September 2016
September 05, 2016
トゥーツ・シールマンス
みなさん、
残暑お見舞い申し上げます。
て、今年の残暑は、
ちょっと凄いですね〜。
東京はここんとこ、
季節外れとも言うべき、
猛暑、猛暑に見舞われております。
例年、甲子園の高校野球が終わると、
なんとなく秋の気配が訪れるのですが、
今年は逆ですね。
どちらかというと、
7月、8月がさほどでもなく、
甲子園が終わってからの今がまさに、
「夏本番」といった感じですか…。
どうなってんの〜?
ふ〜…。。。
と、そんな中、今日は、
気分だけでも、一足先に、
秋を先取り。
そう、これを聴いたら、
いっぺんに秋のムード。
都会的で、お洒落で、大人で、
美味しいワインなんか飲みたくなる。
そんな素敵なアルバムを、
ご紹介したいと思います。
Quincy Jones『You've Got It Bad,Girl』

クインシー・ジョーンズと言えば、
後にマイケル・ジャクソン全盛時に、
そのプロデューサーとして名を馳せましたが、
実は50年代から、
ジャズの世界では超有名な存在。
そして、1970年代を中心に、
数々のリーダー・アルバムの名盤を、
次から次に発表して世界中から絶賛を浴びた、
偉大なコンポーザー、アレンジャー、
そしてプロデューサー。
1969年『Walking In Space』
1971年『Smackwater Jack』
1974年『Body Heat』
1975年『Mellow Madness』
1978年『Sounds…And Stuff Like That !!』
などなど、
ジャズ&フュージョンの先駆者として、
歴史的快挙(最近この言葉連発…。笑)
ともいえる素晴らしくクォリティの高い、
これらのアルバム群は、
同時期における、
スティービー・ワンダー、スティーリー・ダン
の数々の作品と共に、
『ジャズ&フュージョンの殿堂入り』
間違いなしの名盤揃いです。
ま、そんなもんがあればの話ですが…。
(ん…?)
いやあ、私も学生の頃から、
それこそレコードの針が擦り切れるくらい、
聴いたもんです。

なかでもとりわけお気に入りだったのが、
1973年に発売された、この、
『You've Got It Bad,Girl』
そして、
このアルバムを初めて聴いたとき、
私は一人のハーモニカ・プレイヤーの演奏に、
心打たれたのと同時に、
大変な衝撃を受けたのでした。
それが、
つい先日、8月22日に他界した、
トゥーツ・シールマンス(Toots Thielemans)氏。
それまで、
学校の音楽の時間でしか接することのなかった、
「ハーモニカ」という小さな小さな楽器が、
こんなにも切ない音色で、
こんなにも、
レベルの高い音楽を奏でることが可能な、
素晴らしい楽器であることを、
衝撃と共に教えられたのでした。
94才。
見事なまでの音楽人生でしたね。
大拍手を贈りたいと思います。
ぱちぱちぱちぱち。
そんな彼の代表作は、
あの『Bluesette(ブルーゼット)』
なのでしょうが、
私はこのクインシーのアルバムに収められた、
彼の珠玉のようなハーモニカ演奏もまた、
永遠に語り継がれるべき名演の数々と、
心から推奨したいと思うのです。
どうでしょう。
秋の夜長に。
お酒が美味しくなること請け合いですよ。
えっ?
もう聴いた?
他にお薦めはないの?
ですって?
では、もう1枚。
これまた、
知的でロマンティックなピアニストとして、
今だに世界中で愛され続けている、
今は亡き、ビル・エヴァンスと共演した、
『AFFINITY』というアルバム。
これぞまさしくインタープレイ。
2人の名人のすさまじいまでの内面の葛藤が、
みごとにぶつかり合った大傑作。

というわけで私もこの秋は、
ジャズを通して、
ハーモニカという楽器を、
芸術の域にまで高めた、
この偉大なトゥーツ・シールマンス氏のプレイに、
再び耳を傾けてみようかな、
などと思っております。
みなさんもぜひ。
さて、最後になりますが、
そんな偉大なトゥーツ氏にお褒めをいただき、
氏の生涯で2度も雑誌で対談したのが、
ジャミン・ゼブのライブやCDでもお馴染み、
西脇辰弥くん。

やはり彼も本物だったようですね。
まさにトゥーツ氏の後継者。
彼のブログには、
そのときの対談の内容も、
詳しく掲載されてるようなので、
これもよろしかったらご覧になって下さい。

(西脇、若いな〜。笑)
というわけで、
この10月7、8、9に予定されている、
ジャミン・ゼブ『半蔵門オータム・セッション』
久しぶりに、
『Bluesette(ブルーゼット)』やってみようかな、
なんて思っております。
偉大なトゥーツ氏を偲んで…。
な〜んて、ちょっとおこがましいかな…。
本当はワルツなのにボサにしちゃったけど…。
お許しくださいませ、
トゥーツさま。
合掌…。
SHUN MIYAZUMI