July 2024

July 21, 2024

シャンソンと私


岡山に行って来ました。

「パリ祭」という大きなイベントに、
ジャミン・ゼブが出演。

想像以上に華やかな立派なステージで、
初参加の彼らも大いに楽しんでいたようです。

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出演者は、
ゲストの中西圭三さん、Lugs&Jeraさん、
そしてジャミンを除けば、
ほとんどがシャンソン歌手の皆さん。

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ジャミンはフランスゆかりということで、
「ラストダンスは私に」と「そして今は」を、
歌いました。

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シャンソンと言えば、、、

遠い遥か昔、
私が大学3年生か4年生だった頃、

銀座は泰明小学校の真ん前にあった、
「ボヌール」というシャンソンのお店で、
2ヶ月ほどピアノを弾いていたことがあります。

店の入り口には、
ピエロに扮した道化師の方が立っていて、
いかにもフランスのムードをかもしだしていましたね。


その頃の私は、
とにかくジャズ・ピアニストになりたくて、

昼間はジャズの勉強と練習に明け暮れ、
夜は六本木や赤坂のジャズクラブに行っては、
ピアノを弾かせてもらうという、

およそ学生にはあるまじき生活を送っていました。(笑)


そんなある日、
先輩のミュージシャンの方から、
「シュン、銀座のボヌールって店が、
 ピアノ探してるよ。やってみないか?」
という話がありました。

「ジャズ出来るんですか?」
「もちろんだよ。」
「じゃあやります!」

と2つ返事で引き受けて、
意気揚々と行ってみたら、
何とそこは、
「シャンソン」のお店。。。

(話が違う…)


ピアノトリオとサックスというカルテットで、
一応各ステージの最初の1曲だけは、
スタンダード・ジャズが出来るものの、
それ以外は全部シャンソンの歌の伴奏です。

毎日日替わりで、
いろんなシャンソン歌手の皆さんがやって来て、
「はい、今日これやるからよろしく」
と譜面を渡される。

しかもリハーサルなど無く、
いきなりぶっつけ本番。

(そんな…)


それまで、
シャンソンなんかまともに聴いたこともなく、
したがって、まるで知らない曲を、
いきなり伴奏しなくてはならない。

コード・ネームが書いてある譜面ならいざ知らず、
中にはお玉杓子だけが書いてある譜面もあります。

磯部ぎょうたろうさんという、
(すみません漢字忘れました)
シャルル・アズナブールそっくりに歌う方などは、
(この人、本当にお上手でした)

コードの書いてない譜面の上に、
アッチェル、リタルダンド、静止、
とまあ、テンポなどお構いなしに、
自由奔放に歌うもんだから、
ついていくのが精一杯で、
毎回冷や汗の連続でしたね。。。


他にも、
仲代圭吾さん(仲代達矢さんの弟さん)とか、
村上進さんとか、
当時の日本のシャンソン界では有名な人たちも来て、
それはそれは、毎日が大変でした。

でもおかげで私は、
譜面に強くなりましたかね。(笑)


そうこうするうちに、
シャンソンの素晴らしさもわかるようになり、

私の音楽形成にも、
間違いなくプラスになったし、
今ではあの経験が有り難かったかなとも思います。


「パリ祭」に出演された、
たくさんの歌手の皆さんが歌う、
シャンソンの数々の名曲を聴きながら、

そんな青春時代を、
懐かしく思い出しておりました。

……。。。



というわけで、
たまには皆さんんも、
パリのムードに浸ってみてはいかがでしょう。(笑)


ここに紹介するのは、
私が最も敬愛するジャズ・ピアニスト、
エロール・ガーナーの、
『Paris Impressions』(パリの印象)
という2枚組のアルバムです。

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「ミスティ」という曲で有名なエロール・ガーナーは、
当初アメリカでは、評論家たちから、
「あんなのはジャズではない!カクテル・ピアノだ!」
と酷評されたそうです。

すっかり意気消沈した彼は、
パリに渡り演奏活動を始めた。

ところが、
芸術に造詣の深いパリの聴衆は、
彼の素晴らしさをいち早く認め、
それが本国アメリカにも伝わり、
大成功に至ったそうです。


このアルバムは、
フランス、パリに感謝を込めて、
全てシャンソンの曲を彼独自のスタイルで弾いた、
素晴らしいアルバムです。

各面の最後には、
ハープシコード(チェンバロ)を弾いており、
それがフランス映画でよく見る、
夜のパリの街角を連想させてくれて、
何とも官能的です。

フランスには行ったことありませんが…。(笑)

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CD化されてるといいのですが。

……。。。



いやあ、それにしても暑い!!!

熱中症にはくれぐれも気をつけましょう!!!

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涼しそうですね、ワンコ。


(笑)


……。



SHUN MIYAZUMI

woodymiyazumi at 17:06コメント(3) 
2024 エッセイ 

July 03, 2024

7/31代官山のご案内&初物づくし


7月になりました。

今年ももう半分が終わったんですね。
時の経つのが早すぎます。

特に、この半年があまりに劇的でしたから、
今年は余計にそう感じますね。

ふ〜…。。。


でも私、夏は嫌いじゃないです。

何となく開放的だし、
高校野球もあるし、
何よりも、、、

冷やし中華が美味しいから。(笑)

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もう2回も食べました。

この夏あと10回は食べたいな。(笑)


さて今日は、

ギタリスト渡辺香津美さんのお話を書こうと思います。


と、その前に、

次回の「代官山レザール」(7/31)のご案内です!

