「ああ、いい映画だなあ…。」
と感銘を受けたのですが、
そのときはおそらく、
123分の縮小版…。
いやあ、この完全版には、
もっと打ちのめされてしまいました。
かつて愛し合ったエレナとの再会、後日談、
つまり主人公トトの悲恋にスポットがあてられていて、
ゆえに、あのラスト・シーンでは、
もっと泣けるのです。
いやあ、いい大人の分際で、
またしても不覚の涙、涙。
泣いた、泣いた。。。
もしもあのとき息子が部屋に入ってきたら、
とんでもなく無様(ぶざま)な親父の姿をみて、
あきれ果てたことでしょう。
「あはは、笑えば笑え。」
さらに、この年になりますとね…、
初老になった主人公トトの心の動きもよくわかるし、
老いたトトの母親の台詞も、
ひと言ひと言がしみじみと伝わってくるんですね。
若くしてこれを制作した、
トルナトーレ監督の天才に、
改めて驚かされました。
そしてあの有名なラスト・シーン。
名画と言われる数多くのラブ・ロマンス映画の、
感動のラスト・シーンやキス・シーンを繋ぎ合わせて、
それをこの映画全体のフィナーレにしてしまう。
このアイディアだけでも天才を証明しています。
ずるいぞトルナトーレ。
そこに、エンニオ・モリコーネの、
美しい音楽がさらに追い打ちをかけるように、
観客の涙を誘う。
映画史上最も「泣ける」フィナーレ、
と言ったら、言い過ぎでしょうか。
憎(にく)いぞトルナトーレ。
まだ観たことのない方のために、
これ以上は書きませんが、
その昔観た方も含めて、
ぜひこの「完全オリジナル版」を、
私はお薦めします。
映画が好きで好きでたまらない、
少年トト。
か…。
そういえば、私の少年時代もそうでしたね…。
かつてこのブログにも書きましたが、
子供の頃、私は「東映時代劇」の大ファンでした。
近くの映画館に、
新しい映画がかかると、
父にせがんで連れて行ってもらう。

市川歌右衛門…。

大川橋蔵、美空ひばり、大友柳太朗…。

片岡千恵蔵、中村錦之助、月形龍之介…。
そのうち父もかまってくれなくなりましたが、
それでも私は一人で物欲しそうに、
映画館の前をウロウロ。
するとすっかり馴染みとなった映画館のおじさんが、
「いいよ坊や、入んなよ。」
と、タダで観せてくれるようになりました。
まるでアルフレードとトトの関係ですか。(笑)
私が小学校1年から3年、すなわち、
昭和33年から35年くらいまでの東映時代劇は、
ほとんど観てるんじゃないでしょうかね。
しかもタダで。
あははは。
いい時代でした。。。
ポカ〜ンと口をあけて、
ひたすら銀幕を観るトトを見て、
そんな幼い自分を投影しておりました。
投影時代劇。
(いや、これはおそまつ!)
それにしても、
若い頃観て感動した映画も、
年をとってから観てみると、
また違った良さを発見できるんですね。
ここんとこ新作ばかり観てる私ですが、
来年はもっと旧作も観なくては、
ですね…。
そして、改めて思ったのは、
映画における音楽の重要性。
これもかつて「私と映画音楽」という連載で、
熱く語ったことがありましたが、
もしこの「ニュー・シネマ・パラダイス」の音楽が、
ただの普通の曲だったら、
あんなに感動したでしょうか。
あんなに泣けたでしょうか。
スピルバーグが「E.T.」の試写会で、
こう語ったことがあります。
「音楽がまだ入っていない試写では、
誰も泣かなかったが、
ジョン(ウィリアムス)の音楽が入って、
もう一度見せたら、
みんな泣いた。
音楽の力は偉大だ。」
うんうん。
わかるわかる。
今度「泣ける」映画音楽ベストテンでも、
やってみましょうかね。
……。
(おわり)
この「ニュー・シネマ・パラダイス」のテーマ。
そのうちジャミン単独でも、
やってみようかな、
なんて秘かに思っております。
なんでもハモれるところが、
このチームの面白いところですからね。
ま、期待せずに待っていて下さい。
さて今週は学芸大「A'TRAIN」ライブ!
前回もご案内しましたが、
週末が鶴岡遠征なので、
11月25日(水)の変則開催になります。
お間違えになりませぬように。
またまたタノシミマショーね。。。
それにしても、
ぐっと寒くなってきましたね。
ぶるぶる…。
……。
SHUN MIYAZUMI