今回も盛り上がるといいですね。

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

詳細はいつもと同じです。

(駅からレザールまでの道順は、
10/19のブログに写真ともども詳しく紹介してあります。
↓こちらを参考になさって下さい。)
http://blog.livedoor.jp/woodymiyazumi/archives/52473451.html


代官山『Lezard(レザール)』
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1)日時:7月31日(水)

2)時間:19時オープン
     19時半〜22時半くらい(2ステージ)

3)料金:4000円ポッキリ
 (ワイン飲み放題。
  それ以外のアルコールやソフトドリンクもあります。
  フルーツやサンドイッチやお寿司など、
  テーブルに提供されたお料理も食べ放題。
  ミュージック・チャージ込み。)

4)出演:宮住俊介(ピアノ)
     エディ河野(ベース)
     金井塚秀洋(ドラム)

5)完全予約制


ということで、
今回も私の方で全てのご予約を承ります。

こちらの専用メールアドレスをタップ(クリック)して、
代表者名及びお申し込み人数をお知らせ下さい。

7月4日(木)18時より受付開始とさせて頂きます!


< ↓ お申し込み受付専用メールアドレス>

miyazumilive@shun-co.com

お時間の許す方、
ぜひいらして下さい。

ご一緒に楽しみましょう!

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪


さて、日本を代表するジャズ・ギタリスト、
渡辺香津美(かづみ)さんが、
脳幹出血で倒れ、
アーティスト活動を休止すると言うニュースを聞いて、
びっくりしました。

その後の情報が何もないので、
本当に心配ですが、
何とか無事に回復されるのを祈るばかりです。


あれは、1977年、だったでしょうか。。。

私は彼と、
1枚アルバムを作ったことがあります。

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『マーメイド・ブールヴァード
 香津美・アンド・ジェントル・ソウツ』

というアルバムで、
日本のフュージョン・ミュージックの、
先駆けとなったアルバムです。


参加ミュージシャンが凄く、

リー・リトナー(G)
アーニー・ワッツ(Sax)
パトリース・ラッシェン(Key)
アンソニー・ジャクソン(B)
ハービー・メイソン(D)
スティーブ・フォアマン(Per)
etc.

当時流行していた
フュージョン・ミュージック界の先端を走る、
世界的プレイヤーをごっそりと集めた、
夢のようなアルバムでした。

これが、新生アルファ・レコードの、
第一弾となったわけですが、
まさにアルファにしか出来ない企画でしたね。


レコーディングは、
「リー・リトナー&ジェントル・ソウツ」
の来日に合わせて、
東京のアルファのスタジオで行われたのですが、

まずは彼らと、
コミュニケーションを図ろうということから、
私と香津美は二人でロサンゼルスに飛びました。

これが私の、
初の海外出張でした。

並行して制作していた、
べナード・アイグナーのレコーディングも、
ロスで行う予定があったので、
一石二鳥というわけですね。

ちなみに、こっちは私の、
初の海外レコーディング。

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ベッドルームが3つくらいある、
ペントハウスのようなホテルで、
毎日食事も一緒にしながら、
いろんな話をしましたねえ。

驚いたのは、
食事をする時と、寝る時と、シャワーの時、
以外はずーっとギターの練習をするんですね。

常に指を動かしている。。。


ある時私は、こう聞きました。

「そんなに上手いのに、何でそんなに練習するの?」

すると彼はこう答えました。

「このテクニックを維持するのが大変なんだよ。」


イチロー選手も同じようなことを言ってましたね。

「私は天才ではない。
 でも、人並み以上に練習ができるのを天才と言うなら、
 そうかもしれない。」


香津美は確か、
私より2才年下だったように思いますが、
「大したやつだなあ…。」
と感心した覚えがあります。


超スーパースターのリー・リトナーとも、
ばっちりコミュニケーションが取れたし、

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何とか頼み込んで、彼らのライブに、
飛び入りで演奏させてもらうことにも、
成功しました。

「Baked Potato」という、
小さなライブハウスでしたが、
熱気ムンムンのすごいセッションでしたね。

世界最高峰のフュージョンがここにありました!

巨大なジャガイモにもびっくりしましたが。。。

(そんなことはどうでもいい?)

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オフには、
もちろん「ディズニーランド」に初めて行きました。

「東京ディズニーランド」が1983年開業ですから、
本家に先に行けたのはラッキー!

向かって右は、
当時アルファのロス駐在員だった、
エンジニアの小池君。
(通称カルロス。笑)

カルロス元気かなあ…。

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こうして、戻った私たちは、
「ジェントル・ソウツ」の空いてる日を狙って、
たった1日でこのアルバムを作り上げました。

日本のミュージシャンも、
世界に通用する日が来たんだなあ、
と感慨深いものがありました。

そして、当時のジャズ、フュージョン界では破格の、
10万枚を超える大ヒットになりました!

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ちなみに、前にも言いましたが、
このアルバムは確か、
「ALFAー0001」
みたいなレコード番号だったと記憶しております。

「アルファ・レコードの第一弾は私が作ったんだ!」

これは私のささやかな自慢の一つですかね。(笑)


発売は1978年だったようですが、

ジャミン・ゼブのメンバーや私の息子は、

まだ誰も生まれてませんね。(笑)


今回は、何から何まで「初物づくし」。

そんなお話でした。


香津美君が順調に回復して、

またあの素晴らしいプレイが聴ける日を、

心から待っています。

……。



それにしても毎日蒸し暑いですね。

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こんなワンコがうらやましいです。


あははは。


(ん…?)


……。。。



SHUN MIYAZUMI


woodymiyazumi at 17:03コメント(4) 
2024 エッセイ